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ええもんやき

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

☆当初の予定では7/11(金)までの募集期間でしたが、変更となり、7/9(水)に募集を終了いたします。ご応募をお考えの方はお急ぎください。
一面の海と、緑眩しい山々。はじめて高知へ訪れたとき、パワー溢れる自然に圧倒されたのを覚えています。

今回は、そんな豊かな環境で育まれた高知の“ええもん”を紹介する仕事です。

kouchi01 高知県地産外商公社は、産業振興のために県が組織した会社。いわば、高知を盛り上げるための、県の最前線基地でもある。

首都圏での県産品の営業活動を柱に、アンテナショップ「まるごと高知」の運営や観光情報発信、移住相談の受付をしています。

スタッフの3分の1は、オフィスのある銀座に異動してきた県職員の人たちで、高知県出身者の多い職場です。

ここで、高知の生産者と首都圏のバイヤーをつなぐ営業担当の人を募集します。

高知に縁もゆかりもなくても大丈夫。自分が惹かれて、本当にいいと思える商品で営業したいと思っている人に、ぜひ読んでもらいたいです。

 
最寄り駅の銀座一丁目駅・3番出口を出るとすぐに、アンテナショップ「まるごと高知」が目に入る。高知県地産外商公社の外商課オフィスは、この近くにある。

はじめに迎えてくれたのが、事務局長の合田さん。胸元には “高知家(こうちけ)”と書かれたピンバッジが光っている。

kouchi02 「高知にはいいものがたくさんあります。それを日本中のみなさんに知って食べてもらえれば、低迷している県の産業が盛り上がるのではないか。首都圏に打って出るため2009年にできたのがこの会社です。」

電車の革吊りなどで、高知を大家族に見立てた“高知家”の広告を目にした人もいるかもしれない。こういった広告も、高知県地産外商公社が企画している。

ただ中心となる活動は県の宣伝ではなく、高知の産品を百貨店やバイヤーに仲介し、販路を拡大すること。

「野菜をつくったり、魚を捕ったり、加工品をつくったりしている高知の生産者のみなさんは、ほとんどが小さい企業です。それぞれが人を雇って営業していくことは、なかなかできません。私たちがやっているのは、高知の生産者さんが首都圏で商売することのお手伝いなんです。」

お手伝い、というのも、この会社では仲介料を取ることをしていない。県からの補助金で経営され、利益を生んでいるのはアンテナショップのみ。

そういった意味でも、ガンガン営業をかけて会社の売上を上げるようなスタイルではなく、高知の生産者の商売につながるようにしっかりとサポートする仕事になる。

kouchi03 具体的には、どんな仕事をするのだろう。

「まずは首都圏のバイヤーの方々などに資料を持っていき、高知のいいものを紹介する。その中で気に入ったものがあれば、産地視察をご案内します。日程調整をしてバイヤーの方と一緒に産地へ行き、そこで生産者さんと話をしてもらいます。最終的には、生産者さんとバイヤーの方で直接商売していただくようにしています。」

目指すのは、互いを信頼するような長い付き合い。何度も顔を合わせることで、生産者とバイヤーそれぞれのニーズに合わせた商品づくりがはじまるという。

営業をはじめて4年経ったが、そういった動きはまだまだ少ない。これからもつながりのある営業先と関係を深め、新規開拓も進めていく。

「地道な活動だと思います。地道だけど、高知の生産者さんがすごく喜ばれるので、それが僕たちのモチベーションになる。いつも背中にたくさんの生産者さんがいらっしゃるということを感じながら、ここで頑張っています。」

kouchi04 高知県地産公社で働いている人たちの話を聞くと、それぞれに共通した根っこがあることに気づく。それは単に高知でつながっているということではなくて、高知の生産者のためにという気持ちで働いているということ。

きっと、はじめから高知と自分を結ぶものがあれば、仕事をしやすいのかもしれない。ここへ加わる人も、高知に思い入れがあったほうがいいのでしょうか。

「あるといいですが、決してそんなこともありません。結局は商売の仕事になるので、人間関係をうまくつくっていける人じゃないと。誠意とコミュニケーション力が一番重要です。そのベースがあって、営業経験もあればベストですね。商品自体はいいものなので、自信を持って仕事ができると思います。」

 
次に話を伺ったのは、営業を担当している外商課の門田さん。彼女は高知県南国市の出身。

kouchi05 「営業の他には、アンテナショップで取り扱う商品の商談会を企画運営しています。そのなかで新商品の情報を得ながら、いいと思ったものを推していくんです。地元開催の商談会にも、時間があれば参加しています。」

商品の数は、アンテナショップの中だけでも約1700点。これからも新商品が続々と増えていくだろうから、覚えるだけで苦労しそうだ。

「ぜんぶを覚えるのではなくて、自分がいいと思う商品をカテゴリーごとで決めておくんです。商品がいっぱいある中で、どれがいいのか相手方にはわからないので、自分のおすすめを自信を持って伝える。そんな情報をバイヤーのみなさんは求めています。」

