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私たちの暮らしにかかせない食器。意識をむけると、暮らしが豊かになる。そんな器を人々に届ける。

長崎県は波佐見町で400年以上続いている陶器、『波佐見焼』。
そんな陶器を製造している長崎の「西海陶器株式会社」から生まれた、テーブルウェアをはじめ食器やカトラリーなどを外部のデザイナーさんと一緒に企画・開発、卸販売をしているのが東京西海です。
今回はここで手がける商品の魅力を営業する方を募集します。
営業といっても、経験は問わないとのこと。むしろ、その人の能力や人柄で仕事の内容も順応させていくようです。
働きながら知識や経験がついてくれば、ブランドのマネージメントすることも考えられるとのこと。

ただ物を売るというよりも、人々の暮らしに根ざした器に、豊かさを添えた提案をしていると感じました。
東急田園都市線の用賀駅から徒歩10分ほどの場所に、東京西海のオフィスがあります。

はじめに感じた印象は、働いているみなさん、とても仲がよくて明るい雰囲気ということ。
ちなみに2階にはキッチンがあり、時間があるときはつくれる人が料理をし、お昼はみんなで食べるそうです。
食器を通して暮らしを魅せる会社は、働き方も快適に、楽しさやコミュニケーションの場を大事にしていました。
ここで働いているのは現在3名。児玉さん、玉木さん、正林さんです。

児玉さんは長崎県波佐見町出身。大学卒業後に、父親が代表を務めていた「西海陶器」を広めるために中国で会社をつくります。
その経験を活かし、2013年に東京西海を立ち上げました。

手がける商品は、すべて長崎の波佐見町でつくられている。
「産地の活性化や商品の流通をつくることは、東京西海がやるべき仕事だと思っているんです」
大量生産が安易にできる時代。産地でつくることにこだわる理由を話してくれました。
「日本の高度経済成長期による大量生産・大量消費の流れが、いまでも産地へ負担が大きい。そこで自分たちも同じようなやり方で展開しても地元にとってプラスじゃないと思って。そこに意味を見出せなかったんですよね」
「生産に関わる全ての人たちに納得した利益があるようなものづくりをしたいと、自分たちのなかで思いました」
厳しい環境のなか、確かなものづくりをしている人々を目の当たりにしてきた。
そこで生まれている本物の価値を、お客様の暮らしに届けることを意識するようになった。

「ものづくりの現場と一緒になって開発している商品なので、ものづくりに関して興味を持っていたり、実際につくった経験がある人だったら、より馴染みやすいと思います」
与えられた環境で、自分たちができることをやっていく。
そんななかで、より広く展開をしていくために新しい仲間が必要だと感じるように。
「日々試行錯誤しながら仕事を進めている状況ですが、いろんなお客様との関わりや、さまざまな開発を経験していくなかで、会社が驚くほど成長しているのを実感しているんです。そして、この経験を多くの仲間と共有することによって会社をより良く成長できたり、大きくしていったりすることができる可能性があると思ったんです」
「そんな貴重な経験が目の前にあるのだから、これから仕事を継続していくなかで新しく入る方と共有したいんです。新しい人が入ってくることによって今までできなかったことや、やりたかったことができるかもしれない。そう思うと、すぐにでも人は入れるべきだと思いました」
これから募集する人は、その人の能力によっていろんなポジションや役割が与えられるのかもしれない。
続けて話を伺ったのは、玉木さん。
大学卒業後に自分がやりたいことを仕事にしたいと思い、鹿児島の屋久島に移住。そのあと何度か波佐見町へ遊びに行くことがあり、西海陶器の代表(児玉さんの父)と知り合う。

現在は東京西海が取り扱うブランドのブランディングや企画開発、管理などを担当しています。
毎日働いているなかで関わる人と企画や仕事が生まれる。そこで感じたことがあるそうです。
「売上げをたてる、一生懸命データを作るのもそうですが、それと同時に人と接することを大切にしています。例えば、食事やお茶をしながらの会話で、次の仕事のきっかけが生まれることもあります」
「だから今回入る方もそういったことを楽しめる人、話すことが好きな人、いろんなものを好きになれる人がいいのかなって思います」
働くということを考えたときに、何よりも働きたくなる環境や興味があることが重要になってくる。

「まだまだ若い会社なので、新しいことに挑戦する機会が多いんです。常に目の前の壁をどう解決するか、乗り越えるかをみんなで話し合い、高い目的を乗り越えていくっていうのは大変ですね」
「もちろん最初は基本的なことを覚えてもらいます。商品を売りに行くっていうよりも電話の対応や受注管理、物流管理ですね。それから新しいブランドを任せたり、デザイナーさんと打ち合わせをしたり展示会の提案とかができると思います」
どんな人がよいでしょう。
「400年続いている波佐見の食器のあり方を模索して、1個ずつ丁寧につくっている商品を売ることが、産地に対しての文化的貢献だと考えられる人に来てほしいですね」
「あとはお金ではまかなえない『ライフスタイル』の提案が社会にどういうふうに影響を与えられるか、一緒になって考えられる人がいいなって思っています。けれども食器やこの会社の思いに興味をもってくれた方であれば、何か得られるものがあるかもしれないので、まずは応募してほしいです」
実際に営業を担当している正林さんにも話をききました。

はじめは陶器について何も知らなかった正林さん。
しかし、入社してから波佐見町へ訪れ、実際に製造過程を目にしたときに考え方が一変しました。
「例えば、波佐見焼の商品って分業制なんです。原料の生地をつくるところから、型を起こすところ、成形するところ、色をつけるところ、焼くところまで、ひとつの商品を生産するのに様々な人たちが関わっています。着色も人の手で塗っている。手作業ばかりでびっくりしました」

今回入社する方も、入ったらまずは産地の波佐見町へ行くことになるそうです。

現場だけでなく、インテリアライフスタイルや、海外でのメゾン・エ・オブジェなどの展示会にも出展します。そのため出張もあるそうです。
「これから入る方は展示会の機会を大事にしてほしいですね。現場ではお客さんのリアルな反応が詰まっているので、毎回得られるものが多いんです」

目標っていうのは?
「本社は70年間続いている大きな会社で、時代と共に成長してきた会社なんです。しかし、これまでは百貨店を中心に食器が売れる時代だったんですが、今はお客さんの手に商品が届くやり方を考えないと届きにくい時代になっているんです」
「ですから、僕らはそこを考えることによって、お客様の声も聞けて商品が届くような環境をつくることを目標にしています」
ものづくりの大変さや楽しさを分かち合うために、新しいことに挑戦する。
「いまは長崎が中心ですけど、他の産地へ広がることで東京西海がつくるライフスタイルのあり方も成長できたらいいなと」
成長途上にある商品の価値やチャンスが、ここには色々とあるように思いました。

「波佐見という町は、初めて訪れる人でも、いろんな話がはずむ場所なんです。だからわたしたちのいる場所もそういった溜まり場にできたらいいなって思っていて。雑談から新しいことが生まれたりすることもあるので、溜まり場だと思って気になったらふらっと来てもらえたらいいなと思います」
ものづくりの現場と一緒になる。働き方や暮らし方を考える。
東京西海の営業は、陶器の歴史やものつくりへの思いを器にのせて届ける仕事です。
(2015/7/13 浦川彰太)