※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。
今日の現場は両国国技館で、明日からは東京ビックサイト。毎日のように違った場所で、これまで一緒に仕事をしたことのないような人たちと働く。
そう聞いて忙しそうだなと思うよりも、ワクワクするような人。日々変わる環境を楽しめる人に読んでほしいです。
企業式典、医療学会や各種展示会など。全国各地で催されるさまざまなイベントを運営する株式会社ケーズクルー。
登録スタッフと一緒にイベントの運営面をサポートする、イベント運営請負会社です。
ただサポートといっても、単に登録スタッフを派遣するだけではなく、イベントの企画段階から関わり、安全でよりよいイベントにするための運営を提案しています。
前回の募集に続き、ケーズクルーで働く人を募集します。
四ツ谷駅から歩いて5分ほど。新宿通りをほどなく歩き、小道へ入るとケーズクルーの事務所に到着する。
ケーズクルーは今年で創業13年目を迎える。
前回の募集で新たにひとりが加わり、社員は14名。約3000人の登録スタッフと共にイベント運営を行なっている。
はじめに話をうかがったのは取締役営業部長の神(じん)さん。創業メンバーとして、この会社をつくりあげてきた方です。
2002年に、前職の仲間4人と一緒にケーズクルーを立ち上げました。
「この業界に携わって20年以上になりますね。前の会社もイベント運営をしていて。入社当初はすぐに辞めようと思っていたんですけどね(笑)。」
これまで続けてきたのは、この仕事ならではの魅力があったからだそう。
イベントの仕事では企画から設営準備、本番当日から後片付けまでトータルに関わる。勤務時間は朝6時から現場入りするときもあるし、夜23時のときもある。
「毎日決まった時間と場所で働くのが性に合っていなかったのかな。いつも違う環境で楽しかった。現場に行くといろんな方とお知り合いにもなれますからね。」
入社8年目の片山さんも、神さんと同じような理由でこの仕事が好きだという。
以前はホテル系列の会社で事務職として働いていた片山さん。
転職活動中に登録スタッフとしてケーズクルーで1度働いてみたことが入社のきっかけだった。
「すごく新鮮に感じたんです。いままではお客さんとして入っていたところで、こんどは自分が迎える側として働く。今日は横浜アリーナで企業式典、明日からは東京国際フォーラムで展示会。いろんな現場があります。」
「毎日環境が違うことでリフレッシュされて、飽きがこないんです。もちろんルーティーンの仕事や毎年関わる同じ案件もありますけど。1年があっという間に過ぎていきますね。」
そんな片山さんは、普段どんな仕事をしているのだろう。そう聞くと、医療学会を担当したときのことを話してくれた。
「まず現場を把握するために、事前打ち合わせから入ります。担当の先生と打ち合わせをして、内容をまとめたマニュアル資料を作成します。」
タイムスケジュールや会場配置図、各スタッフの動きなど。クライアントや登録スタッフなど、誰が見ても一目で判断できる資料を1冊にまとめる。
案件によってボリュームが数ページだったり、多いときは何十ページにもなるという。ときにはつくらないこともあるそうだけど、言葉だけじゃなくビジュアルで伝えることが大切。基本的にはどのスタッフもマニュアルを作成しているそうだ。
実際に現場に入ると、マニュアルをもとに各配置のディレクターやスタッフに動きを指示したり、自らも現場に立って運営をする。
「マニュアルをつくると、イベントを総合的に把握できて、より深く関われる。それが強みとなって、来年はここを修正しましょうと提案したり、次からはうちの会社の色を出していけるんです。どうせやるなら、意見を聞いてもらえる仕事のほうが面白いですよね。」
片山さんは特に学会運営のエキスパートなのだとか。ケーズクルーのスタッフも学会関係者も、学会に関しては片山さんを頼って相談に来るそうだ。
「分からないことがあったら、何でも僕に聞いてくださいと。自信を持って現場は入れますね。毎回マニュアルをつくるというのは大変ですけど、この業界ではすごく武器になります。」
ご来場者さまの案内・誘導の仕方や、VIP待遇の来場者さまの迎え方など。細かいことでも覚えることが多く、どんどん吸収していかないと追いつけないという。
でも片山さんは嫌々覚えているわけではなく、「裏ではこうなっていたんだ!」と新しい発見をする感じなのだとか。
「ハマると、やめられないですね。一つひとつの現場には必ずゴールがあって、とても達成感があります。現場終了後には涙を流すクライアントさまもいるくらい。よいゴールを迎えられるように、いまを頑張ろうって。8年やって、少し成長したかなって思いますね。」
8年で少し、ですか
「入社してからあっという間の8年で、ほんとうにアクティブな業界ですけど。まだまだ覚えることがあります。」
昨年の春に入社した山本さんは、仕事を覚えるのになかなか苦労しているみたい。
