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キッチンから笑顔をつくる

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「キッチンが変わると、家族の関係って変わるんです。お客さまにはキッチンを届けるというよりは、家族の笑顔がある暮らしを届けていきたいと思っています。」

1 そんな思いをもって、キッチンをつくり続けている会社があります。

今回は、キッチンメーカー・クリナップ株式会社のショールームで、キッチンのプランニングや、暮らしの提案をおこなうアドバイザー、そして、そのアドバイザーとお客さまをつなげるアシスタントを募集します。

食や住空間に興味があったり、お客様と深くつき合って接客をしてみたい方は、ぜひ読んでみてください。

クリナップ株式会社は、1949年からはじまり、創業60年をこえる日本を代表するキッチンメーカー。この日は、全国に102店舗あるショールームの中から、新宿ショールームへ伺いました。

IMG_0710 まずはクリナップのここまでの歩みを、このショールームの責任者である小林さんに聞いてみる。

「創業当初、クリナップは、キッチンメーカーではありませんでした。最初は、座卓をつくっていました。当時は、社名も『井上食卓』と言って、高度経済成長期には、座卓メーカーとして日本一になったんですよ。」

けれど、高度経済成長期の技術革新が進み、デコラ板の普及によって安価な座卓が出回るようになった。それまでは職人が手作りで座卓をつくっていたけれど、それだけでは、経営が難しくなると考えた。

IMG_0737 「そして50年ほど前から、座卓の製造で培った木工加工技術を利用して、流し台をつくるようになっていきました。それがキッチンメーカー『クリナップ』としてのはじまりです。」

その後は、日本初のシステムキッチンを製造したり、それにとどまらず、流し台の加工技術を用いて、バスや洗面台を製造している。

クリナップのキッチンには、どんな特徴があるのでしょうか。

「キッチンって今、家のどこにあると思いますか?」

想像してみる。わたしが住んでいる家も、友人の家も、キッチンはリビングやダイニングなど、家の中心となる場所にあることが多い。

「そうなんです。キッチンは、人が一番集まるところにありますよね。そこは食事をとるだけではなくて、家族がくつろぐ場所でもあります。だからこそクリナップは、収納や機能的に、より使いやすいものを研究しています。また毎日見られるものですから、それぞれの家にあうよう、色も豊富に揃えています。料理をつくる道具としてだけではなく、家具としても楽しめるものをつくっているんです。」

「それだけではなく、くつろいでテレビを見ているところを邪魔しないように、水が流れる音が静かなシンクであったり、急な来客があったときに、拭いたらすぐ汚れが落ちるような素材を研究したり、生活する上で、あったら嬉しいことも考えて、キッチンを開発しています。」

IMG_0706 道具として機能を高めるだけではなく、現代のライフスタイルにあわせたキッチンをつくる。さまざまな住環境の変化があっても、創業当初から変わらないことは、家族が集まる場所に寄り添い、笑顔が生まれる場所にするということ。

ショールームをみると、モダンなものから、彩りが美しいものまで、たくさんのキッチンが並んでいる。機能的には、小さな子どもが開けにくい引き出しだったり、洗いものを隠せるものだったり、一言でキッチンといっても、様々だ。

ここで働いているアドバイザーは、どういう役割をもっているのだろう。

全国のショールームの運営や企画を担当している上原さんに聞いてみる。上原さんは、ショールームのアドバイザーの仕事をやりたくてこの会社に入社したとのこと。アドバイザー経験者だ。

「キッチンって一見しただけでは、どこに、どんな違いがあるのか、わかりにくいですよね。クリナップの製品は、多くの開発者が関わってつくられています。けれど、全員が直接お客さまとお話をできるわけではありません。そんな彼らに変わって、一人一人のお客さまに、製品を伝えていくのがこのショールームのアドバイザーの役目なんです」

IMG_0755のコピー 「そして、クリナップの製品の購入を考えている方のご相談に乗って、そのお客さまの、予算や希望、生活スタイルにあわせた、キッチンのプランニングもおこなっているんですよ。」

キッチンに求めるものは、家のサイズや予算によって一人ずつ違う。さまざまな製品をつくっているからこそ、それを組み合わせて、お客さまの求めるキッチンをつくることができる。

実際に、ここでアドバイザーの仕事をしている相田さんに話を聞いてみた。第一印象の笑顔がとても明るく素敵な方。どういう経緯でこの仕事をはじめたのだろう。

IMG_0764 「わたしは、就職活動中に、少し悩んでしまった時期がありました。そんなとき、自分のこれまでを振り返ってみたんです。そのときに、キッチンって、その家族がどんな家族になるか、までは言えないかもしれないけれど、家族や人をつくる場所かもしれないと思ったんです。」

家族をつくる。どういうことだろう。

「小さい頃、わたしにとってキッチンって、お母さんと一緒に過ごすところでした。学校で嬉しいことや、いやなことがあると、夕ご飯の準備を手伝いながら相談できたり。そういう時間が自分をつくってきたなって感じて。なので、お客さまと同じ目線にたって、家族とよりよい時間を一緒にすごせる場所を提案したいと思い、この仕事をはじめました。」

