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“食”が人をつなぐ

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

仕事を通して地域を元気にしたい。人の暮らしに関わる仕事がしたい。そんな声をごく日常的に耳にするようになった気がします。そうしたときに、“食”は大きなキーワードになると思います。

バイヤーズ・ガイドは、食材・食品の生産者と、百貨店やスーパーといった小売業バイヤーのマッチングを行っています。

今回は編集制作そして営業をする人の募集です。

東京・西麻布のオフィスにうかがいました。

代表の永瀬さんはもともとリクルートに新卒で入社、『とらばーゆ』や『B-ing』、『リクルートブック』など求人誌の編集制作の仕事をしてきた。そして29歳で永瀬事務所として独立をしました。

「8年前に、『スーパーマーケット・トレードショー』という食品や店舗設備に関する国内最大級の展示商談会のガイドブックをつくったんですよ。」

ガイドブックには、各出展者の商品が写真付きで紹介され、取引条件や生産者の連絡先が載っている。イベント終了後も生産者とバイヤーのマッチングのきっかけづくりとなるものだった。

その後、2008年にWEB版のバイヤーズ・ガイドを立ち上げる。

「もともと私が独立した背景に、自分で媒体を持ちたいという想いがあって。
ガイドブックは知られていても、HPの存在はまだまだ認知されていなかったんですね。そこで国の省庁や47都道府県を飛び込みでまわり、関係を築いていきました。」

現在のバイヤーズ・ガイドの主なクライアントはそうした役所関係だ。

たとえば県庁が県内農家や食品加工業者の販路開拓のため、または地方銀行や商工会議所、商工会連合会が中小企業支援のために依頼をする。バイヤーズ・ガイドは紙あるいはWEB上で企画を組み、バイヤーに向けたPRを行う。

最近では市町村からの問い合わせも増えているそう。どのようにして認知度が上がっていくのだろう。

「紹介が多いですね。ある地域で商工会議所の人と知り合うと、市役所や物産協会といった関係者と引き合わせてくれる。今までは47都道府県単位でサービスを行ってきましたが、今後は全国に1,742ある市町村との仕事も増えていきそうです。今年は国内に留まらないと思います。」

海外展開ですか?

「日本の人口が減少して内需が縮小するなかで、生産者たちは、日本の食材を海外に輸出していくことも考えています。逆にワインやチーズ、そうした商品については各国の大使館から輸入の引き合いも来ています。」

目の前には、色々な展開の可能性が広がっているよう。

バイヤーズ・ガイドは、これからどこに向かおうとしているんだろう。

「公共性の高い仕事なので、一つ一つの関係を大切に積み重ねていくイメージなんです。地に足をつけてすすめていきたいです。」

「キーワードとなるのが“結”です。売り手と買い手、生産地と消費地を結ぶ。それから、日本の集落では一人でやるには大変なことを互助で、みんなで協力して取り組んできたんですね。これを“結(ゆい)”と言いますが、バイヤーズ・ガイドもチームワークや思いやりを持って働ける場にしたいんです。」

今後は、メディアを通じたマッチングだけでなく、リアルなマッチングの場づくりを加速させていきたいと考えている。

飲食店を会場に生産者とバイヤーが集い、地域産品を試食しつつ商談につなげる場を開いている。すでに北海道、新潟県・山口県・福岡県の会が開催され、今後は愛媛県の会も予定されている。

さらに、有名百貨店にバイヤーズ・ガイドの棚を設置できることになり、商品の売れ行きや消費者の声といった生の反応がわかる場となる。

現在は、川上である生産者側により近づきつつあるようだ。

「そもそも商品に魅力がなければ、いくらマッチングの機会を設けても売れませんから。そうした意味でも様々な仕組みをつくっているところです。」

たとえば、ある生産者の商品を会員であるバイヤーや消費者に実際に食べてもらい、評価をフィードバックするサービス。

また、バイヤーはどんな基準で商品を選んでいるか、どうしたら販路を開拓できるかを学ぶ生産者向けの講演やセミナーを開くこともある。

生産者としては、ついつい“プロダクト・アウト”の発想になりがち。実際に消費者はどんな商品を求めているのか?どうしたら消費者は手にとってくれるのか?そうした点まで考慮した商品展開はなかなかできないという。

ドレッシングを例に、永瀬さんはこう説明してくれた。

「農家のお母さんたちが、自分の子どもに食べてほしいというコンセプトに基づいて商品を開発したとします。けれどその商品には化学調味料が入っていて、価格は900円です。一方、消費者である都市部の親世代は、よいものにはお金を出すけれど、無添加を好む傾向にあります。これではうまくいきませんよね。生産者には見えにくい、そうしたミスマッチを伝えていく必要があると思うんです。」