先輩にマンツーマンで教わりながら、両国国技館の大相撲の現場を任されている。
「大相撲は毎年行なわれているので、同じような運営の繰り返しと思うかもしれないですけど。今回はグッズを販売するとか、景品の引換券を渡すとか。細かいことで毎回変わることがあるんです。」
それに対して、山本さんは事前に疑問点を挙げて、クライアントに確認をとる。
たとえば、今回新たに設けた販売ブースにお客さまを並ばせる際、何人列にするのかを考える。外国人のお客さまもいるから、英語対応できるスタッフを配置することも必要だ。
こういったことは経験を積んでいけば分かることだそう。だけど、まだ1年目の山本さんは「ああすればよかった」とスッキリしないままイベントを終えることがあるという。
「来場者さまが思う疑問点があるんですよね。赤ちゃん連れのお客さまが来場されたイベントでは、授乳室をどうするのか、その場で疑問が出てきてしまった。一応事なきを得たんですけど、もっとしっかり準備できたなって。」
「山本はまだ、わからないことがわからないのでしょうね。」と神さん。
「クライアントさまが気づけない部分を提案するのが僕らの仕事ですから。段取りをこうしましょう、場所を変えましょうと。場合によっては、事故につながるからやめたほうがいいと話すこともあります。」
クライアントさま、ご来場者さま、各ディレクターやスタッフ。さまざまな人の立場になって本番当日をシミュレーションすることが大切なんだと思う。
それをまとめるためのマニュアルづくりではあるけれど、あれこれ心配するとなかなかきりがない作業に思える。
「まあ100%はないですから。もしかしたら、僕も分からないことが出てくるかもしれない。でも、誰もが100%じゃないところが面白いんですよ。難しいけど、100%に近づく努力はできますから。」
全くの未経験でも、先輩スタッフが教えてくれる環境にある。ときには経験豊富なディレクターやスタッフから「頑張って!」と励まされたり、業務を教わることもあるそうだ。
「毎回、いろいろなスタッフの方と関わることが面白いですね。」と山本さん。
「初対面のときは大勢いるなかのひとりなんですけど、毎回知っていくにつれて実は中国語が話せるとか、話すのは苦手でも立ち姿が綺麗な人だなとか。」
登録スタッフには大学生や社会人の方、自営業の方、それに芸能界を目指す方など、さまざまな人がいる。
クライアントさまも、相撲協会さまや製薬会社さま、メーカーさまなど、いろんな業界の人たちがいる。
もともと山本さんがケーズクルーで働きたいと思ったのは、さまざまな人たちと出会える仕事だからだという。
ここで働く前は京都の飲食店でホールスタッフとして働いていた。
転職を考えたときに、前回の日本仕事百貨の募集を見て応募した。
「自分がしたことのない新しい仕事を選ぼうと。探していたなかで、ケーズクルーではいろんな人に会えるんだなって思って。実際に、1年前とは想像できないような人たちとお知り合いになりました。そこから『じゃあ今度はうちのイベントもよろしく』ってお声掛けいただいたりして。」
ケーズクルーでは会社というよりも、片山さんや山本さんなど、個人にクライントがついている。仕事は人と人の縁でつながり、9割が固定客だという。
山本さんをはじめ、ここで働く人たちは新しい人との出会いを楽しんでいるし、大事にしている。
同じように、そういうことが好きだったり、大切にしたい人に向いている仕事なのだと思う。
山本さんはどんな人が向いていると思いますか?
「気遣いができる人。クライアントさまに対してはもちろんですが、各スタッフがストレスなく仕事に打ちこめるように、段取りをしっかり組んでできることも大事ですね。」
「仕事は楽しんでやってほしいです。ツライツライと思ってしまうと、やっていけなくなってしまうので。ちょっと現場で落ち込むことがあっても、会社に戻ると『お帰り』って言ってくれる仲間がいるんです。」
イベントの打ち上げでクライアントさまと食事会をすることもあるし、社内のスタッフともよく一緒に食事に行っているのだとか。
「就職したい人じゃなくて、仕事を僕らと一緒にしたい人に来てもらいたいです。自分で自分の仕事を楽しくできる、そんな気概のある人がいいですね。」と神さん。
話してみると分かるけれど、神さんたちにはとても話しやすい雰囲気がある。きっと一緒に働くと、ほどよい距離感で仲良く働ける人たちなんだと思う。
山本さんはこう話す。
「わたしはこの人たちに会って、いい会社だから入ろうと思えた。すこし気になるくらいでも、応募してもらえるといいなって思います。」
よいイベントの裏側には、人と人のよいつながりがあるんだな。ケーズクルーの取材を終えたあと、そう思いました。
だからこそ、まずはケーズクルーで働く人たちと会ってほしいです。
クライアントやスタッフ、さまざまな人と出会い、共にイベントをつくりあげていく仕事だと思います。
(2015/3/2 森田曜光)