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場所ありき、働き方ありき

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

これからどこでどんなふうに暮らしていこうか。そんなふうに考えて、暮らし方・生き方から住まいを選択する人が増えているように思います。

一方で、どこでどのように働くのか。働く場所については余裕を持って考えることがあまりないように感じます。

clt01 不動産のプロデュース会社CityLights Tokyoは、“TOKYO WORKSPACE”というオフィスを紹介するサイトを運営しています。オフィスという空間を通して、働き方を提案しているようなサイトです。

他にも“休日不動産”というサイトでは別荘を紹介したり、“Rentry”というリーシングサービスで賃主と借主の間に建設的な関係を築いたり。

既にやっていることも、これからやっていきたいこともまだまだたくさんあるのだけど、会社を立ち上げて間もないので人手が足りない状況です。

そこで今回募集するのが、オフィス物件の発掘から契約まで、一連の流れを担当する不動産営業の人。

まずは物件写真を撮ることからはじまります。

営業の仕事を身につけたら、“休日不動産”など他のプロジェクトを担当してもらうこともあるかもしれません。

 
東京・表参道駅を降り、青山通りを渋谷方面へ歩く。

3分ほど歩くと、青山学院の向かい側にCityLights Tokyoのオフィスが見えてきた。

clt02 CityLights Tokyoのオフィスがあるのは、4階建てビルの最上階。今年6月に移転したばかりだという。

「以前から気になっていた物件だったので、この物件が募集していたのを見つけた時、すごく嬉しかったんですよ。引越し間もない頃、スタッフのひとりは出社するとFacebookにオフィスの写真をアップしていたんです(笑)。」

代表の荒井さんはとてもおおらかな感じの方。話を聞くと「スタッフの働く環境をよくしたい」という言葉が多いのが印象的だった。

clt03 通されたのは、仕事の合間にゆっくりできそうな応接室。隣には一面開口で明るく広いオフィスがある。のびのびと仕事ができそうな職場だ。

「ここへ来て、みんなのやる気が上がっているんですよ。この物件に出会えてよかったって、実際に体感して。改めて自分たちの仕事が魅力的なものだと思っています。」

“TOKYO WORKSPACE”では、渋谷区・港区を中心とした広域渋谷圏のオフィス物件を紹介している。そこでは単に物件情報だけを載せるのではなく、こだわりの写真と文章をメインに掲載する。

clt04 見る人に物件のイメージを伝えることで、そこから想像できる働き方を提案している。

サイトで物件検索をしてみると、「とことん働く」や「自然を身近に感じながら働く」などの項目が並んでいて、自分の求める働き方に合わせて物件を探すことができる。

一方で、働く時間とは対称的な、休日に特化した物件を紹介する“休日不動産”でも、同様に写真と文章を中心に載せて、遊び方や休日の過ごし方を提案している。

clt05 人生の両極にある「働くこと」と「遊ぶこと」を提案しているのも、CityLights Tokyoが建物と同じくらいにそこで過ごす人を大切に考えているから。

CityLightsという名前には、人の存在を感じられる街の灯りを忘れないように、という意味が込められている。

「物件を紹介することが、その人の人生においてどれだけ重要なことか。オフィスは、その会社やそこで働く人たちの人生を変えうると思っています。」

住まいが暮らし方をかたちづくるように、オフィスもまた働き方に大きく影響するもの。

たとえ似たような建物でも、立地が違うだけで日々見るものが変わってくる。

もしそれが自分の気に入った空間ならば、愛着をもって毎日、気持ちよく仕事ができると思う。

「相手にとっては一生に一度かもしれないインパクトある仕事をしているのに、旧態依然と壁をつくって探り合いをしている場合じゃなくて。今の時代にあるべき不動産屋の姿があると思うんです。」

「その人にとって何が本当にいいんだろうと追求して、オーナーさんにも入居者さんにも喜んでもらえることを考える。気持ちよくお客さんと付き合える不動産屋でありたいですね。」

clt06 もともと荒井さんは大手不動産会社の出身。仕事をして楽しいと思える不動産業をしようと、インテリア会社系列の不動産業者に転職したり、空間デザイン会社に移ってからは新しく不動産事業部を興したりした。

「それぞれ魅力的な会社で、不動産会社でありながら不動産会社でない感覚がありました。そんな他にないような職場でも、自分にとって理想的な不動産屋にはなれなくて、最後は自分でやるしかないだろうと。」

会社を立ち上げてからは、やりたいことを『いつやろう』ではなく『もうやってしまおう』と、さまざまなプロジェクトを展開してきた。

例えば“Rentry”。
空室が目立ちはじめた物件を仕方なしに値下げするのではなく、入居者の活動をオーナーが応援するために、投資や支援の意味を持たせて賃料を相談しようというもの。

