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東京・虎ノ門に本社を置くトレードマーク47。「地域から日本を変える」を合い言葉に、県単位のプロデュースを事業にしています。子会社のある鳥取と高知に加え、そのほかの地でも活躍したい「地域プロデューサー」を募集します。電通出身の広告プロデューサー、玖島(くしま)裕氏が1999年に立ち上げた会社がトレードマーク。「人と人とのコミュニケーションがあるところには必ずプロデュースの可能性がある」をモットーに、プロモーション戦略のほか、CMやグラフィック広告でヒットを飛ばしつづけている。
3年前に設立された関連会社が、今回募集をするトレードマーク47だ。地元と連携して「地域そのものをプロデュースする」のがコンセプト。子会社が鳥取と高知にある。
まずはトレードマーク鳥取を訪問。社員は3名、砂丘でパチリ。

福岡出身。転勤族として幼少期を過ごし、バンプレスト、ウォルト・ディズニー・ジャパン、日本科学未来館、コナミの順にITとエンターテインメント系の会社で社会人経験を積んだ。
この3月、妻子とともに鳥取へ移住。
「東京に拠点がある企業で、地方の良さを味わいながら子育てをするライフスタイルを探したのが転職の理由ですね。妻も自分の仕事を辞め、一緒に来てくれました。将来、生まれ故郷の福岡に行けるかなという思いもあります。」
鳥取は全国で人口が一番少ない県。だが、そこに可能性を見る。
「この地でプロデュースの方法を見つけ出せれば、日本全体に応用できるのではないかと。(トレードマーク47)社長の玖島も広島出身ですから、常に『地域から日本を変えていく動きをつくりたい』という思いを聞いています。」

「大きな会社は、ある期間の仕事が終わったらサッと帰っていっちゃう。地域側から見ると『東京もんはおいしいところだけ持っていく』と思うでしょうね。小さな会社だからこそ、人との縁を大事にして、採算ベースにあうかわからない仕事にもチャレンジできます。」
具体的にはどんな仕事を?
「これまでに手がけたのは、昨年の『国際まんが博』のように大規模なイベントの総合マネジメントでした。こうした委託業務が先に立っていたんですが、いまは人間関係のつながりができた人と、独自の新規事業をコツコツ展開しつつあります。」
その1つが食。これまでも鳥取出身のクリエイターとともに、県産牛「鳥取和牛オレイン55(ゴーゴー)」のPRを2年間、手がけてきた実績がある。
現在は県東部の因幡地域で、ハンターや料理人とともに『いなばのジビエ』推進協議会のプロジェクトへ参加するほか、鳥取県牛肉販売協議会のサイトリニューアルも受注した。
現地で取材をおこない、デザインと編集、コーディングまで担当。生産者や販売店、飲食店に聞いた鳥取和牛のレシピが楽しく並ぶサイト「とっとり牛肉手帖」がまもなくオープンする。

どんな人が向いていますか。
「東京や首都圏で頑張っている、鳥取や高知出身の方がちょうどいいタイミングだとUターンされるのが理想的です。」
デザイナーの谷口 絢さんは28歳、結婚を機に鳥取へUターン。トレードマーク鳥取に就職して1年目、それまでの8年間は東京の広告代理店でデザインの仕事をしてきた。
砂丘で星を見るのが好きな谷口さん。鳥取の魅力って?
「食、それから人ですね。鳥取の人は心を一度開いてくれればとても優しいから、地域に飛びこめる人に向いている土地ですよ。地元に帰って驚いたのが、ご近所さんが野菜や魚、お米までくださること。新生活の不安がかき消されました(笑)」
賃料も安いから暮らしにお金がかからない。シャッター街だと思っていた駅前通りには、東京からUターンした世代が開いたセンスが良く美味しいお店が、昔ながらの店と並んでいる。
工芸も盛んだし、すばらしい書店や図書館もある。冬は雪も多いけれど、スキー場も街に近くて楽しくすごせそう。
「満員電車のストレスがないのがいいです。東京を走るのとは違う空気を吸いながら、自転車通勤。仕事が行き詰まったら、外で深呼吸してリフレッシュできます。温泉も多いですよ。東京のようになんでもあるわけではないから、自分から楽しいことをつくり出すために、ものづくりにハマったり、アウトドアにでかけたり、積極的になりました。」
東京での仕事は、紙媒体のデザインだった。いまはWebのほか、ポスターやパッケージデザインなど、地域の多くの仕事をこなしている。

