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手を挙げた者勝ち

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面白い場所には、面白い人が集まってくる。

IDÉE SHOP(イデーショップ)は家具と雑貨のお店。普通のお店と違うのは、魅力的な「人」が集まっているからだと思う。

idee41 それならなぜ人は集まるのか?

一言で言えば、ワクワクできるようなたくさんのチャンスにあふれているかどうか。

イデーショップではお店で働くスタッフを募集しています。ここで働いて面白いことは、自分次第で機会をつくっていけることだと思います。


自由が丘駅を降りて、バスロータリーを過ぎて、少しだけ歩くとイデーショップがあります。6年前にオープンしたのが、なんだかまだ最近の出来事のように感じる。

idee10 最近は海外からのお客さんも増えているそうだ。ぼくたちがニューヨークに行ったときに、ブルックリンやクイーンズまで足をのばすような感覚と同じかもしれない。

お店の3階にあがると、取締役の川渕さんが迎えてくれた。


ぼくがイデーショップのことをはじめて知ったのは南青山にある岡本太郎記念館のとなりにあったお店だった。新築されたのは95年のこと。この頃のイデーショップに関わっているのは、それこそいろいろな業界で活躍している方ばかり。もう伝説と言ってもいいかもしれない。

川渕さんが新卒で入社したのは、旧青山本店ができる1年前だった。

「もともと高校生くらいまでは、すべて自分で洋服をつくっていました。ファッションばかりがんばるのが恥ずかしくなってからは、暮らしに興味がわいていきました。逆説的な言い方なんですけど、将来を考えたときに、世の中にはなくてもいいような仕事につきたいなと思っていたんです。そういうものって人生にとって大切なんじゃないかと。」

idee02 暮らしと人生。そうして受けたのがイデーショップだった。

「面接で創業者の黒崎さんと話したんですけど、とにかく面白かったんです。9割以上、黒崎さんが話していたんですけどね。ほかの会社とくらべて、対等に話している感じがしました。」

入社した翌年には旧青山本店ができた。レセプション当日の朝まで、什器にガラスが入っていなかったそうだ。

それでもなんとか間に合って18時にはレセプションがスタートできた。みんな徹夜していたのに着飾って、それは華やかで盛大なものだったそうだ。

「オープン前日かな。通りを隔てて反対側から見たら、4階建ての建物がすごい光輝いていて素敵だったの。自分たちは必死でやっていて気づかなかったんだけど、素直に感動して。」

川渕さんはこのあと旧青山本店の店長になって、イデーショップを支え続けた。

とにかく当時の南青山のお店は、ぼくもすごい印象に残っている。ひとつひとつ力強く存在している家具に雑貨。迷路のように複雑なつくり。上の階に行けば、徹夜で何かを製作しているスタッフたち。なんだかむちゃくちゃな感じだっただけど、だからこそ面白くて、いつも何かが起きているような感じがした。

そんな旧青山本店は、もう跡形もなくなってしまったけれども、しっかりと当時のDNAは今も息づいているように感じる。新しい取組みもはじまっている。

idee09 ここには今も、自分次第でたくさんのチャンスがあると思う。


たとえば、藤岡さん。彼女は2ヶ月前から本部で働いている方。でもはじめはアルバイトとして中途入社されたそうだ。

「大学を卒業してからは、芸能プロダクションで働きはじめました。役者のマネジメントの部署に配属されて、新人の発掘とか、オーディションをやったり。4年間はすごく楽しくて、でも90%くらい苦しくて(笑)。それで30歳を目前にして、違うことをやってみたいと思ったんです。」

idee03 「でもはじめはアルバイトということにも抵抗感がありました。しかもわたし、一度面接で落とされているんですよ。でももう一度面接してほしくて、連絡したらもう一度チャンスをくれたんです。」

ほかにもいろいろな家具屋さんってあると思うんですけど、何がよかったんですか?

「お店が好きだったんです。憧れの世界というか。置いてあるものが組み合わさって空間ができていて、中に入ると楽しいんです。」

「私すごい人にプレゼントをするのが好きなんです。ものを見て人をイメージするのがすごく楽しくて。このお店では、そういうイメージがよくわいてきたんですよね。」

実際に入社してどうでしたか?

「いままでの仕事は90%苦しくて、10%大きい派手な喜びがある仕事だったんですけど、打って変わって全然違う世界だったので。どこで喜びを感じたらいいか、はじめはわからなかったんです。」

「でもやっているうちに、お客さまとの会話が楽しいんですね。時間があっという間に過ぎていく。あとはトータルに暮らしを提案できるんです。家具も雑貨も扱っているので。歯医者さんを改装されたお客さまとか、『こういう感じに仕上がりました』ってメールをいただいたり。」

藤岡さんと話していると、自分の頭で考えて仕事をしている人なんだな、と思った。自分がしっかりあるから、店長になったり、本部で店舗のマネジメントを担当することになったのかもしれない。

idee04 ちゃんと働いていれば、誰にでもチャンスがある会社なんだと思う。


もう1人紹介するのは、まだ入社して半年ほどの篠原さん。彼女は自由が丘店で働いている。

もともと建築を勉強して、設計事務所で働いていたけれども、思うところがあったそうだ。

「家を買わないと幸せになれないのかな、って思っちゃったんです。一度壊して建て直さなくてもいいんじゃないかって。もともと器とか、手に取れるものが好きだったし、たとえば古いアパートに住んでいても、照明ひとつで空間がかわったり。雑貨とかインテリアとか、そういう仕事をしてみたいと思ったんです。」

idee05 そうして半年間、自分のことを考えたあとに、イデーショップに入社することになった。

実際に働いてどうですか?

