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ウシノメ独立計画

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「ひとつの事業を立ち上げるというのは、すべての技術の集約なんですよ。何かひとつが 得意でもうまくいかないんです。全体のバランスをとりながら、ひとつのものをつくっていく。」

「雄牛の目」という意味を持つ「オクスアイ」という社名には、丸い牛の目玉のように 360°見渡せる広い視野を持って仕事をしたい、という意味が込められています。

オクスアイ医療事業開発株式会社は、30年にわたって個人のお医者さんの開業をサポートしている会社です。

会社自体が一級建築士事務所で、建設業の免許も持っているから、実際にクリニックをつくるところまでできるのが強み。

代表の金村さんがコンサルティングを担当し、ほかの6人のスタッフが、内装の設計・現 場施工管理、看板や広告のデザインなど、それぞれの専門的な力を生かしながら形にしていきます。

015 ただ単に専門職を集めているのではなく、みんなが全体を共有しながら進めるから、その お医者さんにとって何が一番いいか考えながら仕事をすることができます。

そんな会社で、主に設計・施工管理を担当する人を募集します。 この会社の特徴は、5年を目処に独立を推奨しているところ。

将来、自分で独立して会社をつくりたいと思っている人、設計・施工管理だけではなく、 すべて自分でやりたいという人におすすめの仕事です。

オクスアイのオフィスは、東京・神田にある。

オフィスへお邪魔すると、ちょうどお客さんを迎えている代表の金村さんを見つけた。

お客さんが帰ったあと、ソファに座って金村さんの話を伺う。

「さっき来ていたのは、8月の開業に向けてクリニックをつくる決意をしたお医者さん。今日は、その最初の打ち合わせだったの。」

オフィスを動き回っていましたが、今日はとくにお忙しい日なんですか?

「ううん。だいたい、いつもこんな感じ。やることがいっぱいあるからね。」

SONY DSC 金村さんの言葉には、独特のゆったりしたリズムがある。

それに、話がとても分かりやすい。まるで池上彰さんの番組を観ているみたい。

「病院の開業をサポートする」というのが、どういう仕事なのか想像しきれていなかった のだけど、自身の話を交えつつ丁寧に教えてくれた。

「僕は40年前に大学を卒業して、3年ほど建築関係の会社に勤めていました。ところが、 箱をつくるだけの建築に面白さを感じなくなってしまって。そんなとき、たまたま見つけ たのが『病院システム開発研究所』の求人でした。」

病院システム開発研究所?

「うん。これは、病院の経営コンサルティングをする会社です。当時、日本にはまだ、そ ういう概念がなかった。アメリカでは、HCAという病院を経営する株式会社があるんだ けど、日本は、お医者さんしか病院の経営者になれないんだよね。」

そのころ、日本の大学病院や公立病院は、病棟の老朽化を原因に、軒並み大規模な建て替え工事をしていた。

ところが、箱はできても肝心の中身は旧態膳だったものだから、赤字が広がっていた。

016 そこで、アメリカのやり方を参考にしながら、日本に病院のマネジメントという新しい概 念をつくっていこう、という目的でできたのが「病院システム開発研究所」だった。

「新しくはじめたものだから、人も経験もない。だから、コンピューター、搬送、バイイ ングなど、あらゆる分野の専門家を集めようとしていたんです。なんか面白そうだな、と 思って。僕は建築をやっていたから、建築分野でなにか役に立てるんじゃないかと思って 応募したんです。」

その会社には6年ほど勤め、1000ベッド規模の大きな病院をいくつも担当した。

その後、独立して自分で会社をつくることになる。

「今までのことをベースになんとかやろうと思って。でも、大きい病院の仕事は、ある程 度バックグラウンドがないと受注が難しい。ようやくたどり着いたのが、今まで経験した システムを個人開業のお医者さんに適応させてやろうという方法です。だから、オクスア イのお客さんは、すべて個人のお医者さんなんです。」

40年前には日本にほぼなかった概念を、30年かけて自分の仕事にしていったんですね。

「今では、うちみたいなこういう仕事は、他にもやっているところがたくさんあるんですよ。でも、その多くは、いろんな業者の寄せ集めなんです。『建築、財務、宣伝、あらゆる分野の専門家が揃ってます!』と言っていても、その専門家達の提案がお客さんの目的に本当に合っているか、判断できる人はいないんです。」

SONY DSC お医者さんが開業しようと思うとき、何が目的で、何が必要で、計画をどういうところに持っていくかなど、さまざまなことを考える必要がある。

本来ならば、それを考えるべきなのは、経営者本人。

でも、ふつうに病院に勤務しているお医者さんは、今までそんなことをやったことがないから何も分からない。それに、だれでも初めてやることでうまくいくことなんてひとつもない。

そんな人の手助けをしたいと、金村さんは思っている。

「相談を受けたら、そもそも何のために開業するのか、というところから、まずは2時間くらい話します。なかには、開業しないほうがいい人もいます。そういう人には、向いてないから止めたほうがいいと話します。その人がどうしたら幸せになるか、ということをいちばんに考えていきます。」

