※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。
人は自分に合う仕事を見つけることで、よりよく生きることができる。企業は一緒に働きたいと思う人に出会うことで、より活動が加速する。
株式会社HRPは、就職支援と企業の採用支援を行う会社です。
業種を問わず社会人経験を活かして、企画営業を手がける人を募集します。
東京・市ヶ谷。靖国神社の向かいのビルに、HRPの事務所はあります。

人材業界で働いたのち、2006年にHRPを立ち上げます。
創業当初は、アパレルブランドや家電量販店での採用支援を中心に行ってきました。
「前職で新卒採用のお手伝いをしてきました。そのなかで、20人の採用に対して、その何倍もの応募を必要とする採用方法に疑問を感じていたんです。企業にほんとうに魅力を感じる20人が、応募する方がよいのでは?と思ったんです。」
採用支援の経験も活かし、若者の就職支援にも取り組んできました。
東京・墨田区の若者の就職をサポートする「すみだわかサポ(墨田区若者サポートコーナー)」の運営、大学での就職セミナー企画などを行っています。
澤本さんが意識していたのは、学校卒業後にすみやかに就職に至ること。
「学生はお金を払って授業を受けますよね。言ってみれば、消費者だと思うんです。仕事について考える機会もないまま、消費者から、お金をもらいサービスを提供する生産者になることを求められる。そこで戸惑い、結果として就職がうまくできないことも珍しくありません。18歳と22歳は、切れるタイミングなんですね。」

「大学でのキャリア教育は、『やりたいことを見つけよう』という、ある種の自分探しが中心だと思うんです。でも、やりたいことのある人ばかりではありませんよね。そこでセーフティーネットというか、相談のできる居場所をつくりたいと思ったんです。」
はじめに、東京練馬区で若者の就職支援を行う公共機関を運営。その実績から、品川区と墨田区、さらに今年からは文京区で施設運営を行うように。10年近くをかけて、じわじわと活動は広がりを見せてきた。
澤本さんにとっての原体験は、2001年に流行したNEET(ニート)だという。
就学、就職、職業訓練のいずれも行っていない状態を指す言葉だ。
「当時はニュースなどで『働きたくないから、働かない』という紹介が多かったんですね。でも、ほんとうにそうなのか?実際にニートと呼ばれる人たちと話すと、どうやら違うんです。『働きたくない』という人に会ったことがないんですよ。むしろ『働きたいけれど、何をしたらよいかわからない。』そんな声をよく聞きました。」

「『どうしてこの人が?』と思うことが少なくないんです。ほんとうの問題は『働きたくない』ことではなく、大人が関わりを持たないこと。そして、思い込みで解釈がされてしまうことだと思いました。」
自分がどんな風に働き、生きていくのか。自分の頭で考える機会があることで、状況は変わっていくように思う。
「この10年ほどで、日本はようやく労働環境を巡る課題に向き合って、日本独自のモデルをつくってきたように思います。色々な議論や試行錯誤を経て、中でもニートやうつ病への理解が進んだのではないでしょうか。その一つの形が、若者の就職支援を行う公共機関だと思うんです。HRPには、これからの10年をつくっていく仲間も増えつつあります。」

大学や就職支援センターでの活動をメインに行うのは、金井さん。
転職のきっかけを話してくれました。
「就職セミナーに参加したとき、講師が澤本さんだったんです。連絡先をもらい、後日相談に行ったときに『働かない?』と声をかけてもらったんです(笑)。」
前職はスーパーでのマーチャンダイジング。
採用に関わる仕事をするとは考えていなかったけれど、当時をこう振り返る。
「前職では、新入社員の採用面接をしたり、入社後の教育係として関わる機会があったんです。『金井さんが面接でいいと思った人は、入社後もいい仕事をするよね』と言われて。実は、人に関わる仕事がいいのかな。なんとなくそう思いました。最後はいい機会だと捉えて、前向きにやってみようと働きはじめたんです。」

