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シェアを通して成長する

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残暑の残るある日、東京・自由が丘にある一軒のシェアハウスを訪れました。

チャイムを押そうとすると、中から英語と日本語が入り混ざった会話が聞こえてくる。

扉をあけると、このシェアハウスに住んでCome on UPの代表をつとめている永瀬さんが迎え入れてくれました。

東京・大阪・京都で約30軒のシェアハウスを運営しているCome on UP。今回は東京と大阪で、シェアハウスに住みながら、ハウスの日々の管理と、企画や営業など、得意分野を活かして働く人を募集します。

1 シェアハウスとは「家を共有する」こと。いってしまえば、そこに人の交流があろうとなかろうと、複数人で住める建物さえあればシェアハウスと言えてしまう。
けれど、Come on UPが運営しているシェアハウスは、ただ家を共有するだけではない。そこに住む人同士が自然に関わりを持ちながら一緒に暮らしていくような、そんなシェアハウスを運営している。

ちょうどこの日は住人の歓送迎会があるとのことで、料理の準備をしながら永瀬さんにお話を聞かせてもらうことにしました。

まず、どうしてこの会社をはじめたのでしょうか。

「わたしは高校・大学と留学をして、就職も1年目まで、ずっとアメリカで暮らしていました。人と違ったことをやりたいという性格もあるんですけど、もともと宇宙飛行士になりたいという夢もありました。なので、アメリカの大学で宇宙工学を勉強していたんです。」

2 けれど、宇宙工学を勉強しても、宇宙飛行士になることはなかなか難しい。それだったら、ビジネスで成功して宇宙チケットを買った方が宇宙へ行く近道だと思うようになり、ビジネスを専攻するようになった。

「卒業も近づいて、日本の企業を回って就職活動をしていました。3年生のときには大手のコンサルティング会社への就職が決まっていました。」

就職先も決まった大学4年次に、カリフォルニアの10校ほどの学生を集めたチャリティーイベントを企画する。恐竜博物館を貸し切り2,000人もの人を集めて、大成功をおさめた。

「そこで様々な企業の協力も得られたし、みんなをまとめて、短期間で過去最高収益を上げることができました。もっといろんな可能性があるなと思ったら、このまま日本に帰るのではなくて、ニューヨークで働きたいなと思ってしまったんですね。それで内定を辞退してニューヨークのベンチャー企業で働くことにしました。」

働いて一年目に、アメリカ同時多発テロが起きる。それを機に日本に帰国することを決めた。

日本に帰ってからは、日本の良さを海外に広めたいという思いから、メーカーで働きはじめる。シェアハウス事業をはじめるきっかけはここでの社内ベンチャーシステムに応募したことだったそうだ。

「今から7年前って、まだシェアハウスって言っても、理解してもらえない時期だったんですね。なので、『シェアハウスをやりたい!』って企画書を出ても、なかなか首を縦に振ってもらえませんでした。」

3 「その企画をやるかやらないかを決める人が、保守的な年配の方たちで。その時に思ったのが、この事業をやるために彼らを説得するのには何年もかかってしまうということ。それだったら自分でやってみせた方が早いと思って、会社を辞めて起業することにしました。」

そして2006年にCome on UPを立ち上げる。当初は2軒だったシェアハウスも、現在は29軒。30軒目となる新しいシェアハウスの開発も進んでいる。スタッフは東京に4人、大阪に2人にまで増えてきている。

「うちのシェアハウスの住人さんは、20代から30代の都心で働いている人が多いです。男女比も半々くらいで、どのシェアハウスにも海外の人が1人はいますね。あと、シェアハウスの人数は5人から、多くて9人。このくらいの人数がちょうどいいと思っているんです。」

ちょうどいい?

「わたしたちは、共同生活する上で、お互いが影響し合ってなにかしら成長してほしいと思っています。このくらいの人数だと、コミュニティに参加する、しないということを考えなくてもなんとなく関わっていられる人数なんです。」

4 「それと、住人さんには、自分でちゃんと自律した生活を送ってほしいと思っています。」

例えば掃除ひとつをとってみても、最近は掃除業者さんが入って、掃除をしてくれるシェアハウスもある。

「わたしたちは掃除業者さんには入ってもらっていません。でも、掃除業者さんにお願いするかはすごく悩みました。だって、単純に考えて、同じ家賃を払うのであれば、掃除付きの方がいいと思う人が多いじゃないですか。」

業者さんに頼むか悩んだとき、シェアハウスの住人に思い切って相談してみた。すると、こう返ってきた。

「ある子は、『暮らす、生活ってサービスじゃないと思う。レストランや旅館だったらそうしてほしいけれど、お家に帰って誰かにサービスは求めないよ。』って。もうひとりの子は、『そういういいとこ取りをする生活を求める人に魅力があるんだろうか。』と。」

