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試してみる宿

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

地域で商売をはじめたい。とくに宿や食、ワークショップ、それに働き方に興味があるなら、いい機会だと思う。

アーティスト・イン・レジデンスやサテライトオフィスなど、全国から人が集まってくる四国神山にWEEKという新しい宿ができました。

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移住したい方も多い場所なのですが、ほとんどの方は仕事とともにやってくる方ばかり。でも今回の仕事なら、自分で仕事を用意できなくても、経験がなくても大丈夫です。

それに普通の宿じゃないんです。いろんな人たちの思いが込められてはじまった宿です。でも何をするか、いろんなことは考えているけれども自由度は高い。

試しながらつくっていく宿だと思います。

今回はフードプロデューサーとワークショップコーディネーター、そしてボランティアとして参加するヘルパーを募集します。

東京から飛行機で1時間。さらにそこから車を40分ほど走らせると徳島県神山町に到着します。四国なので遠いイメージがありますが、とても近い場所だと思います。

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山あいの町だけれども、そんなに谷底という感じはなくて明るいイメージがあります。冬には雪が降ることもあるし、夏は川遊びが気持ちいい。

最近は全国から移住者やサテライトオフィスを開設する企業が集まっているために注目されているので、ご存知の方も多いでしょう。

ただ、そんな神山に興味を持ってやってきても、なかなか縁がなければ地域の魅力の十分の一も味わえないと思います。知り合いがいなければ、どこに行けばいいかわからないんですよね。

WEEKはまさにそんな人たちや暮らしている人たちを巻き込む交差点になろうとしているのだと思います。

WEEKは鮎喰川に面した古民家と新築の建物から成り立っています。

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訪ねたときはまだ工事中でしたが、なんとかプレオープンして宿泊できるということでワクワクしていました。

道路をはさんで、元縫製工場をリノベーションした神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックスがあります。

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まわりの風景は里山なのに、いろんな新しいことがはじまっている場所。

古民家にはいると、いい匂い。ちょうど今夜のプレオープンを祝うために、食事の準備をしていました。

そのとなりの大きなテーブルでWEEKの代表の隅田さんに話を聞きました。隅田さんは日本仕事百貨でも募集しているプラットイーズの会長でもある。

「ここは食とワークショップ、この二本立ての場所なんですね。これをうまくコーディネートしてもらえたら、と思います」

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食はどういうものなんですか。

「わたしたちもつくるし、日替わりでシェフが来てくれるんです。レギュラーで毎週はいる人もいるし、ゲストとして東京や大阪から来てくれる人もいる。料理を通して交流できる場所にしたいです」

ワークショップのほうはどうですか。

「ここにはいろんな人が訪れる場所なので、いろんな人にワークショップをやってもらったら面白いんじゃないかと思っているんです。たとえば働き方というのも重要なテーマです」

働き方。

「1年くらいかけてコンセプトをつくったんですよ。それが今、キャッチコピーになっていて『いつもの仕事を違う場所で』というもの。あんまり肩肘はらずに、ふらりと来てもらって、ここでいつもの仕事をしながら過ごしてみませんか、という考えで。ぼくなんか東京でやっていたことと今も同じ仕事をしているけど、ほとんどなんの不自由もない」

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「あとは町民立という言い方をしているんだけれども」

町民立?

「これを事業として考えたときに、地元のお金で地元の事業をつくろうっていう考え方でやっていて。なるべく地元の方の直接投資、株主になってもらおうと思っています」

その狙いはなんでしょう。

「この前、銀行取引してはじめて知ったんですけど、過疎化が進んでいる町って、ほぼ例外なくひとりあたりの預金額が増えているんです。それはこの神山町も同じで。増えているのにもかかわらず、純民間投資は劇的に減っているんです」

数少ない資金需要は、公的予算で消化できてしまっているそうだ。

でも川の反対側にある寄井座を見ると、天井にはたくさんの広告看板が描かれた格天井がある。

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昔は民間でそれだけお金がたくさん流通していたのだろう。

「そこまで責任持つべきものかわからないけれど、地域でたまったお金は地域で使えたら健全なんじゃないか、と思うんです。さらに株主と事業者の関係があれば、いろんな意味で面白いと思っているんです。リスクマネーが投下されなくなってしまうと、ますますそういう人はそとに出ていってしまうんですね」

「それに会社を個人のものにしなければ、うまく継承できる形になるんじゃないか。そういうことも考えて、たくさんの町民の方に出資いただこうと思ったんです。でもそこまでは考えて立ち上げたけれども、あとはどんどん変わっていってもいい。アーティストの宿になっているかもしれないし、働き方研究宿になっているかもしれない。もしくはスローフードの宿になっているかもしれない」