こうした取組みは、事業を進めるなかで、出会った人からお誘いや相談を受けてはじめたそう。

さらに今後は、生産者やバイヤーをつなぐSNSコンテンツも検討している。

「いい栗をつくるけれど販路のない生産者が、『うちの栗で何かつくれませんか?』と声をかけると、ケーキ屋が手を上げ、おいしいモンブランを開発する。その一連のストーリーに基づいて百貨店のバイヤーが企画を起こしたり。そうした出会いを生み出せる場にしたいんです。」

永瀬さんは、これから一緒に働く人に伝えたいことがあるという。

「これはひとつ反省でもあるんですが… 今まで私は、よくも悪くも一人でこなしてきました。でもそれには限界があって。食を通して地域に関わっていく、私はこの仕事が好きなんです。そして実際に必要としてくれる人や地域もたくさんいる。これからは仲間と一緒に、より活動の幅を広げていきたいです。」

バイヤーズ・ガイドではどんな風に働くのだろう。

「まずは、今私がしていることを一通り教えたいです。そして仕事の理解を深めてもらったら、経済産業省や農林水産省といった省庁や、都道府県庁、物産協会、地方銀行などを回ります。1カ月から3カ月後には一人で動けることをイメージしています。」

これまで永瀬さんが関係を築いてきた官公庁向けの仕事に加えて、今後は大手食品メーカーや、地域の生産者への営業もすすめていきたいと考えているそう。

新たな分野への営業は、永瀬さんもまだまだ模索中。役割分担もふくめ、相談して一緒につくりあげていくことになりそうだ。

官公庁への営業はどのようにするのでしょう。

「訪問するときは、一度に数日かけていくつかの県をまわっています。1日1県で、たとえば青森、岩手、宮城、福島といったふうに。日中は挨拶にまわり、夜に次の県に入り地元のものを食べて、翌日は朝から県庁に行きます。」

実際に食べたものの話もうかがったが、肝でいただく大分のふぐ刺し、松坂牛のすき焼きに、徳島では頭から丸ごとイボダイを食べるというぼうぜの姿寿司… 食べることが好きな人にはたまらないと思う。

「役所のみなさんとは顔見知りで仲も良いので、全国に友達ができる感じかな。」

官公庁には、何となくお堅い人のイメージがあります。実際はどうですか?

「一括りにはできませんね。人によります。特に地方は、人口が流出していくなかで、自分たちの県がなくなってしまうのではないか。それぐらいの危機意識を持っている職員もいます。真剣に考えている人とは深い付き合いになっていきます。」

それから、編集制作に関わる人材も募集しているという。

編集制作とは、実際に紙媒体やWEBコンテンツを制作する仕事のこと。ガイドブックであれば、取材や原稿制作はもちろんのこと、掲載先と電話でやりとりをして商品の情報を編集していくことになる。件数が多い一方で、編集に十分な時間がとれず、一時的に忙しくなることもあるという。

「私たちは突風と呼んでいるんですが(笑)。“結”と言いましたが、あまり営業・編集と区切るのではなく、みんなで協力してやっていけたらと思います。」

それから、WEB上での企画やコラムを担当することもある。

「バイヤーの方向けに、売場や催事の企画提案をしているんですよ。これから流行りそうなものを考えて商品を取り寄せ、試食会を開いて記事にしていきます。また、バイヤーさんは半年前が商品や企画の検討時期なので、HPの右カラムにはカレンダーがあります。日づけをクリックしてみてください。」

たとえば7月27日をクリックすると、「夏休みは子どもと一緒に料理を楽しむ、食育のチャンス」というコピーとともに、その時期の関連イベントや旬の食材が紹介される。これはなかなか楽しい。

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「バイヤーさんは、こうしたコピーを店頭のPOPにつかうこともできるんですね。」

まさに食を通して、地域を盛り上げていく仕事といえると思う。

一緒に働くのはどんな人がいいでしょう。

「まずは食を通して地域を元気にしていくという、うちの事業に共感してくれる人。経験や資格については問わず、新卒や第2新卒、未経験者にもどんどん来てほしいと思っています。一緒にサービスをつくるところからやっていきたいんです。」

最後に永瀬さんは神奈川にある老人ホームグループの話をしてくれた。そこには1,800人もの高齢者が入居している。

「入居者たちは旅行に行くこともできないし、食べることは大きな楽しみなんですね。けれど、ホームの運営側にはなかなか新しい食品を探す余裕がない。そうしたなかでバイヤーズ・ガイドの存在を知り、定期的に全国の名物を取り寄せてくださるんです。今では高齢者の方から『今度は鹿児島県の“げたんは”が食べたい』といった声も、多く聞かれるようになりました。まず入居者のみなさんが喜んでくれるし、生産者にとっても6,000食の注文は大きいんですね。」

こうした物語が全国で生まれているのだと思う。食を通して、人と人をつなぐ。そしてその両方を元気にする。バイヤーズ・ガイドでは食べることが好きな人を待っています。

(2015/3/5 大越はじめ)