求人 NEW

東京から一番近い里山で
1300年続く伝統技術と
最先端の「紙」づくり

東京都心から電車で70分。

「東京に一番近い里山」とも言われる埼玉県比企(ひき)郡にある小川町は、埼玉県内で最も移住相談の多いまちだそうです。

アクセスの良さと自然の豊かさが両立する小川町で、地場産業として知られているのが、1300年前から続く和紙づくり。

伝統的な紙漉きの技術を活かしながら、自動車部品など工業製品向けの特殊機能紙を生み出しているのが、セキネシール工業株式会社です。

今回は、法人営業を担当するスタッフを募集します。

技術面など覚えるべき知識は多いものの、基本的に需要は安定していて、残業も少なく、落ち着いて仕事に取り組むことができる環境。

将来的には、市場のニーズをもとに新たな製品を企画したり、オープンファクトリーのようなBtoC事業にも挑戦したりと、さまざまな可能性も広がっています。

首都圏から近いエリアへの移住を考えている人や、社員全員の顔が見える規模の会社でさまざまな仕事に取り組みたいという人に。

仕事でもプライベートでも、理想のライフスタイルを実現できる環境があるかもしれません。

 

東武東上線の小川町駅は、池袋から急行で70分、観光地として知られる川越からは40分ほどの距離にある。朝の下り電車に乗っていると、学生が多い印象だ。

小川駅で降りると、駅の目の前は商店街。人通りはそう多くないものの、ちゃんと営みが残っている雰囲気を感じる。

駅からバスに乗り10分弱、民家と畑に囲まれたバス停で降りる。

里山の風景を眺めながら少し歩くと、線路に隣接したセキネシール工業の本社に到着する。

2階の会議室で話を聞いたのは、代表の関根さん。自動車部品メーカーや採用支援会社など、大手企業で経験を積んだのちに入社し、昨年お父さんより代表を引き継いだ。

「ここは営業と技術スタッフの拠点です。工場は、同じ町内でも車で15分ほど離れた場所にあるんですよ」

小川町の和紙づくりは、1300年前の奈良時代、朝鮮半島から移り住んだ人々によってはじまった。

はじめは写経のための紙、江戸時代になると商人の帳簿、そして戦時中には弾薬を包む紙。

水がきれいで冷たい紙漉きに適した環境と、江戸・東京への利便性をあわせもつ小川町の紙づくりは、歴史のながれとともに成長してきた。

代々、農業のかたわら、和紙製造を営んでいた関根さんの祖先。本格的に会社化したのは、お祖父さんの代だという。

「戦後、家族を養うために、新たな仕事を開拓する必要があったんです。祖父が目をつけたのが、自動車のガスケットでした」

ガスケットとは、液体や気体の漏れを防止するために、エンジン部品のつなぎ目に挟むシール材のこと。水筒の蓋裏につけるパッキンと役割は同じだ。

当時のガスケットは、アメリカからの輸入品が主流。

戦後の不安定な情勢のなか、国産材料でそれを形にできないかと試行錯誤し、日本で初めて国産パルプのガスケットを開発したのが、約80年前のこと。

紙漉きの技術をベースに、パルプと呼ばれる繊維の中に鉱物やゴムなどを練り込み、耐熱性や柔軟性などを持たせた。

高度経済成長期でどんどん需要が伸び、国内トップシェアを誇る製品もある。

「一度採用されれば、モデルチェンジがない限りは使われ続ける。今も国内すべての自動車メーカーさんで、いずれかの部品で採用いただいています」

エンジンを必要としない電気自動車の普及なども相まって、ガスケットの需要は緩やかに減っているものの、バスや農業機械、建設機械ではまだまだニーズがある。

ただ、今のうちから第二第三の柱をつくっていこうとしているフェーズだそう。

「さまざまな材料を活かして、お客さまや市場が求める機能を持つ紙をつくってきました。これからも、お客さまの課題を解決できるような紙を開発していけば、いろんなところで使われていく可能性がある。どんどん会社が成長して、世の中を変えていけるように、頑張っているところです」

今年は展示会に出展し、今まで関わりのなかった医療業界や、電気・水素自動車の部品としても検討されつつある。

「それと最近、初めてBtoCの商品を開発したんですよ」

そう言って関根さんが部屋の隅から持ってきてくれたのが、廃材から生まれたゴミ箱。

紙を筒状にし、ビニール袋を取り付けて、そこにもう一つ筒を被せる。それだけのシンプルなつくりだけれど、袋が隠れるスタイリッシュな見た目になる。

「紙なので変形できて、洗濯機の横のような狭いスペースに置くこともできる。カレンダーみたいに丸められるから、配送効率もすごくいい。環境に配慮した製品として、売り出してけたらと思っています」

「それと、今後やろうとしているのがオープンファクトリーです。地域のほかの事業者と一緒に工場をオープンして、技術を見てもらう。一般の方向けの活動にも取り組むことで、BtoBの認知もさらに増やしていきたいですね」

長年の主力事業は、普段の生活では目に見えない部品ばかり。

表に出る商品や取り組みがあることで、社員のやりがいをより高めることにもつながるのでは、と関根さんは考えている。

「自分たちで自分たちをいそがしくしている、とも言えるんですけどね」

「一から何かを生み出していく仕事を、この里山のなかでできる会社は、関東圏内ではそう多くないと思います。大手でもなく、社員50人の手触り感のある規模というのも、手応えを感じやすいんじゃないかな」

 

今回募集する法人営業のスタッフが所属するのは「営業技術部門」という、営業と技術開発のメンバーが所属するチーム。より近い距離で製品開発などに取り組めるようにと、4年前からこの形になった。

営業として入社11年目になるのが、大塚さん。今回入る人は大塚さんのもとで仕事を覚えていく。

「出身は隣町の東松山です。都内の出版印刷の会社で働いていたんですが、結婚を機に地元に帰ってきました。ただ、こっちで最初に入った会社は残業や休日出勤がかなり多くて。家族との時間をしっかり持てる会社に移りたいと考えていたとき、セキネシール工業に出会いました」

こちらは働きやすいですか?

