※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。
つくり手の想いをしっかりと聞き、利用者にとってプラスなこともマイナスなことも正直に伝える。それは、とても手間のかかることだし、お互いの深い理解が必要。でもそのプロセスを経ることで、結果としてよい出会いにつながる。
一人ひとりにじわじわと広がっていく共感は、そんな出会いが生まれる場を根強いものにしてくれる。
そういった姿勢と目指す方向性は、僕ら日本仕事百貨とまったく同じです。
ツクルバ共同代表の中村さんが話していたように、「日本仕事百貨の不動産サイト版」のようなプロジェクトが新たに動き出しています。

これまで数々の場を生み出してきたツクルバが、今年1月にはじめたばかりの新事業「cowcamo(カウカモ)」にジョインしてくれる人を募集します。
cowcamoは中古住宅を紹介する不動産サイト。間取りや築年数だけでは見えてこない、住宅物件の背景にあるつくり手の想いや物語を綴ることで、物件と住まい手のよい出会いを生みだします。
仕事の基本は売買マッチングをサポートする黒子役でありながら、中古住宅をはじめて買うお客さんに暮らし方を提案するようなアクティブな一面もある。
また、これまで不動産業界になかった新しいオンラインマーケットをつくり上げていく仕事でもあります。
不動産業界や住まいの選択に対して疑問を持っている人。成長を続ける会社で働きたいという人に、ぜひ読んでほしいです。
東京・渋谷。
宮益坂を上がったところにある、ツクルバのオフィスを訪ねた。
部屋に通される途中、廊下に飾ってある額に目がいった。
そこに書かれているのは「『場の発明』を通じて、欲しい未来をつくる」という言葉。
2011年にスタートしたツクルバは、今年で4期目。3年間、会社の成長と共に駆け抜けてきた。
ツクルバ共同代表の中村さんと村上さんは、このあいだの年末年始に2人で会社のミッションやビジョンをあらためて考え直したという。
「そういえばツクルバってなんだっけと、考えてみたんです。もともと『場の発明』がキーワードとしてあって、それを通じて欲しい未来をつくっていこうと。」と中村さん。

「革命的なアクションでよりよい世の中に変えていくことは素晴らしいと思うんです。でもそれだけじゃなくて、想いを持ったひとりの行動も誰かの心を動かすことができる。想いが伝播していくことで、次々とアクションが起こる。そんなドミノ倒しのような想いの伝播が、よりよい未来をつくっていくんじゃないかと。」
「そして場には、想いを伝播する媒介役になる力がある。そう信じているんです。」
ここで村上さん。
「ツクルバはシェアオフィスとしてco-baをつくったり、365+でレストランをつくったり。そして今回は不動産を扱っていますが、表現が変わっているだけなんですね。本質はほんとに変わらないです。」

想いを持った人がアクションを起こしたり、思わぬ出会いからつながりが広がったり。そんなことが生まれる場をツクルバはつくり続けている。
これまで手がけてきたリアルな場とは違い、cowcamoはインターネット上のWEBサービス。だけど、同じように想いが伝播する場としての不動産のオンラインマーケットを目指している。

「僕らはもともと不動産デベロッパー出身で、マンションを売っていた経験があります。そこで感じたのは、マンションを売ったり買ったりするのは一大事だってこと。でも実際は工業製品のような画一的な住まいが多かったり、売り文句もスペック推しだったり。」
「ほんとうはめちゃくちゃウェットなはずなんですよね。家に対しての人の想いが必ずあるはずだし、それを極力汲み取りたい。そして、これから住む人にうまくパスして、いいマッチングができたら最高だよなって思ったんです。」
間取りや築年数だけを羅列するのではなく、背景にある人の想いを伝えることで共感が生まれ、結果よいマッチングにつながる。
「日本仕事百貨と考えが一緒なんです」と中村さんは話してくれた。
「スペックだけでは見えない情報をしっかり伝える。それは仕事のマッチングだけじゃなくて、住まいのマッチングでも必要だと思っていて。cowcamoで扱うのは中古の売買物件だから、どれも一点もの。そこにはいろんなストーリーがあるんですよね。」
サイトを覗いてみると、物件紹介の記事にはつくり手の顔が見える写真と想いの言葉が記載されている。他社の不動産サイトとは大きく違う部分だ。
ほかにも、リノベーション会社が手がけるプロジェクトの紹介記事や暮らしに関するコラム記事まで。丁寧な内容で、一つひとつがかなりのボリュームになっている。
こうした記事は、物件のつくり手やオーナーに対して取材を行い、プロのライターが作成したものだという。

