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京町家リノベーション

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

京都市・烏丸駅を下車。

大通りから離れ、裏路地を縫うようにして進むと、京町家をリノベーションしてつくられた旅館「豊園くれない庵」が見えてくる。

「“豊園”っていうのは、昔の京都にあった古い地域の名前です。その地域コミュニティはいまも生きていて、京都では町内対抗の運動会を催したりしているんですよ。そんな古い地域の名前と古色の名前を組み合わせて“豊園くれない”。お客さまに京町家を丸ごとご利用いただける、1棟貸しの旅館です。」

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この豊園くれない庵を手掛けたのは、株式会社八清(はちせ)という創業58年の老舗不動産会社。

“リノベーション”という言葉が生まれる前から、京町家を中心とした中古住宅の再生事業を展開し、住宅をはじめ、シェアハウスや旅館など、さまざまな物件を企画してきました。

そしてこれから新たに、物件の中身の企画をはじめようとしています。

たとえば、シェアハウス内の交流を深めるためにイベントを催したり、旅館のコンテンツとして外国人向けのサービスを提供したり。

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今回は、そういったソフト面の企画を担うプロパティマネージャーの募集です。

建築の知識経験は問いません。既成概念に捉われずに、新しい提案をしてほしい。

会社として新たな職種の募集になるので、自分次第で仕事の幅を広げていくことができます。

 

豊園くれない庵を後にして、そこから近くにある八清のオフィスビルへ向かう。

3階の客室で、専務取締役の西村さんに話を伺います。

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八清は、西村さんのおじいさんが繊維製品の卸売会社として昭和31年に立ち上げた会社。数年後にはおじいさんが、建売り住宅の販売をはじめたそうです。

現在のような中古住宅の再生・販売を中心とした事業モデルに切り替えたのは、西村さんのお父さんが会社を引き継いでから。

「買い取った古い家を現代的な暮らしができるようにリノベーションして、それを“リ・ストック住宅”とブランド化して売り出したんです。『中古物件は保証がきかない』といったイメージを払拭しようと、アフターサービスもしっかりして。不動産業者が再生住宅を商品化するというのは、当時ではめずらしかったと思います。」

あるとき京町家を扱ったときの反響の大きさから、京町家に特化して中古物件の再生販売事業を展開していった。

「請負工事ができる人が入社してから、外部の設計士さんとコラボしたりして、リノベーションの幅が広がっていきました。照明ひとつにしても、アンティーク屋さんで選んだものを使う。一つひとつにこだわっているので、それぞれ味わいがある物件ができていると思います。」

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いろんなタイプの京町家をつくるだけでなく、大型町家をシェアハウスに変えたり、住み手のつかない京町家を旅館に変えたり。さまざまな活用方法で物件を企画していった。

早くからホームページにも力を入れ、京都では「京町家の八清」として知られているという。

「ホームページで紹介する前にお客さんがつくことも多いので、非常に注目されているのかなと。もっともっと京町家の魅力を引き出す付加価値を追求していこうと考えています。」

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「旅館やシェアハウスをやっているので、『何屋さん?』とよく聞かれるけど、うちは不動産業者です。物件を売却するのが、会社の主な事業。旅館もシェアハウスも、お客さまに買っていただくための手段としてやっています。」

これまでさまざまな活用方法で中古物件を企画してきた。だけど、ハード面でできることには限りがあるという。

西村さんたちは、物件のソフト面でも勝負していこうと考えた。

「『モノからコトへ』と言われるように、サービスを充実化したり、コミュニティづくりをしたり。面白いコトを企画して、うちの物件の独自性を高めていきたいなと。」

そこで今回、新しいコトを企画・運営する人を募集することになった。

まずはシェアハウスのコミュニティづくりからはじめてほしいけど、自由に発想してもらいたいという。

リノベーションに関わって、コトを前提にした物件のデザインをしてもいいし、見込み客へのアプローチとしてイベントを開いてもいい。

「アイディア次第でいろんな広がりがあると思うんです。それを担ってくれる人が来てくれたら、会社がもっと面白くなっていくんじゃないかなと考えています。」

 

新たに加わる人の経験や能力によるけれど、まずは自社所有物件の管理・運営業務を担当して、不動産業を1から学ぶことからはじまる。

シェアハウスの管理運営を担当する青山さんに、仕事内容を聞いてみた。

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青山さんが八清に加わったのは5年前。それまではオフィスビルを扱う不動産会社で仲介を担当していた。

「そのころは出張続きで、家に帰らない時間が多かったんです。子どもができて、毎日家に帰れる仕事に転職したいなと。ここを選んだのは、京町家という文化的な資産を残すことで町を保全しているんだよって、子どもに胸を張れる仕事ができるなと思って。」