相談が10件あっても、仕事につながるのは1、2件。でも、今まで開業を手伝ったクリニックは、すべて経営がうまくいっている。

開業後のお客さんの相談も無料で受け付けているけど、困りごとの相談はほとんど来ないそうだ。

そんな金村さんの心の込もったコンサルティングを実際に形にしていくのが、6人のメンバーたち。

「設計を考えるためには、全体像を持っていないとできない。だから、設計のスタッフにも、僕とお客さんの打ち合わせには最初から参加してもらっているんです。できるだけ色々 な工程に立ち会ってもらう。そうすると、すべてが分かるから。」

広い視野を持って、”丸い目玉” でものを見る力を育てる。

「ここで働くメリットは、5年を目処に独立できることだと思います。」

「小さい会社だし、ここで一生やれとは言わない。僕は、自分の人生を自分でつくってい く実力をつけてほしいと思っています。だから、独立のための仕事のやり方を徹底して教えています。分からないことは何でも教えてあげます。」

実際に、ここで働く人は、どんな仕事をしているんだろう。

設計・施工管理を担当している齋藤さんにも話を聞いてみた。

DSC08851-1 齋藤さんは、働きはじめて1年目。大学で建築を学び、設計事務所、海外勤務、メーカー、現場監督など色々な仕事を経てここで働きはじめた。

「大きい会社にいたときは、歯車のひとつという感じだったのですが、ここは違います。 自分で考える裁量が大きいんです。それは、社長の器の大きさなのかな。」

具体的に、どんなふうに仕事を進めているんですか?

「最初は、お客さんの相談に立ち会います。実際にクリニックをつくっていこうとなったら、まずは、家から近い、前の勤務地と近い、などお客さんの希望に沿って場所を決めます。」

場所が決まったら、次は図面を書く。

「トイレなど水回りの位置はだいたい決まっているので、そこから、どういう部屋が必要か、何部屋つくるか、など考えながら書きます。皮膚科、小児科など、そのお医者さんの 専門によっても部屋のつくりは変わってきます。」

そうしてできた基本計画や見積もり図面を先生に見せて、意見を聞く。

「お客さんとは、1、2週間に一度くらい会って話すようにしています。たとえば、月曜日が先生のお休みだったら毎週月曜日に会いに行ったり。」

014 話し合いながらブラッシュアップしていき、最終的な図面ができたら、いよいよ実際の工事に入る。

「工事に入ったら、図面の段階では見えなかったことを考える必要があります。床の色と か、手すりの高さとか。お客さんには、工事の現場に毎週来てもらうようにしています。」

ここで、齋藤さんがちょっと面白い話をしてくれた。

「よく、テレビ番組で、家を改造して、最後に家族が完成した家を見て感動していたりするじゃないですか。私、どうして途中を見なくても平気なのかなって思うんです。」

お客さんと顔を合わせるのが当たり前の齋藤さんにとって、それは不思議なことなのかもしれない。

とにかく頻繁にコミュニケーションをとるので、お客さんとの密な関係ができてくる。

017 「内装が完成すると、次は細かいところを色々お手伝いします。たとえば、お客さんが買ってきた家具を並べるのを手伝ったり、電話線の工事やパソコンの設定をしたり、PRのために内覧会をしたり。ときには、スタッフの面接の立ち会いもするんですよ。」

思った以上に、本当にすべてをサポートするんですね。

「はい。なんでこんなことまで?と思うことも、ぜんぶお客さんのため。そういう理由付 けがあれば、なんでもできます。ありがとう、と言われるのがうれしいからやっています。」

お客さんの顔が見えるから、細かいことも頑張れるのかもしれない。

最後に、もうひとり紹介したい人がいます。

1年後に独立を目指している、入社5年目の深山さんです。

先ほどの齋藤さんの未来の姿とも言えるかもしれない。

007 「もともと独立を意識して仕事をしていましたが、社長にアドバイスをもらっているうちに、だんだん意識が高まってきました。それに、ただ設計をするのではなくコンサルティ ングもしているので、お金にもちゃんと意識がいくようになりました。それは自分の独立 にも役に立つと思います。」

以前は設計事務所で働いていた。そのときは、図面を書くばかりで現場をあまり見ることができなかった。

「でも、生きていく上で、図面だけ描いていてもダメだと思ったんです。だからここでは、 これが自分の仕事だと決めないで、なんでもやろうと思っています。」

「開業するお医者さんは、色々なことに困っています。この人に頼んだら全部やってくれ るって思われたいので、頼まれたら断らないようにしています。誰にでもできる仕事はやりたくないので。」

どんな人なら、この仕事を楽しめると思いますか?

「現場も知りたいし設計もしたい。好奇心旺盛で、自分でなんでもやりたい人がいいと思います。」

「あと、気が利く人がいいかな。どんなときにおいても。たとえば、お茶を出したりとか。」

これは、齋藤さんも金村さんも同じことを言っていた。

ここまでできれば、自分で仕事をつくれるようになるんだと思う。

010 コンサルティングという考え方をとりいれながら、専門的な力も磨ける。建設会社でも設 計事務所でもできない、ここならではの仕事だと思います。

「うちでやっていれば、たいていどこでもできますよ。」と金村さんも言っていました。

そんな力をつけたい人は、ぜひ応募してください。

(2015/5/11 笠原名々子)