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2013年4月にオープンした、神保町のシェアオフィス兼イベントスペースの「EDITORY(エディトリー)」。前回の求人(「神保町にウズをつくる」)には数多くの応募がありました。スペースを増やしたEDITORYが新スタッフを募集します。神保町駅から徒歩1分、安富ビル4FにあるEDITORYは、365日24時間使えるシェアオフィスだ。
以前の記事ではまだスケルトン状態だったフロアは、こんな雰囲気で完成。靴を脱いでカーペットに上がるスタイルで、知り合いのリビングにお邪魔するようなアットホームな雰囲気がある。

契約者用ロッカーのほか、8席がある個室のミーティングルームも用意。平日で常時6人ほど、多いときはこのフロアに12〜3人ほどが集まって仕事する状況だという。

世間への認知度が高まったのは、どちらかというと、数多くのカルチャー系イベントが行われる会場としてだろう。
「これまでに行ったイベントは50本近くです。夏場が特に多かったですね。」
そう語るのは、運営マネージャーの石田亮一さん。前回の求人で高倍率を見事に突破した26歳だ。半年の現場経験をへて、ずいぶんたくましくなった感じ。

「もちろん、魅力的な本屋さんはたくさんです。でも、グルメの街ですから好きなお店はたくさんありますね。和食屋だと「智夢(とむ)」さん、飲み屋さんだと「卯佐(うさ)」さんかな。」
それにしても、半年で50本のイベントは結構なペース。開催は夜からなんですよね。
「19時半からスタートしたら2時間後に終了という感じです。その後は懇親会。ブレイクする時間がないと、参加者が何も持ち帰らないのは寂しいですから。意外と早く終わるイベントもあれば、遅く終わるものもある。その方がみんな楽しんで帰ってくれるのでいいんですけど、自分が帰る時間がどんどん遅くなってしまいます。」
勤務時間はどうですか。
「基本は10時から19時なんですが、イベントが遅いとその後に掃除をしたりとか、結局、次の日までやったときもあったり。体力面ではハードですよね。」
イベントが終わった後に懇親会をするような場合、マネージャーが付いていくかどうか。仕事との線引きは難しいところだが、そうした交流がプラスに働くことはきっとあるだろう。
「僕がいま興味があるテーマは、もっとこの場所が神保町という街に対して根付けないかな、ということです。」

「6月か7月くらいでしょうか。オフィスとして利用している方に、イベントのためにどいていただいたことが続いてしまい、申し訳ないことがありました。」
ワーキングスペースと別に、イベントスペースを設ける必要があった。そこで今月、同じビル2階に新スペース「イベントラウンジ EDITORY」をオープン。改装費を最小限に抑えるために、ワークショップやDIYで完成させた。

2階のインテリアは靴のまま入れるラフな感じで、より街に近づいた気がする。簡単なキッチンも併設され、イベントがない間はお茶も飲めるライトなワーキングスペースになるイメージだ。
逆に4階は「ワーキングラウンジ EDITORY」という名で、利用者が仕事に集中できるような環境にする。現在は4階に受付として常駐するスタッフも2階へ移ることになる。
今回、募集する職種の1つがこの運営スタッフ。2つのEDITORYの窓口として接客しながら、事務や清掃などの運営サポートをする役割だ。
基本的に勤務時間は10時から19時の実働8時間。お客さんにコーヒーなどもいれてもらうけれど、飲食業での経験は問われない。あくまでも施設を管理してもらうのが仕事。コツコツと業務をこなしてくれるタイプが向くと思う。
ここからはEDITORYが入っている安富ビルのオーナーであり、雇用主となる安富太郎さんに募集職種と求める人材についてうかがいます。

