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人もユニークに

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真っ赤なバラに、古木でつくられた花器。

棚には天然スキンケア用品や、イギリスから輸入された色とりどりのジョウロが並べられている。

hanshin-trading01 ここは兵庫・西宮にあるメンディップスというフラワーショップ。

切花や植物、インテリア、雑貨など。世界中から厳選された商品を通して、植物と共存する暮らし「ボタニカルライフ」を提案しています。

運営する阪神トレーディングは、生花の仲卸をメイン事業とする会社です。メンディップスをはじめとした数々のフラワーショップ以外にも、インテリアやアパレルなど、多様な事業を展開しています。

今回募集するのは、阪神トレーディングが運営する6つのフラワーショップのスタッフです。

どの店舗も独創的なコンセプトのもと、さまざまな形で『植物』を提案しています。

また、お店や扱う商品だけが個性的なのではなく、そこで働く人たちも自分の個性や長所を活かして、得意分野で伸び伸びと働いています。

グリーンやお花が好きだったり、経験がある人。そしてもっと自分の能力を伸ばしたいと思っている人にはぴったりな職場だと思います。

また、一見関連のなさそうな異業種の人でも活躍できる可能性のある会社です。というのも、阪神トレーディングは業界の常識を破り、チャレンジングに事業展開しています。見込みのある分野なら、その経験を持つ人が中心となって新たな動きが生まれるかもしれません。

桜のつぼみが開きはじめたころ、話をうかがいに阪神トレーディングの本社を訪ねました。

 
 
エントランスから入ると、代表の山本さんが迎えてくれた。

とても気さくな方で、会社を立ち上げた経緯をうかがうと、エピソードを交えながらいろんな話をしてくれた。

hanshin-trading02 「こうして花を売っていますけど、好きで入った業界でもなんでもないんですよ。」

会社を立ち上げる前は、蘭を輸入する商社で仲卸業を担当していたという山本さん。

「扱っていた商品がたまたま花だった。」というように、独立後も商社的な経営で生花の仲卸業を営んできた。

世界中から商品を仕入れる独自の販売ルートと交渉力、そして業界の常識にとらわれない事業展開で着実に売上を伸ばしていったという。

「とにかく、よそがしないことをする。たとえば、リスクを背負ってよそが売っていないものを買付けて売ったり。うちにしかない味を出すことが日本中にウケたんです。」

また商品を買付けるバイヤーも、個性的で実力のある人材をヘッドハンティングで集めた。ダリアやバラで全国的に名が通っているバイヤーたちがいるそうだ。

能力のある人にはたとえ若くてもどんどん仕事が任される。その自由さが伝わって、力があっても芽が出ないような人たちが集まってきたという。

そして、次なる展開としてはじめたのは小売店。本社だった建物を改装してメンディップスを立ち上げた。

hanshin-trading03 「せっかく生産者さんがよい花をつくっているのに、安値で売られている現状があるんです。よい花を適正価格で買うことで、さらに生産者さんがもっといいものをつくろうという気になるような、そんな循環をつくろうと。そこで、ブランド店をはじめました。」

バイヤー同様、お店で働くスタッフもヘッドハンティングでひとつのことに秀でた人材を集めた。山本さんは、基本的にお店のことは現場のスタッフに任せているという。

「ワンマンでやっているように見えますけど、バイヤーもショップスタッフも個性を活かして自由にやってもらっています。オンリーワン・ナンバーワンのような人に、どんどん自分の好きなことや得意なことを極めてもらって。お互いの苦手なところをカバーするのが会社ですから。」

仲卸業と聞いてシステマチックなイメージをしていたけれど、人が基本の会社。得意分野を持つ人たちが現場で伸び伸びと働いているようだ。

このあとにうかがったショップスタッフの方々の話からも、そんなことを感じた。

「どんどんお店が増えていますので、いいチャンスだと思うんです。本来なら実力があっても、10年働いたとしても店長になれないような業界の中、ここでは入ってすぐに店長になれる可能性がある。そんなフィールドがあるので楽しいと思いますよ。」

 
ショップで働く人たちの話も聞いてみる。

本社からメンディップス苦楽園本店に移動して、最初にうかがったのはディレクターの横山さん。

前職では東京の花屋で働いていた。4年前に横山さんの噂を聞きつけた阪神トレーディングが、メンディップスの立ち上げに際して直接スカウトしたという。

hanshin-trading04 メンディップスでは生花や植物だけでなく、雑貨やインテリアなどさまざまな商品を扱う。

植物を扱う雑貨屋とは違い、グリーンのプロたちが植物や雑貨、インテリアを通して、緑ある生活を提案している。

その中で横山さんは切花のプロとして働いている。普段はどんな仕事をしているのだろう。

「毎日花の水を入れかえて、手入れをして。ほかにもオーダーいただいている花束の制作や、ご来店いただいたお客さまの対応。あとは毎週末のブライダルに向けてブーケや飾りの準備をしています。」

