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教育を変える、未来が変わる

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

大学を中退する学生は全国で毎年6万人以上、大学進学者の約12%に上ると言われます。

背景には、高校生が偏差値やネームバリューで大学を選び、進学後に通うことの意味を見出だせなくなることがあるという。

大学へ進学する人が増えた一方で、 誰かの価値観ではなく“自分のモノサシ”で進路を選ぶことが必要となってきました。

今回は、高校生が“自分のモノサシ”をつくるきっかけを生む仕事の募集です。

newvery01 NEWVERYは教育分野で事業を展開しているNPOです。中退抑制に取り組む「日本中退予防研究所」や大学改革を推進するプロフェッショナルを養成する「大学教職員研修センター」、プロの漫画家を育成する「トキワ荘プロジェクト」などを運営しています。

今回募集するのは、高校生の進路発見を支援する「WEEKDAY CAMPUS VISIT」のブランド戦略を担当する人です。

仕事はPRに限らず、イベントを企画運営したり、高校を訪問し先生にプログラムを説明したりします。

「教育」や「子どもたちの未来」について思いがある人はぜひ読んでみてください

 
JR山手線・大塚駅から都電荒川線に沿って歩く。

newvery02 5分ほど坂を上ると、向原駅の手前にNEWVERYのオフィスがあるビルが見えてきた。

迎えてくれたのは、理事長の山本さん。

山本さんが教育を舞台に活動することになったきっかけは、大学生の頃に参加したアートを教育に活用するワークショップだった。

大学を卒業後、NEWVERYの前身となる事業型NPOを設立。アート教育に限らず、教育分野における社会課題に取り組みはじめた。

「若者たちが未来に希望を持てる社会にしていこうと。この成熟社会において、どこにオリジナリティや付加価値をつくるか考えたときに、これからの教育は変わっていかなきゃいけないと思ったんですね。」

newvery03 はじめたのは、引きこもりやニートと呼ばれる人たちの就職支援。その後、中退問題に取り組む。

実際に中退した若者に話を聞いてみると、大学選びについて後悔があった。

高校生の多くは、有名かどうか、偏差値が高いかどうかで大学を選んでいた。

「おかしくないですか。学問に優劣はないんです。誰かがつくったモノサシで選んだ大学へ行っても、受けたい授業がないって気づく。入口の段階でのミスマッチが多いんですね。」

一方で、進路選択するための情報や機会が高校生にうまく提供されていない状況があった。

そこではじめたのが、大学生が受講する普段通りの授業を高校生が一緒になって受けられる WEEEKDAY CAMPUS VISIT。

高校生がこのプログラムを利用することで、自分の考えや大学の選び方を身につけ、大学の中身で進路を選ぶようになってもらいたいと考えた。

よい教育を提供する大学が評価されることは、大学教育の改革につながるという。

「WEEEKDAY CAMPUS VISITによって大学教育が変わると大学入試が変わる。大学入試が変わると高校教育が変わる。大学が変わると下の教育機関がすべて変わっていく仕組みなんですね。日本の教育自体を変えていくことになると思って仕事をしています。」

newvery04 プロジェクトは2年目に入り、だんだんと大学の中身も学生側の意識も変わってきた。開催実績は50大学を超え、今年度だけでも2000人以上の高校生が参加している。

今後もこのプロジェクトを推進して、より強固にしていく必要がある。だから5年10年と一緒に働いてくれる人に来てもらいたい。

「とくに高等教育周りの事業部に関しては、メンバーを固定しているんです。属人化して、その人にしかできない仕事を追求していきたいと思っています。一定レベルを突き抜けたものは模倣できないですし、だからこそ価値がある。そういうものでないと解決できない問題がある。」

「知名度が5年で日本一になって、10年でアジアナンバーワンになるくらい。目指すのではなくて結果としてそんなふうになるように、一生懸命考えて工夫してやっていく。エッジの掛かった厳しい環境の中で、社会課題解決のプロフェッショナルとして長くやっていける仲間が見つかったらいいなと思っています。」

 
実際にどんなふうに仕事をしていくことになるのだろう。

今年4月からNEWVERYで働いている吉田さんに話を聞いてみた。

newvery05 吉田さんは前職で転職支援業をしていた。30歳になったタイミングで、以前から興味のあった教育に携わりたいと思い、NEWVERYへ転職。

WEEEKDAY CAMPUS VISITを運営する高大接続事業部に所属し、主に高校の先生や生徒へ向けた普及業務を担当している。

来年度から新規事業へ異動するため、新たに加わる人は吉田さんの仕事を引き継ぐことになる。

実際に仕事の流れを聞いてみた。

「まずは高校の生徒さんや先生にプログラムを知ってもらうために高校を訪問したり、先生向けの勉強会を開いたり、あとは進路指導に使ってもらえそうな教材をつくってネット上で配布したりします。接点ができた上で、開催情報をメールでご案内させていただいています。」

newvery06 前職では対法人営業をしていた吉田さん。これまでの営業とは一味違っていたという。

「賛同者を見つける旅をするような感じですね。教育を良くしたいとか、生徒のために何とかしてあげたいという先生と仲良くなる。すでに『教育とはこうあるべきだ』という考えをもっていらっしゃる方もいるので、時間をかけて何度もアプローチしたり開催情報を送ったりして、振り向いてもらうまで待ちます。」

