求人 NEW

地域にねざした学び舎で

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

特定非営利活動法人ダイバーシティ工房は、千葉県市川市にあります。その活動は「自在塾」と「スタジオplus+」という2種類の学習塾の運営です。そんなNPOの広報を担当する、業務委託スタッフを募集します!

jizai00

京成本線「国府台(こうのだい)」駅は、千葉県の西端にある。江戸川の対岸は東京都だ。周辺には学校や大学も多くあり、教育に熱心な土地柄である印象を受ける。

駅から堤防ぞいに8分ほど歩くと、のどかな住宅街の中に「自在塾」の建物が見えてきた。

地域に根ざして38年の歴史を持つ自在塾は、“日本で一番家庭的な塾”をうたう。勉強のやりかたがわからない生徒、不登校の生徒、小さな塾で学力を定着させる学習指導を行ってきた。

shirato

広報・採用担当の白土千敬さんは、インターン生としてダイバーシティ工房に入ったあと、2年にわたって広報の仕事を手がけてきた。

「困った人を助ける、社会を変えるこんないいしくみがある。そしてこんなにも働きやすさ、働きがいがある組織があるのを知ってほしいと思いました。単にサービスを提供するだけでなく、その価値を社会に発信することも、社会課題の解決につながるんですね。」

NPOと自在塾のWebサイトだけでなく、NPOのパンフレットやメルマガ、自在塾のマンスリーサポーター制度、スタジオplus+のパンフレットと看板のデザインという具合に、現在の礎となる多くのしくみをつくってきた。

大学を卒業した白土さんは、4月から地域のブランディングを手がける会社に就職。広報の仕事にはやりがいを感じていたから、これからはプロボノの立場で関わり続けたいという。新しく採用された広報担当も、彼女へ気軽に質問ができそうだ。

NPO法人ダイバーシティ工房の代表である不破牧子さんは、広報の重要性についてこう語る。

「私たちは小さな組織ですが、自分たちがやっていることには価値を感じています。それを効率的に、広く人に知ってもらいたい。これから力を入れる採用の面でもそうですね。」

fuwa_shirato

お父さんの正久さんが、自宅の敷地に開塾した自在塾を引き継いだのが、4年前。不破さん自身も塾の元生徒だ。

「中学生の頃、この教室で父親から習っていました。雰囲気が本当にほのぼのとしていて。今でも、夜食におにぎりを出したり、たこやきパーティーをしたり、卒業祝いですき焼きを食べたり。」

夏は庭先でバーベキューをするし、クリスマス会でサンタの格好をした講師が教室を練り歩いてお菓子を配るという。以前からの雰囲気は引き継がれているようだ。

建物は築45年。入ったときから懐かしい人の家に来た気持ちになった。まるで親戚の家の離れのような、小学生のときに通った習字教室のような感じ。

「中高の友だちに母子家庭、父子家庭の子が多かったんです。友だちが自分が留守のときでも家にやって来て、おしるこを食べながらうちの親に相談をしたり、私が知らないうちに家出してきて、1週間泊まったりしていたこともあったんですよ。」

「そんな友だちを、うちの親は当たり前に受け入れていた。『本当の親じゃなくても話は聞ける』とよく言っていたんです。私が寝た後、友だちが両親と話をしていたり。父親も母親もそういうことを大事にしていましたね。それがいいな、と思って。」

fuwa

だが、親の仕事を継ぐつもりはなかった。

「大学で開発経済を学んだので、自分が旅してきた東南アジアに貢献できる仕事がしたいと思っていたんです。でも、就職した会社には部内でイジメもあったし、女性が働きにくい、人を人と思わないような組織でした。自分が大切にしていたことと、その仕事が違うような気がしてきて、辞めたんです。」

そのころ、ふと父親がやっていた塾を思い出した。

「それまでは海外に行って、大きく世界を変えたいというマインドがありました。でも、自分の本当にやりたいことを考えたら、教育だったり、人が生きていくうえで選択肢を広げるような仕事だと思えてきたんですね。」

自分の仕事の悩み、自在塾の様子……久しぶりに父親と話したそうだ。

「すると、今は生徒が2人しかいなくてもう潰れそうだ、と。それを聞いて、ここの価値を思い出してみると『もったいない』と感じたんです。父がやってきたこと、それができる塾はあまりないんじゃないかと思ってから、ここの塾でもう少し何かできないかな、と考えるようになったんです。」

現在の生徒は30人にまで増えた。どんな工夫をしたのだろう、教材やカリキュラムを変えたんですか?

「いえ。自在塾の教材には『塾長プリント』というのがあるんです。父の代からコツコツとつくった手書きのプリントをいまも使っているんですよ。」

print

「ただ、指導方針は変えました。もともとは『グループ学習』とよばれる集団授業だったんですね。それが2年前くらいまでです。」

いまの授業は、最大2人までの指導。講師1人が間に入り、左右に生徒が座るスタイルだ。

「以前はひとりの講師が6~7人に教えていて、そのなかに発達障がいを持つ子たちもいました。グループ学習だと、うまく成り立たなかったんです。『10分間で練習問題をやって答えあわせしようね』と言っても、答えがわからないと『先生、先生!』ってすべての問題に質問したり、自分でわかったらどんどん言っちゃうこともあるから。」

そこで、発達障がい児専門の塾「スタジオplus+」を、児童福祉法に基づく制度を利用して新たにつくり、個別指導を始めた。

現在は自在塾と同じ建物に「国府台教室」が、市川駅から徒歩3分のビルに「市川駅前教室」がある。生徒の数は約60人、小学生が中心だ。さらに教室を市川駅の周辺に増やす計画がある。

実際に働いている人の声をうかがいます。まずは佐藤雄大さん、33歳。普段のお仕事は?

