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一人ひとり、さりげなく

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

毎日受付に立って、過ぎていく人たちと関わりながら、一人ひとり向き合っていく。受付の仕事って、あまり派手なものじゃないかもしれない。それぞれの目的は別にあって、それを案内する仕事だから。

でも多くの仕事は地味なこと。ただほかの仕事と同じように、この仕事にもまた、うれしい瞬間があると思う。

コクヨファニチャー株式会社では、大手町フィナンシャルシティサウスタワーに新しくできる場所で、ビジネスライブラリーや会議室の運営管理をする人を募集します。

コクヨファニチャーというと、DESK@(デスカット)やCreative Lounge MOV(モヴ)など、新しい働き方を提案する空間をつくり続けてきた。

DESK@ははじめてから14年経ったプロジェクトで、東京駅など主要な駅に時間貸しのオフィススペースを提供している。渋谷ヒカリエにできたCreative Lounge MOVは「コワーキングスペース」と呼ばれているもので、クリエイティブなモノ・コトを生み出すために、様々なつながりをつくる場所になっている。

今までオフィスというと、会社の中か、自営業の人でも自宅で働くしかなかったように思う。やることが明確であれば、それでもよかったのかもしれないけれども、いろいろなヒト・モノ・コトとのつながりから仕事が生まれることも多くなっている。

それにインターネットが発達したことで、自分の机に固定されずとも働くことができるようになった。パソコンがひとつあれば、どこでも働くことができるようになっている人は増えていると思う。

さらに会社という空間にある境界もまた、あやふやなものになってきている。外部の人も気軽に入ることができるような中間領域のようなものも増えている。

だから単にオフィス用品を売るだけではなく、いろいろな形で働く場を提案することが求められているんだと思う。今回できる新しい場も、そんなニーズからつくられるもの。

プロジェクトを担当する中村さんに、話を聞いてみた。

「コクヨは、もともとドメインとしてハードだけでなく、ワークスタイルというところに言及していかなくちゃいけないと考えています。DESK@も、企業からすると一つのサテライトオフィスであり、駅から近い、オフィス街を拠点に活動することによって、移動時間の削減や機能性が高まるというところに価値を見出して使ってくれる。」

たしかに企業としても、会社にしばりつけるよりも、移動時間の短縮によりコストを削減することもできます。

「そうですね。今回も新しいビルのテナントさんや、そこを訪れる人に対して、サービスを提供することで、ビル自体の価値も高まるようなものにしたいと思っています。何よりも利用者を第一に考えているんですよ。」

どのような利用を想定しているのですか?

「会議室であれば企業研修などがあると思います。あとは企業で働いている人が、集中して作業されたいときに利用いただきたいです。たとえば、人事考課なんかも、会社ではオープンすぎて一人でやるのはまずいから籠りたい、っていうニーズも中間管理職には多いんですよ。」

「お客様は基本的にビジネスパーソン。時間意識の高い人が多いでしょうから、ホスピタリティをもって接することができる人がいいですね。昔はどんな会社にも、一つの課にアシスタントをしてくれる人がいたけれども、今はいろんなことを一人でやることが増えている。この場所を訪れたらなんかほっとするような、そういう要素は大切だなって思います。一つひとつ積み重ねていくことで、信頼も生まれると思うんです。まだ今つくっているところなのですが、スタートしてからもいろいろなサービスを加えていきたいと思っています。」

実際に現場で働くということは、どういうことなのだろう?

品川駅前にあるDESK@で店長として働いている石川さんに話を聞いてみることにした。

どんな仕事なのだろう?

「主に接客と事務なんですけれども、まずお客様をお席にご案内すること、ミーティングルームのご予約のお電話をお受けすること、あとは印刷などですね。お客様のお手伝いをすることが主な仕事になります。事務という形にはなっているんですけども、そちらで思い浮かべる印象よりは、恐らくかなり、動く量が多い仕事だと思います。システムなどもかなり細かく決まってはいるんですが、お客様の状況ですとか、現場での臨機応変な対応というものが求められることが多いです。」

もしかしたら受付でずっと座っているようなイメージもあるかもしれませんが、そうではないのですね。

「そうですね。半分くらいはお席の清掃ですとか、お客様に気持ちよくご利用いただくために目が行き届かないところもなるべく見るようにしています。窓の桟ですとか、気が付くと汚れてしまいますし。お客様が一番よく見える場所はとくに気をつけています。昔、こちらの店舗ではないんですけれども、あまり綺麗ではないということでご指摘いただいたこともありました。やはり綺麗で快適であるということが、長くご利用いただく際に必要になってくることだと思うので。」