その粘り強さは前職で学んだこと。NEWVERYでは担当者の経験やスキルに合わせて仕事が任される。

とはいえ大学や高校へのアプローチの仕方は日々変化していくから、未経験の業務をすることもある。

ひとつのスキルに特化されていくというよりも、社会課題のエキスパートになっていくようなキャリアなのだと思う。

「ここではその人にしかできない仕事ばかりなんですよ。少人数でやるからには一人ひとりの強みやプロフェッショナルな部分が必要。でも、それはもともと持っているものというより、人が活かされることで生まれる強みで。」

「僕はまだ強みと言えるものがないから、貢献できているのか不安があって。ここの団体で、もっと言えば教育業界で、自分が貢献できているか確信を持つには時間がかかると思います。それまではただひたすら一生懸命に日々取り組んでいかなきゃいけないなと思っています。」

 
次に話を伺ったのは、ディレクターの川原さん。

彼女はWEEEKDAY CAMPUS VISIT立ち上げと同時にNEWVERYに加わった。

newvery07 高大接続事業部のメンバー。右から2人目が川原さん。
昔から、人の教育やキャリアに関わりたいという思いがあった川原さん。前職では、新卒採用のコンサルティング会社で営業を担当していた。

そこでは内定の決まらない大学生の就活指導をする機会があった。ところがエントリーシートや面接の話以前に、そもそも学生生活で何も積み重ねていないことが問題だと気づく。

それは決して少数派ではない。そんな状況に危機感を覚えたという。

そんなときにWEEEKDAY CAMPUS VISIT立ち上げの話を耳にする。

「ブランドや偏差値に頼らずに自分のモノサシで進路を選ぶってことは、就職活動においてもすごく大事な経験になると思います。自分のモノサシで選ぶことができれば、失敗しても納得できるし、次につながると思うんです。」

働きはじめてからは不安ばかりだったそうだ。

「立ち上げのときだったので、ビジネスモデルも何も決まってない状態。契約書から、ウェブサイト、プレスリリースまですべて一から勉強しました。これが本当に人に受け入れてもらえるのだろうかって不安でしたね。」

newvery08 ただ、一度任せてもらえば、あとは自由に仕事ができる。自由なことは大変なことと紙一重だけれども、既存の大学選びに対する問題意識や新しい価値観を、ひとりでも多くの先生や学生に知ってもらおうという想いを持って取り組んだ。

そういう姿勢で向き合うからこそ、響く人たちがいる。

「東京の女子校に通っていた学生さんがプログラムに何度も参加してくれたんですけど、九州の大学に進学したんですって連絡くれて。そんなふうに自分のモノサシで大きな決断をするきっかけがつくれたのかなって思いましたね。」

「WEEEKDAY CAMPUS VISITって夢があるプロジェクトだと思っていて。全国の大学がオープンキャンパスをするように、一般的な取組みになっていけば、すべてが変わっていく起爆剤になり得る。わたしはそう確信を持ってやっているので、そんな夢を一緒に追いかけてくれる人に来てもらえたらと思います。」

大勢に対して働きかけながらも、効果は一人ひとりの若者の将来に及ぶ。実績だけでなく体感としても、充実感を感じる仕事なんだと思います。

川原さんと吉田さんの2人に、どんな人に来てもらいたいか聞いてみた。

「見たことも聞いたこともないことがいっぱい起きていることに対して面白がれる人がいいな。あとは自分がいいと思ったら反対されてでもこうだって押し切るような、それくらいの志向性がある人。あまり暴走されると困っちゃうかもしれないですけど(笑)」と川原さん。

「うちは変な人が多いってよく言われるので、個性豊かな人。どんな人が来ても浮くことはないですよ。」と吉田さん。

newvery09 企業から転職すると、まったく新しい事業なのではじめは戸惑うことばかりかもしれない。

でもNEWVERYで働くスタッフの多くが、企業から転職して来た人たち。同じように悩みながら、一緒に進んでいけると思う。

ここで働く人はやがてどうなっていくのだろう。川原さんにそう聞くと、自身の今後について話してくれた。

「NPOはビジョンを達成して解散するのが理想だって言われるけど、解散後もプロフェッショナルとして自分は生きていけると思っていて。わたしはここに所属し続けるかどうかはわからないですけど、高大接続やキャリア選択をテーマに仕事をすることは一生続けていきたいなと思っています。」

川原さんがそう思えるのも、自分の想いを軸にして働いているからなんだと思う。

そしてその想いが、NEWVERYのビジョンやWEEKDAY WEEEKDAY CAMPUS VISITの価値観に合っていることが前提になるのだと思います。

もし同じような思いがあるならば、NEWVERYで働くことを考えてみてください。

(2014/9/20 森田曜光)