※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。
「自分たちでいいものをつくって売って、それに共感するお客さんが集まる場所をつくっていきたい。宝石を『売る』のではなく、『伝える』という意識を持ってもらいたいなと思っています。」世界中に何十種類とある色とりどりの宝石。だけどその大半は、日本には入ってこない。世界を旅してそんな宝石を買い付け、並べるお店が自由が丘にある。

ダイヤモンドと聞くと、白くていわゆるダイヤ型のものが思い浮かぶけれど、実は色々な色と形があり、光り方もひとつひとつ全然違う。
取材に伺うまで、自分が宝石を身につけるなんて考えたことがなかったけれど、手の届く値段で、ふだん使いしやすそうなデザインで、こんなに色々な宝石があることをはじめて知りました。
買い付けからデザインまでオリジナルのジュエリーラインをウェブと路面店から届けている「Bizoux(ビズー)」。
今回は、店頭に立って、お客さんに直接対面しながら宝石を伝え、自ら買い付けも行なうバイヤー兼店長候補とアルバイトスタッフを募集します。

宝石のことを知らない人も、知らないからこそお客さんの目線に立つことができるし、学んでいく過程の驚きや発見が新しい企画につながっていくんじゃないかと思うので、読んでみてほしいです。
東京・自由が丘駅から徒歩5分。自由通りに面したところに「Bizoux」の看板が見えてくる。
「Bizoux」の路面店は、主にウェブサイトから販売しているジュエリーを、実際に太陽光や室内光で直接見て、触ったり身につけてみてもらいたいという想いから、去年の12月にオープンした。

ドリームフィールズは、女性向けのジュエリー、バッグ、雑貨、アパレルなどを扱うEコマース事業とオリジナルブランドを展開している会社。
主なお客さんは、20代後半〜30代の女性。Eコマース事業としては4つのサイトを運営しているけれど、売るものはなんでもいい、というのではなく、お客さんの要望に応えていくうちに、だんだんと広がってきたのだろうな、という印象がある。
ドリームフィールズのが創業したのは、今から10年以上も前のこと。2001年当時はインターネットバブルの初期の初期で、まだまだネットで商品を買うなんて全然当たり前のことではなかった。
そんな時代から、試行錯誤しながら今のかたちをつくってきたのだと思う。
午前中、オープン前のゆったりとした空気の店内で、この会社を立ち上げた代表の関口さんに話を伺った。
「まずは、僕のバックグラウンドからお話しますね。僕は、大学を出て最初に銀行に就職しました。ある日、通勤の途中に偶然サイバーエージェントの藤田さんの講演会があることを知って行ってみたんです。藤田さんがそこでEコマースの新しい会社をつくるという話をしていて、面白そうと思ったのでその会社に転職したんですよ。それが今の仕事につながるきっかけです。」

「なかったですね。僕は大学のとき、ダンスをやっていたんです。ダンスってお客さんがいないと非常に面白くないものなんですね。お客さんが喜ぶことを考えて、それを実現する。だからこそ、お金を払って花束を買ってまで観にきてくれるし、僕らがかっこいいというのが成り立つんです。」
「でも、銀行に入ったら、そういうことが全然感じられなかったんです。サービスの発想がお客さんに全く向いていない気がして、違和感を感じてしまいました。お客さんがいるから面白い。それが、絶対的な肌感覚として僕のなかにあって。商売もそうあるべきなんじゃないかと。」
そうして転職した関口さんは、そこで食品からファッション、雑貨まであらゆる商品をEコマースで展開していくという経験をした。そして、その1年後に独立する。
独立して最初に立ち上げたのは、「Cafe Fragrabt Olive」というジュエリーを扱うサイトだった。

今回スタッフを募集する「Bizoux」は、「Cafe Fragrabt Olive」で宝石に興味を持ったお客さんが、より自分好みのものを選びたいと一段登って「Bizoux」にやってくるような、そんなイメージからはじまった。
「Bizoux」では、主にオリジナルのジュエリーラインが売られている。好みの石を選ぶところからはじまるオーダーメードのサービスも、これから本格的にはじまっていくそうだ。