「事務局で働いています。採用と事務局の管理的なところ、それに自在塾の運営担当です。」

sato

教育への意識はなかったという。

「大学で情報関係を学び、前職はシステムエンジニア。病院の中でシステムをつくりたいと思っていました。30歳をすぎて、ここから自分が10年間同じことをやりたいか考えたとき、『少し違うな』というのが正直な気持ちでした。」

奥さんと相談して、自分がモチベーションを持ってできる仕事は「子どもに関わること」だと気づいた。

「それまでの仕事では子どもと関わっていなかったので、いきなりは関われないと思いました。だから一緒に働く人をより良くしていきたいと思い、事務局の仕事についたんです。自分がやりたいことと、できること、将来的にはそれを一緒にできればと思っています。」

jiza01

自在塾はどんなところですか。

「地元に対して、家庭的な環境で教えるのを大切にしている場所ですね。決して勉強が得意でない子が多く来てくれています。まだ、発達障がいと診断されていない子も通っています。小学生も若干いるんですが、中学生から一部は高校生。あとは高校に行けていない不登校の子もいます。そういう子に対して、幅広く教えています。」

普段、どういう感じで授業があるんでしょう。

「17時ごろから小学生が来て授業が始まります。18時半をすぎたあたりで、中学生が部活を終えて集まってきますね。最後のコマが終わるのは21時40分なので、22時まで先生と話したり、雑談する声が聞こえています。」

次は、スタジオplus+へ。スタジオplus+は、発達障がいの子どもたちが通う教室だ。

plus00

話をうかがったのは、個別指導員の土屋雄豊さん。少年非行の問題に関心を持ち、将来は裁判所の調査官を志している21歳の大学生。子どもの学習支援のボランティアなどにも参加している。

「スタジオplus+市川駅前教室で、研修段階から1年が経ちました。1対1で担当の生徒さんを教えています。」

tsuchiya

自在塾と違い、個別ブースで講師と生徒が向かいあうスタイル。教材は決まっていますか?

「それぞれの生徒さんのつまずきや得意なものも違うし、絶対にこれを使うというのはありません。発達障がいは注目されてきていますが、なかなか1人ひとりにあった教材は多くありません。普通の問題集だとすぐ飽きちゃうような生徒向けのものが少ないんです。市販の教材をがんばって探して、なかったら自分でつくります。問題集をコピーして、余白を増やしたりする工夫はしていますね。」

もちろん、生徒にとって苦手なこともある。

「僕が担当する中学生は、どうしても忘れものが多いです。低学年の子だと、すごく元気で30分はどうしても座ってられない子もいます。物怖じせず、見なれない講師にも挨拶したり、話しかけてくれるような子もいる。小学生の子は話が飛んだりしますが、ユニークな話をする子が多いですよ。」

plus01

「会話が隣のブースから聞こえてきて、ふふっと笑えることもあります。指導員が授業中に『問題が解き終わったら教えてください』とある女の子に言って、その子は終わった瞬間に『ただいま』って言ってたのが聞こえたり、漢字の『初め』の読みを『ワカメ』って読んだり(笑)」

教室の話を聞くと、すごく独創的ですね。

「先日は体験学習で来た子が、宇宙人の絵を描いてきて。筋肉の形がきれいで、指導員みんなですごい上手だね、って話をしていたんです。」

この教室では、そうした特性を伸ばす教育をするわけではないんですよね。

「ええ。あくまで学習支援なので、学校の補習や復習です。苦手な子にとって、なかなか大変なことではあると思うんですけれども。勉強がなるべく辛くないように思ってほしい。『こういう考え方もあるね、こっちの考え方のほうが楽だよ』と一緒に見つけていく感じですね。」

再び、代表の不破さん。広報担当は、かなりの実力者を委託業務で求められているんですね。

「私たちの活動を発信するうえで、広報の目標をどう設定するか、戦略から考えたいです。人間関係が築ければ、最低週1回来てもらえれば、メールやスカイプでやり取りする自宅勤務で構いません。」

all

どんな人が仲間になるでしょう。

「他の人の個性や違いを受け入れられる人だと思います。違いを否定しないで、この人、こういう良いところがあるよね、って受け止め、それを笑いに変えられる人。他の人の失敗もフォローできて、いい雰囲気をつくれる人が私たちの仲間ですから。そんな組織の魅力や価値を、広報を通じて発信できる人に来てもらいたいですね。」

ダイバーシティとは、多様性という意味です。スタッフの方々の言葉に共感した方、応募をお待ちしています!

(2014/4/13 神吉弘邦)