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インターネット的

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インターネットによって、どこでも仕事ができるようになった。ただ、それは世界中がライバルになる、ということでもある。結果として、働く人の環境や条件が相対的に下がるということも起きている。

単なる労働だったら、そういうこともあるかもしれない。でも、自分たちが大切にしている思いがあり、それを実現するためにインターネットを利用する、というスタンスなら、もっと自由な働き方が実現できると思う。自由に働くことができれば、より前向きになる。

株式会社オーガランドで働いている人の話を聞いていると、そんな好循環が生まれているように思う。鹿児島の霧島に本社を構えて、ネットショップで地方を元気に、そして地方から日本を元気にしている会社の募集です。

以前にもオーガランドの募集をしたことはあるけれども、それは東京支社での取材だった。今回は本社のある霧島に向かった。

鹿児島空港からバスに乗車する。車窓からは美しい霧島連峰が見える。街中にたくさんの温泉があるのも印象的だった。

もともとオーガランドは、霧島で無添加・無農薬の自然食品を売るお店からはじまった。はじめは実店舗で、ネットショップではなかったそうだ。
そのときのことを、代表取締役社長の小笠原さんが話してくれた。
「それが運良く売れなかったんですね。まったく。で、『どうしよう、どうしよう』と。時間は余ってるけど、お金はない。売上はない。その頃、yahooオークションっていうのが流行ってたので、じゃあ、店舗にある商品をバシャバシャ写真撮って出品しよう、と。そしたら、店の売上の半分くらいは、ネットで売れるようになってきたんですね。」

時間はあるからネットに力を入れる。するとすぐに反応がある。

「そうしていたら、いつのまにかネット専門になっていた。田舎の、人口の少ないところで、自然食品という地元の人のニーズに合ってないお店をオープンしたばかりに、ネットへのチャンスが広がったんです。」

工夫を積み重ねていけばいくほど、口コミで評判が広がっていった。


会社の設立当初の話は、まるで映画「ソーシャルネットワーク」を見るようなものだった。毎日がお祭りみたい。その当時から働いているのが大坂谷さんだ。

大坂谷さんは顧客対応をするのが仕事。注文受付から問い合わせにも答える。

ヘッドセットをつけてコールセンターのようなものをイメージしていたら、まったく違った。オーガランドの特徴として電話問い合わせが少ないからその必要はないそうだ。ウェブサイトだけでもよくわかるデザインだからだと思う。

まずはなぜオーガランドで働くことになったのか聞いてみる。

「前職は新潟のスキー場で働いていて。そこで出会ったのが今の旦那なんです。でも旦那の仕事でこっちに来たんですね。はじめは仕事もせず遊んでまして、暇になって働きたくてしょうがなくなったんです。」

「方言もよくわらなくて少しホームシックだったのですけど、オーガランドは標準語でした。それに面接相手はTシャツ短パンの髭坊主(笑)。そのときは、相手が社長だとは分かりませんでした。」

面接のときも若いスタッフばかりなことが気になった。見た目はチャラチャラしているように感じたけれど、一人ひとり、しっかりと挨拶してくれたのが印象的だった。

はじめは仕事に対する思いもなく、働ければなんでもよかったそうだけれど、働いてみると、よりたくさんの驚きに出会うことになる。

「不思議な会社だなって思いました。いろいろなことが自由なんですけど仕事もしっかりする。仕事の楽しさをオーガランドではじめて知ったように思います。」

たとえば、どんなことがありましたか?

「設立間もないころは、昼休みにみんなでビール飲んで帰ってきたこともありました(笑)それに当時は深夜0時過ぎる残業も当たり前だったんです。18時くらいからみんなのテンションがあがってくる。ほんと不思議でたまらなかったです。誰もグチを言わないし。この会社って会社なのかなって。ルールも決まりもなかったですし。」

小笠原さんも言っていたけれど「ちゃんと自分たちの目標に繋がる」って確信が持てたから大変なことでも継続できたんだと思う。いい予感があったから安心して仕事に力を込めることができる。

「オーガランドにいると時間の進みが速いですよ。みんな仕事を楽しんでるような感じはしました。具体的にこうすれば楽しいっていうのを教わったわけじゃないんですけど、みんなが楽しみながら働く姿勢を見て、自分も仕事の楽しみ方を学びました。」

「スキー場で働いていたときは趣味が仕事でした。自分の好きなことが仕事になっていた。このサプリメントやインターネットが大好きかって言われたら、そうじゃないかもしれません。でもワクワクして共感できたから、仕事を本気でできたと思うです。」

もうひとり紹介するのは、デザイナーの上野さん。サプリやウェブサイトのデザインなどを担当しているそうだ。自分の仕事によって、どれくらい反響があるのかすぐに分かるところが楽しいとのこと。

