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家をつくるすべてに関わる

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鉄骨造やRC造のビルやマンションがあふれた時代を経て、今ふたたび木造建築に注目が集まっています。

untitled 過去の災害や法規制などによって、日本ではなかなか見ることができなかった大規模な木造建築が、町の中でも少しずつ見られるようになりました。

耐火等の技術革新によって、法的にも木造で建てることが可能な領域が広がったからだそうです。

これからは、学校や庁舎などの公共施設も木造でつくられる時代がくるかもしれません。

そんななか、いち早く木造大型建築に取り組みはじめたのが、山形の新庄に本社を置く、ヤマムラという会社です。

ヤマムラは、今からおよそ130年前に、木の伐採や製材を手がけて販売する小さな個人商店としてはじまりました。

やがて自分たちの製材を使って建物の内装や建築を手がけるようになり、地域密着の仕事を続けてきた会社です。

老舗だけれど、これからはじまる。そんな予感がしています。

今回は、ヤマムラの東京支社で働く施工管理者を募集します。

施工管理者は、建物をつくるときに、どんな素材と人員が必要なのか、予算やスケジュールはどうなのか考えて、家を建てる現場をマネジメントしていく人のこと。

部分的にではなく、家をつくる全てに関わりたい人。木で多様なものをつくることに興味がある人。職人さんと深い関係をつくりたい人。職人として働いているけれど、全体を見る仕事がしたい人。

そんな人におすすめしたい仕事です。ぜひ続きを読んでみてください。

訪ねたのは、東京都・江東区。亀戸駅を降り、陽の当たる大通りを進んで五之橋の先を曲がると、ヤマムラと書かれた大きな看板が見えてくる。

迎えてくれたのは、 企画開発室の中村さん。設計もしながら広報や古い建物の活用などさまざまなことを担当していて、今回の取材も窓口になってくれました。

SONY DSC 「施設のように集団で住む場所も、短期で宿泊する場所も、長い間家族と一緒に住みつぐ場所も、温かくほっとする空間であってほしいです。まだまだ始まったばかりですが。」

創業130年なのに、まだはじまったばかり、と言うのが面白い。

「うちの会社は、営業も広報担当も、今までいなかったんですよ。最近やっと、人に見ていただけるものが揃ってきました。これまでは、つくるものの信頼によって広がってきたんですよ。ひとつひとつ積み重ねて、お客さんがお客さんを呼んできたんです。組織としては、まだまだ整っていない。そこが面白いと思いますよ。」

そう教えてくれたのは常務取締役の立神さん。

SONY DSC 仕事が口コミで広がってきたからこそ、内装の仕事から大型施設の建築まで、そして下請けから元請けまで、仕事の領域が広い。

工務店でもないし、ゼネコンとも違うけれど、色々な顔を持っている。

「それから、大きな会社だと、システムが確立しているから、1人の人間が全体の一部をずっと見続けるということもあるかもしれない。けれど、ヤマムラの場合は、1人がやること、見る範囲が広いんです。いろいろなことを吸収しようと思えば、できる領域は広いと思います。」

自分にはどんなことができるのか。自分の得意分野は何なのか。

それを探していきたい人は、色々な過程を見れるチャンスだと思う。

そんな仕事の幅の広さとともに、ヤマムラには得意としている分野がある。

それが、大型木造建築。

「木造の福祉施設をつくっています。柱も壁も、すべて木造なんですよ。みなさん、福祉施設というと病院のような固いイメージが強いようで、ホテルみたい、住宅のリビングみたい、とけっこう驚かれます。」と、中村さんが写真を見せてくれる。

17 「北欧やアメリカを視察すると、4階建て以上の大きな建物も木でできていたりするんです。僕たちがいちはやくこうした建物づくりに取り組むことができたのは、昔から木造建築に関心を持っていたからなんですよ。」

製材所からはじまったヤマムラにとって、木を使うことは、いつも身近な選択肢だった。

「木を使うということは、木工職人さんと一緒につくるということ。うちは昔から、職人さんを大事にする会社でした。大型をやるときも、未だに材料を支給して、職人さんと直にやりとりがある。材工分離の仕事はありませんでした。職人は宝ですから。」

鉄骨造やRC造の場合は業者さんへの外注になり、大工さんが力を発揮する場面が少ない。だから、職人さんと一緒につくる木造建築は、ヤマムラが自分たちの強みや味を出せるいちばんの方法。

ただ、職人さんと直接やるというのは、それだけ人とのやりとりが増えるから、大変なことでもあると思う。

実際、現場の施工管理ってどんな仕事なのだろう?

