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“今”をどう食べるか。

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

私たちのからだは、日々、口にしたものからつくられている。それなら、少し手間はかかっても、自分のからだが本当に満足するものを取り入れたい。そして、できることなら、どんなものを使って食べるか、からだのみならず、こころも満たされるように、器やお箸など、自分に触れるものや空間も大切にしたい。

そういう考えに共感できる人に、知ってほしい新しい食堂があります。

目黒通りにある、ホテル、カフェ、ショップ、ギャラリーからなるCLASKAを知っている人は多いのではないでしょうか。2008年にリニューアルし、リノベーションホテルの代名詞ともなっている場所。

CLASKAの2階には、伝統の手仕事からつくられる工芸品や、新しいプロダクトまで、今の自分たちの生活にちょうどいいものを集めた、ライフスタイルショップCLASKA Gallery & Shop “DO”(クラスカ ギャラリーアンドショップ ドー)があります。

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普段使いできる生活雑貨だけれど、それを使うといつもより少し豊かな気持ちになれるものが並んでいるショップ。現在は渋谷ヒカリエ、東京駅KITTEをはじめ、全国に8店舗まで広がっている。

そんなCLASKA Gallery & Shop “DO”が新しく食堂をつくる。今回は、日々の食と向き合い一緒にお店をつくっていく、キッチン・ホールのスタッフを募集します。

食堂の名前は『DO TABELKA』(ドータベルカ)。今をどう暮らすかをテーマにしたCLASKA Gallery & Shop “DO”が、食べることを考えると自然とこの名前に行き着いたそうだ。思わず口にしたくなる、気持ちのいい名前だと思う。ポーランド語で『テーブル』という意味を持つそう。2014年3月20日に日本橋に開業するCOREDO 室町3の2階に、ショップとともにオープンする。

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完成前の店舗に見学に行くと、ショップとひと続きの広々とした空間に、DO TABELKAはあった。食堂の名前の通り、肌触りのいい木製の大きなテーブルがこの食堂の顔となっている。

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席数は全部で54席。お店自体は広々と感じるけれど、ここに人が入ると賑やかになるんだろうな。

COREDO 室町3は日本全国のおいしいものを集めた飲食店や、素材の良さやものづくりへのこだわりを伝える雑貨店が集結する。上階にはオフィスが入居する予定。地下1階から4階までには、日本橋ならではの老舗から、新しいお店まで、全18店舗が新たな衣食住を提案する場所となる。

さっそく、このDO TABELKAのディレクションをしている大熊さんにお話を聞いてみる。大熊さんは、2008年のCLASKAのリニューアルに関わり、CLASKA Gallery & Shop “DO”を立ち上げた方だ。

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どうして今回食堂をはじめることになったのだろうか。

「CLASKA Gallery & Shop “DO”をはじめたときから、いつかはショップの雰囲気にあったような飲食店を出したいと思っていました。自分たちで扱っている器や素材を生かして、こういう『食』いいんじゃないかな、ということを提案してみたかったんです。」

DO TABELKAの提案するその食というのは、どういうものなのでしょうか。

「ハレとケでいうと、ケの料理ですね。毎日の食事というところに軸を置いています。ショップは日常でつかえるけれど、少し上質感を感じてもらえるようなものを集めたお店です。なので、お料理でも同じように、からだに良いけれど、ただヘルシーなだけではなく、こころまで満足してもらえるような、そんな食事を提供していきたいです。」

こころも満足するもの。

「器など、見た目からも、食べる気分は変わりますよね。あまりやりすぎないように、という思いもあります。けれど、DO TABELKAを通して、こういうものを自分たちの暮らしに取り入れたらどうだろうか、ということも伝えられるといいなと思っています。」

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たとえば、DO TABELKAで使う器は、ショップでも扱いのある栃木県・足尾の『郡司庸久さん』という作家につくってもらうことが決まっている。気取りすぎないけれど繊細さがある郡司さんの器は、これから作家さんの器を買ってみようという人におすすめなのだそう。

そして、スタッフになると日々着ることになる制服は、台湾の『ヂェン先生』という方がつくる、動きやすく着心地のいい日常着になるとのこと。

今の暮らしの中で自分たちがちょうどいいと感じるものを取り入れて、提案していく。

実際の料理はどんなものになるのでしょうか。

「お料理は、料理家の尾崎史江さんにお願いしています。彼女のお料理を食べたのは、3年前にショップで、奈良にある雑貨店、くるみの木さんの展示会をしたことがきっかけでした。オープニングパーティーでフードを担当していたのが尾崎さんだったのです。そこで食べたお野菜のお料理が本当においしかった。」

大熊さん自身、普段そこまで野菜を食べるタイプではないらしい。けれど、そういう人でもおいしくお腹を満たすことができた。そして食堂をつくるなら、やはりからだにいいものを提案したい。そこでお料理は尾崎さんに手伝ってもらうことになった。

これまで精進料理や、ケータリングを通して料理と関わってきたという尾崎さん。初対面なのに話しやすく、色々詳しく教えてくれた。ここでのメニューはどんなものになっていくのでしょうか?