「そう思いますね。年間休日も多いですし、残業をするのは本当に必要なときだけで、基本的に定時で終わりましょうという方針です」

ずっと営業職として働いてきた大塚さんから見て、セキネシール工業の営業は、どんなところが特徴的なのだろう。

「お客さまのニーズを聞いて、それを形にして納めるまでの橋渡しをしていく。いわゆる営業の仕事としては、ほかと大きな違いはないですね」

「長く続く案件が多いので、決まったお客さんを回ることが多いです。社内の他部署もそうですし、お客さまである協力工場さんやその先のお客さままで、いろんな人とコミュニケーションをとる機会がとても多いのは刺激になりますね」

主な取引先である自動車部品の加工メーカーは、北海道から九州まで取引がある。1〜2ヶ月に一度は出張もあるそう。

「製品のことや製造方法、お客さまの会社の歴史や特徴まで、覚えることは非常に多いです。1年目はまずいろいろ経験してほしいですね。それをもとに知識も増えていくと思うので。最初から全部完璧にしようと思わなくて大丈夫です」

普段は、お客さんへの訪問のほか、ホームページからの問い合わせや見積もり依頼に対応したり、社内で新規事業開発について話し合ったり。

大塚さんの提案で最近開発された新製品が、「難燃ガスケット材」。エンジン部品に限らず、電気自動車のバッテリー周りにも使用できる製品だ。

「バッテリーの発火事故ってよくニュースになるじゃないですか。自動車でもしそんなことが起きたら大惨事になってしまう。今後、こういう素材が求められるだろうと、技術メンバーに依頼して難燃効果の高い製品を開発してもらいました」

結果的に、この製品は特許を出願。展示会でお客さんにも興味を持ってもらい、大規模な案件にもつながりつつある。

自分の提案から生まれた商品を自分で売っていく、という一連の流れを動かせるのは、この規模の会社だからこそだと思う。

 

「ここは、個性が許容される会社だなと思います」と話すのは、入社2年目の技術スタッフの友加里さん。

「ラフな雰囲気の方もいれば、真面目でおとなしめな方もいる。新しく入る方とわたしはフラットな関係性になると思うので、どんな方が来てくださってもいい刺激になるだろうなと思っています」

関西出身で、学生時代は木材を研究。ベンチャー企業の研究職を経てセキネシール工業に入社し、新製品の開発や現行品の改良に取り組んでいる。

「いろんな材料を掛け合わせて新たな素材をつくることに取り組みたくて。ここでは、鉱物系やゴム系など、いろんな材料をシートに混ぜ込んでいきます。入れるものの特徴の掛け合わせで製品の物性が変わるので、奥が深いなと思っています」

今年の展示会への出展にも、中心的に関わったという友加里さん。

その振り返りと次へのキックオフとして、最近、オフサイトミーティングを企画したそう。社内を飛び出し、小川町内の別の施設でミーティングを実施した。

「展示会は、営業と技術が一緒に取り組む仕事のなかでは、とくに大きいものです」

「まだ前回の記憶が残っているうちに、次の展示会の方向性を決めておければ、時間がかかる準備にも対応できてより良いものになるかなと思って。現段階での意見交換ができればと、提案しました」

まだ社歴の浅い友加里さんの提案で、代表の関根さんや、ベテランのスタッフまで参加。社内の風通しの良さを感じられる。

スタッフは、町内の人が4割で、残りが近隣の市町村に住んでいる。1時間ほどかけて電車や車で通勤している人は数人ほど。

小川町は移住者も多いので、里山の暮らしに憧れがある人なら、首都圏へのアクセスがいい移住先として選びやすい。

都心へも小川町へも通いやすい、東武東上線沿線に拠点を構えるのもいいかもしれない。

「関西からこっちに来たのは、若いうちに東京やいろいろなところに行きたいっていう動機もありました。でも、自然がないのもいやだったので、小川町はちょうどいい。東京も横浜も1本なので、通勤するには遠いけど、遊びに行くにはいい距離感ですね」

「最近は登山にハマっていて、ハイキングのゴール地点にある町外れのカフェがすごくおしゃれなんです。あとは酒蔵もワイナリーも、地ビールの醸造所も町内にある。お酒のファンが集まるイベントや、地域のお祭りもにぎわっていますよ」

 

すべての話を聞き終えてまず感じたのは、「バランスがいい」ということでした。

都心へのアクセスと、自然の豊かさ。伝統や歴史がありながら、移住者や新たな文化も生まれている地域性。

セキネシール工業には、安定した基盤がありつつ、新たな挑戦ができる風通しのよさもあります。

ここで暮らし働くという選択肢が、自分の人生を豊かなものにするかもしれない。そんな予感がしたら、ぜひ一歩踏み出してみてください。

(2025/06/06取材 増田早紀)

問い合わせ・応募する

おすすめの記事