「とにかく色々なことをやってきた8年間です(笑)。一緒に仕事をする人も民間、大学、行政と幅広くて、面白いです。」
全くの異業種だったけれど、仕事は現場を通して覚えてきたという。
「聞けばていねいに教えてくれる人が多いです。見栄を張らないで、『どういうことですか?』と素直に関わることが大切だと思います。」
大学での就職支援とはどんな仕事でしょう。
「大学のキャリアセンターで、まずは就職活動の流れを紹介するんです。続けて自己分析や履歴書の書き方を教えるイベントを企画します。ベースとして就職支援の講座と進路相談があります。あとは大学の特徴に合わせて調整をしていくんですね。」
HRPでは企業の採用支援も行うからこそ、企業側の目線も交えて紹介するという。
学生の就職相談に乗ることもあるという。どんなやりとりをするのだろう。
「就職のイメージが湧かず、ぼんやりした相談が多いように思います。たとえば『TVが好きだから、TV局行きたいんです』ある意味怖いもの知らずとも言えます(笑)。そこで、やりたいことを掘り下げていくと、ラジオやインターネット関連の選択肢も見えてくるんですね。」
「『正しいエントリーシートの書き方を教えてください。』と言われることもあります。正解よりも、自分がその企業に何を伝えたいかが大事だと話すんです。」
金井さんは、地域の就職支援センターの運営も行っている。
担当するのは、「すみだわかサポ(墨田区若者サポートコーナー)」。
ここでは、4人の相談員が就職支援を行っています。
どんな人が訪れるのだろう。
「第2新卒や、30歳を目前にもう一度仕事を考えたい、という方が多いですね。ミスマッチが原因で、自分を活かせていない人もいます。たとえば、手を動かすのに向いている人が、営業担当になって悩んでいたり。」
金井さんは、相談員の方の日報をもとに、課題が出てくると話し合い、解決をしていきます。
最近では、墨田区の中小企業を紹介する冊子を制作しました。
「中小企業に関心はあっても、どう調べたらよいかわからない。そうした声をよく耳にしたんです。そこで、学生たちが墨田区の若手社員を取材しました。」

金井さんは、これから一緒に働く人に伝えたいことがあるという。
「就職“支援”、採用“支援”と聞いて、『困っている人を、自分がなんとかしてあげたい。』そう思う人がいるかもしれません。でも、そういう人には合わないと思います。社会にいいことをしている意識はないんです。」
どういうことでしょう。
「こちらに進みなさい、と人を動かすことはできません。わたしたちは道しるべを置くことはできても、選ぶのは本人です。わたしは伴走するだけなんです。」
少し考えたあとに、こう続ける。
「道しるべも、その人の話から出てくるものだったりする。本人が持っていると思うんです。淡々と事実を受入れるぐらいで、ちょうどいいと思います。」
一つひとつ実績を積み重ねることで、HRPの輪は広がりつつあります。
2014年から品川区では、「わかもの就業相談」という活動を展開しています。
この活動を企画から手がけたのは、中川さん。

「同じ就職支援でも、地域が変わればアプローチが変わるんですね。小さくはじめて、次第に品川らしいトッピングをしていくところです。」
区内には、2つの大学がある。そこで、出張講座を企画しているという。

「実現に至るまでに2年を要したんですよ。実施が決まったのは1年半前です。その後は予算と照らし合わせて、内容を詰めていきました。行政や大学向けの営業は、提案してから時間がかかることが多いんですね。HRPは株式会社として、事業を行うことに意味があると考えています。営業としての目標も意識しつつ、バランスをとることが大切です。」
「一方で、一度事業がはじまると、長いお付き合いになることが多いですね。」
入社当時から取り組んでいる事業があるという。
8年前に入社してから現在まで、スーツブランドの採用支援を、スケジュール立案から説明会の開催、採用、内定後のフォローまで一貫して手がけています。
「百貨店に店舗を構えており、学生との接点がないんですね。そこで、支援を行っています。」
採用に関わり感じたことがあるという。
「企業は、能力が特別に秀でた人を求めているわけではないんです。会って話して『この人と一緒に仕事がしてみたいな』『伸びそうだな』。相性こそ大切だと思います。」
これから一緒に働く人は、まずは金井さんと中川さんに教わりつつ、仕事を覚えてほしいという。
さらに、HRPではあらたな事業展開も計画しているところ。
これまでは行政自治体からの委託で、就職支援を行ってきました。今後は、自らスペースを持ち、運営を行う予定。
「これまでも経験を積み重ねてきましたが、失敗することもあるでしょう。投げ出すことなく、自らアイデアも提案しつつ、一緒につくっていける。そんな人をお待ちしています。」
(2014/11/25 大越元)