関口さんの話を聞いていると、ジュエリーやバッグなど売っている商品そのものよりも、それを買うお客さんとの関係づくりのほうにより興味がある方なのかな、と感じた。
そんな感想を伝えてみると、関口さんがこんな話をしてくれた。
「新潟に、『カーブドッチ』というワイナリーがあるんですね。このワイナリーは、自分たちで畑に葡萄を育てるところからワインづくりまでしていて、それをお客さんと顔の見える関係で売っていきたいという考え方を持っているんです。敷地のなかではワインと食事を楽しんだり、結婚式をすることもできます。そんなふうに、商品から場まで一貫して自分たちでつくっていて、すごく素敵な事業だと思って。僕らもこういうビジネスをしていきたいんですよ。」

ふつうは、宝石がお客さんの目に触れるまでには、さまざまな人が間に入るそうだ。まず原石を発掘する人がいて、その後ブローカー、メーカー、問屋さんを経てようやく販売店に辿り着く。
それに対して、「Bizoux」では、石を買い付けるところから商品企画、デザインまで自分たちでしているので、販売する人が店頭でお客さんに伝えられる情報がたくさんある。
買い付けは、アジア最大の宝石市場といわれる香港をはじめ、各国の展示会へ足を運ぶそうだ。そこには、ダイヤモンド、サファイヤ、オパール、ルビーなど、世界中から色々な宝石が集まってくる。

そうした一連の流れが見えるからこそ、店頭で『伝える』ことができる。
商品だけではなく、考え方やプロセスまで知ってもらうことができれば、自然とファンは増えていき、『カーブドッチ』のような場ができていくんじゃないだろうか。
そんな場を一緒につくっていく人として、どんな人にきてほしいですか?
「ダンスをやっていたとき、仲間の9割は女の子だったんです。女の子たちは、3歳からバレエを習っていたり日本舞踊の家元の子がいたり、センスではとうてい敵わない。だから僕は、プロデューサーになろうと思ったんですよ。彼女たちが動きやすいように周りの環境を整えたり演出を考えたり。それが、僕の今にもつながる基本の仕事の姿勢なんですね。」
「だから、来てほしいのは、自立心が強く、自分で自分のキャリアをつくっていけるような人ですね。僕のやりたいことを実現するのではなく、ここで自分のやりたいことを実現してほしいと思っています。そのための器は僕がつくるので、中身は自分で考えて動ける人。」
関口さんが、宝石のことに関しては「敵わない」と認めているスタッフの小川さんにも話を聞いてみた。

「Bizoux」の商品は、作家さんとコラボレーションしたもの以外、すべて小川さんがデザインしているそうだ。
もともとはアパレルの販売員として働いていて、この会社に入るまでは宝石のことも知らなかったし、デザインの仕事をしてきた経験もなかったという小川さん。
どういう経緯でデザインまで手がけることになったんですか?

店内を案内していただいた。
アクセサリーは、小ぶりでシンプルなデザインのものが多く、思っていたよりも装飾的ではなく爽やかな印象を受けた。

「普通、この値段の3倍はすると思います。わたしたちは直に買い付けて自分たちでつくっているので、このような値段で販売できるんです。」
「価格とともに、デザインも親しみやすいものを意識しています。ジュエリーって、昔は貴族のもので、富の象徴だったので大きめの石で派手なデザインのものが多かったんです。それを、今の時代の女性が普段づかいできるような、シンプルなものにしていけるように心がけています。」

店舗だからこそ直接伝えられることは沢山ある。それは販売だけではなくて、ジュエリーづくりのワークショップ、作家さんの作品の展示などを開いてもいいし、サイトとの連動企画があってもいいかもしれない。
実は、お客さんの来店は事前予約制だし、とくに平日の昼は人通りも少ないことから、今までのスタッフの方から、仕事がなくて暇だという意見をもらったこともあったそうだ。
でも、もしもこの場をもっと生かしていきたいという意識があれば、もっと充実した日々になると思う。

(2013/8/28 笠原ナナコup)