そこには、つくり手から聞いた話や物件情報だけでなく、物件の活用法や暮らし方の提案など、書き手の主観的な文章も添えるようだ。
「募集するのは不動産営業スタッフだけど、暮らしのソムリエのような人に来ていただきたいと思っています。」と中村さん。
「暮らしに詳しくて、いろんな暮らし方を提案できる人。物件案内のときには『壁紙を張り替えるだけでお部屋の雰囲気が一変しますよ』というような提案ができるといいですね。」
もっと言えば、自分自身の体験から暮らしを語れる人が理想だという。そんな人の言葉は、シンプルでも深みがあって、同じような感覚を持つ人の共感を得られるのだと思う。
次に話をうかがった石川さんは、まさにそんな人。
今年の1月からツクルバに加わり、cowcamoの不動産営業スタッフとして働いている。

石川さんは吉祥寺の自宅マンションをリノベーションし、部屋の半分を土間に変えた家で住んでいるそうだ。
「家のもう半分はフローリングです。土間のがらんどうの空間には、アメリカのバスケットチームが使っていたロッカーを靴箱用に置いたり、自転車もとめていて。犬がそのへんをうろうろと。」
マンションの床を土間にできるんですね。
「できちゃいます。新築にも住んだし、リノベーションした今のマンションは、築50年だから、住まいのいろんな善し悪しが分かるんです。でも、物件を求めるお客さまはそういった知識や感覚がない方が多くて、いまある物件をそのまま受け止めちゃうんですよね。」
こんなふうにアレンジすれば、もっと理想の暮らしに近づくことができる。具体的な改装の仕方やおおよそのかかる費用など、お客さまが暮らしをイメージしやすいように伝えているという。
石川さんがそういった提案ができるのは、自宅での体験のほかにも老舗リノベーション会社で勤めていた前職の経験が大きいのだと思う。
今回加わる人も、即戦力として業界経験者であることが前提になる。

そういったつながりが増えていくと、ゆくゆくはお客さまに対して設計事務所や工務店を紹介するサービスを提供できるようになると思う。
「まだ動き出せていないけど、そういったことも考えています。ある記事を見て、この会社さんにリノベーションしてほしいっていう声は絶対出てくると思うんです。」
「ただ、いまは業者さんとのつながりをもっと増やしていかないと。それでも、そんなつながりはいまも自然とできていて。すごく嬉しかったのは『次に仕込む物件も絶対にいい物件にするから、またcowcamoに掲載してね!』と業者さんが言ってくださって。」
物件を厳選したセレクトサイトではなく、よい物件が自然と集まってくるプラットフォーム。ほかの不動産サイトとは異なり、cowcamoはそんな新しい場になっていくのかもしれない。
「まだ人数が少ないので、いまのやり方でプロジェクトを展開していますけど、そのときどきに合わせてどんどん形を変えていけるのもcowcamoのいいところです。ツクルバは回転が速く、思い立ったらすぐやるような会社なので。」

森さんにも、ツクルバの雰囲気について聞いてみる。
「これから成長するぞっていう意欲が高い会社なので、自分の中のモチベーションを常に高く持って行動も伴わないとですね。」
ときには和気あいあいと、ときにはピリッとした空気で。メンバーがまとまって仕事できるところがツクルバのよさだと話してくれた。
「cowcamoの仕事は、物件探し・取材・写真撮影・記事作成・内見案内・契約手続き、すべて自分たちでやる。不動産の一連の仕事をすることになるので、不動産のプロになれるんじゃないかなと思います。でも全部やるからこそ大変でもあって。」
ここで、話を聞いていた中村さん。
「これだけ横断的な仕事だから、いろんなことを考えるんです。営業だけじゃなく、メディアのことも、クリエイティブなことも考えなきゃいけない。自分の枠を決めないで、クリエーションインダイバーシティしないと。」
「変に凝り固まらない、素直さと広い興味関心がめちゃくちゃ重要。それを持っている人はすごくツクルバ向きだなと思いますね。」

だけど、cowcamoはまだまだ立ち上がったばかり。
まずは地道に掲載数を積み上げながら、これからのcowcamoを一緒につくりあげていく人を募集します。
(2015/4/23 森田曜光)