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ネットに通じれば、どこでも誰とでもつながれる時代。でも、実際に会うからこそ生まれる会話やコミュニケーションがあると思います。話してみると思わぬ発見がある。それが、新しい出会いや何かのきっかけにつながるかもしれない。

ここは、“セレンディピティ(予期せぬ出会い)”をキーワードにしたコワーキングスペース。
フリーランスの人でもふらりと立ち寄れば、見慣れたスタッフや仲間、相談できる相手がいる。ただ仕事をするだけでなく、新しい発見や人との出会いが生まれる場所。
フリーランスのPRプランナー、ライター、外資のメーカーや商社など。利用する人たちはさまざまです。
LEAGUEから派生して、農業・食品事業者向けのコワーキングスペース「銀座ファーマーズラボ」が2015年の2月にオープンします。
今回は、LEAGUEと銀座ファーマーズラボ、それぞれ特徴のあるコワーキングスペースの運営スタッフを募集します。
運営するのは、コーポラティブハウスの草分け的存在である、UDS株式会社。「キッザニア東京」やホテル「CLASKA」など、数々の建物を手掛けてきました。
東京・銀座のLEAGUEで、代表の中川さんに話をうかがいました。

「わたしみたいな者がいること自体が、会社の特徴なのかなぁ。」
もともと文系出身だという。UDSは設計事務所のイメージが強かったから、意外だった。
「よくそう言われますけど、そんなことないんですよ。社名は“アーバンデザインシステム”の略。まちをつくる上では、事業が成立する仕組みとデザインの両方が必要。だから、デザインだけってことじゃないんです。」
UDSのプロジェクトは建築ありきの計画ではなく、「このまちにこんなものがあったらいいのに」という、暮らす人の視点に近いところからスタートする。
創業して最初に取り組んだコーポラティブハウスの事業も、はじまりはそうだった。
「まちづくりにおいて一番大事なのは家庭。幸せな家庭が増えていけば、いいまちになると思うんです。家族で楽しく住めて、自分らしさを表現できる家をつくろうということで、コーポラティブハウスをひたすらやってきたんですね。」
「それと、観光。訪れた人に滞在してもらうためのホテルもまちにとって大事だと。だけど、たとえば海外の友達が日本に来るときに、勧められるホテルがあまりなかった。じゃあ我々がつくろうと、使われなくなったホテルをリノベーションしたんです。」

「代々木のオフィスではスタッフ同士、気心が知れていまして。仲がいいのはありがたい話ですけど、ブレストするメンバーがいつも一緒で、お互いのネタを知り尽くしちゃってる。これは外に出なきゃだめだなと思って、外で仕事ができる環境を探したんです。」
見つけたのは、とあるコワーキングスペース。隣の異業種の人と意見を交わしたり、相談をしたりしてみたかったけど、話しかけられないような環境だったという。
「周りを見渡せば、誰も喋ってないんです。まえから新しい働き方を実現する場をつくりたいという思いがあったので、事業者である我々自身がつくろうと。みんなが話せて、運営スタッフが世話焼き女房みたいな感じで、紹介してほしいと言われたら人と人をつないだりして。居心地よく仕事できて、未来のビジネスフレンドとつながれるような場所を目指して、LEAGUEをつくりました。」
中川さんをはじめ、UDSのスタッフもLEAGUEを利用している。
ここで知り合ったPR会社から独立した人に、企画書の内容を相談すると快く教えてくれたり。そんなことが日常的に起こる場に、だんだんとなってきている。
「相手は素人だから、気持ちよく話してくれるんですよね。彼女にとっては当たり前の話でも、僕にしてみればすごく新鮮で。こんどは僕がやっていることをフィードバックすれば、彼女にとってもプラスになる。」
「『こんな面白いことやってる人を知ってますよ』って紹介したことが巡り巡って、その人の仕事につながる。わたしも、ライターさんや教授、いろんな人を紹介してもらって。そういう“セレンディピティ”と呼んでいる“予期せぬ出会い”が、自分にない知識やアイディアを生んでくれる。それが楽しいんですよね。」