石川さんは、もともと飲食業界で働いていた方。この仕事をはじめる前も、渋谷にあるレストランで働いていたそうなのだけれど、なにかほかの仕事をやってみようと考えた。

「ずっと飲食店で働いていたんですけど、事務のような仕事もしていみたいと考えたんです。ただ、そういう職歴もなかったのでなかなか難しかったんですけど、友人がここで働いていたので面接を受けてみないかと、紹介してもらったんです。それで働きはじめたのですが、飲食から離れてみて、あらためて私は人と接することが好きなんだ、と思いました。」

どういうところが好きなんですか?

「お客さんの好みを少しずつ覚えて、こちらいかがですかとおすすめしたり、お客さまはこちらが好きでしたよね、ってご案内させてもらったときに、分かってくれてるんだね、って喜んでいただけるのはうれしいですね。そういうこともありますし、事務の仕事もあって、煮詰まりすぎないというのがありがたかったです。」

ただ、はじめてみて大変なことはありませんでしたか。

「私の場合は経験がなかったので、他の方よりもハードルは高かったかもしれません。パソコン自体は触っていたんですけど、デザイン系の学校に通っていたので、逆にワードやエクセルとか、オフィス関係のソフトを触ったことがなかったんです。働きはじめる前にパソコン教室にも行ったのですが、実際働いてみるとそれほど高度なことは要求されないですよ。意外に必要なのかなと思ったのが、印刷に関する知識。解像度とか、プリントのプロパティをいじって設定するんです。」

何かギャップみたいなものはありましたか?

「飲食とのギャップでいいますと、接する時間はかなり少ない。チェックイン、チェックアウト、ご用命があったさいにお話をする。飲食店ですと、ホールを回ってお客様にお冷やいかがですか?とお声がけしたり。そういうのがありますけど、基本はお客様がそれぞれのお仕事をされていますので、集中していただくのがわたくしどもの役目なので、接客とはいえ、そこが大きなギャップなのかなとは。」

たしかに飲食店で働くよりは、接する機会が少ないのかもしれない。コミュニケーションするよりも自分の時間に集中してもらうことのほうが大切だったりする。

どんな人が合っているのか聞いてみる。

「お客様も忙しいですし、はきはきと簡潔にお客様に説明できる方ですね。丁寧な言葉遣いで、ここはちゃんとしているんだなと思っていただけるような。少しおっとりしている方もそれはそれで強みだと思いますよ。」

「あと基本的には、黒子というか、裏方に徹するのがわたしたちの役目だと思っております。なので、わたしたちは目立たず、究極を言ってしまえば、気に留まらないくらいでもいいと思うんですね。」

気に留まらなくていい。

「個人としても意識していただいて、自分のしたことに対して喜んでもらうことが嬉しいと感じる方もいらっしゃると思いますし、そういう方にはもしかしたら物足りないかもしれないですけど。」

やっぱりそれくらいさりげない関わりが必要とされているのだと思う。でももちろん何もしなくてもいいというわけではないだろうし、ときには求められることもあると思う。

「ただ、こういった場所があるととても便利だよって言っていただけるとこちらとしても嬉しいです。飲食店のときと違って、お客様それぞれにここがどういった存在意義があるのかによって、仕事が変わってくると思います。なかなかないサービスだし、こういう場所があると便利だから、って言っていただけると嬉しいですね。そう言っていただけるということはサービスに満足していただけたからだと思うので。」

新しくできる場所も、きっと同じようなところになると思う。控えめに、一つひとつのことを丁寧にやっていける人が合っているのじゃないかな。

華やかなものじゃないかもしれないけれど、ふと利用者の方たちと心が通うような瞬間もあると思う。目と目が合って、笑顔になってくれたり。そういうこともまた、ひとつの嬉しい瞬間になるのだと思う。

最後に石川さんはこんなことを話してくれました。

「なかなかふだん接する機会のない企業の方もいらっしゃるので、得難い経験、楽しいこと、発見もあります。仕事のなかで楽しみを見つけていただけたらなと思います。やる気さえあれば覚えられることがほとんどなので、スキル的に不安がある方もいらっしゃると思うのですが、あまり怖がらずに。自分自身も、かなり覚えもわるい方ですし、スキルにも不安がありましたから。わりと好きなようにやっていますよ。」(2012/10/24 ケンタup)