※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。
「新しいことをするというのは、リスクでもあるんです。でも、エンジニアにとって『こうなったらもっと良くなるのに』と思った好奇心をかたちにできる環境を与えることが最大の報酬だと思ったんです。」そう話すのは、クラシコムの代表である青木耕平さん。
ライフスタイルを提案するクラシコムは、「北欧」の雑貨を売ることと同時に、会社全体の働き方も見直すことで、オリジナリティのある世界観を築き上げてきました。
そして、より魅力ある世界観を体験させるために考えている、新しい「メディア」の形を話してくれました。
今回は月間1000万PVを超えるアクセスを集める人気Eコマースサイト「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムで、「新しい利用体験」の世界観を形にできるエンジニアを募集します。
JR中央線の国立駅を降りて歩くこと数分。静かなまちの中に、クラシコムはあります。
事務所の扉を開けると、明るいオフィスが広がっていました。
迎えてくれたのは代表の青木耕平さん。さっそく話をお聞きしました。
「クラシコムは『フィットする暮らし、つくろう。』というコンセプトをもとに、全員が9時から18時の定時にはたらき、残業はほとんどしないという働き方を続けています。」
「僕たちは北欧の雑貨を中心とした商品を売っています。そしてそれを通じて北欧の人たちにインスパイアされた『ライフスタイル』を提供しようとしている。それなのに自分たちが提案しているライフスタイルとかけ離れた働き方をしていたら大きな矛盾が生まれてしまう。それではお客様や、働きたいと集まってくれた社員たちに心から信用してもらえないなと。そういった想いから、クラシコムでは決められた時間内で働くことに取り組んできました。」
ただ、クラシコムは働く人のライフスタイルを豊かにすること同じくらい、事業の成長に対しても強いこだわりを持っている。
「決められた時間で働くということと、より強く、伸びしろのある事業を展開していくことの両方を追いかけなければいけないと思っています。」
「お客様により素晴らしい利用体験を提供できるサービスとして価値を高めていくことも必要ですし、そこで働く社員の豊かな暮らしを実現し、それを継続性のあるものにしていくことも大切なことです。」
はじめたときから「魅力的なメディアづくり」を実現させるために、ビジネスについても大事にしてきた青木さん。クリアしなければならない問題をいくつも解決していき、クラシコムは急速に成長していく。
「この1年間でユニークユーザーが3倍に増えたことが、おおきな変化のひとつにあります。目的もなくサイトに遊びにきてもらえる場所を目指したので、目標は達成できたと思いましたね。」
しかし、目標を達成することができたものの、新たな課題が立ちはだかる。
「サイトに訪れる人は3倍に増えたものの、売上の伸びは1.6倍前後。つまり『集客数』の母数が多くなったけど、『購買率』は下がっているんです。」
「でも、それでいいと考えているんです。サイトには1000回の訪問があっても実際にお買い物をしてくださる方は数人です。より『購買率』の高いサイトにしようとするということは、この1000人中の数人の方に最適化したサイトをつくろうとすることです。でもそのときには買う気のない大半の人にとっては、サイトを訪れる楽しさを減らしてしまう取り組みになってしまうんじゃないかと考えています。」
どちらにフォーカスしてサービスをつくっていくのか。
そう考えたとき、青木さんはより多くの人に愛されるメディアにすることを選びました。そして、メディアとして楽しんでもらうと同時に、買ってもらうという「体験」を面白くするという可能性に注目する。
「いかに買ってもらいやすくするかばかり考えてサイトをつくることは、お店にたとえれば、ちょっと楽しい時間を過ごすためにお店に立ち寄っただけなのに、放っておいてほしいときにも、しつこく声をかけられるお店になろうとしていることかもしれない。そうするとサイトとしての価値は下がっちゃうんですよね。」
では、どういった取り組みが可能だと思いますか。
「今、僕たちのサイトでは、毎日たくさんの読み物コンテンツを投稿して訪れたたくさんの方に楽しんでいただいています。その中には商品が写り込んだ写真もたくさんあります。その中でよく『写真の端っこに写っているお皿は売っているんですか』とか、『商品の後ろにあるカゴを買いたいです』という問い合わが多いんです。」
「そうしたこれまでになかった利用体験をつくるためにも、現在つかっているASPを中心とした既成のECシステムから、完全にスクラッチでつくるオリジナルのECシステムの開発に取り組んでいます」
新しい利用体験によって、買うことの面白さを体験してもらう。
そんな環境をこれから目指していく。そこで重要な役割を担う人材こそ、今回募集している「エンジニア」の役割だといいます。
現在、そういった「利用体験」をつくるエンジニアは2名います。
