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「顧客のフィットする暮らしづくりを支援する事業を展開しつつ、その仕事に従事する人のフィットする暮らしづくりの土台になり得る会社をつくる」これは北欧雑貨などを販売する「北欧、暮らしの道具店」を運営する、株式会社クラシコムが考えている会社のビジョンです。

「仕事は仕事、プライベートはプライベート」という考えの人には、ちょっと理解することが難しいかもしれません。でも残業してずっと働いているという意味じゃないですよ。みんな18時に帰宅していますし。
クラシコムはしっかりと事業をまわしつつ、働いている人も生き生きとしている会社。
カスタマーサービス、コンテンツエディター、エンジニア、そしてバイヤーを募集しています。
中央線に乗って、東京の西へ。30分ほど電車に揺られていると、あっという間に国立駅に到着した。落ち着いた駅前をぬけてオフィスビルの中に入る。
扉をあけると無垢の木の床が広がるオフィススペース。代表の青木さんが迎えてくれた。少し世間話をしたあとに、ちょうどお昼の時間だったので「社食」をご一緒させていただいた。

目の前に座っていたのは斉藤さん。
ぼくがはじめて担当したクラシコムの求人記事を見て応募いただいた方だ。エディトリアルグループのマネージャーをしていて「北欧、暮らしの道具店」に掲載する商品ページや読み物ページをつくっている。

「もう入社4年目ですね。」
そんなに経ちますか。
「入ったときは、自分をいれてまだ6人の会社でした。」
お子さんは青木さんに抱っこしてもらって、このままちょっとお話をお伺いさせてもらった。
斉藤さんがクラシコムに入社したきっかけは、高校の家庭科の授業にさかのぼる。
「衣食住っていうコースがあって、調理したり、住みたい家の模型をつくったりするのがすごく楽しくて。住まいって面白いなって思ったんです。」
大学では家政学部の住居学科に進学する。卒業後は設計事務所にはいって、保育園や住宅の設計などを担当していた。
「4年間、設計の仕事をしたんですが、最後のほうに、80歳くらいのおじいちゃんとおばあちゃんの家を改修したんです。毎日のように現場に行っていると、おばあちゃんが手づくりのシュークリームとかお菓子をいろんな器に出してくれて。季節が変わるたびに、玄関先のしつらいが変わっていたりだとか、このおうち自体すごく気持ちがよくて。」

そんなときに日本仕事百貨でクラシコムのことを知る。
「どんどん引き込まれていったんですよね。どこまで自分ができるかわからないけど、ほかを受ける気分じゃなかったので、クラシコムしか受けませんでした。」
入社されてからはどうでしたか。
「やっぱり18時になるとみんな普通に帰るのにびっくりしました。」
「そう書いてあるだけじゃないかな、って思っていたところもあるんですけど、実際に入ってみると17時45分には片付けをはじめるんです。」

「9時からスタートして、ほんとにジェットコースターに乗っているみたいで、あっという間に終わる感じなんですよ。私が設計事務所で働いていたときって、午前中は遊んでいたんじゃないか、って思うくらい。エンジンがかかってくるのはお昼食べて、夕方近くなってから。」
「家に帰ってからの時間もあるし、私にはすごい合っている働き方ですよ。」
想定外のボリュームの仕事が突然やってきたりしないんですか?
「仕事が押しちゃう、なんてことはほとんどなくて、前々から計画して進めています。それに毎日のように軌道修正しているし、18時を過ぎちゃうことはないように常に意識しているんです。」

「優先順位を考えて、今やるべきことと、明日でもいいこと、2週間先でもいいこと、それにやらなくてもいいことをみんな意識しているんですね。」
働きはじめたときからできたんですか?
「訓練しながら、だんだん考えられるようになってきました。最初のほうはやっぱり残業しないと終わらない、ということもありました。でも慣れたら、あっても月に2時間ほどの残業でしたね。」
なんだか、仕事と暮らしのバランスがいいですね。
「そうですね。仕事以外の時間もふと、商品ページのスタイリングを考えることもあるんです。家で洗濯をしているときとか、アイロンをかけているときだとか。こんな特集があったらいいなって。」
「全部つながっていて、四六時中自然と仕事のことを考えているように思います。以前も住まいをつくる仕事をしていたけれど、ここまでつながっているなんて思いもしなかったですね。」
斉藤さんの話を横で聞いていたのが渡邉さん。
彼女はコミュニケーショングループに所属していて、お客さんからの問い合わせなどの対応をしている方。
渡邉さんにも話を聞いてみる。
「私も斉藤さんと同じですね。前って、仕事の時間しか、仕事のことを考えないことが多かったんですけど、今は四六時中考えているような。」