ブライダルの仕事では、新郎新婦やプランナーと綿密に打ち合わせをするという。お客さまの要望や思い出の写真から浮かぶイメージをくみ取り、そこにお店のカラーを乗せる。

「そのバランスが難しいです。お客さまは花に関してプロではないので、要望を聞きつつ、こちら側からの提案もしていかなければ決していいモノはできない。」

「たとえば2つの花材をいれたいという要望があっても、その花の相性が合わない場合もあります。そんなときは、お客さまが一番優先したいことは何なのか読み取りながら、担当者の力量でいいものにしないと。」

だから、自分のデザインを思いっきり表現したい人はちょっと違うそうだ。とはいえ、お店や担当者のテイストが求められることもあるから、デザイン力も必要になる。

お客さまの満足を一番に考える。目の前の人の喜びに自分の喜びを感じる人があっているのだと思う。

hanshin-trading05 日々の業務に加えて、買付や視察のために年に数回海外出張することがある。一般的な花屋さんでは、相当なキャリアを積まないと経験できないことだという。

「この会社では誰にでもそういうチャンスがあって。彼なんて入社当初から会社のグリーン部門を任されていますからね。」

 
 
そう言って紹介してくれたのが、鳥越さん。

入社してからまだ1年半だけど、グリーンに関するスペシャリストとして、いまではメンディップスだけでなく会社全体のグリーンを担当している。

hanshin-trading06 メンディップス苦楽園本店近くの園芸店で働いていたところ、横山さんから声がかかったそうだ。

これまで花屋や家具屋で働いた経歴があり、グリーンに関するスキルをさらに高めようと、阪神トレーディングに転職したという。

鳥越さんが担当するのはグリーンのメンテナンスや販売接客。ほかにもインテリアグリーン・アウトドアグリーンのトータルコーディネートを、企業や個人向けに行なっている。

「会社のグリーンに関するすべてのことをひとりでやっているので、人手が足りなくて。グリーンができる人は大歓迎です。ひとつの分野に特化している人であれば、いろんなことをやるよりも、どんどん深めていってもらいたい。」

「たとえ会社がやったことのない分野に特化している人でも、何か提案できれば、その人を中心にお店やサービスをつくっていくことになると思うんです。僕がまさにそうでした。グリーンのことは0から教えられるので、アーティストのようなクリエイティブ性のある人がいいですね。」

hanshin-trading07 阪神トレーディングのショップでは空間づくりやライフスタイルの提案まで行なっている。たとえば、演出に使う音楽に詳しい人やイベント運営ができる人でも、活躍できる場があるかもしれない。

ただどんな人でも、花やグリーンに興味があることが最低条件になると思う。

お店で働く人たちの話を聞いていると、本当に花やグリーンが好きなんだなと感じる。職人気質で、決して営業マンのように話し上手ではないけれど、好きだからこそあふれる熱意がお客さんを魅了しているのだと思う。

「花やグリーンがそもそも好きな人は、この業界に向いていると思うんです。自分が好きな分野で働けて、生活していけるってことに喜びを感じる人にはいいんじゃないかな。」

 
 
入社3年目の在原さんは、まさにそんな人。

以前はアパレルの会社で、販売スタッフとして働いていた。

「もともとはお花にまったく興味がなかったんです。たまたま見かけた生け花の作品がすごく素敵で、それをきっかけに興味がわいて、生け花を習いはじめたんです。それで、お花に関わる仕事に就こうと思って。」

hanshin-trading08 「でも、わたしは素敵だと思う花束をもらったことがないし、出回っているものも素敵だと思えなかった。だから、もともとお花に興味が持てなかったのかなって。それなら素敵な花束をつくる花屋なら働きたいと思えるだろうと思って、探しているうちに阪神トレーディングのエルブドカンパーニュというお店にたどり着きました。」

はじめは花を好きになったばかりで知識はないし、切花の技術もない。何百とある花の種類やそれぞれの手入れの仕方など、覚えることでいっぱいだったという。

「水の入った重いバケツを何回も運ぶし、ブライダルがある日は早朝に出勤する。大変なことはいくつもあるけど、好きではじめたことだったから楽しかったし、だから続けてこれたのかな。」

「お客さまにすごく喜んでもらえるから好きな仕事なんです。花束ってプレゼントや感謝のためのものですから。」

hanshin-trading09 在原さんはアパレル会社での経験を活かして、今年4月に大阪三越伊勢丹でオープンしたセレクトショップ「モネ」で働いている。

モネは、フラワーアーティスト「Plantica」とエルブドカンパーニュがコラボしてできたショップ。花とグリーンに加え、雑貨やアパレルグッズなどを揃えている。

「メンディップスのようにお花やグリーンがあるけれど、モネは接客が好きな人に来てほしいです。雑貨や服って、言ってしまえばどこでもインターネットでも買えるもの。店頭で買っていただくためにはスタッフの販売力、もっと言えば人としての魅力が必要だと思うんです。この人が勧めるものを欲しいと思ってもらえるような人に来ていただきたいです。」

hanshin-trading10 モネのように、これから新しいコンセプトのお店が次々と立ち上がっていくそうです。

まずはここで経験を積み、ゆくゆくは新しいお店の店長になることがあるだろうし、未開の分野でも可能性があれば新しい事業の担当者として活躍できるかもしれない。

自分にもこんなことができるんじゃないか。そんなふうに情熱を抱いた方は、ぜひ応募してみてください。
(2015/4/21 森田曜光)