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雑貨に手を咬まれる

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服にアクセサリーといった身につけるモノ。食器にインテリアといった生活を彩るモノ。

身の回りのモノは、人に大きな影響を与えることがあると思う。

今夏、東京・南青山にオープンする「テテカムイワシ」。

名前の由来は、関西で大漁のイワシを売るときの魚屋の売り声。「手に咬み付くほどに新鮮」といった意味があります。

7. アンティークから服、食器、ガーデニング用品まで幅広く“雑貨”を扱うお店です。

ここの顔となる人を募集します。

接客にはじまり、仕入れ、広報と幅広く手がけ、いずれは店を任されていく仕事です。

モノが好き。雑貨店の運営に携わる機会を探していた。そんな方によいタイミングだと思います。

訪ねたのは、テテカムイワシを運営する株式会社チャーリー。その東京事務所です。

赤坂見附駅から5分ほど。豊川稲荷の近くに位置します。

事務所では、スタッフのみなさんが打ち合わせをしているところ。

最初に話をうかがったのは求人の窓口を手がける門田(かどた)さん。

前職は銀行員。退職した後、ドイツへワーキングホリデーに。ドイツパンのお店で働いた後、ベルリンに生活して色んなお店を見る日々を過ごす。その中で、海外雑貨や食品を輸入する仕事に就きたいと思い、チャーリーへ。入社して3年目になる。

2 チャーリーはどんな会社なのでしょうか。

「1981年に代表の吉良が創業して、今年で34年目になります。立上げ当初はインテリア寄りの雑貨に力を入れていたそうです。時代の流れとともに商品群も変わり、現在は入浴剤がメインアイテムです。」

高いシェアを誇る入浴剤は、全国のインテリアショップ、バラエティショップで販売されている。商品を手にとり、使っている方もいるかもしれない。

その他にはアロマ。そして紅茶やコーヒーといった雑貨屋さんで扱うことのできる食品を展開している。

3 もう一つの仕事がOEM。

クライアントから依頼を受け、オリジナル雑貨を企画からデザインまで手がける。パートナーのメーカーに製造を委託して商品化。出荷までを手がけている。

門田さんをはじめとするスタッフは、企画から営業までを一貫して担当するという。

そして今回、新たな事業として実店舗テテカムイワシをオープンすることとなった。

今後小売業を展開していくというよりは、チャーリーの窓口としての意味合いが強い。

「雑貨と聞いてまず“かわいい”という言葉が頭に浮かぶ方は少なくないと思います。ですが、モノって、持ち主や周りの人に影響を与えることがあるんじゃないか、と思うんです。買い物ってそういう行為なんですね。」

「いま、雑貨業界は大きく変化を迎えつつあります。これまでのチャーリーにはなかったモノを取り揃えて、新たなお客さまに出会いたい。同業の方とも話し合いたい。人とのつながりをつくり、今後の雑貨業界を考えていきたいんです。」

テテカムイワシでは、従来の入浴品や食品は扱わない予定。どんなモノを置くのだろう。

その一部を紹介します。

はじめにアンティークの雑貨。

こちらはアメリカから買い付けを行ってきたそうだ。

「今回の大きなモチーフの一つが、まな板です。使い込んでいくうちに傷やスジが入り、色がついてきたり。使っていくうちに味が出てくるようなモノが一つあります。」

またアメリカからは家庭の日常づかいで親しまれてきたFIESTAというブランドの食器をアンティークから現代のものまで揃える。

日本のアンティークもある。

江戸から明治にかけてつくられた恵比寿さんや大黒さんの木彫像。台所を見守る神様にあたるという。

4 セレクトは、代表の吉良さんが一つひとつ歩いて出会ってきたものだそう。

テテカムイワシで扱うモノは幅広い。

一見脈絡のないモノたちに共通するコンセプトは、テテカムイワシ。

「お手頃だけれど調理人の手に咬み付くようなモノです。」

5 ここで門田さんはチャーリーを表す“雑貨”という言葉を紹介してくれた。

「アンティークの買い付けでニューヨークに行ったとき、雑貨って英語でなんて言うんだろうね、という話になったそうです。現地の方に言われたんです。sundriesでも、household goodsでもなく、miscellaneous(ミスレイニアス)じゃないかしらって。日本語にすると、分類できない雑多なモノほどの意味があります。」
それから、チャーリーのオリジナル商品を扱うことも考えているという。

数少ない男性社員なんです、と笑いながら話す2年目の竹本さん。京都の大学でプロダクトデザインを学んだ後、入社した。

6 学生時代にはJR西日本の車両デザインなどを手がけてきたそうだ。

「これまでのチャーリーは入浴剤をはじめ、使い切るものがメインでした。今後は、インテリア雑貨とか、長く変化を楽しんでいけるプロダクトを展開していきたいんです。テテカムイワシは、そのきっかけ。これから面白くなるかなと思ってます。」

