※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。
「自分らしい生き方に気づいて、より豊かな人生を歩みはじめる。そんな一人ひとりの変化が積み重なって、社会が大きく変わっていく。その一役として、リヴァがあればいいなと思っています。」2010年に創業し、うつ病の人への社会復帰支援をはじめた株式会社リヴァ。
個人向けの支援サービス「オムソーリ」の運営と、法人向けの組織・人材の活性化コンサルティングをしています。
リヴァが掲げているのは、回復後のほうが素晴らしいと思える人生の実現。
それは必ずしも職場復帰がゴールではないのかもしれない。
だからリヴァは、利用者が会社に戻ることを目的にするのではなく、その人が自分自身を見つめ直してなりたい方向へ進むように支援しています。
そしてリヴァが見つめる先には、うつ病の人に限らず、ひとりでも多くの人が自分らしい生き方に気づくことができる社会の実現があります。
そんな考えのもと、社会復帰支援事業だけに留まらず、これから様々な広がりがあり得る会社です。
今回はそんなリヴァで働く人を募集します。
うつ病の人を支援する仕事と聞くと、どうしても病気のもつ暗さなど、ネガティブなことを想像するかもしれません。正直、取材をするまで僕自身もそんなイメージがありました。
けど実際は、人が人生に前向きになる瞬間を目の当たりにする、とても明るい仕事でした。
いまの社会に違和感があったり、もっとこうあればいいのにという想いがある人なら、たとえ経験がなくともチャレンジできる職場だと思います。
東京・水道橋駅を下車。
真夏の日差しの下、御茶ノ水方面へゆるやかな坂を進む。
5分ほど歩き小道へ曲がると、公園の目の前に、リヴァの事業所のひとつである「オムソーリ御茶ノ水事業所」が見えてきた。
中へ入ると、「オムソーリ」のプログラム利用者たちが4〜6人グループになって、テーブルを囲んで話し合いをしている。
テーマは「人生で大事にしたいこと」。
それぞれが自分のことを話し、相手の話も聞く。決して悩みを打ち明けるような、重苦しい雰囲気ではない。
真剣だけど、時折笑いがある。
振り返りの時間では「あまり自分のことを発信するのが好きではないが、発言したいと思えてくることに驚いた」と利用者が話していた。
「正解を見つけたり考えを否定するんじゃなくて、なぜ自分がそう考えたのかというプロセスや、相手の考えの背景を探っていく。いま見ていただいたのは、考え方と行動が変わるきっかけになるプログラムです。」
そう話すのは、代表の伊藤さん。
「社会復帰は手段でしかないと思っていて。本当に自分のやりたいことのためには、もしかしたら就職する必要がないかもしれない。自分を見つめ直すことで見つかった、その人がなりたい方向に前進できるように、我々が支援しています。」
うつ病の人への社会復帰サービス「オムソーリ」では、ビジネス研修や農作業など、様々な支援プログラムを提供している。
利用する人は自分に合った内容と時間のカリキュラムを組み、高田馬場や御茶ノ水、市ヶ谷の事業所に通い、プログラムに参加する。
「うつ病の方に特化して、こういったプログラムを提供しているところは本当に少ないです。ストレス対処法を身に付けて、体調をコントロールしながら自分をマネジメントしていけるように、プログラムをつくっていく必要があります。」
立ち上げから3年、新しいサービスながらも実績を積み上げている。
会社への問い合わせや行政・病院からの紹介だけで、今はほとんど営業が必要ない状況だという。
この仕事をはじめることになったきっかけを聞いてみる。
「若い頃は、いまやっているような仕事を全く意識していませんでしたね。」
大学生の頃からベンチャーに興味があった。一度は大手のIT企業に就職したが興味を捨て切れず、研究室の先輩が所属するベンチャー企業に就職。
そこは障がいのある人の就職支援事業を核にした会社だった。
「自分の知らないことだらけでした。どんなに強く働きたいっていう想いを持っていても、チャンスすらないような人たちがいる現実を知って。」
「働くなかで、障がい手帳を持っている人をサポートする仕組みはいろいろあるけど、手帳がないうつ病の人はたくさんいるのに社会的支援がないっていうこともだんだんと分かってきて。」
うつ病は6割が再発するといわれるほど、再発しやすい病気。しかも、再発するたびに再々発の確率が上がっていく。
回復しても再発し、結果転職を繰り返す。どんなに若く優秀で可能性があっても、一度うつ病になってしまうと抜け出すのが難しいという。
実際に、伊藤さんの身近にいたうつ病を抱える同僚も、そんな状況に苦しんでいた。
自分にも何かできないか。伊藤さんは会社を起こし、2011年に高田馬場で社会復帰支援の個人向けサービスをはじめた。
「うつ病になる前よりも、オムソーリを使って回復したあとのほうが素晴らしい人生じゃないかと。うつ病だったことも、自分を見つめ直すきっかけになってよかったって言えるような。そんなふうにつながる支援を目指しています。」
利用者との関わり方で大切なのは、教えるとか導くことではなく、利用者自身が自分で考えて行動していくようにサポートすること。
ただはじめは体調が安定しなかったり、連絡がなかなかできないような人を密にフォローすることだってある。
「いつも正解はないです。この関わり方がベストっていうことはなくて、満足したらそれまでです。日々、試行錯誤し続けることが大切です。」
答えを求めたり、マニュアルをつくろうとする人には辛いかもしれない。日々変わることを面白く思えるといいと思う。
それと、会議ではスタッフ全員が利用者の状況を共有している。
スタッフひとりが抱えて込むことはない。その反面、チームで動くことが求められる。
今年から新たに法人向けのプロジェクトが動き出した。
それを伊藤さんと2人で担当する、森田さんに話を伺う。
森田さんはリヴァ初の新卒入社。今年からリヴァに加わった。
伊藤さん曰く、少し不器用だけれど、素直で気持ちがとても強い人だという。
どんな想いでリヴァに入ろうと思ったのだろう。
「恩師に仕事のあり方から生き方まで深く教えてもらった経験があって。今度は自分が伝える側の、学校の先生になろうと考えていました。」
「でも、子どもたちに学校の先生として直接働きかけるより、大人たちが納得した働き方をして生き生きと働く姿を子どもたちに見せることが大切だと思ったんです。その姿を見ることで子どもたちも感じることがたくさんある。自分も何かしようと思うようになる。そんなことを考えていたら、大人を元気にするリヴァのことを知りました。」
実際に来てみて、どんな印象でした?
