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デザインという関わり

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

アートディレクター、クリエイティブディレクター、ときには編集者、コピーライター。

一人ひとりのディレクターが、一人何役にもなり、お客さんと二人三脚でプロジェクトを進めていく。

そうしてつちかったディレクションの力をファッション、グラフィック、ウェブ、エディトリアル、コミュニティ… 領域を横断したデザインに活かす。

そんな「デザインのベースキャンプ」になりつつあるのが、有限会社コパンデザインソース。

ファッションのカタログ制作を軸に、ロゴや一行のコピーから、紙面における“売り場設計”まで一環して取り組んできました。

立ち上げから10年を迎え、地方企業のプロダクト開発、ブランディングなどの依頼がくるように。

ここで働くアートディレクターとグラフィックデザイナーを募集します。

image001 たしかなディレクションを身につけたい。デザインの領域を広げたい。次のステップを目指したい。

そんな方には、まずは読んでみてほしいです。

東京・代官山と渋谷のあいだ。1階がコーヒーショップのマンションに、コパンデザインソースはあります。

image003 この日話をうかがったのは、3人の方。

右から代表の石鍋さん。起業直後からのメンバーであるアートディレクターの加藤さん。そして転職して6年目のアートディレクターのいたるさんです。

image005 はじめに代表の石鍋さんが、コパンの仕事を紹介してくれました。

「主な仕事は、ファッションの通販カタログ制作です。グラフィックデザインはもちろんのこと、商品企画から印刷入稿までを通して行っています。」

「カタログの紙面づくりは、実店舗における“売り場設計”にあたります。お客さんとの打ち合わせにはじまり、紙面レイアウト、モデルオーディション、撮影ディレクション、そして原稿入稿までを行います。」

ファッション誌であれば、出版社と複数のデザイン事務所による分業が一般的。

コパンでは、一連のデザインを一人のディレクターが担っていきます。

はじめにお客さんの話を聞き、アートディレクターとして企画を考えます。この段階で、コピー・デザインのラフを組むという。

次に、コピーライター、カメラマン、スタイリスト、ヘアメイクといった各分野のプロフェッショナルのチームを組み、制作を進めていきます。

「カタログ通販の制作って、地味だと思われるかもしれませんね。」

そう話すのは加藤さん。

image007 「というか… わたし自身がそう思っていました。いま思えば、どこかバカにしていたんです。同じファッションでも、雑誌のほうがはなやかに思えて。でも、いまは見方が逆転しています。」

コパンのディレクターは一人何役もこなしていきます。

カタログを売上げに結びつける上では、マーケッターとしての感覚も必要。また撮影現場でディレクションを行う姿は、出版社でいうところの編集者。

担う領域の広さに加えて、視野の深みもいきるもの。

「たとえば企画段階では、若い人からお年寄りまで、届けたい世代に合わせてコピーを組んでいきます。そこではファッション、食、花まで。日々学ぶことはあります。勉強なんです。」

一つのプロジェクトには、たくさんの人が関わります。

「わたしの役割は、まずは、それぞれが意見を自由にいえる場をつくること。次に紙面上のメリハリを考えた上で、『こちらでは?』と方向性を整理することです。撮影の打ち合わせでは、コーディネート一つについても、スタイリストの好みや、売上げを意識したお客さんの声が飛び交います。」

image009 一つのプロジェクトが、未開の地を探検するチームだとすると。

コパンのディレクターは、全体を見通す航海士のような存在だと思う。

言われたことをこなすだけではなく、なかば自社プロジェクトのように関わっていく。

「同業の仲間から『そこまでやるの?」といわれることもありますよ(笑)。」

そうした仕事をすることで、通販カタログに限らない仕事の相談が増えているという。

WEBの制作。地方の中小企業からのプロダクト開発や、ブランディング、販促まで。依頼は増え、次の可能性は見えつつある。

けれど、手が回りきらないのが正直なところ。

「個人としても会社としても、デザインの幅を広げていきたい。ディレクターとして、お客さんとのやりとりから任せていける仲間を募集したいんです。」

コパンでは、自分で考える局面が多いという。

加藤さんは、事務所の立ち上げ期を振り返ります。

「フラワーコーディネートが好きだと口にしたら、お花の媒体をまるっと任されました。先輩もいないんです(笑)。ディレクションを任された撮影現場では、『ごめんなさい、この仕事飛ばしちゃうかも』と思ったこともありました。でも、自分で考えて… 結果として、いい評価につながったんです。」

「広告代理店を通した仕事に取り組んできた人が、多いかもしれません。コパンでは、大手企業のお客さんを中心に、直接やりとりを行います。距離が近い分、プレッシャーもあります。はじめは戸惑うかもしれませんが、話しながらやっていきましょう。」

image011 これから働く方には、まずは通販カタログの制作を通して、仕事の流れをつかんでもらえたらと考えている。

「仕事は、聞くことからはじまります。『来期はこう行きたいけれど、どう見せたらいい?』『売上げが落ちているのよね』。そうしたお客さんの言葉を掘り下げると、ほんとうにやりたいことが見えてきます。」

