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まちは人と和でできている

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

いいまちづくり、コミュニティづくりって、どういうものだろう。

ときにはイベントやワークショップが、何らかの気づきやきっかけを生むこともある。

けれども本質的には、日常のなかで自然と育まれ、継続していけるものこそ、いいまちでありコミュニティなのだと思います。

今よりもっといい社会のために。株式会社HITOTOWAは、エリアマネジメントやマンションコミュニティづくり、CSR・CSVコンサルティングなどの領域で「人」と向き合い続けてきました。

2010年の立ち上げから7年が経ち、正社員は9名。業務委託やアルバイトを含めるとおよそ20名、さらにプロボノ・インターンを含めれば30名超のチームに。

大手デベロッパーとの連携や自社開発プログラムの普及、さらには全国や海外への事業展開など、会社の規模から考えても、大きなことに挑戦しているように見えます。

ただ、その陰にはいくつもの地道なステップもあります。古くからの自治会やマンションの新規入居者など、同じ地域コミュニティに関わる多様な人同士の接点をつくったり、アンケートや聞き取りをもとにした定量的な分析を行ったり。

こうした一つひとつの取り組みが、HITOTOWAならではの手触りのあるまちづくり、コミュニティづくりを実現しているのかもしれません。

そんな仕事に挑戦したいと思う方は、ぜひ新たなメンバーとして加わってください。HITOTOWAのネイバーフッドデザイナーを募集します。


向かったのは、東急目黒線の武蔵小山駅から歩いて5分ほどに位置する白いアパート。1階の広々としたカフェを横目に、階段で3階まであがる。

迎えてくれたのは、代表の荒さん。

「今回の採用に至る経緯としては、サッカーが好きなので、正社員11人を目指して。9人だとキリがわるいので(笑)」

落ち着いた口調のなかで冗談も交えながら話す、気さくな方だ。

「理由のひとつは、ありがたいことに仕事をたくさんいただいているなかで、それに応えていくため。それともうひとつは、ぼくらのミッションである“都市の社会課題を解決する”ためのプロジェクトを、自ら提案してつくっていく力をつけたいんです」

HITOTOWAが取り組む社会課題とは、子育てや防災減災、福祉や環境問題など多岐にわたる。

それぞれの課題は一見バラバラなようにも思えるけれど、実は一本の軸を通すことができる。それが、近くに住む人々の信頼関係をつくり、さまざまな課題を解決していくネイバーフッドデザインという考え方だ。

具体的には、デベロッパーへのコンサルティングや人々が集うコミュニティスペースの企画運営、マンション・地域の住民組織の立ち上げと伴走支援、サッカー防災ゲームなどを通して、地域における助け合いの意識醸成、関係性づくりを進めていく。

今回は、このネイバーフッドデザインに関わる人の募集となる。

「HITOTOWAのいいところって、大きく目指してるところはみんな近いんですけど、それぞれのメンバーに強み弱みの多様性があるところです。そういったメンバーと一緒にやれるのはすごく楽しいですね」

裁量労働制のため、勤務時間の縛りはなく、在宅で働く日をつくっている人もいる。

働き方も専門分野も異なる個性的なメンバーが在籍しているようだ。


荒さんは、そのうちのひとりである津村さんを紹介してくれた。

リクルートで営業や企画を9年担当し、今年の春にHITOTOWAに入社した方。

「うちの会社、おもろい人が多いんですよね。それぞれ自分にない強みを持ってるし、みんな志が高くて。なんのために仕事しているのかが明確な人ばかりなので、刺激になりますね」

荒さんと出会うきっかけとなったのは、Jリーグが主宰するビジネススクール「SHC」だった。

「経営が学びたかったのと、サッカーが好きだったのもあって、一期生として通っていたんです。そこに荒さんもいて」

卒業後、あらためて荒さんと話す機会などもあり、HITOTOWAへの転職を決めたんだそう。

「HITOTOWAは、社会的に価値の高いことに取り組みながら、事業性を確立しつつあって。それがぼくのなかでは新しく感じられました」

社会的価値の高い取り組みに挑戦するだけでなく、大手企業や自治体を巻き込みながら事業の枠組みをつくってきたのは、たしかにHITOTOWAの強みだと思う。

また、別の理由もあるという。

「もともとサッカーをやっていて。今までで一番印象に残ってるゴールは何?って聞かれたときに、かっこいいシュートを決めたとか、ドリブルで何人も抜いたとかではなく、ゴールを決めて振り返ったときの、チームメイトの笑顔を思い出したんですよ」

「以前から地域活性化やパブリックな仕事に興味はありましたけど、ぼくは地域のために何かしたいというよりも、自分の周りの人たちを笑顔にしたいという気持ちが強いのかもしれません」

こうした津村さんの経験は、HITOTOWAに入ってからも活かされている。

津村さんがコミュニティ運営を担当する東京・西新宿のタワーマンションでは、自然・多様性・防災減災の3つをテーマに、2020年までに60回のイベントを開催する計画が進んでいる。

「ぼくが担当した回は、いずれも熊野神社のお祭りに関連したプログラムを組みました。地域の方にも運営に入っていただいて、新規入居者向けにお祭りのレクチャーをしてもらい、当日は一緒にお神輿を担ぐっていう内容で」

