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まちつくるデザイン

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「僕たちは最終的に一つの建物をつくるだけではなく、まちづくりも目指していて。地域らしさを表現するような建物を、点を打つようにつくり、そこにコミュニティが発生する。そこから線を伸ばして、面にしていくことでまち全体に広めていくんです」

コーポラティブハウスの草分け的存在であり、これまで「キッザニア東京」ホテル「CLASKA」「代々木VILLAGE」などさまざまな建物を手がけてきたUDS株式会社

uds01 ただ建物をつくるのではなく、そこを拠点に新たなカルチャーや人のつながりまで生み出す。地域に根付いて、まち全体を大きく変えていくような場のデザインを続けています。

そのデザインを実現させているのは企画から設計、運営までを一気通貫で行うスタイルと、常にチャレンジを繰り返し、失敗を力に変えていく姿勢。

今回はUDSで建築の企画や、設計に携わる人を募集します。


代々木駅から歩いて3分ほど。すぐにオフィスのあるビルを見つけて、エレベーターで4階へ。UDSの設計を牽引する、中原さんと藤本さんにお話を伺います。

uds02 「僕は何かをつくることで、まちに変化を生み出したいと思ってました。建築設計やデザインを軸としつつ、実際に運営もできる人たちと議論をしながら事業を起こせるUDSのあり方は、とても魅力的でしたね」

そう話してくれた藤本さんが、以前勤めていたのは都市計画と建築設計を両方手がける会社。大規模な都市開発にも関わり、将来的なまちのビジョンも含めた建物の設計やプランの提案を行っていた。

だけど働いているうちに、提案に限界を感じるようになったという。

「ここにこういうレストランがほしいよねとか、ホテルがあるといいですよねとか。その程度の提案で終わってしまう。それって言ってしまえば、誰でも描けることだなと思ったんです」

誰でもできるような仕事ではなく、もっと自分の手で実際にまちづくりに関われる仕事をしたい。UDSではそれが実現できているといいます。

uds03 「たとえば、直近では浅草のBUNKA HOSTEL TOKYOというデザインホステルを担当しました。もとは『すし屋通り』という、人通りが減って閉店しつつある店も増えているような場所だったんです」

1階をひらけた空間にし、外国人をはじめとする観光客はもちろん地域の人も気軽に飲食できるような居酒屋に。ほかにも、この地域に根付く演芸文化を絡めたオープニンングイベントを行うなど、文化の発展にも寄与したいと考えている。

uds04 「効果が出るには、まだまだ時間がかかるかもしれないんですけど。商店街の人が気軽に遊びにきてくれたり、近所付き合いもどんどん増えて賑わいが戻ってきています。まち全体を盛り上げる仕掛けのひとつになってくれそうだな、という実感はありますね」


具体的に、どんなふうに仕事をすすめているのだろう。中原さんが現在関わっている「ホテルカンラ京都」を例に教えてくれました。

ホテルカンラ京都は、教育施設をホテルにリノベーションしたもの。既存建物の形状が難しく、客室数を増やそうとすると、部屋の形が細長くなってしまうという問題を抱えていた。

「29室あって、一部屋の長さが14mで間口が3m。そんなホテルって今までないですよね。運営スタッフも一緒に、どうすればうまくいくのかを考えていきました」

uds05 「京都という場所柄もあり、狭さを活かして町家というスタイルを取り入れたらおもしろいんじゃないかなと。かつ、京都で1部屋に5人で泊まれるホテルってないんですよね。そういうところにも切り込んでみようという話も、みんなでしました」

何人で泊まっても快適に過ごせるように。インテリアや家具のレイアウトに工夫を加えて、机や座椅子は壁際の収納スペースに収納し、3人分の布団を敷けるようにした。布団も普段は収納されているので、2人で利用した時には5人部屋だと意識することなく、贅沢に空間をつかうことができる。

uds06 「実際に布団を出して、しまうタイミングを運営スタッフと考えました。本当に運営していけそうかと議論をして『これならいけるんじゃない?』となったので、チャレンジすることに決めたんです」

「設計までしかやっていなかったら、普通は運営会社から『こんなことできません』と言われて終わるのかもしれない。企画から運営までを自分たちで手がけているからこそ、細長くても快適な空間を実現できたと思います」

お客さまと一番近くで接している運営スタッフだからこそ気づくことや、オペレーションが成立するのかという運営目線での意見も取り入れられる。

もちろん、実際に使いはじめてからわかることもあるといいます。

「鍵をつけないとみんな勝手に布団を出してしまうことがわかって。あとから鍵をつけました。ほかにも今までつくったすべてのホテルから日報が届くので、日々お客さまからの生の声が入ってくるんですよ」

どんな声がありますか。

「たとえば『よくここに足をぶつける』とかね。見ると柱がちょっとでっぱっている。設計時は人が通らない場所だと思っていたんだけど、実際はなんとなく心理的に通りたくなっちゃうんだとわかって」

uds07 「じゃあ次回からはレイアウトを変えてみようとか、細かいことだけど運営してみないとわからないことってたくさんあるんです」

常にダイレクトに反応を受け取って、設計に活かしているんですね。

「僕たちがつくるものは、必ず毎回チャレンジなんですよ。チャレンジしたら自分たちで運営して、フィードバックを受ける。失敗したら、ちゃんと直してもう一回世の中に出していくっていうサイクルを社内でまわし続けているんです」