「“限界集落”という言葉が生まれた、高知県の大豊町で栽培されている『限界突破トマト』です。商品コンセプトやネーミングは高知のメンバーが考え、私はデザインを担当しました。農家さんからFAXでお礼が来たんですが、それがスゴくうれしくて。」
すぐにファックスで返事を送った。素敵なやりとりだなぁ。

鳥取の谷口さんと連携したトレードマーク高知も、社員は3人。設立半年の若い会社だ。

「県外から来た僕たちは『はじめまして』と入っていきます。よそ者の視点がうまくはたらく場合もありますが、人のつながりがないと難しい部分も多い。」
最初の仕事が、県産品を紹介する『まるごと高知 お取り寄せ・贈り物カタログ』をリニューアルする受託業務だった。
県内の観光施設、道の駅、アンテナショップなどに9万部が置かれている。手にとってもらえる親しみやすさを目指し、デザインも工夫した。
あっ、イラストは地元で絶大な人気がある『きんこん土佐日記』の漫画家、村岡マサヒロさん!

高知出身の38歳、5歳のお子さんがいる。建築とデザインの会社を創業し、東京で切り盛りしてきた経歴を持つ。
2年前、家族3人で高知へUターン。この4月にトレードマーク高知へ入社した。いまも経営者の顔を持ち、地元のグルメスポット「ひろめ市場」に夫婦で自然派ワインのバルを開いている。
高知の経済状況はそれほど良くないのに、いつ来ても、ひろめ市場と周辺の商店街には活気がある。
お酒を通じたコミュニケーションが高知で仕事をするのに役立つのを町田さんはよく知っている。
「高知県は自営業者の割合が日本でいちばん多いと言われています。ビール消費量が日本一なのは、その証拠かも(笑)。とにかく『人』と『土』のパワーがスゴいですから!」
彼女が会社で実現させたい構想。それは受託事業ではなく、自分たちで仕事を生み出していくプロジェクトだ。
第一弾の商品開発事業としてスタートするのが、『SOULSOILS』ブランド。地元農家のオーガニックの生姜を使ったスパイスティーを12月に発売する。

「こういうことをやりたい、と毎日1人ずつ口説いています。私は山や土に強いのですが、海に強い人に会いに行ったり。雇用や流通、みんなが共感してくれる問題がたくさんあるから、『一緒にやろう!』って巻き込みたい。」
社長の市原さんは、新たに立ち上げるプロジェクトに対してこう言う。
「これまでの活動で強く感じたのが、地元に“雇用”を生み出す必要性です。イベントのプロデュースや地元資源のブランディングだけでなく、みずから新しい事業を起こさなければなりません。」

「ええ。さらに僕たちがやりたいのは、今までは仕事にならなかった対象、つまり『高知のエネルギー』自体に価値を与えていくこと。商品開発をしたり、物販をしたり、飲食事業をしたり、スクール事業を考えたりしているのは、すべてその手段なんです。」
今回、そうした事業のパートナーとなってくれる人も求めていますよね。
たとえば、町田さんのように自分でも事業をやれる方が、あえてトレードマーク47に就職するメリットはどこにありますか?
「アイデアはあるけれど、具体的にどうやったらいいかと悩む人にノウハウが提供できると思います。もともと企業のテレビCMやブランディングを手がけてきた会社なので、プロモーションとしてのネットワークや、東京のリソースが使えますね。初期段階に会社から資金援助があるのも大きいです。」
親会社の強みが活かせる。
「そうです。業績は厳しくチェックされますが、小さな会社だから仕事の制限はないんですね。自分でやりたいことを発信して、リスクを計算しながら挑戦できる。その環境が楽しめる人に来てもらいたいです。」
経験も要求されるでしょうね。
「いえ、新卒の方でもしっかりとした思いや考えを持っていれば問題ないと考えています。やりたいことが明確であれば若くてもいい。賭けかもしれませんが、新たな“異物”をドーンと入れたいという思いもあるんです。あとは、飛び込んでアッという間に仲良くなれる人。どんな優秀なビジネスプランを持っていても、地方では受け入れられなければ意味がないですから。」

「地方で何かをやるとき、コミュニティに入っていくのが厳しいこともあります。ですので、地元出身など、すでに高知や鳥取をはじめとして地元に広いコネクションをお持ちの方や、自身の経験をもとにその逆境すら楽しみ、自分から新たな道を切り開いていけるような方と一緒に仕事をしていきたいですね。」
社員となるか、事業パートナーとなるか、求人は3タイプ。ちゃんと「やりたいことが思い描けている」のが条件です。新しい街に子会社の設立を提案するのも歓迎だそうですよ。(2013/11/1 神吉弘邦 up)