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事業を継いで、育てていく

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「もっと自然に親しんで、楽しんでくれる人が増えたらいいなって想いが、根底にあるんです。それを大切にしながら、自分のアイデアや新しい試みをくみあわせて、事業を育てていってくれると嬉しいですね。」

登山を行う女性や山ガールを対象に、登山グッズのレンタルを行う「キュートレック」。ひとつひとつのグッズのブランドやカラーを選んだりできるのが特徴で、20~30代の女性に喜ばれています。この事業を運営しているのが、株式会社エコノワです。

econowa02 今回は、登山グッズのメンテナンスや事務作業を行いながら、いずれキュートレックの事業を株式会社エコノワから継いでいける人を募集しています。

仕事を覚えるために最初の3カ月はアルバイトとして勤務し、その後にどう事業を引き継いでいくかは、相談という形になるそう。

現在は岐阜に拠点を置いていますが、事業拠点を移したりすることもできます。また、会社を現在経営している方に、その会社の新規事業のひとつとしてお譲りしていくことも可能だそう。もちろん、3カ月後にいきなり引継ぎというわけではなく、やりたいことや仕事の習熟度にあわせて、エコノワでもサポートしていきます。

なんだか面白そうだなと思った方は、ぜひ読んでみてください。

 
キュートレックは、株式会社エコノワを母体に、物流会社である株式会社ユーファクトリーが協力して運営しているサービス。エコノワのオフィスは岐阜市にありますが、ユーファクトリーの拠点は、そこから数十kmはなれた土岐市にあります。

econowa04 1100坪の広さがあるという、大きな倉庫。今回募集するスタッフは、このユーファクトリーの倉庫を拠点として働きます。

 
まずは、キュートレックを立ち上げた武藤(むとう)さんにお話を聞いてみました。

武藤さんは、実家の美容院の経営の手伝いをきっかけに、ヘアケアグッズの輸入・開発・販売などを行う株式会社エコノワを2008年に立ち上げ、代表を務めています。

econowa05 キュートレックの事業については、何がきっかけで始めることになったんですか。

「5年前に、息子と北アルプスに山登りに行ったんですけど、いろんなグッズを揃えるのにすごくお金がかかったんです」

「高い山に登る機会はたくさんあるわけじゃないので、レンタルがあるといいなあと。それも、可愛くっておしゃれなものがいい。ウェアの仕入れやメンテナンスについて調べてみたら、自分でできそうだなと思って」

ウェアやグッズのセレクト、情報発信、お客様対応などはエコノワで行い、グッズのメンテナンスや管理・発送はユーファクトリーで行う形で、サービスを開始したのが2012年。

「レンタルショップへの卸に賛成しないアウトドアブランドさんもあるんですけど、ひとつずつ電話して開拓していって」

「今では、他のレンタルサービスへは卸していないブランドさんも扱わせていただいています。そうして、3年間で信頼や仕組みをつくってきたところは、うちの強みかな。自分の好きなものが並んでいるのを見るのは、すごく幸せですね」

econowa06 いっさい宣伝広告をやっていないにも関わらず、ハイシーズンである夏休みごろは2カ月で1000人の申込がある年もあったそう。

「ウェアやグッズのブランドが選べるレンタルサービスは、うちしかないので、差別化できているのかなと思います。オシャレなものを着たい女性はうちを選んでくれることが多いので、今年の流行はこれかなとか、グッズの仕入れにもこだわっていますね」

 
事業を譲っていく人を探すことになったのは、どうしてでしょう。

「なかなか、キュートレックの事業に想い入れを持って働いてくれるスタッフとのご縁がなく、体制ができていないんですね。エコノワそのものは自然派ヘアケア製品の輸入販売などを行っている会社なので、キュートレックと少し毛色が違うということもあります。続けていけるのであればそうしたいけれど、だったらこの事業をもっと伸ばしてくれる方にお譲りできれば。」

とはいえ、いきなり事業を売買するような形ではなく、まずは短期のアルバイトとして仕事を体験してみてほしいそう。そのあとは、岐阜に移住して事業をすすめるかたちでも、倉庫での業務も含めて別の地域にこの事業を持っていくことも、相談にのってくれる。

「まずは発送や、お客さまから返却されてきたグッズのメンテナンスなどを、現場でやってみるのがいいんじゃないかな。そうしてお客さまの声やアンケートを見ていくうちに、この事業はどんな伸びしろがあるだろうとか、もっとこういうふうにやったらいいんじゃないかというのが見えてくると思います。」

 
これまでキュートレックのお客様対応をしていたという、堀(ほり)さんにもお話を聞いてみました。

econowa07 「もともと岐阜出身なんですが、岐阜にUターンすることを決めてハローワークを見ていたら、家から自転車で通える求人があって。キュートレックのホームページを見てみて、『自分が借りてもいいな』って思えるものだった。自分がいいなって思ってないと、人にすすめるのって難しいですから。」

