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経営にイノベーションを

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

経営のプロとして「社会にたくさんのイノベーションを生み出したい」。そんな思いで大企業を飛び出した人たちに出会いました。

1 大量生産・大量消費型の社会が変わりつつあるいま、多くの伝統的な企業のビジネスは変革を迎え、既存のビジネスモデルでは通用しなくなることも増えています。

かたや目指す市場は国内からグローバルへ。

時代が大きく変わる中で、大企業のビジネスもこれまでと違った形での商品やマーケティングなど、イノベーションが求められる中、多くの日本企業はいまだ、その変化の流れに乗れていない。

「我々のクライアントである企業の経営層は世界の市場を見て、会社を変えなければと思っています。けれど、現場はこれまでのやり方にとらわれていることが多いです。若い人が新しい企画を提案しても、上司に『若いから』などといった理由で一蹴されてしまう傾向もいまだ強いです。でも日本には世界に誇れるものがたくさんあります。年齢、立場に関係なく世界に発信していく仕事がいまこそ求められています。」

2 そう話すのは、CROSS Business Producers(CROSS株式会社:以下CROSS)の三木言葉(ことば)さん。

CROSSでは、社会に様々なイノベーティブなプロジェクトを送り出すビジネスプロデューサーを募集します。

変わってほしいという思いと、実現するための経営のプロフェッショナリティ。両方が必要になる仕事です。経験は問わないので、まずは読んでみてください。

イノベーションとは、これまでの既成概念にとらわれず、時代が求める新しい価値観を社会に打ち出し、人々の生活、心を豊かにしていく活動。

何か新しいことをしようするときには壁が存在するもの。そこに風穴を空け、常識の先への扉をビジネスのプロフェショナルとして切り開き、成功への道づくりをする。

それがCROSSの果たす役割です。

東京・虎ノ門。

虎ノ門ヒルズがオープンし、国際戦略総合特区にも認定されるエリアにCROSSの本社はあります。

3 はじめに代表の三木さんに話をうかがいました。

新卒で入社したアンダーセン・コンサルティング(後のアクセンチュア)では金融サービスを担当。その後、富士通株式会社のコンサルティング部門へと転職。大手企業に所属し、仕事をする中で問題意識が生まれた。

「いまの時代にあったサービスや事業をどんどん立ち上げるためには、国籍、性別、宗教など異なる価値観にとらわれずに吸収していくこと。同時に、自分のアイデンティティを磨きつつ、対等にコミュニケーションし、色々な仲間とビジネスをつくりあげる。共創のスキルが求められると考えています。」

4 スイス・国際経営研究所・IMDでイノベーション創造について討議
日本の良さを愛でながら世界に羽ばたくビジネスをつくりたい。

そう考えた三木さんは、2011年秋にCROSSを単身で立ち上げる。

「独立したコンサルティングファームとして、色々な人や組織の魅力を繋ぎ合わせ、価値を創造する。それがビジネスプロデューサーです。企業の外側にいるアウトサイダーだからこそ、自由に面白いことができるのだと思います。」

具体的にどんな仕事をしているのだろう。

「イノベーションを創造したい、ということで相談くださるクライアントさんは全て一部上場企業です。わたしがもともと富士通にいたこともあり、通信、ネットワークといった技術を活かしたイノベーション創造に強みを持っています。大手製造業、通信キャリア、コンテンツサービス事業者などが多いです。」

海外にもパートナーがいる。

「海外の仲間とも密に情報交換をしたり、一緒にクライアントさんへの提言を練っています。フランスの仲間とは特に親しいんです。企業の経営課題や問題解決の手法を共有したり、苦しいときも励まし合う良き仲間です。」

5 創業以来のパートナーであるパリ・EXA Partners創業者 Thibau氏と共に
創業当時は、グローバル市場への進出に伴う事業企画や調査、進出支援の業務が多かったそうだ。

現在は企業が目指す変革のビジョンを共につくり、イノベーション創造に強い組織文化をつくるプロジェクトが増えているという。数年単位の長い時間をかけて取り組むこともある。

ビジネスプロデューサーは言わばアウトサイダー。その立場を活かし、大組織の大きなプロジェクトを、外部から率いていくとも言える。組織の中にイノベーションを起こせる人材を育て、組織を変化させていく。それがCROSSの仕事だという。

6 「人間誰しも、変わるのって大変なことですよね。大企業の文化はまさにその結集体です。過去の成功例にとらわれて、顧客の声や社会の変化が見えなくなっても気づかなかったりします。」

「自分たちの事業を通して、世の中の役に立っていきたい。より魅力的な社会をつくっていきたい。そうした思いを持つクライアントの皆さんと日々、向き合っていく仕事です。」

