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「夢を持っている人がいいです。その夢を叶える過程がNOMADと重なっていれば、うちに来てください。経験がなくても、自分のニーズと会社が求めるニーズを同じレベルにできるのであれば、歓迎します。なにごとも共存共栄なので」そう話すのはNOMADの代表、斎藤さん。
会社と個人がお互いに成長できるような、共存共栄という考え方を自然と実践できるような人を求めています。
それは、会社の考え方、働き方とも繋がっています。
まずは、どんな会社か知ってみてください。

会社があるのは、渋谷区の富ヶ谷。ファッションの中心地に近いからか、この辺りは雑誌に出てくるような個性的なファッションの若者が多い。
でも駅から少し離れると、閑静な住宅街。住宅街のなかに、ちょっと不思議な外観のオフィスビルを見つける。

そこには、NOMADで扱うインテリア雑貨がずらりと並んでいる。
動物を象った木製のオブジェ、セブンチェアなどを手がけたデザイナー、アルネ・ヤコブセンのタイポグラフィーをモチーフにしたマグカップなど。
「これ、子どものコートをかけられるようになっているんですよ。」と、実際にコートをかけてみせてくれる斎藤さん。
NOMADは、デンマークの4つのブランドの「日本総代理店」。つまり、日本でこれらの商品を正規に扱うことができるのは、NOMAD だけなのだそうだ。
よほど信頼関係を築いていないと、こんな契約は結べないと思う。
斎藤さんは、どうしてこの会社をはじめることになったのだろう?
斎藤さんとデンマークの出会いは、今から18年前の1997年に遡る。

デンマークで暮らすようになり、斎藤さんはデンマークに興味を持つようになる。
人口は少ないのに、経済性は高い。社会保障がしっかりしていて、学びやすそうな環境だった。
この国で生きていこうと決めた斎藤さんは、アルバイトをしながら語学学校に通い、商業高校に入り直す。
その後、大学に進学し、卒業後に、今NOMADが代理店をしているインテリアブランド「ローゼンダール デザイングループ社(以下ローゼンダール)」に入社した。
ローゼンダールでは、日本向けのPRの仕事から始まり、セールスマネージャー、キーアカウントマネージャーなどを経て、最終的にはアジア統括部長として、主に日本と韓国の市場開拓を担当していた。
ところが、2007年に日本市場から撤退することになり、会社を離れることになる。

「面白いね、一回会おう」と、いちばん最初に返信をくれたのは、なんと自分が元いた会社、ローゼンダールだった。
社長相手にプレゼンテーションをし、報酬契約を結ぶことになる。
これをきっかけに、斎藤さんは日本で株式会社NOMADを立ち上げ、ローゼンダール社をはじめとするデンマークのブランドを日本に展開するための事業をはじめる。

自分で道を切り開いてきた斎藤さんの人柄からして、きっといわゆる「営業職」という感じの仕事ではないんだろうな。
「仕事の内容は、既存のお客さんの担当と、新しい販路の開拓ですね。インテリアショップなどを回って、商品を売り込む。あとできれば新しいプロモーションの提案もしてほしいです」
とはいえ、いきなり全てではなく、まずは今いるお客さんを大切にするところからはじめてほしい。
「流行り廃りではなく、思い入れを持って商品を扱ってくれているお客さんが多いので、まずは既存のお客さんを大事にしたいです。押し売りではなく、”お客さん会議”をしながら、このお客さんにはこういうものを紹介していこうって、丁寧にやっていきたい。慣れたら余裕が生まれるので、そこから新規開拓、という感じです」
営業の実務経験は必要ですか?
「なくてもかまいませんよ。あると逆に型ができちゃっているというか、経験が邪魔になることもあるので」
経験より、明るいとか、はきはきしていて物怖じしないとか、コミュニケーションが好きとか、そういう人柄の部分のほうが大切だったりする。
あとは、営業は意外と体力勝負のところがある。
サンプルの商品を自ら運ぶこともあれば、ディスプレイを変えることも。お客さんのところに行くので、外出も多くなる。当たり前だけど、夏は暑いし冬は寒い。
うーん。好きではないものを売るのだとしたら、なかなか続かない仕事なのだろうな。
やっぱり、デンマークのインテリアや雑貨に興味のある人のほうが、この仕事を楽しめるんでしょうか。
「興味がなくても大丈夫です。結果、好きになっちゃうから」
斎藤さんもはじめはインテリアに詳しいわけではなかったそうだ。
好きになってしまったきっかけは、仕事のなかで出会った”人”だった。
「仕事を通して、商品をデザインしたデザイナーの方たちに沢山会うんですよ。彼らがどういう思いでデザインしたか聞いているうちに、少しずつ商品に感情移入できるようになっていきました」
たとえば、自分の息子の誕生をきっかけに木製オブジェを作りはじめたデザイナーのカイ・ボイスンのつくった作品には、それぞれ息子、息子の嫁、自分、孫の名前がついていたりする。
斎藤さんがこの日、胸につけていたカイ・ボイスンがデザインした銀細工のブローチは、カイ・ボイスンの孫から直接譲り受けたものだったり。