たとえば銘木を素材としたまな板に、自分のお気に入りのモノを乗せる“台”というライン。

「銘木は特徴的なしわを持つんです。使い込むことで、傷がついていきますよね。銘木の歴史の上に自分の調理や暮らしの歴史が重なるイメージです。」

「それからモダンなデザインで人気となっている長崎の波佐見焼。こちらは、北欧の陶器を模したオリジナルのものを企画しています。」

続けて店舗のレイアウトについてうかがう。

場所は表参道駅からは徒歩10分ほど。根津美術館のすぐ近くに位置するビルの3階と屋上部分だ。

この場所を選んだ理由は、雑貨を扱う店が建ち並ぶ骨董通りの近くということ。

3階は13坪ほど。ガラス張りのため外からも店内がのぞける。

7 「3階から螺旋階段を登り屋上に行けます。屋上はガーデニングのフロアです。テントを張って、Bacsac(バックサック)という布製の植木鉢や、アンティークの農具、ガーデニングエプロンなどを置く予定です。また、階段部分にはピクルスなどのビン詰め商品や缶詰を並べようと思っています。」

現在は、8月のオープンを目指して内装を工事中。

今回は、この場所を一人で取り仕切る人を募集する。

どんな仕事をしていくのだろう。

続けて話をうかがったのは高田さん。

大学での専攻はグラフィック。転職をして1年半前にチャーリーへとやってきた。

基本的には赤坂のオフィスに籍を置きつつ、店長として、これから働く人のサポートをしていく予定だ。

8 「主な仕事は接客です。扱うものはアンティークに作家性のある雑貨です。グイグイと営業するようなスタイルではなく。むしろお客さんから聞かれたときに、モノが持っているストーリーを伝えてほしいです。」

アンティークに明るいとよいけれど、経験は問わないとのこと。働きながらでも、知識はどんどん増やしていってほしい。

高田さんは、今回のショップで扱うアンティークの買い付けのため、代表の吉良さんとともにアメリカ出張へと向かったそうだ。

これから入社する人が買い付けに同行することも考えられるとのこと。

9 もしかすると、現時点での知識よりも大切になるのが、わからないなりにも自分で考え、調べて行動できる姿勢。

テテカムイワシは、チャーリーにとっても新たな試み。

「わたしも含め、店舗経験のある方が社内にいないんです。」

現在は高田さんを中心にバタバタと動き回る日々。

「レジはどうするのか。クレジットカードの取り扱いも。ショップカードにバッグはどこで揃えたらよいのだろう。こまごましたことを手探りで進めているところです。」

店舗の立上げには、店内のナビゲーションから価格設定まで、自分たちでつくりあげていくことが求められる。

なかでもテテカムイワシの大きなテーマとなりそうなのが広報。

店舗がビルの3階に位置することもあり、わざわざ訪れるような場所になると思う。

来客につながる導線づくりが大切になる。

SNSの活用はもちろんのこと。ショップカードやフライヤーといった印刷物の作成。屋上を活用して定期的にイベントを行うことも考えられると思う。

「その方次第で、仕事はいくらでもつくることができるでしょう。長く続けていただき、ゆくゆくはお店をお任せできたらと思います。」

高田さんは、チャーリーの社風を「まずやってみること」そして「任せること」だと説明してくれた。

テテカムイワシの立上げもスピーディーなものだったとか。

「発案は代表の吉良です。ショップを出そうという話が今年の1月に出ました。2月には内見をして。アメリカへ買い付けに行ったのが4月の終わり。ピンと来たらまずやってみるんですね。」

10 吉良さんからは、「やりたいことはどんどん手を挙げてほしい」と言われるそう。

取材に対応する方が若いことからも、任せてもらえる社風は伝わってくる。

「やりたいことを前向きに発信していける人がいいと思います。」

「一方で挨拶や礼儀、そうした基本を大切にする会社です。吉良と直接やりとりをする機会も多くなると思います。まず、言われたことは素直に聞く姿勢も心がけてほしいです。」

11 組織として体制を整えていくこともあるでしょう。

「店舗に常駐するのは一人だからこそ、すぐに聞けないこともあるかもしれません。定期的にミーティングを設けたり、仕組みからつくっていくと思います。」

「なお、当面はできる限り本社のスタッフも店舗にいられるようにする予定です。そのための体制も整えているところです。」

12 最後に。日本仕事百貨も、リトルトーキョーという場を運営しています。自分たちではじめると、食器の用意に機材準備、BGMの設定… 考えることの連続です。スタッフ同士で意見が異なる場面もあります。

テテカムイワシも、はじめの1年はバタバタすることも多いでしょう。同時に、自分ではじめることで、見えてくるものはきっと大きい。

最後に高田さん。

「ほんとうに未経験のことばかりです。わたしたちと一緒にテテカムイワシをつくっていけたらと思います。」

(2014/7/16 大越はじめ)