これは、コワーキングスペースの利用者がSNSを使って、ウェブサイト上に自分のスキルや経験を登録し、公開することで、よりつながりの輪を広げていこうというもの。
これを使うことで、地域同士でもつながりの輪を広げていくことができる。
「地域で何か起こそうとしても情報がない。やっぱり東京に行こうとするけど、旅費もかかるし、何度も行けない。そんな話があったんです。いろんな事業を起こした経験のあるUDSがハブになって地域同士をつなげる動きに、Seets2meetを連動させると面白いんじゃないかってことで、地域の面白い動きを取り上げる“FUTURE LEAGUE”というブログをつくりました。」
そして、どの地域にも共通した産業である農業に着目すると、中川さんに農業者向けのコワーキングスペースをつくる話が舞い込む。
サービスオフィスを運営する「株式会社スペースデザイン」と農業や食の輸出などを手掛ける「銀座農園株式会社」、そしてUDSの3社共同で銀座ファーマーズラボを立ち上げることになった。
「ここではマルシェで直接販売することができるので、バイヤーとそのまま商談できるチャンスがある。ノウハウが得られて、販路も広げられる。農業者がビジネスを拡大できる拠点にしようと。」
この施設でもSeats2meetを取り入れる予定で、UDSが中心に運営を行う。

ここで働く人自身も、いろんな人との出会い、思わぬきっかけが生まれると思う。自分の成長や次のステップへつなげる、いい機会だと思う。
中川さんに聞いてみた。どんな人に来てもらいたいですか?
「話すとホッとする人がいいかな。聞き役というか。LEAGUEでも、帰りがけの会員さんに『最近、帰り遅いですね』ってひと言かけると『いやぁ、実は大きな案件受注してさ』って話してくれる。『こんな人と知り合いたい』という話を聞けば、人をつなげる。」
「そうすることで、直接的に自分の給料が上がるわけでもないし、ほかの誰かから褒められるわけでもないかもしれない。じゃあ、この仕事は何がバネになるかと言うと、いろんな人に出会い、人と人がつながることで自分が成長して、そこに満足できるかどうかだと思うんです。人を喜ばせたいっていう想いが根底にあって、私たちと共感してくれる人と一緒に働きたいと思います。」
ここで働く人は、実際にどんな仕事をすることになるのだろう。
LEAGUE常駐スタッフの児島さんに話をうかがう。

今回募集するLEAGUEでの仕事について聞いてみた。
「来客の取次ぎや会議室オペレーションなどの受付業務はもちろん、本格的なエスプレッソマシーンでコーヒーを淹れるカフェの営業も行います。」
「ほかには、イベントの告知や運営、SNSの発信をしたり。今日も“発酵食大学”というイベントがあるんです。」
こうした基本的な業務に加え、イベントの企画もしてほしい。
以前ここでアルバイトをしていた人は、書道のスキルを生かして、伝統工芸に詳しい会員さんとコラボで“書道×食”のイベントを開いたという。
「いろんなスタイルで働いている人たちと出会って、自分のスキルを伸ばして。そんな働き方をしていましたね。これから一緒に働く人も、個性をどんどん活かしてほしいです。」
それは銀座ファーマーズラボで働く人も同じ。
働き方に違いはありますか?
「銀座ファーマーズラボでは、まずはコミュニティを耕していかないと。農業ビジネスを成功させるために、切磋琢磨して生み出していこうという想いの人たちがこれから集まって、セミナーやスクールが催されたりする。そればかりだと窮屈になっちゃうので、気軽にビールを飲めるような、交流する場を企画してもいいかもしれないです。」

オープン後は、訪れる人の施設案内を任せたいとのこと。
「案内って結構大事なんです。訪れる人は、自分のビジネスがうまくいくかどうか、期待と不安があるわけですよね。そのときに、どんな想いで事業を進めたのか、なぜ自分がここで働いているか、さりげなくプレゼンするんです。それが結果として、共感してくれたり価値観の合う人が集まる場ができる。」
“提供者と利用者”という関係ではなく、仲間としてこの場を一緒につくりあげていくスタンスなのだと思う。
児島さんにも聞いてみた。どんな人に来てもらいたいですか?
「ポジティブに考えられる人です。LEAGUEも銀座ファーマーズラボも、いま想定できることだけで終わらない場所になると思うので、いろんな仕事ができると思う。そんなとき、これもできるってポジティブに捉えて、これからの自分の可能性、新しい経験や出会いに魅力を感じて、ワクワクしてくれる人がいいですね。」

ここでの経験を活かして、次の舞台の立ち上げに参加することができるかもしれない。ゆくゆくは正社員として採用することも考えているそうです。
最後に、中川さんがこんなことを話していました。
「これまでの話を聞いて、高度なコミュニケーション力や高い志がないとだめなのかなって思うかもしれないですけど、全然なくていいので。楽しそうだなと思ったら、応募してみてください。」
さまざまな人との出会いや発見。
まずは、ここで起こることを楽しんでください。
(2014/11/11 森田曜光)