お客さんも、愛着を持って大切に使ってくれる人が多い。NOMADでは、一部の商品の修理も請け負っているそうだ。
沢山の人が想いを持ってつくったり使ったりしている商品だから、ひとつひとつにエピソードが尽きない。
「ただ物を紹介するのではなく、デンマークのライフスタイルというブランドを日本に紹介することができたらなと思っています」
と話してくれたのは、となりで斎藤さんの話を聞いていた、広報や人事などを担当している出口(でぐち)さん。
「ローゼンダールの本社を訪ねたら、みんな楽しく働いていて、あくせくしていないんです。満員電車もないし、仕事とプライベートをはっきり分けて、家族で過ごす時間を大切にしている。余裕があって質が高い」
ローゼンダールの本社は、市内から電車で1時間ほどの郊外にある。
そこでは、アーティストのインスタレーションが行われていたり、社員食堂が、シェフの本格料理を自分たちのブランドの食器でいただくブッフェ形式だったりと、楽しく働ける工夫が沢山あった。
デンマークは人口が少ないけど、経済性が高い国。その理由は、ひとりひとり人生を楽しんでいるからかもしれない。
ものを通して、そうした文化までつたえていける人に来て欲しい。

そこで、3月から、毎週金曜日に料理家の方を呼び、社員のランチをケータリングしてもらう取り組みをはじめた。
もちろん食事は、自分たちの扱う商品に盛りつける。使ってみた実感は、そのまま日々の仕事にも生かせるかもしれない。なにより社員同士のコミュニケーションの場になる。
「この会社は、日本だけど日本じゃないって感じです。自分からどんどんやっていける。だからすごく楽しいです」
そう話すのは、今年の1月から働き始めた征矢(そや)さん。最後に、征矢さんを紹介します。
征矢さんは、斎藤さんのアシスタントとして、主にデンマークの会社とのやりとりを担当している。

いつかデンマークで働きたいという夢を持ちつつ、日本で経験を積もうと考えていたときに、NOMADの求人を見つけた。
「その日のうちに返信が来て、Skypeで面接してもらいました。そのとき
突然、デンマークに出張できる?って聞かれて、できますって。デンマークから帰って、次の週には出張でデンマークに戻るという(笑)。デンマーク出張では、いま毎日電話やメールでやりとりしている方たちと直接会う機会をいただけたので、これは本当に良かったと思います」
「一回会うと、顔が見えて全然違うでしょ」と斎藤さん。
征矢さんにも、どんな人と一緒に働きたいか聞いてみた。
「母の受け売りなのですが、わたしは、何かできる?と聞かれたら、なんでもできます、なんでもやります、って言うようにしているんです。同じように思っている人に来ていただけたらな、と思います」
征矢さんには、いつかデンマークで働きたいという夢がある。今ここにいることがその夢に繋がっているからか、なんだかとてもキラキラして見える。
「夢を持っていると自信を持って言える人、いいですよね。仕事をするというのもライフスタイルのひとつなので、ここで仕事して良かったって、自分で思えるようにして欲しいですね」
だからこそ積極性が問われる。自分で仕事を探す。やったことがないことでもやってみる。
決められた仕事をするのが好きな人には向いていないかもしれないけれど、自分を向上させていきたいと思っている人には、いい環境だと思う。
会社も、そこで働く人も、お互いにとっていい関係であること。それが、斎藤さんの目指す「共存共栄」のあり方なのだろうな。

ここで自分なりの働き方を探して広げていけそうだと感じた人は、ぜひ応募してみてください。
(2015/7/9 笠原名々子)