一つひとつ積み重ねていくことで、その場所を使う人の感覚がより鮮明に浮かぶようになっていくのだろうな。こちらの案がだめならこういうこともできますよ、と自分の中の引き出しも増えていくように思います。

現場の声に裏打ちされたデザインが、まちにも影響を与えるような建物をつくり出している。

明確なイメージを思い描きながら話ができるからこそ、「この人に任せるとなにかいいものができるかもしれない」と信頼されて、UDSと仕事をしたいという人が増えていくのだと改めて感じました。

今、UDSが特に力を入れているのはホテルをはじめとする空間からつながるまちづくり。それ以外にも住宅はもちろんレストランやオフィス、プレイパークまでさまざまな場をつくってきた。

求められることのレベルは決して低くないけれど、ここで働くことは自身の視野や仕事の幅を広げ、成長する大きなきっかけになると思う。

中原さんはどんな人と一緒に働きたいですか?

「専門的なスキルは、あるに越したことはないです。でも何事にも素直に向き合いながら、一緒になって楽しく仕事をしていける人がいいですね。仕事は楽しまなきゃと思っているので。海外プロジェクトもいくつもあるので、国際的な視点を持った外国の方も歓迎です」

藤本さんはどうですか。

「企画・設計・運営とやっているので、いろんなイメージを持たれている方がいると思います。でも最後は場をつくる、場をデザインするというところが好きな人たちが集まってるんですね。その根っこには建築が好きという気持ちがある。そこは求めたいですね」


もう一人、しごとバーをきっかけに入社した小島(おじま)さんを紹介します。

uds08 何社か転職も経験しながら、ずっと内装関係のデザインや設計に関わってきた。

「たとえば、いいお店ができたという感動があっても、久しぶりに行ったらなくなっていたりして。寂しい気持ちになるのは当然ながら、苦労してやったものが何年か経つとこうなっちゃうのはなぜだろう。デザインってなんなのかなとモヤモヤしていて」

「だったらもっと事業の根っこの部分から関わって、ほんとうにいいものをこの世に残していきたいというのが素直な想いでした」

そんなときに友人から日本仕事百貨に載っていたUDSの求人を紹介され、しごとバーに参加してみることにしたという。

しごとバーで感じたことは、UDSで働くみなさんの“人”のよさ。お客さんとしてではなく、気さくに迎え入れてくれたことが印象的だったとうれしそうに話してくれました。

入社して、その印象は変わりましたか?

「むしろ、しごとバーで感じていたものよりも、より自由な空気を感じていますね」

たとえば、自分が関わっていない案件でも気になったことがあれば「ここどうなんですか?」とみんなが積極的に発言をしていく。

uds09 「以前の職場では『自分の担当じゃないから関係ありません』と責任逃れするような空気をすごく感じていて。自分の意見も、もっと練ってからじゃないと発言してはいけないんじゃないかと思っていたんです」

「でもここではみんなで一つのものをつくっていくという意識が強い。個々のスタッフが常にアンテナをはっていて、いろいろなことに興味を持っているというのもあるかもしれません」

入社後は中原さんのもとで、いきなりマネージャーとしてホテルカンラ京都の増床プロジェクトに関わることに。

思い描いた構想と、実際に運営していく人たちの意見に折り合いをつけて、最善のかたちに落とし込む。関わる人の数も多いので、調整が難航することもあるという。

「自分でも経験したことのない規模の仕事なので、すべてに目を配れず溢れてしまっている部分もあります。責任の大きさに胃が痛くなることもありますし(笑)」

「もちろん中原さんがフォローしてくれますが、一人ですべてをやりきれない悔しさを感じますね。本当は設計側ならではの意見をもっと提案したいし、今後は自分に任せてくださいと言えるようになりたいです」

社歴に関係なく、どんな人でも建築の最前線に飛び込める環境がある。「今はできないこともあるけれど、ここにいればできるようになると思います」と笑う小島さんは、矛盾なく今の仕事を楽しんでいる印象でした。

隣で聞いていた中原さんが、話を続ける。

「自分にとっては難しいと感じるようなものじゃないと、問題も出てこないと思うんです。簡単なことを10年、20年と続けても能力は上がらない」

「どうしてうまくいかないのか、うまくいくようにするにはどうすればいいのか。それを一つひとつ考えて潰していけば、次にやるときはもう少し楽に、おもしろくなる。自分を変えるために必要なことは、会社として用意していますよという感じかな」

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今回も、3月29日(火)に清澄白河・リトルトーキョーのしごとバーで「建築ナイト」を開催します。

直接話すことで、わかることもきっとたくさんあります。中原さんや藤本さんをはじめ、UDSのみなさんは真摯に向き合ってくれると思いますよ。

まずは話を聞いてみたいという人や、今の自分の働き方にモヤモヤしている人も。

ぜひリトルトーキョーに遊びに来てください。

(2016/3/23 並木仁美)