アドバイザーは、来てくださったお客さまに製品の説明をしたり、お客さまの理想とするキッチンをプランニングしていくことが主な仕事になってくる。

プランニングは、どういうことをするのでしょうか。

「お客さまと話をして、どんなキッチンがいいのか伺って、それを形にしていきます。最初は、「食洗機とペーパーホルダーをつけたい」というよりも、「家族と一緒にご飯をつくれるようにしたい」など、具体的ではないことが多いんです。ご家族の話などもじっくり聞いていって、それだったらこういう風にしたらどうですか。と提案していきます。」

IMG_0712 「あとは、今まで使ってきたキッチンに慣れてしまっているので、何に困っているのか、お客さま自身もわからないことが多いんです。なので、実はこういうところ困っていませんか?という話をしたりもします。」

最近は、ショールームは敷居が高いと思われがちなので、入りやすい雰囲気づくりなどもされている。料理教室などのイベントや、キッチン雑貨のショップを併設したり、目的がなくてもふらりと訪れることのできる環境づくりなども進んでいる。

印象的だったプランニングはなにかありますか?

「二世帯のご家族のキッチンを担当させていただきました。その両親のお母様がとても料理好きの方だったんです。けれどご病気になってしまって。それぞれのご夫婦がプライバシーを保ちながら、一緒に過ごせるキッチンをつくりたいというご相談でした。」

どういうキッチンを提案したのだろうか。

「2世帯の家の真ん中に、キッチンを2つ繋げた、3mほどの長いキッチンをつくりました。そしてその真ん中を壁で仕切りました。でも、お母様の手元が見えるように、キッチンとキッチンの間だけは壁を閉じずに、キッチンがつながるようにしたんです。そうすることで、お嫁さんはお母様の手元や火元をみることができたり、その窓から食材をシェアすることができたり。お母さんも大好きな料理ができるということで喜んでいただけて、お嫁さんも安心して過ごせるということで、家族関係がよくなったというお言葉をいただきました。嬉しかったですね。」

接客 働いてみて、大変だったことなどはありましたか?

「ショールームには、カタログをとりに来るだけの方から、新婚・年配のご夫婦、工務店の業者の方など、さまざまな方が訪れるんです。それぞれ求められることも違ってきます。その感覚をつかむことが最初は大変でした。それと、ショールームってきれいに働けるかと思っていたんです。けれど、そのイメージで来られると少し違うかなと思います。お客さまの生活に入り込んでいって話を聞いていく。そのためには、まずは自分のことを信頼してもらわないといけない。製品の説明をすればいいだけではありませんし、時にはお客さまからお叱りを受けることもあります。」

キッチンは、決して安い買い物ではない。だからこそ、一人一人のお客さまとじっくり話をして、さまざまなことを聞き出していく。話を終えた後は、実際に提案したものを図面に落とし込んでいく作業もあるそうだ。

アシスタントはどんな仕事をすることになるのだろう。ショールームの企画をしている上原さんに伺う。

「アシスタントについては、今までにない、新しい役割です。アドバイザーがお客さまとプランニングの話をしていて、来てくださったお客さまに対応できないことがあるんです。そういったとき、ショールームの窓口となって、お客さまとアドバイザーを橋渡しする役目をして欲しいと思っています。」

「たとえば、来てくださったお客さまにどんな希望があるのかを伺って、カタログをご希望の方にはお渡ししたり。プランニングに関しては予約制なので、次はどのくらいの時間だったらご案内できるか説明してほしいと思っています。ときには、アドバイザーの事務的な面もサポートしてもらうことになります。」

IMG_0732 アシスタントという役割を設けることで、お客さまも安心できるし、アドバイザーもそれぞれのお客さまにより集中できる。ショールームを、心地よく利用できるようにする役目なんだろうな。

ここで働く人は、どんな人が向いているでしょうか。

「クリナップは『キッチンから笑顔をつくろう』がステートメントです。なので、自分の生活が楽しくなるように、日々すごしている人がいいなと思います。それと、食がお客さまとの共通の話になるので、食べることが好きな人もいいですね。また、しっかりとした接客の研修を受けたスタッフと仕事をすることになります。なので、プロの接客を身につけたい方にもいい環境だと思います。」

女性が多い職場ではあるけれど、キッチンを使うのは女性だけではないので、男性も歓迎だそうです。

IMG_0771 話を聞いていて、料理を作る道具として、キッチンを販売するのではなく、そこで過ごす時間が温かいものであるために、キッチンという空間を提供している場所なんだと感じた。

アドバイザーとして、家族の笑顔がある暮らしを生みだしてく。そして、アシスタントとして、それを支える環境づくりをしていく。食や暮らしに興味がある人に、ぜひきてほしいと思います。(2013/11/12吉尾萌実up)