仕事と暮らしが自然と同居している渡邉さん。でももともとはそうじゃなかったそうです。
「ディズニーランドでアルバイトしているときに、喜んでいただけるのでお客さまの写真を撮ってあげることが楽しかったです。だからカメラの会社に入ったんですけど、携帯でも写真が撮れるようになったこともあって、内視鏡に力をいれることになり、そちらに配属になったんです。」
「楽しかったんですけど、はじめに思っていたこととは違うかな、というのがあって。このままでいいのかな、と思ったのが26歳くらいのとき。それから4、5年悩んで。」
転機となったのが、北欧への旅行。そこで出会ったのは、人生を楽しんでいる人たちだった。
「わたしはもやもやしているのに、北欧の人たちは楽しくしていて。私もできるような気がして、帰国してから北欧のことを調べていたら、この会社に出会ったんです。」
第1印象はどうでしたか?
「そうですね。インターネットなのに温もりを感じました。会ったこともない人たちなのに。」
「最初は欲しいものがあれば買い物をしていたんですけど、次第に毎日のように見ることになって。そして働く人たちにも興味がわいたんです。すごく楽しそうに仕事をしていて、おうちのこともプライベートのことも大事にしている印象がありました。」

「スタッフの安田さんが『北欧じゃないものもやりたいです』って言ったら『社長からハンコもらいましたー!』というやりとりの記事を読んだり。主体的に取り組める仕事って素敵だなと思いました。」
働きはじめてからはどうでしたか。
「やっぱり私も斉藤さんと同じで、みんな18時に帰ることですね。18時になったときに顔をあげたら、みんな待っていて。『あっ!みんな一緒に帰るんだ』って思いました。あとそのためにも、仕事の時間は駆け抜けるように過ぎていきます。のんびりした印象はありましたけどね。」
新商品がでるときは問い合わせも増えて大変じゃないですか。
「たくさん注文や問い合わせがあると、ちょっとざわざわしますよ(笑)でもうれしいですね。」

なんだか仕事も暮らしも自分の時間のようだ。無理がないように感じる。
もちろん、そのためには「ジェットコースター」みたいに働くからなのかもしれないけど、なんだかそれだけじゃないような。
どうしてクラシコムは、事業もうまくいきながら、スタッフものびのびしているのか。
最後に代表の青木さんにも話を聞いてみる。すると、緻密に事業のことを考えていることが見えてくる。
「ぼくらはここ3年くらい『メディア化』を目指してきました。すぐに理解されなかったかもしれませんが、ビジネスモデルとしての評価も上がりましたし、うちにプレスリリースが届くようにもなりました。」

「たとえば、ミュージシャンが新曲出すから記事を書いてほしいとか、本を出版するから、本を紹介するコンテンツをつくってもらえないかとか。サイトを訪れる人も3年間で7倍くらいになりました。ただ、買う人は4倍くらいなんです。」
「それまでは商品を検索してサイトを訪れるような目的性の高い人が多かった。でも今はソーシャルメディアを見て、なんの目的もなくふらりとやってくる人が増えている。つまり、人は訪れているのに、その価値を十分にビジネスに転換できていないんです。」
次にクラシコムが目指しているのは「メディアからプラットフォーム」になること。
たとえば、自分たちで出版をはじめたり、商品をつくったり、雑誌のように広告をとることもできる。いろんなことを試さなくてはいけない。

そうしていくことで、このサイトを訪れる人は満足し、働きやすい環境になっているように思いました。
暮らしも仕事も、どちらも大切にしている働き方です。
(2015/1/29 ナカムラケンタ)