「とても楽しいし、いらっしゃる方も暮らしを楽しんでいるんですね。学生のときに、はじめてお店に来たときも感動しました。」

楽しんでいないお店ってなんでしょう?

「学生のときに大きな家具屋さんで働いたときがあって『立っているだけでいいよ』って言われたんです。」

立っているだけ!?

「ベッドのコーナーにいたんですけど、お客さんに在庫聞かれたらコンピューターで調べればいいって。これってなんだろうと思ってしまって。」

そういう仕事もあるし、それがいい人もいるんでしょうけど、満足できない人もいますよね。

「私はぜんぜんできないです。会話がしたくてしょうがなかったんですよ。」

idee06 篠原さんはどういう接客をしているんですか?

「たとえばウェックの瓶を見ているお客さまと、ピクルスをつくるのにどんなお酢をいれるか話したり、『ドライフラワーありますか?』って聞かれてお店に置いてなかったので、素敵なお店を紹介したり。そうすると次の週にもう一度いらっしゃって、花瓶を買ってくださって。自由が丘には住んでもいるのですが、よくお客さまに街でお会いしますよ。」

それが楽しい人もいれば、窮屈だって感じる人もいるかもしれません。でもそういうことがないんですね。

「そうですね。」

何か大変だったことはありませんか?

「ありませんよ。」

何か困ったこととか?

「あえて言うと、学生のときにハンバーガー屋さんでアルバイトしていて、『いらっしゃいませ』っていう声がなかなかイデーショップにあわなかったり。とってもアメリカンで元気なお店だったので。」

「あとは驚いたことがあって。ストールの接客をしていて、『ちょっと派手かしら?』ってお客さまが仰っていて、オブラートに包みつつも、正直にいろいろ言っちゃったんですよ。そしたら『あなた、正直ね。売りつけてこないから、私買う』って。すごいお似合いですよ、とか思ってもいなければ言わないですね。」


すると篠原さんの話を聞いていた川渕さん。

「お店で働いていても、よそのお店のものがよかったり、ほかにいいものがあれば素直に言えばいい。もちろん、すべてイデーショップのものを買っていただけたらうれしいけれども、私たちのコンセプトとして、お客さまには自分で編集することをやっていただきたいので。でもお客さまのことを考えて接客していれば、またお店にいらっしゃっていただけるんですよ。」

idee52 ノルマやマニュアルはないんですか?

「どちらもありますよ。家具にはノルマがあって、表彰したりすることも。マニュアルは今つくっているところです。でも大切なことだけれども、しょせんマニュアルで。どんどん機械ができることが増えている世の中で、人はもっとクリエイティブなことをしていかないといけない。」

「それは単に自分が好きなデザインをおすすめすることではないですよ。プロフェッショナルであるべきだと思っていて。お客さまの話を聞いて、その中で適しているものを話す仕事なんです。」

idee53 ノルマがあるからといって、目先の売上を伸ばしても継続しない。マニュアルがあるから、それだけやっていればいいわけじゃない。

ある意味ではお客さんと対等だからこそ喜んでくれる。そして気に入ってくれれば、またお店に来てくれる。

とはいえ、そういうスタイルのマネジメントは難しい。ノルマやマニュアルでガチガチに管理して、サービスを平準化させてしまわないのだろうか?

「もちろん、マネジメントのベースはあげないといけないけれども、出る杭は伸ばしたほうがいいと思っています。」

出る杭は伸ばす。

でもイデーショップって歴史もあるし、昔を知っているスタッフの声のほうが大きかったりしませんか?

「たしかに私がこうやって言っても伝わっていないこともあるかもしれない。だから私もメッセージとして強く伝えていかないと。たとえば、企画展のいいアイデアがあるなら、たとえ発注業務がろくにできなくても、やってもらうとか。ご褒美として、海外出張してもらうのではなく、才能を活かすために行ってもらったり。」


イデーショップは「手を挙げた者勝ち」。

まずは目の前に仕事をしっかりやることが大切だけれども、手を挙げた人にはチャンスがある。少なくとも川渕さんは「チャンスは増やしていかなければいけない」と考えている。

さあ、どんどん手を挙げてください。機会はありますよ。ホームページも見てください。新しいイデーショップがはじまっています。

(2014/10/2 ナカムラケンタ)