4 「うちのシェアハウスに住んでいる住人さんたちはそう考えてるんだということがわかって、今は安心してそれを貫いています。」

自分の生活には自分で責任をもつ、それができた上で一緒に暮らす。そして、日常の掃除や家事をみんなで分担するからこそ、自然と交流が生まれて、いいコミュニティが築かれていっているんだと思う。

つぎに、Come on UPのスタッフの森田さんと、岸川さんに事務所でお話を伺いました。

事務所へは恵比寿駅から歩いて10分ほど。ここも元々はシェアハウスとして使っていた場所。

森田さんは、ご両親が住んでいた家をシェアハウスの運営会社に賃貸していたことがあるそう。どういう経緯でここで働くことになったのだろうか。

5 「実家のシェアハウスの管理会社を探していたときに、Come on UPを知ったのがきっかけです。もともと、いろんな人を知れる仕事がしたいなと思っていました。それとホームページをみて、会社の理念が魅力的だと思ったんです。違う価値観と出会って、互いに影響しあって成長していく。それを見て、ここで働きたいなと思いました。」

森田さん自身がシェアハウスに住んでみて、成長した部分はどういうところなんだろう。

「違った環境で育ってきた人たちと暮らすことで、いろんな価値観に触れる機会が多いんです。自分の思いもしない考え方をする人もいます。そういう考え方も、ただ『自分にはわからない』じゃなくて、話をちゃんと聞いて、『そういう考え方もあるんだ。』って受け止められるようになりしました。そういうところは成長したと思います。」

働きはじめて大変なことはありましたか?

「月に一度、シェアハウスの住人みんなが集まってミーティングする日があって、そういう日や入居に立ち会うときは、遅い時間に仕事が入ることもあります。逆に、退去のときは早い時間だったりします。あとは、海外のスタッフもいるので、英語での会話も多く、会社の雰囲気がとてもアットホームです。わたしはこの雰囲気がすごく好きですね。」

シェアハウス事業部マネージャーの岸川さんにも、ここで働くことになった経緯を聞いてみる。

「わたしは、以前保険会社で働いていました。そのとき、生まれて初めて実家を出て寮に住んだんです。最初は人と住むことに気が進まなかったですね、わずらわしいだろうなと思っていました。でも住んでみると、すごく楽しかったんです。」

IMG_0668 寮のみんなでご飯を食べたり、休みの日にはどこかへ出かけたり、共同生活ならではの楽しさを知る。一緒に住んだからこそ、わかることの多さにも気づく。

そして転職を考えるときに、シェアハウスを運営しているCome on UPを知り、4年前から働きはじめる。

岸川さんは日々どんな仕事をしているのですか?

「シェアハウスの運営事業に関わることは、すべておこなっています。新しい事業を考えたり、どんなシェアハウスをつくるか、物件のことを考えたり。それから人事や経理なども担当しています。」

「そして、シェアハウスの管理については、それぞれエリアごとに担当のシェアハウスをもって、社員全員がおこなっています。壊れた設備を直したり、洗濯機を交換したりなど、建物のメンテナンスなどをします。それから、住人の入退去時にはイベントを企画したり、月に一度のハウスミーティングに参加して、住人と話をしながらコミュニティづくりなどもしています。」

今回入ってくる人もシェアハウスの管理をしながら、岸川さんであれば経理や人事、というように得意分野を活かして専門業務を担っていくことになる。

どんなことが得意な人がいいのでしょうか。

「これからはわたしたちだけでシェアハウスをつくって入居してもらうだけではなく、企業と一緒にシェアハウスを通して、もっと面白いことをしていきたいと思っています。例えばコミュニティづくりも含んだ社員寮を提案したり。なので、法人向けの営業ができる人がいいですね。また、シェアハウスの運営もよりよくしていきたいので、運営の仕組みをづくりを楽しみながら考えられる人がいいです。」

シェアハウスの日々の管理をしながら、企画や営業など、専門業務を担当する。生活者としての視点も持ちながら、ビジネスもしっかりやる。両方の視点をもつからこそ、よりよいシェアハウスがつくれるんだと思う。

6 「専門業務をもつといっても、小さな会社だからこそ業務のすべてが見えます。シェアハウスの企画開発、営業、コミュニティづくりから、経理、財務や人事まで。事業に関することは、興味さえあれば一通り経験できると思います。なので、将来自分でなにかチャレンジしてみたいことがある人には、とてもいい環境だと思います。」

どんな人が向いていると思いますか?

「まずは、シェア生活やコミュニティづくりに興味があってほしいです。あとは、まだまだ発展途上の会社なので、どうしたらもっとよくなるのか、自分で考えて行動できる人だといいです。いろいろ経験できるからこそ、適度な上昇志向をもっている人にきてほしいですね。」

7 まずは、シェア生活をする。そうすると、自ずとシェアハウスにどんなことが必要かわかってくる。それは自分自身の成長にもつながるし、日々のコミュニティづくりやこれからの事業にも活きてくる。

ここの仲間になって、お互い影響しながら成長していける人に、ぜひ来てほしいと思います。(2013/10/01 吉尾萌実up)