お祭りとなると、地域の人も思い入れがあるから、とっつきづらく見えてしまいがち。

だからこそ、第三者的立場でコーディネートする存在が大事になってくる。

「まちづくりって、ハード面ができれば終わりじゃない。そこにどんな人が住み、どんなことを語らいながらつくっていくか、だと思うんです」

「西新宿の再開発は、当初の話から27年かかってるんですよね。当然、竣工までに退職された方もいらして。そういう方々の想いを紡いで、ようやくスタートラインに立った瞬間は、すごく意義深い仕事だなって感じます」

地域住民や新規入居者、マンション管理組合や管理会社、デベロッパーなどといった、さまざまな立場の人を橋渡しする。関わる人が増えるほど難しくもなるだろうけど、顔の見える関係性を築き、それが実ったときの喜びは大きいのだろうな。

また、サッカー・フットサルと防災を掛け合わせた「social football COLO」というプロジェクトでは、津村さんが中心となって企画運営を進めている。

「防災のプログラムって、真面目にやるほどマニアな方ばかりになって、学びは深くなるけれど対象人数は減っていくところが課題で。親子世代にも楽しんでもらいながら本質的な学びを得られる、ディフェンス・アクションというワークショップを開発して行なっています」

たとえば、山手線ゲームのように防災備蓄品の名前を言いながら対面パスをする「パス・ストック」だったり、ボールを蹴ってクイズの答えだと思うピンを倒す「colo colo ボーリング」だったり。運動が得意でなくても、楽しく参加できるようなメニューが10種類程度あるという。
これを入り口に、さらに深く知りたいという人に対しては「よき避難者ワークショップ」を開催。今後、同様のプログラムを日本全国やアジア圏へ展開することも考えている。

「避難訓練や防災教育のイノベーションを目指していて。将来的には、ぼくらがやらなくても、各地でクオリティが担保されたワークショップができる体制づくりを進めています。そういった仕組みづくり、事業構想に興味がある人に今回来てもらいたいですね」


最後に話を聞いたのは、同じくネイバーフッドデザインを手がける西郷さん。

高校生のとき、ベトナムのストリートチルドレンの問題に直面したのがきっかけで、社会課題の解決を考えるように。

NPOを立ち上げたり、働きながら大学院で学んだり。経歴だけを聞くと、かなりアグレッシブな印象を受ける。

「そのときは、前しか見ていなかったんだと思います。ははは(笑)!」

なぜHITOTOWAへ?

「最初に入社したデベロッパーの会社で荒さんと一緒だったんです。荒さんは当時CSR担当で。研修のときの話を聞いて『この人の言っていること、すごくわかる!』と思ったんですね」

その後、西郷さんは日本財団に転職。虐待を受けた子どもたちの支援に携わるなかで、荒さんと何度か話す機会があったという。

「話すうちに、家庭が社会に開かれないと虐待の問題は解決しないと思うようになって。この会社でなら、家庭を支える地域やコミュニティに関わりつつ、自分の力を活かせると思ったんです」

現在は、横浜市の地域拠点施設の運営や、日本財団が主催するソーシャルイノベーションフォーラムの企画運営などを担当。

そのなかでも、新川崎で担当している賃貸マンションのコミュニティづくりについて話してくれた。

「比較的生活水準も高く、幸せそうなファミリー層が多く住んでいらっしゃるんです。でも、本当はみなさん日々どんな風に感じて暮らしているのかな?っていう実態を調べたくて」

そこで、アンケート調査を実施。「地域に子育ての相談ができる人はいますか?」という項目に対して、3分の1の人は「誰もいない」と答えたことがわかった。

「引っ越してきた方にとって、身近に相談できる相手がいないなか、子育てをするというのは実は大きな課題です。イベントは楽しそうに参加してくださるんですけど、もっとちゃんと話を聞いてあげたら、『相談できる仲間がほしい』とか『しんどいです』って話も出てくるんだろうなって」

それ以来、楽しいイベントと必ずセットで、交流や対話の時間を設けるようにしているという。

「実は、アンケートや第三者評価を今後の重要なファクターにしていきたくて」と荒さん。

「コミュニティってなんとなくいいよねとか、参加者、あるいは運営側だけがいいって感じるとか。捉えどころのなかったものをなるべく効果測定していきたいと思っています」

西郷さんが学んできた課題解決に資する評価の考え方は、こうした捉えどころのないものを可視化したり、事業を検証するために必要なもの。

そして津村さんの事業構想力は、ふわっとしてしまいがちなまちづくり、コミュニティづくりの仕事に継続性をもたらしている。

「新しく入る方は、まずはこのふたりについてもらうことになります。ふたりとも十分なマネジメント経験があるので、そこは自信を持って迎えられるのもポイントですね」

そんなおふたりに、どんな方と働きたいか聞きました。

まずは津村さん。

「ひとつのことをみんなで目指していくなかで、そこには上下関係はないはずだから。対等な立場で、言いたいことは言い合える人と働きたいなと思います」

続いて、西郷さん。

「吸収力がある、まっすぐな人。最初は時間がかかってもいいので、愚直に取り組んでくれる人に来てほしいです」

助け合ったり、学び合ったり。そんな価値観が今よりもっと当たり前になる世の中に向けて、HITOTOWAは歩み続けています。

(2017/11/16 取材 中川晃輔)

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