濱崎さんとオリバーさんです。
まずはオリバーさんに話を聞きました。
クラシコムはどういった環境ですか。
「ユニークな職場ですね。エンジニアとしては小さいチームですが、新しいものが出たら臨機応変に使用するツールや技術を変えていきます。」
フレキシブルに対応する。
「そうですね。会社が大きいとそういったことは難しい。新しい技術に興味を持っている人であれば、すごく良い職場だと思います。」
より面白いサイトつくりのために、常に新しい技術や情報はチェックしているとのこと。
普通の会社のエンジニアなら、新しい情報をすぐに使えるかはわからない。しかし、クラシコムならすぐに使ってみることもあるそうだ。
「とにかく新しいことをやりたい、触ってみたいという人であればすごく充実している職場だと思います。逆に今までのやり方や技術でやりたいという人にはちょっと辛いかもしれません。常に勉強しなければいけない環境なので。」
以前の会社と比べて大きく異なることはありますか。
「以前勤めていた職場は、新しい技術に触れなかったんです。でもどうしても最新の技術を試してみたかったので、仕事とは別に自分のプロジェクトをやっていました。でも今は仕事で好きなことを形にしているので、とても満足しています。」
濱崎さんにも話を聞いてみます。濱崎さんは日本仕事百貨を通してクラシコムに入社した方。
「僕もオリバーと同じように、サイドプロジェクトをやっていました。しかし、自社でサービスをおこなっていて、かつサービスに共感できる会社で働きたいと思い、そういった社会を探していたんです。そんなときに日本仕事百貨さんを見ていたらクラシコムを偶然見つけたんです。」
その出会いがきっかけで、クラシコムに入社。実際に入ってみたときの印象はどうでしたか。
「すでにある仕事に対して役割が与えられるのではなく、入った人によって仕事の内容も変わる環境にすごく感銘を受けました。」
「あと、残業がないのは本当なんだと思いました(笑)。仕事が終わって時計を見たらまだ18時という不思議な感覚で。前の職場だと日にちをまたいで仕事をすることも当たり前でしたので。あとはなんだろう…。」
そういうと、濱崎さんは日頃に気になっていることをまとめたメモを取り出しました。
そういった取り組み方ひとつにしても、ここでの仕事の充実さを表しているように感じました。
常に新しいことに取り組む環境の中で、困難なことやストレスを感じることもありますか。
「ときに18時に帰るということが辛いときもあります。いろんな思考を巡らせているときは、膨らんだアイデアを一区切りするまで仕上げないと、気持ちよく終われないからです。」
リズムがいい状態で作業を続けたほうがいいこともありますもんね。
「たくさんのファイルを同時に編集しているので、全部つながっているんです。なので、次の日に先延ばしすると、またふりだしに戻って確認し、整理しなければならないということもあります。」
ライフスタイルとして18時に帰るということは魅力的な部分もある一方でそういった面もある。
「あと、前の職場では大きいプロジェクトでやっていたので、自分のつくったものがどこに活きているかが見えにくかったんです。しかし、今は二人でやっているので、一人当たりのやる範囲も広く、自分がつくったものがどこに活きているのかがわかりやすく見えて達成感があります。」
ちいさくてもいいから、全体を理解し、把握できるものをつくる。責任やプレッシャーは重い分、達成感も大きいとのこと。
これから入る人はどういったことを大事にしていけばいいでしょうか。
「常に新しいことに取り組んでいるから、やる気があること。そしてとにかく新しいことをやってみたい人。今までやってきたことに力を注ぐよりは、これからやっていきたいことを大事にしたい人ですね。ゼロから考えられる人がいいのかもしれませんね。」
「あとは自分の意見を積極的に出せる人がいいですね。少人数のチームなので、いろいろと意見を出さないと何も進まないんです。」
チームとして目指すべき場所が同じかどうか。
ここさえブレなければ、あとは自由に工夫して働くことができる。さらにお互いの考えをうまくシンクロできているように感じました。
「常に課題があって、それを解決していく。しかし、その解決方法はたくさんあり、解決の仕方次第でまた別の問題にぶつかったりするんです。だからこそ、チームでいろんな角度から見たほうが面白いものがつくれるんです。一人では考えられないことを共有して精度をあげています。」
最後に、これから入る人に何か言いたいことはありますか。
「日頃チェックしている最新の情報ってほとんど英語なので、ドキュメントを読める程度の英語力があったほうがいいかなと思います。先ほどの話にもつながるのですが、何事も楽なほうを選ぶというよりも、自分で新しいものをつくるのが好きな人がいいのかもしれません。」
つくりたいという気持ちが、自然といろんな方法を試したいという気持ちに変わる。
そういったものづくりが好きな人には本当にぴったりな仕事だと思いました。
(2015/5/7 浦川彰太)