青山さんは、入社当時に立ち上がったシェアハウスの業務を担当することになった。

「新たに物件がつくられた際に、その物件にどんな方が入居してほしいか考えて、物件ごとに管理規約をつくって。募集をかけて、集まった入居希望者さんに時間をかけて物件を説明します。」

内見といえば20分くらいの時間を想像するけど、青山さんは少なくとも1時間かけて入居希望者と話すそうだ。

「説明をしながら、趣味や仕事のことなど、いろんなお話をしています。この人は社交的な方だなとか、料理が得意なんだなとか。ほかの入居者さんとのバランスを考えながら、入居してもらう。自分のセンスでシェアハウス全体をマネージメントできるので、面白いと思いますよ。」

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入居者が決まった後は、日々の業務として物件を管理する。電球などの消耗品を点検したり、入居者の細かいクレームに対応したり。ときには、規則を守ってもらうために、厳しいことを言うこともある。

大切なのは、入居者の声を直に聞くことだという。

「不定期に訪問したときや、入居希望者さんを案内しているときに、入居者さんと雑談をして。その際、いろんな声を吸い上げていくんですね。メールや電話でお話しいただくこともあるんですけど、やはり生の声を聞くことが一番ですね。」

最近ではクレームが少なく、それよりも「もっといろんな人と知り合いたい」という要望を聞くことが多いそうだ。

「新たにオープンした蔵にシアタールームのあるシェアハウスにはどんな人が集まっているのかとか。入居者さんに同業種の人がいたら話してみたいとか。それをきっかけに、別のシェアハウスに移るような方もいるんですよ。」

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「やはりシェアハウスにはコミュニケーションを求めて来られる方が多いですね。シェアハウスが立ち上がったときは、私たちが主催で懇親会を開くのですが、その後は自然に入居者さん同士でイベントをやってくれるんです。」

新しい入居者さんが入ったら誕生日会をしたり、区民運動会に参加したり。あるシェアハウスでは、入居者のひとりが帰省する際、ほかの入居者も一緒に付いていったのだとか。

シェアハウス内でのコミュニティが深まるうちに、今度はほかのシェアハウスの人とも交流したいという声が上がるようになった。

「お互いを知りたいし、交流したいと。入居者さんたちがいま一番に望んでいるのは、シェアハウス同士のコミュニケーションなんです。だけど、それを私がまだできないんですね。」

「私の一歩上を行く企画・運営をして、八清のシェアハウスに住むとこんな楽しいことがあるよね、と言ってもらえるような魅力づくりをしてほしい。その一つひとつが、コミュニティの永続につながると思うんです。」

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日々の管理業務と、ソフト面の企画・運営。どちらも人と接する仕事だから、はじめて出会った人でもすぐに打ち解けられるような、コミュニケーション力に長けている人がよいとのこと。

どんな人に来てもらいたいか、青山さんに聞いてみた。

「管理というカッチリした仕事もあるけど、楽しいことをやっていこうというスタンスの人がいいかなと思います。私は規律を持って仕切っていくタイプなので、管理についてはサポートできる。私とは別の視点や感性を持って、柔らかい考えを持つ人がいいですね。」

 

企画の仕事に決まった形はなく、自分のアイディアだけで考えるのはなかなか難しいかもしれない。

そんなときは、入居者や八清のスタッフと協力して一緒に企画すると、思わぬ方向へ発展することもあると思う。

今年、新卒入社した営業事務の岡崎さんも、部署や会社全体を巻き込んでプロジェクトを動かす人に来てもらいたい、と話していた。

「八清のスタッフは、みんな想いを持って仕事しているけれど、ひとりで動くことが多いんですね。1年目の私でもいろんな事を提案できる職場なので、もっと自分のアイディアを発信して、チームワークを活かしてほしいです。」

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「それは核心に近いなぁ」と西村さん。

「うちはマイペースで、自分の得意なことに集中する人が多いので、みんなをまとめて、こっちの方向性でやっていこうと言ってくれる人も必要ですね。」

八清のスタッフ同士をつなぎ合わせていくのも、今回募集する人の役割になるかもしれません。

物件内のサービスやコミュニティだけでなく、社内に関することも企画できるような仕事。

きっとひとりではできないことがたくさんあるから、部署のスタッフと一緒に進めたり、外部の人と共同で進めたり。ベンチャーのような気質のある会社なので、柔軟にプロジェクトを展開していけると思います。

最後に西村さんから一言。

「不動産業のあり方は時代で変わると思っています。いろんな時間軸の商品を扱って、その時代に合わせた暮らしを提案していく。住んでる人も、訪れる人も、社員も、みんながハッピーになるストーリーを描いていきたいですね。」

(2014/11/17 森田曜光)