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どうしてこの宿をつくろうと思ったんですか。

「はじめはなんとなくこういう場所がほしいと考えていて。でも空間がないとはじまらないと思っているので」

「違和感とは言わないけど、神山に来たときに思ったことは、こんなにいろんな人が集まっているのに、うまくつながれていないと思ったんです。そういう場所がない」

たしかにぼくは神山を訪れたら、すでに知っている人がいるからつながることはできる。でも誰も知らなかったらどこへ行けばいいだろう。たしかにこれだけ注目されているのに、そういう場所がない。

「高校生だってそうですよ。コンビニくらいしか行く場所がない。でもここに学校帰りに気軽に遊びに来て、お茶が飲めたら全然変わると思うんですよ。地方なのにいろいろな働き方の人がいるので、地域の子どもたちとの接点もつくれたらと思っています。だから地元の方にもきてほしいんですね」

そんなことを考えているときに、隅田さんはこの場所のことを知り、大家さんである南さんに出会った。

南さんは大家さんでるとともに、この事業会社の取締役でもある。

まずはこの場所について伺いました。

「今は国府のほうに住んでいるんですよ。そちらに住みはじめて40年。父親がなくなったのがもう27年前。だからそれ以降、ずっと空き家だったの。けど畑もあるし、家の管理もしなくちゃいけないから、1ヶ月に2回か3回は帰って、風をいれて」

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「わたしには子どもが3人おるんですけども、みんな東京に行ってしまって。帰ってくることを望んでおったんですけども、みんなむこうで就職してもうてね。仕事柄、帰ってくる見込みが非常にうすいと。この家をどう整理するか、自分自身の課題だったんですよね」

ただ、サテライトオフィス・コンプレックスの前にあるので、借りたい人は多かったそうだ。

それでも貸してしまうことに抵抗があった。

「貸してしまえばね、自分の家でありながら、自分の家でなくなってしまうんで」

そんなときに隅田さんの話を聞く。これなら地域のためにもなるし、宿だから孫が大きくなって夏休みに帰ってくることもできる。

「この前も40人近い人たちに来ていただいて、わいわい食事しながらお酒を飲んで、それぞれ思い思いに話していて」

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「それ見てね、きっとうちの親父もよかったな、って思ってるし、そのままにしておけば朽ち果てていく家が、こうやって蘇って。みんなが来てくれて喜んでいる姿をみて、非常にうれしい気持ちになったんですね」

この敷地のシンボルツリーであるメタセコイアは、樹齢68年。南さんと同い年なんだそうだ。

ほかにも納屋や蔵の廃材をうまく活用したり、昔の一升瓶を花瓶にしたり。

古いものに新しいものが融合して、いい空き家の使い方になっていると思う。

もう一人紹介するのが樋泉さん。

彼女は日本仕事百貨でも募集していた神山塾に応募して、東京から移住してきた人。

半年間の神山塾を終えたあと、なぜ神山に残ったのか、まずは聞いてみます。

「ここでつながった人たちがいる、というのがあるんですよね。半年で帰らずに、もう半年。1年を通して見てみたかったんです。なんだか居心地もよくて。ふふふ、なんででしょうね」

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「下宿した先の岩丸さんとか、親身になってくれて。家族のように接してくれた地元の人がいたのは心強かったです。あと距離感がいいですね。遠すぎず、近すぎず、よそものを受け入れる寛容さがあります」

今は隅田さんのパートナーとして、公私ともども一緒に歩んでいる。

樋泉さんにもなぜ宿をはじめたのか聞いてみる。

「はじめはもう少し、自分の家の延長くらいに思っていたんですよ。好きなようにやりたかったので。でも、思っていたよりも広くやってみることは、今しかできないと思ってやることにしました」

どういう人に来てもらいたいですか?

「ここでの暮らしを楽しんでくれる人がいいかなあ。楽しめる人。うん、楽しめる人。宿業って、朝ご飯から夜ご飯から、すべて生活になってくるんですよ。なんで、生活全部が楽しめる人。ここのパートだけで働きたいっていうよりも、もうちょっと全てで楽しみたい人がいいな」

たしかに神山って、この職場に限らず、暮らしと仕事は地続きになりそうですよね。

「そうですね。ここは大きな自分の家と思ってもらえればいいと思うんです。そして、今までにない組み合わせを楽しめる人がいたらいいですね」

最後に代表の隅田さん。

「いろいろかっこつけて言いましたけど、仕事のほとんどはこの宿の運営です。料理が半分、洗濯や清掃が半分。あとワークショップやイベントの準備など」

「でも食や働き方に興味があったら、自分でいうのもあれですけど、こんなに面白い職場なんてないと思いますよ。西海岸のバークレーのシェ・パニースのジェロームさんも来てくれました。それってすごい勉強になると思うんです」

いろんな生き方・働き方にふれる機会があると思います。

話が終わってから、地域の人も一緒になって、大きなテーブルを囲んで食事になった。

乾杯。

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これから、毎日のようにこういう風景が広がるんだろうな。なんだか楽しそうです。

ぜひ1日1日、試すように働いてください。

(2015/7/24 ナカムラケンタ)