施工管理者としてヤマムラに入社し、今年で4年目になる稲清水さんに話を聞いた。

SONY DSC 稲清水さんの前職は、鉄骨・RC専門の建設会社だった。そこで施工管理者として働くなかで木造建築に興味を持ち、ヤマムラで働きはじめた。

稲清水さんは、とても素朴な方で、あまり言葉を飾らない。なんとなく、宮澤賢治の「雨ニモマケズ」を彷彿とさせる雰囲気がある。

「木造建築で使う道具や工法には、独特の呼び名があるんです。だから、最初は、何を言っているのか分かりませんでした。現場で現物を見て、理解していきました。」

現場では、これをしろ、という具体的な指示があるわけではない。最初は、何をすればいいか分からなかった。

そこで稲清水さんは、現場の後片付けや掃除をすることからはじめた。

嫌な仕事を嫌がらないでやっていると、職人さんに一目置かれるようになる。はじめのうちは怒られたりもしたけれど、だんだん自分の居場所ができてきた。

今では、急なお願いをしても聞いてもらえる信頼関係を築けているそうだ。

untitled 現場では、予想外のこともたくさん起こる。そういうとき、熟練の職人さんの手助けは必要不可欠。

実際に、現場の仕事はどんな風に進んでいくんですか?

「まずは図面を見て、どんな材料が必要でどのくらいお金がかかるのか、積算をします。見積もりを出して、OKを貰ったら、土地を見に行って、現場を把握します。そのときに、現状の記録のために写真も撮ります。それから、建物の実寸を、紐を使って実際の地面に描きます。そこから、基礎工事がはじまります。」

一連の流れのなかで、車をどこに停めるのか、近所の人への挨拶など、考えるべきことがいろいろある。それをひとつひとつやっていくのが、稲清水さんの仕事。

「最終的に納得いくものができると、最後の引き渡しで、お客さんが心から喜んでくれます。それはとても嬉しいです。」

逆に、大変なことはありますか?

「職人さんにつきっきりになると、書類の作成が疎かになっちゃったりして、バランス見極めるのが難しいです。でも、そういう大変さがうまくいったとき、やりがいを感じます。誰かに任せっきりだと、自分でやった感じがしないですよね。でも、何から何まで自分たちでやるから、すごく達成感があります。」

0024 ここまで聞くと、自分にはできるのかな?と思う人もいるかもしれない。

でも、全部ひとりでやらないといけないわけじゃない。

大きな現場では、施工管理も5人ほどのチームで進める。その人の個性によって、仕事はつくられていく。

たとえば、現場で体を動かすのが好きな人もいれば、図面や見積もりなど細かいことが得意な人もいる。

「仕事も多肢にわたっているので、その人の性格を生かした仕事がたくさんあります。男性でも女性でも、年齢も関係ありません。多種多様な人間を受け入れることができます。」と立神さん。

「今、大手で施工管理をやっていてもっと全体をみたい人や、職人さんとして働いている人で施工管理をやってみたいという人でもいいかもね。 そういう人は、より現場に馴染みやすいかも。」

11月8日(1) 全部やるというと、万能じゃないといけないと思ってしまうけど、逆に全部やるということは、活躍できる場所を探せるという選択肢の広さでもある。

役割を自分でつくっていく必要はあるけど、それは難しいことじゃない。

まずは何が求められているのか探すことから。

「なんでも関わって、なんでも受け入れる。そんな感じなら、辛くなくやっていける。現場を管理する、という頭でっかちではなく、体を動かしながら。どんどん仕事を受け入れていけば、うまくいきますよ。」と稲清水さん。

おそらく、これからどんどん、大規模な木造建築の需要は増えていくと思います。

そういう意味では、老舗だけど、まだまだこれから。

ここで自分の仕事を見つけてみてください。

(2015/5/29 笠原名々子)