はじめから、任せていきたいという。

「もちろん、わからないことがあれば、聞いてください。わたしたちもフォローしていきます。同時に、冷や汗をかくぐらいに引き受けるからこそ、身につくこともあると思うんです。」

もう一人のディレクター・いたるさんは、著名なアートディレクターのデザインファームを経て、6年前に転職しました。

image013 「前職では、たくさんの人の目にふれる仕事もありました。学ばせてもらうことも、ほんとうに多かったです。けれど最後はアートディレクターの手が入り、その方の仕事になりやすい。あるとき、板挟みになったんですよ。自分で考えてやらないことには、越えられないと思ったんです。」

デザインで生きていくには、ディレクション力を身につけたい。そう思い、入社したという。

「代表の石鍋がデザイナーではない点は大きいと思いますよ。」

石鍋さんは百貨店で企画・バイヤーとして働いてきた方。コパンではプロデューサーとして、企業のコンペティションで仕事を獲得。流通小売や事業企画の視点からアドバイスを行います。

「コパンではディレクターが、打ち合わせから制作までを一貫して担います。」

image015 ここで、代表の石鍋さん。

「仕事は、もやっとしたイメージの相談からはじまります。中には相反するオーダーもあります。みんなはどうかたちに落とし込んでいくんだろう。毎回感心しているんです。」

「でも、」といたるさん。

「僕は、それがデザインだと考えています。お客さんは『いいものをつくりたい』『よくしたい』という思いはあるけれど、その手段がわからなくて、困っています。」

image017 「お客さんと直接かかわり、思いをかたちにして、エンドユーザーに届けていく。まぁ、大変ですよ。不安にもなります。それでも目の前のお客さんと、その先にいるエンドユーザーのことを純粋に考えて仕事に臨めるのは、うれしいです。」

「デザインを通じて何かをよくしたい。そのことを愚直に、まじめに取り組めるのがコパンだと思っています。」

代表の石鍋さんから、伝えておきたいことがあるという。

「そもそもお客さまが抱える課題に対して、デザインは何ができるのか。制作のデザイン・ディレクション力に加えて、ゼロから仕事をつくりだす力が大切だと思います。」

今回加わる仲間にも、幅広い仕事を任せていきたいと考えている。

すでにプロジェクトは動いています。

ある地方都市のOEMメーカーからはこんな相談を受けているという。

「製造の技術を活かし自社ブランドを立上げ、小売業に展開していきたい。ブランディング、商品企画、販売促進まで一括してデザインしてもらえないか。」

日本全国の商工会議所との地域産品づくりも考えられるという。

「後を継いだ経営者から、葛藤を耳にすることが度々あります。雇用を維持するためにも、時代に合わせた事業転換をしていきたい。けれど、祖父や父と意見が合わない。色々な悩みを抱える会社がいっぱいあります。そうした地方企業が元気になるよう、ブランディングから関わっていきたいんです。」

また、今年に入り、自社事業の取組みもはじめています。

4月には、スタイリスト向けレンタルショップ「mespotes(メポット)」をオープン予定。
ディレクターの加藤さんが、ロゴデザインを制作しました。

image019 今年度には、もう一店舗のオープンも予定しています。

チームとしても、コパンは過渡期にあるようです。

4人のメンバーからはじまり、現在では20名ほどが働くように。

設立から11年目に入り、20代から50代まで、幅広いひとが働くデザインファームになりました。

ライフステージもさまざま。

最近お父さんになったいたるさん。一方、この2年間で4人の新卒の方が入社した。

今後のライフステージも見据え、代表の石鍋さんはいま、起業当時を振り返りつつある。

「コパンという社名は、フランス語で“仲のいい友だち”という意味です。デザイナーではない僕が、デザイン事務所を立ち上げた理由の一つに、人間関係があった。ほんの10年前まで、個人のデザイン事務所では、数年で人が入れ替わることが当たり前だったんです。」

image021 「けれど、独立して食べていけるのは、ほんの一握り。現実はなかなか厳しいです。」

フリーランスとなったデザイナーの90%が、3年以内に廃業や企業に再就職するという統計もあります。

「コパンでは、一緒に働いた縁を大切にできたら。むずかしいとは思いつつも、試行錯誤はしていきたいんです。」

目指すのは「デザインのベースキャンプ」。

収入面の不安は担保しつつ、個人が制作に打ち込み、仕事の幅を広げていける場。著名なデザイン事務所で働くことと、フリーランスの中間といえるかもしれません。

image023 求人記事が公開される4/1。コパンのことをより知ってほしいという思いから、WEBサイトもリニューアル。動画を交えつつ、ポートフォリオを紹介しています。

ここで自分のデザインを広げ、深めていきたい。そんな仲間を探しています。

(2015/4/1 大越元)