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はじめからおわりまで

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

間取りや写真と一緒に綴られる、ある家の物語。ここには“千峰さん”というおばあちゃんが住んでいた。

秋の終わる頃には、おばあちゃんが中庭で落ち葉を掃いていたのだろうな。ここで暮らすのなら、自分も竹箒を用意しよう。

ブルースタジオの手がけた物件を見ていると、思わずそんな想像をしてしまう。

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物件ごとに描かれるロゴマークとコンセプト文章。それぞれにストーリーがあるから、短編小説のようで読んでいて楽しい。他にはどんなものがあるのだろうと、どんどん探してしまう。

こんな仕事をするのがデザイン事務所であるブルースタジオ

リノベーションを新しい暮らしの選択肢のひとつとして確立させた、草分け的存在でもある。

ただデザイン事務所といっても、単にデザインをするだけではない。マーケティングや企画、ブランディングから客付けまで、すべてを一貫して手がけている。包括的にプロジェクトをすすめ、最適なものをデザインするのがブルースタジオの特徴だと思う。

今回募集するのは、企画から入居者募集まですべてに関わる設計担当者と、デザイナー、そしてブルースタジオのクリエイティブディレクターである大島さんの秘書です。どの職種にも、肩書きに捉われず、職域を広げていくことが求められます。

 

東中野駅を降り、線路沿いの道を歩く。すぐにブルースタジオの事務所が目に入ってくる。

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古いビルをリノベーションした5階建ての事務所。2階はコンシューマーサービスチーム、3階はスペースデザインチームというように、階ごとに部署がわかれているけれど、お互いによくコミュニケーションしながら仕事をしているそう。

話を聞いていると、物件に関わるあらゆる人たちの幸せを目指して、みんなが一直線に向かっているのを感じる。ここは会社というより、ひとつのチームなんだと思う。

そんな人たちが提案する暮らしは、決して押しけられる感じがしない。物件の背景を紡いだ物語を読むと、自然と身を置きたくなるようなワクワク感がある。

「ブルースタジオは、物づくりの会社であると同時に“物語づくり”の会社なんです。」

そう話すのは、ブルースタジオの中心人物の一人である大島さん。

普段は事務所を離れて外で人とつながり、新しいアイディアや仕事を得ているという。リノベーション住宅推進協議会の副会長やHEAD研究会リノベーションタスクフォースの委員長など、他団体での活動も多い。秘書の人は、全国各地を駆け巡る大島さんを支える仕事になります。

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ブルースタジオはどんな会社なんですか。大島さんにそう聞くと、まずは業界について話をしてくれた。

「設計、不動産仲介、金融、広告、インテリア、保険など。日本の基幹産業である住宅産業にひも付いている業界っていっぱいあるんです。ただ、それぞれ業界間のコミュニケーションが非常に薄い。不動産業者が物件を“商品”と言っているにも関わらず、設計者は“作品”だと考え、金融機関は“担保”としか考えてない。そんな不幸な状況が生まれています。」

「バラバラなことで、描いていた幸せな暮らしの実現ができなくなってしまうことがある。いま住宅産業に求められているのは、全体を俯瞰する視点です。」

だから、ブルースタジオはぜんぶを編集する。

オーナーから依頼を受け、まずはじめにやるのがマーケティング・企画。そして企画段階から同時並行で進む、ブランディング・プロモーション。そして建築設計、工事コスト管理。完成後はリーシング・管理まで。

「僕らは、ただのモノをデザインしているわけではありません。物件には必ず、生活者やそのまわりにいる人だったり、社会的、歴史的な背景がある。全体を一貫して編集することで、背景を汲み取り、単なる物件を“物語”に昇華させるデザインをしています。」

物件を物語に。

例えば、鎌倉・由比ケ浜で築40年のアパートを一棟まるごとリノベーションした「TERRACE KONA SURF」もそのひとつ。

ハワイアン好きだった、今は亡きオーナーのお父さまが70年代に名付けたテラス・コナ・サーフ。残されたご家族の思いと一緒に物件名を引き継ぎ、駐車場だった場所を街の人々も裸足で集えるテラスに変えた。

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竣工後のオープニングパーティーでは、ブルースタジオのスタッフもアロハでお客さんを迎えた。

「お父様のハワイアン仲間の方々が来てくださり、ミニコンサートのようになりました。地元食材を使うピザ屋さんにも来ていただいて、道行く人たちに『よかったらどうぞ』と一緒に食べてもらう。この物件に集うということ、このオーナーのもとに集うということを実感して、オンリーワンの暮らしのイメージを具体的に持ってもらうんです。」

ブルースタジオは、家というより暮らし方をつくっているように見える。それはきっと、1から10まですべてに関わるからできること。

企画の段階からリアルな人の暮らしをイメージしていくことで、根っこのある物語をつくることができる。ブルースタジオの物件には、物語そのものに共感した人が集まり続けるのだという。みんな見た目や機能だけに価値を置かず、ここでしか味わえない暮らしを求めているのだろう。

「僕らが目標とするのは共感の輪がひろがるようなメッセージ性の高い物語を物件に込めること。住環境の選択肢自体として空間だけでなく、メッセージ、つまり物語そのものをデザインしていくことが大事なんです。」

