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社員の3分の2がディレクター。ディレクターが50人もいる会社がある。それがロフトワークという会社。
それから、企業からの依頼に応えて、コーポレートサイトやコンテンツ制作など、Webを利用した様々な制作をしていくのも、ロフトワークの仕事。サービス制作サイト運営のノウハウや2万人近い登録クリエイターのネットワークを持っているロフトワークには、日々「一緒に何かやりませんか?」と、さまざまな依頼がやってきます。
今回は、それぞれの強みを持ってクライアントの悩みや課題に応えていく、クリエイティブディレクターを募集します。
渋谷駅から道玄坂をのぼっていくと、国道にぶつかる交差点の手前に、釘が刺さったような面白いビルがある。一階には「FabCafe」があり、オフィスはその上の8、9、10階になる。

まず紹介したいのは、ロフトワークのチーフディレクターである滝澤さん。

「お客さんが何かつくりたいと思ったときに、その意図をしっかり聞いて、それを実現するためにどうすればいいのか一緒に考えていくことだと思います。企業にとって、Webを使用した情報発信やサービスは、その企業の理念や方向性を決める大切なものです。なので、『何をつくるか』ではなくて、それを実現するために『どうすべきか』をゼロから一緒に考えていくようにしています。」
こちらから「こうあるべき」と言うのではなく、「こうしてください」と言われるのでもなく。お互いに議論し合えるような関係をつくりながら、プロジェクトを進めていく。
滝澤さんは、どうしてこの仕事に就いたんですか?

そうしてクリエイティブディレクターとして入社した滝澤さんに、事件が起こる。
「一緒に担当していた先輩ディレクターが、突然プロジェクトから離脱することになったんです。今まで隣で見ていたことを、自分がやることになりました。そこからはもう、見よう見まねで仕事を覚えていきました。目の前のことを処理するので精一杯、という感じでここまで来ました。」
入社してからもうすぐ6年になる。しんどいことも沢山あったそうだけれど、耐えられたのはなぜだろう。
「人がいいからだと思います。しんどくても、同僚といると気が紛れるんですよ。僕、仕事が好きというよりも、ロフトワークという場にいることが好きなんだと思います。」

「面接で一番重視しているのは、話ができるか。口が上手いということではなくて、質問に対してちゃんと意図を汲んで答えているかですね。」
みんなでひとつのものをつくるためには、相手が本当に望んでいるものを引き出したり、何度もやりとりしながらイメージを伝え合う必要がある。話す力というのは同時に聞く力でもあるし、チームで仕事をする上で欠かせないものだと思う。
入社2年目の佐藤さんにも話を聞いてみる。

佐藤さんは、ミーティングの内容をハンドライティングで一枚の絵にしてしまうそうだ。図でプロジェクトを整理していく方法が話題を呼び、ワークショップを開いたりもしている。
佐藤さんは、どういうふうに面白いアイデアを出していくんですか?
「例えば、サイトをリニューアルして動画コンテンツをつくりたいという相談を受けたら、『そもそもどうして動画をつくりたいんですか?』と聞くんです。理由が分からなかったら『じゃあ一緒に考えましょー!』って。そこからはじまります。最近、クライアントと一緒にワークショップ形式で一緒に発想していくことが多いですね。」
佐藤さんは、前職では自動車メーカーで営業の仕事をしていた。滝澤さんと同じように、Webやクリエイティブの世界は未経験。
自分のやり方を見つけるまでの2年間は、「苦行のようだった」そうだ。それでも仕事を続けてこれたのはどうしてですか?
「成功すると、ロフトワークのみんながすごく褒めてくれるんですよ。『やったね!』って。ひとつ上手くいくと、『あの時のあの感じで発想してみて』と聞いてくれたりするんです。わたしのいいところを見つけてくれようとする。それでだんだんやりやすくなっていきました。」

この取材では、佐藤さんが絵を描きだすことはなかったけれど、ロフトワークについて独特の説明をしてくれた。
「とにかく早いんですよ。ついていけない。車の後ろに紐でくくられて、一生懸命走っている感じなんです。慣れているところではふわ〜って緩むんだけど、あるとき突然びゅーんとスピードが上がったり、びょーんと飛んだりするから、ふわっと吊るされて、わ〜どこ行くの?ってなる。」
「でも、ふわっとなっても、同じように吊るされている人がまわりにも沢山いて、余裕のある人がたぐり寄せて助けてくれるんです。ロフトワークはそんな感じで進んでいます。」

その方向に共感し、同じゴールを目指しているならば、紐でくくられて走るのは全然嫌なことではないと思う。むしろ、楽しくてワクワクすることなのではないかな。
最後に、渡邉さんを紹介します。

「わたしは後ろからついていくタイプですね。ハンドル握ってぐんぐん進む人たちに、はい、これもこぼしてる、あれもこぼしてる、落ちてるよ!みたいな。」
「とにかく自由な会社なので、真面目すぎると辛いと思いますよ。こうじゃなきゃいけないとか、自分がリーダーとか、そう思っていう人には向かないかもしれません。一階にFabCafeをつくると聞いたときも、社長に『なんでカフェ?』って聞いたら『やりたいから』って。自由ですよね。」
もちろん、カフェをつくったのは、今までの流れから未来に繋げるストーリーがあっての判断。ただ、そのスピードがとても速いものだから、時には理解しきれないまま進んでいることもあるそうだ。
渡邉さんは、どうしてこの会社に入ったんですか?
「『わたしコミケの原稿の締切があるんです』って言ってもみんなに引かれないようなところに行きたいと思っていたんです。自分は漫画を描いているのですが、人生でそれが一番プライオリティー高いんです。漫画を書きながら働ける環境がベストだと思って。もちろんやるべきことはやって結果を出すことは前提ですけど。」
それに、クリエイティブ業界ならオタクも沢山いるだろうと思った、と渡邉さん。
入ってみたら、オタクどころか本当に色々なタイプの人が集まってくるところだった。
元看護婦、元弁護士、元古着屋…色々な業界からの転職が多いのも、ロフトワークの特徴だそうだ。最近では、ギリシャ出身のスタッフも入った。
色々な人がいるから色々なソリューションが生み出せる、ということなのだろうな。

愛嬌といっても、媚びるようなことじゃない。むしろその逆で、ありのまま話してくれている感じがする。だからこちらも聞いていて警戒しない。
きっと、ここで働く人にはそれぞれの愛嬌があるのだろうな。もちろん、今回募集するのは即戦力のディレクターなので、ある程度の経験やスキルが求められる。でも、それプラスで、自分の個性を認めてもらい、生かせる環境はなかなかないと思う。
最後に滝澤さん。
「文科系、スポ根、明るい人もいれば根暗もいる。みんなそれぞれのカラーがあり、強みもそれぞれ違います。スキルはもちろんあった方がいいけれど、スキルがなくても、なにかひとつでも自分の強みを持っていれば、それを活かす働き方はできると思います。基本的に、やりたいことがロフトワークの方向性と一致していれば、一緒に働けるんじゃないかな。」
