求人 NEW

新しい当たり前に

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

まだない場所をつくる。

それって、すごくワクワクすることだと思います。

これから生まれる新しい場所を、一から育てていく仕事があります。


野村不動産が、西新宿の高層ビル街に構える新宿野村ビル。

現在、その4階を大幅リニューアルしています。

オープンは6月。入居企業専用スペースとして、オフィスビルでの新たな過ごし方を提案する場所をつくります。

運営を担うコクヨ&パートナーズが、その立ち上げメンバーを募集します。

仕事内容は、カフェでの調理から会議室の管理、イベントの企画までさまざま。働く人は、いわばこのフロアのコンシェルジュ。

どうすればビルで働く人たちに喜んで使ってもらえるのか。その場所に毎日当たり前のように来てもらうにはどうすればいいのか。

そんなふうに日々考えながら、一緒に場所をつくっていく人を募集します。

 

新宿駅西口からオフィスビル街を歩いていくと、10分もかからずに新宿野村ビルに到着した。

取材の場所はビルの41階。都心の眺望を背景に、はじめにお話を聞くのは野村不動産の石垣さん。このプロジェクトには立ち上げから関わっている。

「これは2年半前から取り組んでいる大きなプロジェクトです。入居企業さんの事業や、ワーカー一人ひとりに対してもっと貢献できる場所をつくろうということではじまりました」

新宿野村ビルでは、50社以上の企業が入居し、約5000人が働いている。野村不動産の中でも重要な位置付けとなるこのビルは、今年で40周年になる。

歴史あるビルを改装することに至った背景として、現代の働き方についてあらためて考えたことがある。

「新宿野村ビルがある西新宿エリアは、高度経済成長期に高層ビルが建ち並び、今ではオフィス立地として定着しています。残念ながら今もまだ、朝から晩まで必死で働くような、当時の“働くだけの街”のイメージが残っているんです」

働き方改革も謳われる今の時代、本当にそのままでいいのだろうか、という疑問を抱いた。

「つらい、大変だと思いながら働くのではなくて。自己の成長とか仲間意識、そういうポジティブな気持ちを持って仕事をするほうが、会社にも個人にもいいんじゃないかという話がありました」

「その中で新宿野村ビルとしては、もっと人生を楽しくするようなオフィスにできたらいいなと考えました」

人生を楽しくするオフィス。

それは単にビルの中にたくさん飲食店があったり、施設が充実していればいいわけではない。

「働く場として利用するだけじゃなくて、一個人としてこの街やビルを好きになって、自分の意思を持って過ごしてもらえるようにできたらいいなと思っています」

そんなふうに感じてもらうきっかけにしたいのが、6月にオープンする4階フロア。

フロアの中は、食堂スペースとコミュニケーションスペースに分かれている。

今回募集するスタッフは、コミュニケーションスペースのほうで働くことになる。そこにはカフェやラウンジ、会議室があって、ビルで働く人なら誰でも自由に利用できるようになっている。

休憩時間にコーヒーを飲みに来るのもいいし、自分の席を離れて仕事をしてもいい。簡単な打ち合わせにも使うことができる。どう使うのかは、自分次第。

オフィスの机で仕事をするのとは違って、ちょっと肩の力を抜いて過ごせそう。

こういうカジュアルな場所の大切さを感じる機会は、石垣さんにもあったんだとか。

「打ち合わせをするときに、どうしても会議室だと堅苦しい雰囲気になっちゃうんです。でも一緒にお昼ご飯を食べているときは、先輩後輩関係なくみんな同じ立ち位置で話せて。そこからすごく重要な意見が生まれたりするんです」

このプロジェクトでも、ランチの時間に後輩からもらった意見がプランに反映されているそう。会議だと言えないようなことも、こういう場なら不思議と言えたりするもの。

「お互い言いたいことを言って、それがいい結果に結びつくと、ポジティブに仕事ができますよね。そういう仕事ができたときは自分もうれしくて、家に帰ってからも思い出したりしちゃって」

「そんな体験を入居企業の皆さんにも提供していけたらいいなと思っています」

普段の仕事の枠組みを外れて自由に考えてみると、思いがけないコミュニケーションが生まれたり、アイデアがひらめいたりする。このフロアを、そういう新しい自分の可能性を発見できる場にしていきたいそう。

 

従来のオフィスビルのイメージとは異なるこの場所。

運営を担当するコクヨ&パートナーズは、渋谷ヒカリエ内のCreative Lounge MOVなど、コワーキングスペースを運営してきた経験がある。

「コクヨさんには、いまの働く人たちに必要な機能ってなんだろうっていうのを一緒に考えていただきました。これからの働き方とか、どう人生を良くしていくかっていう知識や経験をお持ちなので、そういう知恵をお借りしています」

そんなコクヨ&パートナーズの田中さんにもお話を聞いてみる。

Creative Lounge MOVの立ち上げにも携わった方で、この場所からMovementを起こしたいという思いを込めて、名付けたのも実は田中さん。

「まだコワーキングっていう言葉はなかった2012年にMOVはオープンしました。そのころはまだ仕事は仕事、それ以外で遊ぶというようにライフとワークがはっきり分かれていたんです。けれど、これからの働き方を考えたときに、どんどんその境目がなくなっていくだろうなと思いました」