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職能を超えた、ブルースタジオの物語づくり。

ここで働く人も単に設計をするだけでなく、マーケティングやリーシング、イベント企画や企業ブランディングまで、自らの職能を超えて仕事をすることになる。

「自分は何に関するプロなのか。その意識を明確に持った人に来てもらいたい。明確な軸足を持たない人は根無し草になってしまいます。軸を持ったうえで自分の職域を拡張していける人であってほしい。」

「そして僕らの仕事のエネルギー源になるのは、社会に対する問題意識ですから、何かしらの問題意識を持っていてもらいたいですね。」

 

設計担当の藤沢さんと黒田さんも、ひとつ軸をもち、自分のできることを広げて仕事をしている人たち。

それぞれ設計以外の経験もあるから、単なる設計者ではない発想を持っているのだと、大島さんは言う。

まずは藤沢さんに、ブルースタジオに加わった頃の話を聞いてみる。

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以前は、マンションデベロッパーで不動産用地仕入れ・分譲を担当していた藤沢さん。不動産のことを知っていくうちに建築に携わりたいと思い、建築の学校に通い直してから、ブルースタジオに入社した。

「建築を学んできてびっくりしたのが、設計の人と不動産の人では全然考え方が違うことです。設計は本当によいものをつくろうとしているけど、あまり経済性を考えない。不動産は経済性をすごく考えるけど、よいものの方向が違う。」

「わたしは不動産出身なので、ブルースタジオでも、他のスタッフから『不動産の考え方だったらどうしたらいいと思う?』ってよく聞かれるんです。わたしはWeb が苦手だから、得意な人に手伝ってもらったりしています。そうやって、お互い補い合いながらやっている感じですね。」

会社にはすぐ慣れましたか?

「実は入社したときはブルースタジオの物件のよさって何なのか、正直わからなかったんです。かっこいいと思っていたけれど、でもそれだけではない何かがある気がして。それで、会社の物件に住んでみました。」

「そうすると、箱自体が素敵だから『こんな風に暮らしたいな』っていう思いが生まれて。暮らすこと自体が楽しめるようになってきて、そのよさをお客さんにリアルな感想として伝えられるようになりました。それから不動産から不動産だけでもなく、設計だけでもない独自のやり方になじめたんです。」

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ただ、仕事に慣れるのには時間がかかったという藤沢さん。大変なことも多いですか?

「そうですね。ひとつの案件はどこで終わりかというと、住む人が入居するまで。設計は何件で、広報は何件っていうように、それぞれのフェーズで被っている案件がいくつもあります。忙しいときは結構お手玉状態というか。」

「ただ、はじめから終わりまでなので、オーナーさんと一緒に育てていくやりがいがあります。物件が立ち上がった後に、入居者の方やオーナーさんから呼ばれて遊びにいったりもして。みなさんが住みこなした部屋を見るとうれしいですね。」

ここで働く人はどんな人が向いているでしょう。

「いろんなことに興味をもって、新しいことや困難なことを楽しむくらいのポジティブな方です。改修物件は悪い点だらけなんですよ。『あれはだめ、これもだめ』ではなくて、いいところを見つけて、オーナーさんと共感して、形に落とし込んでいけることが大事です。」

「それと、案件はアパートの1室改修もあれば団地再生もあります。すべて状況が違うので、対処方法もすべて違う。そのたびに勉強していかなきゃいけないんです。それをむしろ面白いなと思えるような、根性ある人ですね。」

 

続けて、黒田さんに話を伺う。以前は主に屋外広告を扱う会社で、唯一のデザイナーとして働いていた。

「短期的な媒体ではなく、残るものをつくりたいと思ったんです。」

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もともと建築学科だったということもあり、建築設計をやってみようと考える。

「いきなり設計事務所には入れないだろうと思っていたら、ブルースタジオは広告もやっているってことを聞いて。ここなら自分の力をいかせるんじゃないかとすぐに応募しました。」

黒田さんはブルースタジオの中で、広告・ヴィジュアルデザインに強い設計担当者になる。企画のプレゼン資料やWeb制作も含め、社として社外にリリースする全ての制作物のアートディレクションも任されている。

今回募集するデザイナーは、この黒田さんが担うアートディレクションの仕事を専業でサポートすることになる。

「会社としても専業のデザイナーがいなかったので、新たに独立した部署になります。なので、デザイン会社に勤めたことのあるような経験のある人に来てもらいたいです。」

ただ、単純にグラフィックをするわけでもない。ここ最近、企業ブランディングやコーポレートアイデンティティの仕事も増えている。企業の相談に対してコミュニケーションをとりつつ、ときにはデザイン以外での解決法を提案する力が求められる。

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「好奇心旺盛な人ならそれができると思うので、多趣味な人がよかったりします。」

黒田さんも趣味は多いんですか?

「多いですよ。ただ広く浅くでいいんです。例えば、あの車のCM面白いよねって話しても、知らなければそこで話が終わってしまう。それってクライアントさんと話しているときもそうで。『このデザイン“あれ”っぽくいこうよ』って言われても、“あれ”が分からないとイメージが共有できないんです。」

「いろんなところにアンテナを張っているといいですね。スキルや知識は、そこから勉強して増やしていけばいいと思います。」

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大切なのは、楽しむことかもしれない。暮らしと仕事を楽しむ。好奇心と広いアンテナがあるからこそ、いろんなことに気づけて、行動できる。

その一つひとつの積み重ねが、人を惹き付ける物語づくりになるのだと思います。

(2014/6/26 森田曜光)