そうして去年の6月から関わりはじめ、申込管理やコーディネートなど、お客様対応を一手に引き受けていたそうだ。

「ホームページから申し込んでもらうときに、第3希望まで色などもお聞きするようにしています。在庫一覧と照合しながら希望に添えるかを確認して、メールでやりとりしていきます。ご年配の方はお電話でやりとりしていくこともありますね。グッズの種類が決まったら、ユーファクトリーさんに発送をお願いします。」

使う2日前に「すぐ送ってもらえますか?」と問い合わせが来ることもあり、在庫を確認して、希望日に間に合わせるのは結構大変なのだそうです。

econowa08 「サイズが合うか不安というお問い合わせや、色の変更など、さまざまなご要望をいただきます。でも、新しい色やいろんなデザインが気になるっていうのが、乙女心でしょうしね。組み合わせはおまかせで、と頼まれたときも、すごく頑張ってコーディネートしちゃうんですよ。可愛い系かな、クールビューティー系かなとか、年齢を見ながら考えたりね。」

とても丁寧に、お客さまに接しているんですね。

「システムをつくって発注を自動化してしまえば、もっと人件費は削れると思います。けど私は、お客様が書いてくださった声にひとつひとつお礼をしたり、コミュニケーションを丁寧にやるのがすごく楽しいんです。顔が見えないからこそ、メール1つにしても、そのやりとりでキュートレックらしさが出ないと、寂しいじゃないですか。」

お客様対応は、普段はエコノワのオフィスでおこなっています。倉庫現場でのグッズのメンテナンスだけでなく、受付等の仕事も一貫してやってみたい人がいれば、堀さんから別途教えてもらう形になるそう。

「グッズを返却するときに感想を一緒にくださる方が多いんですが、『こんなにきれいな状態で届くとは思いませんでした』『楽しかったので、自分でも少しずつグッズを揃えていきたいです』みたいな声も多くて、そういうのはやっぱりうれしいですね。」

 
ユーファクトリーの倉庫でメンテナンスを担当している伊藤(いとう)さんにもお話を聞いてみました。

econowa09 伊藤さんは、ここの倉庫に14年ほど勤めているというベテラン。今回募集するスタッフは、まずは伊東さんのもとでメンテナンスや発送作業を覚えることになります。

「受付スタッフから送られてきた注文リストを見て、並んでいる商品を選んで、壊れていないかなどをチェックして、袋に入れてお送りします。」

「返送先の荷札なども同封して、使い終わったウェアを即コンビニから発送できるようにしたりと、お客さまにとって便利なようにしていますね。商品が戻ってきたら、メンテナンスしてまた倉庫に保管しておくという流れです。」

econowa10 「洗濯して収納するだけ」と最初は簡単に考えていたけれど、ザックのポケットに忘れ物やお菓子が入っていたり、ひとつひとつの商品のチェックが思ったよりも大変だったそう。

エコノワとユーファクトリーでいろいろなやりとりを重ね、仕組み化しながら、ミスが起こらないように改善を行い、夏場の忙しい時期は10人くらいで作業しています。

「撥水効果が落ちてるといけないので、熱処理をしたり、洗濯後に撥水スプレーをかけたり。主婦の知恵を活かして、こういう道具を使ったらもっと汚れが落ちるんじゃないかとか、工夫しながらやっていますね。」

 
あらためて、代表の武藤さんに、どんな人が事業を継いでくれると嬉しいかを、たずねてみました。

econowa11 「もちろん登山の経験があって、アウトドアが好きな人がいいとは思います。インターネットで集客するための知識や、アパレルの知識、ファッションコーディネートのセンスなども、あれば役立つと思います。」

「でも、1番大事なのは、この事業をおもしろいなって思ってわくわくしてくれること。『こんな事したらもっと楽しいよね』『これとこれをつなげて新しいものが生みだせるかも』というように楽しむ力があって、それを実行していけたら、知識はあとからいくらでもつけられるから。」

 
登山のシーズンは決まっているため、年間を通して仕事があるわけではなく、4月から11月が基本的な仕事の期間になります。なので、冬は別の仕事をしたり、他のサービスも新たにはじめて収益性をあげたりするなど、工夫も必要。

「可能性は、すごくあるサービスだと思うんですよ。たとえば、レンタル事業とあわせて、新品・中古品のグッズ販売をやるとか、冬用にスキーウェアのレンタルを始めるのもアリだと思います。山登りが得意な人だったら、登山ツアーなどを企画してソフト面を伸ばしていくのもいいかもしれない。そういう組み合わせで、年間を通して運営していくことも不可能じゃないと思います。」

econowa01 とても丁寧に運営されてきた、ありそうでなかなかない、この事業。

この芽を守りながら、自分のアイデアを活かして大きな木に育ててみたい人には、とてもおもしろいと思います。

自らがスタッフとなってコツコツやっていくのもいいし、自社の新規事業として展開していきたいというのもあり。いろんな関わり方があるので、まずは問い合わせてみてください。事業の詳細なども教えてくれると思います。

(2015/5/26 田村真菜)