4月に初めてこのようなスペースをオープンして、どうでしたか?
「ここから何かを生み出していこう、発信していこう、というエネルギーに満ちています。新しく出会う方が300人から400人くらいEDITORYに来ました。これまで面識のある方を含めると500人を超えます。石田君ほかスタッフの業務は大変でしたよね。事務的なこともやるので、入居への斡旋もなかなかできない状態でした。」
そうなると、ビジネスとしてはイベントで収益を確保する方向にいかざるを得ないでしょうね。
「これまでは受託のイベントがどんどん入ってくるなかで、手探りで動きながら決めていったんです。最近になってどんな体制が必要か現場で整理できるようになったんですね。」
それで「運営スタッフ」と「コミュニティマネージャー」に分かれた求人なんですね。
「先日は『ブクブク交換』という本を交換するイベントがあったんですが、せっかく神保町なんだから、古本のフェスとかカレーのグランプリとかになったら、観光的なものの1つに育てられる。そういうところまでやっていくれる人がいたらスゴくいい。EDITORY独自のコンテンツをつくることで、独自のコミュニティをつくりたいと思っています。」

「それから2階のようにフリーで風通しのよい空間もつくりつつ、もうちょっとクローズドな展開を考えているんです。それには第3の人材が必要かもしれません。」
クローズドな展開とは?
「入居された方の起業やビジネスをサポートをしたいんです。入居者がどこかと契約しなきゃいけないときに契約書を見てあげたり、事業をスタートするのに銀行などの融資を通せる環境をつくったり。司法書士や税理士、金融関連の方々のサポートも得られてきています。」
取材前の予想と違って、かなり広範囲な話になった。半年で新しいスペースがここまで育つというダイナミックな動きも感じる。
次のステージへ進むときには、プレイヤーも変わる。シェアオフィスやコワーキングスペースのあり方、その定義自体も変わる時期なのかもしれない。

野球でいうとショート向きな人がキャッチャーをやってる、みたいな?
「足でかき回すのが得意なプレイヤーなのに、3番バッターで何でもやらなくちゃいけない、という辛い状況かもしれない。」
すかさず「僕はたしかに1番か2番しか打ったことがないですよ」と石田さんの声。サポートスタッフが入ったものの、現在は専属の運営スタッフがいない状態を石田さん1人が兼ねている。その辛さを上司はよくわかってらっしゃいます。
今後、石田さんはEDITORYで培った人脈を生かして、街に出る仕事が増やしたいのだという。安富さんも歓迎だ。この日、EDITORYの2階では、神保町にある魅力的な書店と、各店の推薦本を紹介するイベントが催されていた。

ちなみに現在、立ち上げに携わった外部チームのサポートは終了し、今は株式会社安富が単独で運営・企画の主体となっている。
まだ安富ビルは、3、5、6階も空いていますね。
「すでに3階はシェアオフィスになる予定です。上の階に事務所として入ってくださる方も、石田君の知り合いで興味を持っている人がいる。他のビルとは違い、付加価値を求めて借りてくれると思うんです。仕事終わった後に2階でビールを飲んで帰るとかでもいいですし。」
将来的な視野がありつつ、今回の人材募集ということですね。
「そうです。まだ数字では追い付いていない部分もあるんですが、向かっていく方向が見えたので、打ち出していくものは決まったかな、と思います。」

それに加えて、EDITORYをどういう場所にしていくか、ビジネス面から舵取りができる「運営マネージャー」の候補がいれば、ぜひ面接したいという。
野球部でいうと女子マネージャー(もちろん男子でも構いません)、3番バッターもしくはピッチャー、そしてチームの監督といったところでしょうか。
前回募集に続き、新しい場に関わるチャンス。でも、他にサポートを期待できない実力者の募集だから、かなりシビアな仕事に就く覚悟は必要です。
手探りの状況から、他と差別化をはかる新しいタイプのワーキングスペースへ。開拓の段階を終えて、ブランドを確立して新たなシーズンを迎えるEDITORY。その第2期をつくってくれる人材の募集です。
この場を塗り替えてやる!くらいの気概を持った方はぜひ。
(2013/12/16 神吉弘邦)