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「イベントの仕事は、人が力をあわせることで成り立っているものなんです。それを楽しんでつくっている人たちが集まると、イベントもやっぱり楽しいものになるんですよね。」そう言われてみると、イベントって、人の力が積み重なってできている。ライブやコンサート、お祭りも、人の力で形になって運営されている。
音響や、美術、照明であったり、それぞれの分野のスペシャリストが集まってつくられているイベント。
ケーズクルーは、イベントを『人』の面から支えている会社。

イベントの主催者と企画の段階からかかわって、人の面からイベントの運営や企画を考え、つくりあげていく人を募集します。

建物の1階と2階がケーズクルーの事務所。1階がミーティングスペースや説明会で使われていて、2階が事務所となっている。
イベントごとに現場にいくことが多い仕事だから、事務所に全員が揃うことは少ないそう。この日も、半分以上の人が、それぞれのイベント会場に向かっていた。
1階のミーティングスペースで、営業部長の神(じん)さんにお話を聞いた。事前のやりとりから話しやすさを感じていたけれど、お会いした印象も変わらず気さくな雰囲気の方。
まず、ケーズクルーがどんな会社なのかうかがった。

ケーズクルーのイベントって、どういうところからはじまるんだろう。
「イベントの仕事って、大まかに分ければ開催前と当日のものがあります。開催前には、事前の打ち合わせに参加します。そこでは、クライアントさんの話を聞いて、どこに何人どういう配置でスタッフに協力してもらったらイベントがスムーズにまわるか考えたり、どんな設備が必要で、それを準備するためにはどのくらいの時間や機材がいるのか考えていきます。」
ケーズクルーの仕事は、今度このイベントがあるんだけど、どういう風にお客さんを案内したらいいかな?という質問から仕事がはじまることが多い。
そして、今までの知識や経験から、具体的にどのくらいの人に協力してもらったらいいのか、どこにスタッフがいたらお客さんの流れがスムーズになるのか考えて提案していく。

仕事内容も、『これ!』と言えるようなわかりやすいものではなく、イベントごとに変わっていく。ときには、チケットの販売や物販をしたり、椅子を並べたり、お客さまを席までご案内したり。
イベント会社って、外の人間からすると、どういうところに違いがあるのかわからなかったけれど、ケーズクルーは主催者がやりたいことと、そこにくるお客さんをうまくつなぐ役割を担っているんだな。
「会社によっては、主催者が求める通りに、『何時から何時に男女何人、人を集めてください。』という発注を受けるところもあります。でも、うちは主催者側から言われた通り、時間にあわせてただ人を揃える、という仕事はほとんどありません。それだと、ぼくたちも手伝ってくれるスタッフもつまらないですからね。」
仕事の90%は固定のクライアントさんだそう。
イベントスタッフの派遣をする会社って、正直少し冷たい印象があった。言われた人を派遣してそれで終わりというような。
感じていたことを正直に話してみると、こう答えてくれた。
「イベントの主催者側の話を聞いて、協力できないと判断するときもあります。どんな想いをもったクライアントさんなのか、どんな仕事をやるのか、自分たちがすべて把握してから、協力してくれるスタッフのマッチングをしているんです。ですので、とりあえずスタッフを呼んでくれという仕事は断ることもあります。自分たちでよくわかっていないまま、スタッフにお願いするなんて、失礼じゃないですか。」

「僕たちが、自分たちのやるべきことや、クライアントさんとやり取りをして、イベントをしっかり把握していると、それが自然とスタッフにも伝わるんです。自分たちが一番イベントをよりよく運営したい!と思いながら動いているので、スタッフの人たちも一緒に考えてくれます。とくに、長く一緒に働いている人に関しては、そういうところを面白いと言ってくれます。」
両国国技館の大相撲や、原宿のよさこい祭りの誘導や警備など、毎年ケーズクルーが担当をしている。
企業のセミナーなどの依頼も多くあり、早いものでは、イベントの3ヶ月前から準備し、当日を迎えることもあるそう。

「会場の中で、私たちはここにいて、スタッフはこういう動きをしますよ、ということをクライアントに伝えることって大切なんです。共通の認識をもってもらうために、イベントごとに資料もつくっています。」
関係者はたくさんいる。だからこそ連絡や調整は重要になってくる。

ケーズクルーで働いている、イベント運営スタッフの方にもお話を聞いた。
ここで働いて9年ほど経つというさちこさん。
どうしてここで働こうと思ったのだろう。

留学前などは、空いた時間があり、登録スタッフとしてイベントを手伝っていた。一度、ケーズクルーを離れても、スタッフとの関係はずっと続いていたそう。
「留学から帰ってきて、ホテルで働きはじめたのですが、どうしてもイベントの仕事が忘れられなかったんですね。」
どういうところが?
「変な話、カメレオンみたいな仕事なんですよ。何にでもならないといけないというか。ものを売るときもあれば、接客をするときもある。その接客の内容も受付をすることもあれば誘導のときもあったり。タレントさんにお茶をだすときもあって。」
「その時々でいろんな人になるような面白い仕事だったので。ずっと同じ場所で働くよりも、私にはあっているんじゃないかと思って、この会社に戻ってきました。」
他にもイベント会社はある中で、どうしてだったんですか?
「ここで働いてる人たちが、自分たちのやるべきことやりたいことを一生懸命やっていて、生き生きしてる人たちだなって思ったんです。今でも一緒に働いていますけど、みんな無邪気だなって。自分たちが楽しそうにやっている会社はやっぱりいいなって。」
同じくアルバイトから、現在運営スタッフとして働いている飯高さんにも同じ質問をしてみた。

それまではイベント当日だけのかかわりだったけれど、それをきっかけに準備段階から手伝うことになった。イベントがどういう人たちの協力や流れでできあがっていくのか知っていった。
「やったことのないことはやってみよう、という性格なんです。イベントは本当にいろんな業界の方と知り合うことも多いですし、自分の今までの経験が活きることもあります。いろんなところが見えて面白いですね。」
今回新たに加わる運営スタッフは、さちこさんや飯高さんと同じ仕事をすることになる。
大変だったことってどんなことですか。
「イベントって生き物のようなものなんです。準備をしっかりしていても想定していなかったことが起きることもあります。」
たとえば、大雪がふってスタッフが来れなくなってしまうこともあったり、突風が吹いて、設置するはずのものが置けなかったり。
「そういう場合は臨機応変にその場で考えてぱっと動いていきます。はじめはイベントに一緒に行きながら仕事をしていくので、やりながら感覚で覚えられます。」
どういう人が向いていると思いますか?
「人と接するのが好きな人がいいと思います。いろんな人とかかわるところなので、人付き合いがあまり好きじゃないっていう人だと向かないのかな。」

「登録スタッフの中には、その日1日だけしか会わない人もいます。その日だけの関係だとしても、『良かったから次もよろしくね。』って、自分から声をかけて、協力してくれるスタッフとちゃんと関係を築けるような人がいいかな。」
それと現場では、スタッフに向けて仕事の説明をする機会も多いので、人の前で話をすることが苦手な人は大変かもしれないとのこと。

いろんな仕事をやる環境だからこそ、できることが増えていく。一見広がってみえるかもしれないけれど、この仕事においては、広がることが深くなることなんだと思う。
(2014/03/27 吉尾萌実)