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「旬の食材の秘める力を生かして、毎日食べても体においしくて、飽きないものを考えています。一汁三菜でメニューをつくっていきます。」

一汁三菜とは、日本料理の正式な膳立ての中で、日常に取り入れやすい形の献立。ごはんに汁物と3種類のおかず(主菜を1品、副菜を2品)で構成されたもの。日本人が古くから慣れ親しんできた、栄養バランスがよい食事だ。

「ランチはしっかり食べられるような日替わりのものを1種類、定番のものを数種類考えています。日替わりでお出しするものは植物性の主食、お野菜で完結したものにします。」

「たとえば高野豆腐とか、車麩とか、動物性のものをつかわなくても、立派に主菜として役割を果たしてくれるものはあるんですよ。そういった、からだをリセットできるメニューもつくりたいですね。けれど、植物性のものだけではなく、定番でなじみのあるお肉やお魚がメインの定食、またカレーなどの定食も考えています。」

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尾崎さんの料理は、精進料理やケータリングがベースになっている。なので、料理もレストランのようにその場で材料を合わせて一皿ずつつくりあげていくというよりかは、あらかじめ準備しておいて提供するスタイルのものが多いとのこと。

キッチンスタッフはどういう人が向いているのでしょうか?

「仕込み中心のメニューになると思うんです。なので、根気が必要になってきますね。お野菜を泥から洗ったり、人参をひたすら切ったり。日々の食事をインスタントで過ごすのでいいって言う人には、合わないのかもしれない。お家でも少し時間をかけて、ごはんをつくったり、そういう価値観をもっている人にぜひ来てもらいたいですね。」

仕込みは、地味な作業であるし、時間も限られてくる。メインで料理をつくるキッチンスタッフは、ある程度経験のある方だと嬉しいそう。けれど、この考えに共感できる人であれば、きっと大丈夫とのこと。

そして今回、DO TABELKAの店長を勤めるのが、ホテル CLASKAで働いていた、松本さん。10年以上ホテルで勤めてきただけあって、しっかりとしているけれど、それを感じさせない柔らかい雰囲気の方。

松本さん自身、飲食をメインに働くことは学生時代のアルバイト以来とのこと。どういう経緯で今回店長になることになったのだろうか。

「CLASKA Gallery & Shop “DO”が昔から好きだったんです。そこが新しく食堂をつくると聞き、自分の好きな雰囲気の場所になるだろうという予感がしました。大熊さんに店長をやってみないと声をかけられたのですが、二つ返事で『やります』と言いましたね。」

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お客さまをもてなすという意味では、食堂も、ホテルも変わらないと思った。ホテルの時間をかけてサービスするスタイルが、食堂ではランチの1時間になったり、カフェとして足を休める人のための時間になる。

「短時間でのサービスの中に、ホテルで培ってきたサービスを凝縮してお届けできればなと思っています。多くのお客さまに来ていただいて、楽しんでいただきたいですね。そして、DO TABELKAを通して、本店のCLASKAを知っていただくようなことが、僕のできることなのかなと思っています。」

どういうお店にしていきたいですか?

「CLASKAのホテルは20部屋のみと、小さくて、お客さまとの距離が近いところがとても好きでした。ここは駅前の商店街を歩いて、家に帰るような感覚で来てくださる方が多いんです。そんな気取らない雰囲気を新しいカフェでもつくっていきたいですね。」

「フォーマルで、着飾っていくフレンチという感覚ではなくて、リラックスしてお食事していただきたい。そして、この感じがいいな、と思ったら実際に横のショップで器なんかを手に取ってみたり。この食堂を通して、来てくださる方の生活が少しでも豊かになればいいなと思います。」

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とはいえ、ここは日本橋。上層階にはオフィスが並ぶ。ランチタイムはオフィスワーカーの人が一斉に食べにきたり、忙しくなるんだと思う。

すると、ディレクターの大熊さんがこんな風に話してくれた。

「いいものを素敵に出すって言うのはひとつの目標です。けれど、多くの人に来てもらえて、リピーターになっていただいて、初めてお店が継続していけるんです。いいものを提供したい、ということも大切です。けれど、そのためには、お店として、今どう動くべきなのか考えることも大切です。そういうことも考えて働ける人だと嬉しいですね。」

忙しいランチ時には、ゆっくり器の説明をしている時間はないだろう。それで多くの人をお待たせするのもよくない。

夜は21時までの営業なので、お酒を飲みにくるというよりは、夜ご飯を食べて帰る、という人の利用が多くなるかもしれない。そういうときには、今日の料理について少し話をしたりすることもできるんだと思う。

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レストランのように料理をつくることをメインにするより、みんなでひとつの「食」をつくり上げていくような場所になっていくんだろう。

「イメージだけでいいことはいくらでもいえるんです。お店だって新しくてきれいだから気持ちがいいと思います。でもそれをどう維持してほんとのお店にしていくかがとても大切だと思うんです。そこをみんなで盛り上げていってくれる人がいいなと思います。」

丁寧に、正直に、無理はしないで食を楽しむ。それがDO TABELKAの考える“今”の自分たちにちょうどいい食なのだろう。自分の食べることへのものさしが近い人は、まずはお近くのショップを訪れてみてはいかがでしょうか。
(2014/01/15 吉尾萌実)