どうしてオーガランドに入社したのか、まずは少し人生を振り返ってもらった。

「僕は学校卒業したら、そのままデザイン事務所に行ったんです。はじめは熊本で紙のグラフィックデザインなどをしていたんですけど、先がないなって思って。」

デザインもやりながら、人と接したい。そう思ってアパレル会社に就職する。

「5、6年くらい接客しました。ポスターとかウェブもつくりながら。店長もさせてもらったんです。数字は好きだったんですよね。売上の推移とか利益とか・・。30歳になって結婚して、バイヤーになるかマネジメントの管理職をやるかってなったときに、イメージできなくて辞めたんです。」

これからはインターネットだと思った。そのときに出会ったのがオーガランドだった。

「鹿児島にいたら有名な会社なので、もととも知ってはいたんです。でも自分の中にサプリメントを売るということに偏見があった。ノルマとかあるんだろうなとか、家族にもサプリメント売らなきゃいけないのかなって。」

あるとき楽天でオーガランドのようにECをしている人にどんな会社なのか聞いてみたら、「いい会社ですよ、上野さんが思ってるようなところではないから」と返ってきた。それがきっかけになって働くことになる。

働いてみたらどうでしたか?

「基本給もいいし、サービス残業があってもいいや、って覚悟していたんですよ。でもそしたら『入社一か月目はお客様だから』って18時には帰らされるわけです。嫁もびっくりして心配するくらい。」

「みんなが家族を大事にしてる感じがすっごくあるんですよね。たとえば子どもが熱を出しても普通はなかなか帰れないじゃないですか。でもここは言えるんですよ。『ちょっと子どもが風邪なんで帰りますね』って言ったら『あ、オッケーオッケー』みたいな。」

それでも会社は維持継続できるのは、チーム同士で助け合っているから。そして今日だめなら明日がんばればいい、という考え方だから。

さらに上野さんは続ける。

「昔から働いている人が、『うちらの時代は0時までとか当たり前だったんだよ』とかも言わないんです。聞けば『こんなときもあったよ』って教えてくれるんですけど。逆に『残業をカットしなさい』って言われるんです。それはもちろん経費的なこともあるけど、長期的に会社で働いてもらうにはどうしても無理をしてしまったらひずみが生まれるから。『残業は出来るだけしないように、18時で帰って1人前』とか言われるんです。」

仕事って何のためにするのかと言えば、何よりも幸せになるためだと思う。仕事自体を楽しめるのもいいし、大切な家族を守ることでもいい。

オーガランドでは、働いている人がそれぞれの幸せをつかむことができる環境だと思う。目標を達成できれば、その過程は自由だったりする。

たとえば、ランチの時間も自由。大坂谷さんはゆっくり取るほうだし、上野さんは11時にはとりたくなるそうだ。椅子も自分のほしいものがあれば、購入費を補助してくれる制度もある。だから社長である小笠原さんより立派な椅子の方もいるそうだ。

あとは通称「エスミーティング」という、月2回土曜日に会議がある。この日は担当業務をしてはいけない、残業も一切しちゃいけない。代わりに部署を横断してチームを組み、企画を考えて発表する。優秀な人はMVPに選ばれる。選ばれると次のミーティングは休みとなる。

上野さんが嬉しそうに話す。

「もうた~のしいんですよ。大学みたい。皆の前で発表するんですよ。」

自由だからこそ、やらなければいけないことはあるのだけれど、その過程もペース配分も自分で選ぶことができる。言われたことだけを淡々とする仕事よりも、精神的に楽に感じる人もいるだろう。

もちろん、この会社に誰もが合うとは思えない。どういう人がいいだろう?

大坂谷さんは次のように話してくれた。

「やっぱり仕事なので、楽な仕事はないと思っています。どうやって楽しむかは自分次第。今は遅くまで残業することはないですけど、それでも大変だと思う人もいると思います。でもそのピンチをチャンスに変えられるか。やっぱり最後は自分次第だと思うんです。プラス受信できる人なのかな。」

「働く理由って人それぞれあると思うんです。生活のためとかが一般的に多いと思うんですけど。それでオーガランドに入るともったいないと思います。働く理由はないけれど、何か見つけたい人でもいいのかな。もし見つけられたらそれを応援するし。」

廊下を歩いていると、たくさんの掲示物があることに気づく。聞けばお客さんの感謝の言葉だそうだ。決して洗練されているようには見えないけれど、オーガランドは、感謝が原点だから残している。

会社が大きくなっていくと、組織はこうあるべき、というものに寄っていって、結果として創業当時の良さが失われることがある。規模は拡大するのに、反比例するように働くことが幸せなことじゃなくなったり。

でもオーガランドは、自分たちの思いを大切に、そして伸ばしている会社だと思いました。(2012/10/4 ケンタup)