「スタッフ全員がそれぞれ成し遂げたいことをしっかりもっている。しかも夢見がちにじゃなくて、そこにたどり着くために必要なことを着実にやっている。」
「そんななか新卒が自分一人だけだったので、何もできない状態で不安だらけだったんですけど。自分なりの意見を言ったらちゃんと反応が返ってきて、ちょっとずつ自信がついてきたんです。だんだん楽しいなと思う気持ちが大きくなって、いまは楽しんで働かせてもらっています。」
基本はOJTだけれど、“リヴァカレッジ”という社内の勉強会で、会社の価値観や仕事について学ぶ環境がある。
スタッフの働く様子を見たり、話を伺うと、どの人も会社の考えをしっかり軸に持っていることが分かる。
社員は23名。社員数は多くなく、事業所は点々としているけれど、組織としてまとまりのある会社だと思う。
普段の業務についても聞いてみる。
「まずはニーズのあるお客さまを探すために、いろんな企業さまへ電話をかけます。休職者対応で困られているようなことがあれば、情報提供も含めて一度お話しに伺わせていただいて。」
「あらかじめ用意されたパッケージを提案するのではなくて、その企業さまが困っている現況と理想をまず聞くんですね。その上で自分たちができることを一つひとつお話させていただいています。」
じっくり話を聞くことからはじまるんですね。
「だから右から左へ流すような仕事がなくて。一つひとつと向き合って、じっくり考えて、知恵を絞ることが多いです。そういう働き方が楽しいですね。」
法人向けサービスの実績が上がっていけば、うつ病の人以外も対象にした新規事業の展開を考えている、と伊藤さんは言う。
例えば農業や伝統工芸など、やってみたい仕事を体験できて、家も自分たちでつくって生き方を探っていけるようなサービス。
一見、社会復帰支援事業とは大きく離れたプロジェクトのように見える。
「うつ病の方の支援にこだわっているわけではないんです。これまでうつ病の方と接することによって、そもそも社会って何なんだって考えさせられました。」
「そこで、ひとりでも多くの人が自分は何をしたくてこの会社にいるんだろうと考えて。自分らしい生き方や働き方に気づくような機会を提供できれば、それこそうつ病になる人も減ると思うし、もっと世の中が元気になるのかなと思ったんです。」
いまある事業を磐石にしながらも、今後は支援や福祉の枠を超えて展開していくという。
「今はマイノリティーでも、多様な生き方が当たり前な社会になっていくと思っています。そこを我々が先駆けて社会のインフラとしてつくっていけたら面白いかなと思っています。」
今期と来期が会社を形づくる段階。
だから今回は、ゆくゆくはリヴァの中心となるメンバーの募集になる。
どんな人に来てもらいたいですか?
「新しいものやチャレンジすることが好きな人。保守的な人は合わないかなと思います。既存のサービスも、理念に近づくためには考えることにきりがないし、やり手はいくらでもあると思う。」
「あとは想いがすごく重要。具体的にしたいことがなくてもいいです。漠然としていてもいい。より社会をよくしたい、いまの社会は何か違うんじゃないかと思っていれば、うちに来たときに目先のことじゃなくて、その先に向かって頑張ってくれるんじゃないかなと思っています。」
うつ病の人の支援事業に留まらず、社会に向けて自分らしい生き方に気づく機会を提供していくリヴァ。
これからは業界や地域を超えて常に先頭を切り、多様に変化していくのだと思う。
簡単な仕事ではないし、体力も必要。
だけど、こんなにも目標に真っ直ぐ柔軟に取り組む会社であることを、まずは知ってほしいです。
ここで働く人自身も、自分らしい生き方にチャレンジできる仕事だと思います。
(2014/8/28 森田曜光)