ビジネスプロデューサーの仕事についてうかがったのは、No2として活躍するディレクターの村田昂遙(こうよう)さん。

三木さん曰く、「頭のてっぺんからつま先までユニークな人」で「自分の価値観を頑固に守りながらも、異なる価値観を楽しく味わっていく」人。

7 日ごろは三木さんとパートナーを組んで仕事することが多い。村田さんは自分のことを「CROSSの目指す価値観を周囲に伝える翻訳家」と評す。

「CROSSでは、イノベーション創造にフォーカスして活動しています。しかし、単に事業企画の作業などを担うばかりではなく、クライアントさん自ら課題に気づいていただくため、“eyeOpen”と呼ぶワークショップなどを行っています。」
「ビジョンを形成し、参加者のビジネススキルを底上げすることで強いプロジェクトチームを創造するんです。企業の方と一緒に、凝り固まった価値観を壊しつつ、新しい事業をつくるんです。」

たとえば企業の中で、意思決定の主軸となる部課長クラスの方たちに集まっていただき、ワークショップを行う。

「まず三木が新事業創造のプロジェクトの狙いや課題などを共有し、クライアントのみなさんと話していきます。ただ、耳慣れない方にとっては、ハードルが高く聞こえてしまうかもしれません。三木の話を翻訳し、伝わりやすく説明していくのが僕の役割です。」

そうして現状を把握した後に、企業の強みをあらためて見つめ直す。

新規事業が見えてくると、立ち上げに向けて課題を一つ一つクリアしていく。

「企業の方が自分たちで考えて、自分たちの中からビジネスプランを生み出せるようにお手伝いする。そういったことを行っています。」

ビジネスプランを進めるには、大学のMBAコースで学ぶような多様な経営知識から、実地経験を重ねることで得られる勘まで求められるという。

事業の収支計画、マーケティング、プロモーション企画にプロジェクトのマネジメント…

「一言でいえば必要な要素はビジネスのプロです。知識があるに越したことはありませんが、僕自身働きながら身につけてきました。」

8 村田さんは現在26歳。新卒で入社したアパレルを退社し、独立の準備を進める中で、学生時代から知り合いだった三木さんの起業を聞き、CROSSに加わりました。

村田さんはじめ三木さん以外のメンバーは、コンサルとは異なる畑の出身。

これから働く人についても、事業企画の素養はほしいけれど、必ずしもコンサル経験者でなくてよいとのこと。

最も大切なのは次のことかもしれない。

「部課長クラスとともに仕事を進めていくわけです。『違う』と思ったときは流されることなく『違います』と伝える。自分の芯を持ち、新しい文化をつくっていける人に来てもらえると嬉しいです。」

大企業で言えば、若手の社員が、役員や部課長と対等に話をしていくようなもの。

大変な仕事ではないだろうか。

「超しんどいと思います。求められるのは常に自分の実力よりも一回り二回り上のことです。考えようによっては、すごく辛いですよね。でも、裏を返すと成長の道しるべとも言えます。楽しいですよ、自分で全て決めていくことは。」

“超”しんどいとわかって、どうして飛び込んだのだろう?

「同じ会社でじっくりと成長していく道。大変でも自分がやりたいことを素直にやる道。僕が仕事を辞めるとき、両方正解だと思いました。それなら大変でもいいから、自分のやりたいことをやる道を選ぼうと。」

今回入社する方は、まずはリサーチャーとして調査経験を重ね、ゆくゆくはビジネスプロデューサーに就いていきます。

三木さんや村田さんがつくったコンセプトをもとに仮説を立て、調査検証するのがリサーチャーの役目。

ここで、リサーチャーの大浦さんが仕事の流れを教えてくれました。

「たとえば競合調査やアライアンス候補となる企業を調査する場合、該当する企業を複数ピックアップします。商品や技術、代表のバックグラウンドコネクションなど。文献を読み、webで調べていきます。」

資料だけでは見えない生の声を追うため、インタビュー調査を行うこともある。

「海外のカンファレンスに参加して、どの企業と組むのが望ましいのか。どんな効果が期待できるのか。ヒアリングや相談を重ねていきます。」

その後はデータをもとに仮説を検証し、三木さんと村田さんがクライアントと話を進めていきます。

大浦さんはこう話す。

「ゆくゆくはビジネスプロデューサーとして、コンセプトから提案をして、最終的には事業化していきたいんです。」

9 左が大浦さん
最後に、村田さんがCROSSの雰囲気が伝わるエピソードを教えてくれました。

「うちは、16時半以降は仕事に支障がない限り、お酒を飲んでいいんですよ。またプロジェクトで出す利益は、みんなで相談しながら自分たちの成長のために活用していきます。『決まりがこうだから』ということはないです。」

自分で考えることがますます大切になるように社会が動きつつある中、事業も文化も、新たに自分の手でつくる道がありました。

(2014/7/14 大越はじめ)