※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。
「美しい」とはどういうことだろう。高級な服を身にまとうこと。羨ましがられるようなスタイルであること。肌がすべすべであること。いきいきと働く姿。笑顔の似合う人。
どれも間違いではないと思う。

P.G.C.D.(ペー・ジェー・セー・デー)はスキンケア化粧品を製造、通信販売をしている会社です。
今回はP.G.C.D.の考えていること、商品のことを伝えていくデザイナー、ライターを募集します。

1階の一部と2階が事務所スペース。社員は2フロアに分かれて働いている。
お客さまからの問い合わせを受けるのも同じフロアの中で行われているから、声が届きやすいそう。
1階に入ると、広くて気持ちのいいスペースが広がった。カウンターが立っていて、洗面台がいくつか並んでいる。通信販売がベースだけれど、ここに毎月お客さまを招き「育肌サロン」というプログラムを開催しているそうだ。
奥には戦略とビジョンが掲げられていて、その前で次のシーズンで打ち出す広告の打ち合わせが行われていた。

打ち合わせが終わったあとに、お話をうかがう。

詳しく聞いてみる。
「2013年にグッドデザイン賞の金賞を受賞しました。化粧品業界では16年ぶりのことで、通算でも2社目でした。そのご縁で、去年審査員に選ばれましたが、化粧品事業からはトップ100に一社も選ばれませんでした。」

デザインされているのは、見た目だけではないようだ。
「ガラスボトルなので、落としたら壊れます。壊れるから丁寧に扱う。丁寧に扱うから、愛着が産まれる。毎日ずっと使うものだからこそ、その大切な習慣を美しく支えてくれるものをデザインしています。」

「中学生か高校生のとき、電車の中で座ってメイクをしている人を見まして。美しくなる行為が美しくないってどういうことだろうと思ったんです。」
家ではお母さまが華道をたしなんでいたので、花を生ける美しさ、所作の美しさを知っていた。ほかにも違和感を感じる出来事があった。
「琵琶湖の汚染が問題になっていて。すこし調べてみたら、原因の1つが化粧品だと知りました。化粧品のほとんどが石油成分でできていて、それを落とすのも油。毎日、全家庭から流れていくと考えると納得できました。けれど、きれいにしているものが汚しているってなんなんだろうと思って。」
自分を美しくする化粧という行為が、美しくない。それどころか、社会を汚している。
その後、建築やデザインを勉強した。
「デザインの境界線はどこにあるか聞かれたことがあって。そのモノで完結するのではなく、デザインするモノがある場所、空間、時間にまでつながっていく考え方を学びました。」
「人がどう生きるのかをデザインする。その答えが『美しくなる習慣をデザインする」ことでした。本当にナチュラルで、人も世界も環境も、地球も美しくすることを考えて、行き着いたのが石けんでした。」
つくるとなったら、世界で1番いいものをつくりたい。パートナーとして選んだのは、フランスのロルコス社。
「たかが石けんですけれど、されど石けんなんです。」

「最近はヨーロッパで僕らが出会った商品を販売するセレクトショップもはじめました。たとえばアクセサリーのように、身につけた瞬間気持ちが変わる、スイッチが入るような商品をあつめています。オリジナル商品もつくりたいと考えていて。今は誰も思わないかもしれないけれど、シャネルやアルマーニと並んでも、1番かっこいいと言われるようになりたいですね。」

「日本人にしかできない美しさのセンス、デザインのセンスは圧倒的に世界でナンバー1だって思ってます。手間ひまを大切にする、日本的合理性を僕たちは世界に伝えていきたいと思っています。日本一高く、日本一美しいブランドと組織。日本発のプレミアムブランドを目指しているんです。」
見据える先は、とても高いところにある。
「オンラインに特化した私たちは、お客様と会えないからこそ、誰よりもお客様との絆を深め、『お客様のことを最も考える会社』でありたいと考えます。』
この想いを伝えていくのが、今回募集するデザイナーとライターの仕事。
現在その役割を担っているのが、デザイナーの東山さん。おもに紙の販促物を制作している。人事を担当する野尻さんと一緒に、お話を聞いた。

