求人 NEW

米醗酵の可能性を追求する

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

創業1625年、金沢で最も永い歴史をもっている酒蔵『福光屋』。

純米にこだわって日本酒をつくり、米醗酵技術を生かした幅広い商品開発をしている、伝統と革新のある酒蔵です。

佐瀬式圧搾01 福光屋のお酒は、添加物などを加えずに、純粋に米と水だけつくられている。そして、日本酒のみならず、醗酵食品や、醗酵の過程で活躍する酵母から無添加の化粧品などもつくっている。

酒づくりの伝統はしっかりと守りつつ、永い歴史の中で培われてきた米醗酵技術を駆使して、常に新しい商品開発に取り組んでいる。

今回は東京の銀座・六本木・二子玉川にある直営店や、金沢の酒蔵に隣接する直営店で、店長候補や販売スタッフを募集します。

お酒が飲めない人でも、福光屋の商品や考えに共感する気持ちがあれば、直営店の運営にぜひ参画してほしいとのことです。

IMG_2545 東京の直営店のひとつ、六本木にある東京ミッドタウン店を訪ねた。

老舗らしく格式があるけれど、女性のお客様がとても多く、はいりやすい雰囲気。商品のパッケージも日本酒らしく力強いものから、お土産に渡したいような、目を惹くデザインのものまで、手に取りやすく並んでいる。

店長の若月さんにお話をうかがった。明るい声と笑顔が印象的。福光屋で働きはじめて9年目になるそう。

「いろんな方に福光屋の素晴らしさを知ってほしいと思っています。それを発信していくことが、酒蔵の直営店としての役割だと思っています。福光屋のものづくりに対する姿勢を、一人でも多くのお客様に伝えていきたいです。」

IMG_2526 福光屋のお酒ってどんなものなのでしょうか。

「『旨くて、軽い。』それが福光屋の蔵のコンセプトです。飲み疲れなどせず、いつでも日常のシーンの中に取り込める、優しい純米の日本酒ですよ。」

福光屋のお酒は、すべてが米と水だけでつくられている。それって普通じゃないの?と思う人がいるかもしれませんが、多くのお酒には、醸造アルコールという添加物が入っている。それは、安定して製品をつくるためでもあるのだけど、人によっては、悪酔いや二日酔いの原因になってしまうこともあるそうだ。

「原料にはこだわりがあります。たとえば、お米は昭和35年から契約栽培をしています。お水も、“恵みの百年水”と呼んでいるのですが、霊峰白山から100年かかって金沢の酒蔵の地下までたどり着くんです。それをくみ上げてお酒を造っています。そのお水があってこその酒造りですね。」

恵みの百年水_柄杓 「それと、マルチブランドと言いまして、福光屋ではたくさんのブランドを展開しています。お客様のさまざまなご要望に合わせてお酒を選んでもらえるように、ラインナップも豊富です。」

しっかりとした味のお酒や、芳醇な香りの日本酒があることはもちろん、中にはフレンチやイタリアンにあわせても美味しいという提案もあった。一口に日本酒といっても、さまざまなものがある。150種類ほどのお酒があるそうだ。

豊富なブランドがあることで、さまざまなシーンにあわせてお酒を楽しむことができる。1つの酒蔵で、しかも純米蔵でこれだけのブランドを展開しているのは珍しいこと。

そして、お酒が醗酵する過程で活躍する酵母に着目し、基礎化粧品などの開発も進んでいる。動物系や石油系の素材を一切つかわず、無添加、自然派の化粧品として、ファンも増えている。

IMG_2535 店内を見回すと、お酒、化粧品の他にも、その場でお酒を飲むことができる、バースペースが併設され、その近くにはお酒とともに楽しめる食品が並んでいる。

バースペースでは、店舗ごとに企画したイベントが定期的におこなわれているそう。

「先日は、高級酒を楽しんでいただくイベントをひらきました。お客様から『高級酒を飲んでみたい』というお声が多いとスタッフが教えてくれたので、何ができるかをみんなで話し合い、“高級酒を楽しむ会”として形にすることになったんです。」

シーズンの打ち出しなど、全店共通の決まり事もあるけれど、日々の売り場づくりなどは店舗の力量にゆだねられている。

自分たちで売ること、お酒を楽しむことを考えられるから、スタッフのチームワークもよくて、店内にはいい空気が流れているように思う。

「醗酵や、酵母などの微生物には、まだまだ解明しきれないところがあります。ですので、これからもっと酒蔵の技術を活かした商品が生まれると思います。そういったものの面白さを一緒に楽しみながら、伝えてもらいたいですね。」