会社の型にはまって仕事をするだけなく、自分の意思で自由に働くことできる時代になると感じたそう。

「『コクヨの田中です』ではなくて、『田中です。こういう仕事をしています』っていう自己紹介の仕方ができる場所にしたいっていう思いがありました」

そういう個人が主体のコミュニケーションの場で、重要になるのは挨拶なんだそう。

「お世話になっております、とかではなくて『こんにちは』っていう挨拶をMOVではします。そういう形式的でないコミュニケーションにすることで、個人同士がすごく興味を持ち合うようになるっていう実感があって」

「それは、新宿野村ビルも同じです」

この新宿野村ビルでも、会社単位だけでなく、個人単位のつながりを大事にしていきたい。

「利用する方には、自分ごととしてこの場所を好きになってもらいたい。そのためには、毎日のコミュニケーションの取り方はすごく大事なんです」

 

田中さんは、現場のマネージャーとして、ここで働く人と長い時間をともにすることになる。

具体的にはどのような仕事をすることになるんだろう。

「カウンターに立ってコーヒーや食事をつくったり、会議室の運営や、イベントの企画・運営をしたり。時間帯によって、2人から4人のシフト制でまわしていく予定です」

営業は朝8時から20時まで。入居企業の皆さんには、いろいろな用途で利用してもらって、常連さんになってほしい。

「出社前にはここでコーヒーを飲んで、今日も頑張るぞと思ってもらえたらうれしいです。お昼には持ち込みもできるランチの場所として使ってもらって。日中は会議や、ラウンジでカジュアルな打ち合わせもできるし、夜は飲み会に行く前の集合場所にしてもいいと思います」

「ここを使って、自分のオフィスに戻るときに、よし次も頑張ろうって思ってもらえるような場所にしたいんです」

毎日のルーティーンにこの場所が組み込まれたら。新鮮さがプラスされて、もっと前向きな気持ちで働くことができる気がする。

そういう日々の運営以外にも重要になるのが、イベントの企画と運営。

「月に1、2回は入居企業さん向けにイベントを開催したいと思っていて。例えば各社の人事の方たちを集めて座談会をしてみるとか、子どもを持つ人を集めてみるとか。新入社員向けにビジネススキルの講座もいいかなと」

会社は違っても、抱えている悩みは同じだったりするもの。お互いに相談し合えたり、これがきっかけで親しくなれたりしたら、きっとこの場所に愛着も湧くと思う。

「マルシェのようなものも開催してみたいし、企業さんの新商品の展示にこの場所を使ってもらってもいい。ここで働く人にはそういうのをどんどん企画してほしいし、カフェのメニュー開発とかもいずれは一緒にしていきたいなと」

「お客さまとのコミュニケーションから吸い上げたものをどんどん反映させて、この場所を一緒に成長させていってほしい」

どういう人が向いている仕事なんだろう。

「何より、自分で考えてちゃんと行動できる人ですね。相手がいま必要なものとか、どういう情報がほしいのかを察知して、提供する必要があるので」

訪れるお客さまの中には、ちょっと息抜きに、スタッフと話したい人もいるかもしれない。その一方で、集中したいから、必要以上の会話をしたくない人もいるかもしれない。

目の前の相手にどんな対応をするのがベストなのか、常に考えながら仕事をしてくことになる。

「単純にオペレーションを回していくだけじゃダメで。お客さまにとってどんなイベントが必要なのか、心地よく使ってもらうにはどうすればいいのか。そういうのをどんどん提案していってほしいですね」

新しく立ち上げる場所だからこその苦労もある。

「初動は結構パワーが要ります。どういう場所にしていくかっていうのを、みんなで頭から湯気が出るくらい考えなくちゃいけない。それが立ち上げの楽しさでもあり、大変なところでもあるので、そこを一緒に頑張れる人にきてほしいですね」

まずは、今までなかった場所にどうやって訪れてもらうのか。一度来てもらったら、そこからどう常連になってもらうのか。そういうことを考え続けなければいけないし、実際に使ったときに満足してもらうために、どんな空間をつくっていくのかもすごく重要になる。

逆に考えたら、心地よいと思える過ごし方ができれば、おのずと人は帰って来るし、何度だって通ってくれるはず。

 

最後に、このフロアはNEON(ネオン)という名前になります。

「新しい(NEO)ことや新しい自分を起動(ON)する」という意味が1つ。もう1つは、元素のネオンに由来します。

「ネオンは、存在しているはずなのに長い間発見できなかった元素なんです。利用する方にも、まだ見つけられていない自分の可能性を、この場所で見つけ出してほしい」

新しい可能性を見つける場。それは、NEONで働く人自身にも言えることです。

これからできる新たな場所を、ビルで働く人たちにとって当たり前にするために。

この場所の可能性を探しながら、自分自身の可能性も見つけてみてください。

(2018/3/9取材 増田早紀)

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