結果は同じだけれど、その間にコミュニケーションが生まれることで、入居者とオーナーがより建設的な関係になるという。

「建物の価値は目先の収益だけじゃなくて、いい入居者に入ってもらってその建物が活性化することもあるのが面白いんですよね。こういう仕組みって、これから床が余る時代に合うと思うんです。Rentryでは儲けるというより、どこかで仕組みを真似してくれたり、『こんなことも考えている不動産屋ですよ』ってオーナーさんや入居者さんたちに伝わればいいかなと思っています。」
「まだまだやりたいことはたくさんあります。一緒にやってくれる人がいればどんどん展開していきたいです。」

clt07 6月には新たな仲間がひとり加わり、8月にはもうひとり加わる予定。スタッフは荒井さんを含めて4人となる。

全員が“TOKYO WORKSPACE”を担当し、荒井さんひとりが“休日不動産”など、他のプロジェクトの立ち上げ準備も行なっている。

「いまは会社自体を形成するフェーズです。Rentryなど、いくつかのプロジェクトは止めているような感じですが、体制が整ってきて興味がある人がいたときに任せようと思っています。」
CityLights Tokyoで働く人はどんな人がいいのだろう。

「個性があって、一緒に働いたら楽しそうだなっていう人がいいですね。」

「というのも、以前勤めていたデザイン会社では、個性の強い人たちが自由に飛び回っているのを、数少ない不動産経験者として整えるような感じだったんです。いまもそんな感じで、個性あるスタッフが集まっていて。例えが変ですけど、バラエティに富んだメンバーが集まる動物園みたいになってほしいな(笑)。」

そう望むからこそ、なにか軸が必要だと思う。たとえば、みんなに不動産経験があり、さらにそれぞれの個性を生かしながら広がっていけばいい。

そのスタートが“TOKYO WORKSPACE”で不動産営業を担当することになる。

「正直、はじめは能力的な部分はあまり重視していません。それを引き出したり、環境を整えることも僕の仕事だと思っているので。ただ、丁寧に、まじめに仕事に向き合える人がいいと思っています。あと、一番重要なのは、一緒に働きたいとお互いが思えるかどうか、ですね。」

自分のリズムをつくれてきたら、やりたいことに挑戦したり、他のプロジェクトを担うことができる。

CityLights Tokyoは、一緒に働く人に合わせてかたちづくっていく会社なんだと思う。

 
実際に、ここではどんな働き方をするのだろう。

昨年に入社した森田さんに話を伺う。

clt08 基本的な業務は、物件を発掘してサイトに掲載し、反響があったクライアントを物件に案内して、契約の手続きをすること。

膨大な物件情報のチェックなど、すぐにはなかなか芽の出にくい作業もある。
「とにかく毎日、物件情報をチェックしています。物件を見に行かないと分からないこともあるので、実際に見に行ったりして。そこで、TOKYO WORKSPACEっぽいかどうかって判断して。」

TOKYO WORKSPACEっぽい?

「感覚ですね。例えば、人には第一印象があるじゃないですか。物件もそれと同じで『これはアリだね』『魅力的だね』っていうものをピックアップするんです。」

その感覚は、荒井さんに掲載物件の提案をしたりして、日々価値観をすり合わせることで身についてきたもの。

「お昼を食べに行ったりとかしても、物件のことだけでなくて、世の中のこととかの情報を共有しています。だからよくしゃべるほうだと思いますよ。」

マニュアルがきっちり整備されているわけではないから、考えていることをその都度口に出すことが大切。

「常にセッションという感じで、その場になってこうしていこうと決めるんです。自分で考えて今日はこれをやってみようとか、そんなことができる環境ですね。」

clt09 前職ではワンルームマンションを中心とした住宅の不動産仲介をしていたという森田さん。

オフィスを扱うとなると、どう違ってくるのだろう。

「快適な住宅ってある程度条件が決まっていると思うんです。でもオフィスの場合は、ある会社が全く求めていないものを他の会社では求めていたりして。ニーズの違いが甚だしいっていうのが難しくもあり、面白くもある。」

「それと、ここでは人に働き方の提案をしながらも、自分の働き方もつくっていけます。自分が必要だと判断しながらを組み立てていくようなアップデートの仕方なので、それが自分の営業の魅力のひとつになると思います。そこを突き詰めていけるところがいいですね。」

一方で、妥協なく突き詰めることは大変なことでもある。

「ビジュアルで見せることにすごくこだわっているので、見せるための技術を身につけるのが一番大変です。ここに来るまでは、写真はあくまで情報として伝わればいいものでした。だけどそうじゃなくて、その先を伝えるような写真を撮るのが大変ですね。」

clt10 これからは働き方を提案するだけでなく、色んな角度から不動産屋としてできることを考えていくという。

ただ、その軸となるのは不動産を利用する人を、常に中心に置いて考えること。

常に自分たちがやりたいことをやっていきたいからこそ、0から取り組むことが多いかもしれないけれど、これからの不動産のあり方にも挑戦できる機会だと思います。

最後に、荒井さんがこう話してくれた。

「人の人生にインパクトを与える不動産業には、大切な人生の時間を費やす価値があると思っています。自分の友人や家族に『仕事がすごく楽しい』と胸を張って言える人ってすてきじゃないですか。そんな不動産での働き方を希望する人をお待ちしています。」

生き方・働き方から場所を考える。もしくは場所ありきで、そこで何をするか考える。

こういうことって、これからもっと必要とされると思う。

単に不動産を紹介する仕事ではなく、どう働くか、生きていくか、提案する仕事なんだと思います。

(2014/8/7 森田曜光)