IMG_2583 店長として、日々どんなことをしているのでしょうか。

「伝統ある酒蔵の直営店として、どんなことを発信できるのか、お客様からなにを期待されているのか、お店づくりはそれを考えることからはじまります。そして、福光屋をきっかけに、醗酵文化の素晴らしさを知っていただければと思っています。」

福光屋の世界観を表現していくのが直営店なのですね。

「接客ももちろんのこと、日々の売り上げを把握して、ディスプレイを考えたり、スタッフの教育や在庫の管理、イベントの企画・運営など、やることはたくさんあります。」

IMG_2579 酒蔵の直営店として、情報発信をしていくのはもちろんのこと、お客様のニーズも汲み取りながら店舗運営をしていく。

どういうことを大切に、店づくりをしているんだろう。

「『お店』は生モノだと思っています。その中にいるわたしたちも心身ともに常にフレッシュでいるように心がけています。」

お客様にどうしたら共感していただけて、心を動かすお店づくりができるか、日々考えて積み重ねていく。

IMG_2625 それが数字として見えるときが一番嬉しいそうだ。

「矛盾して聞こえるかもしれませんが、売れればいいわけではありません。けれど、お客様の共感や感動は、かならず数字となって表れると思っています。感動していただけたその先に、売上という数字があると思うんです。ですので、それが結果として表れたとき、『よし、次も頑張ろう!』と思いますね。」

それでも思うようにいかないときもある。そんなときには、お客様からの「ありがとう」や「美味しかった」という言葉が何よりの励みになる。

「先日、バーのイベントで季節の限定酒を楽しんでいただく日だったんです。ご予約いただいたお客様が来てくださって、私の顔を見た瞬間に『あーよかった、今日もあなたがいてくれて。あなたがいると安心するのよね。』と、おっしゃってくださったんです。本当に嬉しかったですね。」

若月さん自身は、もともとアパレルブランドで接客の仕事をしていたそう。

今回募集する店長候補、販売スタッフともに、接客の経験は必須ですか?

「経験があったほうが業務の習得は早いと思います。ですが、福光屋のものづくりの姿勢に共感して頂ける方なら、ぜひチャレンジして欲しいです。」

入社した際には、金沢の蔵を訪れての研修がおこなわれる。店長になると本社とのコミュニケーションは、より密に行われる。

福蔵_新 「店長だけが福光屋のことをわかっていても、いいお店はつくれないと思っています。まずは、店のコンセプト、売上予算、お客様に対する意識のあり方、こういったことを今日入った新人から何年もいるベテランスタッフまで、皆が同じように理解できるように、伝えていくことも、重要です。」

福光屋が目指していることを、みんなと確認しながら。お店が進むべき方向に進んでいるか、ときには軌道修正もしながら進んでいく。

店長として働いていて、どんなところが大変ですか?

「気の緩みや手抜きがあると、自分や店に跳ね返ってくることですね。すべてのことに、いつも全力投球で臨まなければなりません。正直、大変です。けれど、大変な仕事だからこそ、結果が出たときは本当にやりがいを感じます。」

IMG_2595 どんな人にきてほしいですか。

「店長候補については、売上管理、スタッフの教育、企画力など、能力を上げたらきりがありませんが、誠実に仕事と向き合える人で、最後まで責任を持って仕事をやり遂げることのできる、根気のある人に来てほしいです。」

販売スタッフはどうですか?

「日々の接客や売り場づくりなど、みんなと協力してお店をつくっていける人。コミュニケーション能力を持ち合わせている人がいいですね。」

「どちらの職種にも言えることですが、お客様はもちろん、商品や、お店に対して思いやりの気持ちを持てる人がいいですね。そういう気持ちって仕事をしながら自然に生まれてくる物だと思います。お客様、仲間、取引先様、家族、友達、普段から人を大事にできる人がいいです。」

お客様にどうしたら気持ちよく買い物してもらえるか、福光屋が伝えていきたいことをどう店舗に活かすか、常に考えながら働ける人なんだろうな。

「福光屋の商品は安価なものから高価なものまで幅広く、また、お客様の層もさまざまです。『酒屋』や『スーパーマーケット』というものではなく『日本酒を扱うブティック』。そういった意識でお店を考えて、売場に立ってほしいですね。」

IMG_2539 だから、常に自分の見聞を広めたり、世の中に広くアンテナを張り巡らして、自分に限界をつくらない人が向いているのだと思う。

純米にこだわり、醗酵をテーマにさまざまな商品開発に取り組んでいる酒蔵。味わい、つかい、体験することで、福光屋のものづくりに対する姿勢が伝わる。直営店はそんな大切な役割を持っている。

興味のある方は、まずお店に足を運んでみて下さい。

日本酒文化、醗酵の面白さを味わえるはずです。

(2014/03/21 吉尾萌実)