いろいろな会社、商品の販促物をつくる仕事。クライアントや代理店からの依頼で動くので、なかなか企画から関わることができなかった。
インハウスのデザイナーとして働きたいと考え、ブライダルや飲食などのサービスを提供する会社に入った。
ところが、華やかな雰囲気を伝える中で過剰な見せ方をしていることに疑問を感じるようになった。
「かたちあるものを、あるがままに伝えてきちんと勝負したいと思うようになりました。自分の愛用している商品の良さを伝えていくのは、やりがいだと思っています。噓偽りなく、というか。」

「仕事のスピードは特急ではないですが、それなりに早く動いていきます。けれど細部までこだわります。ブランディングが一環しているんです。」
販促物を含むデザイン、クリエイティブのディレクター役を担うのは、代表の野田さん。
「お客さまの手に届くもの、目に触れるものは絶対的にP.G.C.D.の世界観でお届けしたいと思っています。わたしたちのやりたいことをより理解して、形にする人が必要だということで、インハウスのスタッフを増やすことになりました。」と野尻さん。
仕事はどうやって進んでいくんだろう。
「代表から謎掛けのようなキーワードが出てきて。正解は1つじゃないので、提案をしながら形をつくっていきます。もちろん根本から関わりますが、スタイルとしては代表がクライアントで提案をしていくような感覚です。お互いのイメージが合致したり、提案したものが採用されると、『よしっ!』ってなる感じがありますね。」

東山さんはどんな人と働きたいですか。
「ウェブデザインに強みを持っているひとがきてくれると嬉しいですね。あとは前向きで、ひるまない人。一緒に仕事をすることになる代表は声も大きいし、独特のキャラクターなので。スタッフから『キャップ』と呼ばれているんですよ。」
代表の野田さんに負けないくらい、気の強いくらいの人が、一緒に切磋琢磨していく様子が頭にうかぶ。
「代表は、いいものはいいと、はっきり言ってくれる人ですね。意見が対立することもありますが、それも距離の近さだと思います。」
話が落ち着いたところで、人事の野尻さんが「伝えておかなくてはいけないことがあって」と話してくれた。
「うちのスキンケアの最終的なメリットは、ファンデーションのいらない素肌になることです。だから女性社員全員ノーファンデなんですよ。肌自体がきれいになれば、隠すためのファンデーションは必要ないよねっていうのがコンセプトにあるので。」
扱うのは毎日つかう日用品。自分が丁寧に扱って、愛着をもち、勧めたいと思えるもの。自分たちが使っていないものを売っているということは「誠実じゃない」という野田さん。
最後に、チームについて聞いてみた。
「23人のベンチャー企業です。今はブランドのコア、デザインのコア、企業のコアになる部分をつくっているところです。本当にクリエイティブな時期だと思っているので、入ってくる人にも力を発揮してもらいたいですね。」
まだまだ変わっていくことは多い。小さな組織だからこそ、やること、考えることも多岐に渡ると思う。
「社員には5つの知識だっていってるんです。商品、化粧品業界、肌のこと、ビジネス。そしてお客さま。この5つが今うちの会社の中で圧倒的にあるのは僕です。全体的に、5つの知識のレベルが高い組織になっていきたいです。それが結果的に日本、世界一の美しいブランドになる、美しい組織になっていけるんじゃないかと思っています。簡単なことじゃないけれど、チャレンジしなければと。」
野田さんは本気です。「習慣をデザインする」ことを一緒にやってみたいと思ったら、まずはウェブサイトを覗いてみてください。会社のこと、商品のこと。たくさんのストーリーが紹介されていますよ。
(2015/3/4 中嶋希実)