例えば、高知には柚子をつかった商品がたくさんある。商談会やアンテナショップで味を確かめ、いいと思ったものを覚えておく。それは個人の単純な好みで選べばいいそうだ。

「自分の感性を大切にしてもらいたいです。みんなそれぞれ感性が違うので、いろんな人がいるほど広がりができていくのかなと思います。」

kouchi06 「以前は高知のことを聞かれても、答えられるものがなかった」と門田さんは話してくれた。

「わたしは魚が好きなんですけど、東京のスーパーで買うものって全然おいしくないんですよね。それと、バイヤーさんを産地へお連れすると、高知は人柄がいいねってよく言われるんです。ここへ来てから、高知の自然や人のありがたさに気づけました。」

「バイヤーさんや生産者さん、それぞれにいろんな個性がある。そんな人たちと仕事を通してつながっていけるのが楽しくて。同じように出会いを楽しんでいただける人と一緒に働きたいですね。」

魅力を伝えるために必要となるのは、話す本人が楽しんでいることだと思う。そんな人から出る言葉は、自然と惹き付けられる。

同じく外商課で働く宇都宮さんも、自分の言葉で高知の魅力を伝えられる人だと思う。

kouchi07 「リープル、大好きなんですよ!」と、とても熱心におすすめ商品を紹介してくれる宇都宮さん。

あまりにも気持ちがこもっていたので、気になって取材後にアンテナショップに寄ってしまった。

「こっちのマミーに似た飲み物なんですけど。高知では病院に行くと、自動販売機にリープルがあって。幼い頃は診察が終わるとご褒美で飲ませてくれるんです(笑)。昔から馴染みのあるもので、大好きなんですよ。」

kouchi08 宇都宮さんは1年半ほど前に入社したばかり。以前はIT企業のコールセンター部門で働いていたそうだ。

高知県地産外商公社に入社することになったきっかけを尋ねてみる。

「高知の四万十市出身なので、地域に関わるようなことをしたいと思っていました。」

丸の内朝大学で、地域活性に関するクラスを受講してみたりした。地域に関わる団体を調べていく中で、小さな組織だと資金が少なく、長期的に考えて活動をするのが難しいということを知る。

「ここは、高知の利益につながる活動を継続的にできて面白い。わたしもこんな仕事ができたらいいなって思って、入りました。」

仕事は慣れましたか?

「まだまだ勉強中です。高知出身のわたしでも、知らないことがたくさんあって。高知といっても地域が違えば食文化も変わってくるんですよね。例えば、ウツボやハランボ、青のりの天ぷらも、こんなにおいしいんだってはじめて知ったりして。」

「産地に訪れるたびにいろんな発見があります。そこで得た新しい知識やお互いの得意分野を、社内で勉強会を開いて教え合うこともしているんです。先月のテーマは『魚』で、今月は『米』。学んだことが次の営業で活かされるので、毎月できたらなって。この勉強会はスタッフが提案したんですよ。」

やろうと思えば、それぞれが提案できる立場なんですね。

「そうですね。何かあればみんなが提案できる。最近では、門田さんが食に関するイベントを企画しています。」

kouchi09 高知のよさって何でしょう。そんな質問をしてみる。

「この前にお会いした高知の卵農家さんが、こんなことを仰ってました。『高知は水がおいしいから、魚や野菜、食べものぜんぶがすごくおいしいんだ。』って。高知の一番いいところって自然だと思います。それに人柄が加わって、おいしいものができていく。」

「実家に帰って家族においしいものを教えて、一緒に食べにいって喜んでもらえるのが嬉しいですね。高知出身の人でも再発見できる仕事だと思うし、高知がはじめての人でも、楽しめると思います。」

頻繁に高知へ出張し、催事のときには急いで準備することもあるという。なかなか体力のいる仕事かもしれない。

だけど、実際に生産者に会って、商品の味を知っているから、自分の言葉で相手に伝えられる。その自信が、仕事の面白さにつながっていくのだと思います。

kouchi10 帰り際に、宇都宮さんが「よかったらどうぞ」と “かんざし飴”を渡してくれた。

こんなところが高知の人なんだなあと感じました。

ふと、合田さんがこんな話をしてくれたのを思い出した。

「高知県民は、本当に人懐っこい人間性があるんです。例えば、高知で県外から来ていた人が隣で飲んでいると、『これもうまいき、食べや〜』って話しかけたり。高知県出身者だろうがなかろうが、言ってしまえば高知を知っておろうがおるまいが、生産者さんやスタッフともすぐに仲良くなれるんじゃないかな。和気あいあいとしたいい職場だと思いますよ。」

高知にはいいものがあります。そしてその先にいい人たちがいる。

もしこんな人たちと一緒に働いていきたいと思ったら、ぜひ応募してください。

(2014/6/27 森田曜光)