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服に思いを通す

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服に袖を通す。

服に込められた手間や思いが大きいほど、着る喜びも大きいような気がします。

ファストファッションが流行する時代のなか、大規模ではないブランドだからこそ生まれる服があるのかもしれません。

2007年に設立されたブランド「NAVY.WO」

01 オリジナルテキスタイルを用いるなどして、国内生産を中心にこだわった確かなものづくりをおこなっています。

今回、店舗を中心に服の魅力を伝える販売スタッフを募集します。

服が好きでブランドに共感できる要素があれば、特別な経験やスキルは問わないとのこと。

それよりも成長過程にあるブランドのことを考え、一緒に盛り上げてくれる仲間が求められるかもしれません。

 
東京は自由が丘駅から徒歩2分の場所にオフィスはあります。

02 はじめに話を聞いたのは代表の小松左京さん。デザイナーの鈴木真穂子さんとブランドを立ち上げます。

「そもそもファッションに興味を持ったのは家族の影響が大きくて。幼いながらも洋服やアクセサリーといった身につけるもので、人の印象は変わるんだと思ったんです。言葉を交わさなくても、笑顔と同じような役割を洋服が果たすことに魅力を感じたんですよね」

そんな思いからアパレルの業界に入り、素材開発や企画に携わるように。

03 20年近く関わってきたなかで、さまざまな疑問も抱くようになります。

「ファストファッションなどが流行り、モノをつくる背景や素材、デザインの意味合いよりもコスト重視の流れが出来てきたんです。そんな流れにもう一度日本の職人さんや工場さん、先輩のデザイナーや企画の方に教えてもらったモノづくりを伝えていきたいと思いまして」

「今まで主流であった職人たちのモノづくりを、私たちの思いを通すことで新しいものに昇華しようと思いました。こだわりのあるものづくりをデザイナーの鈴木と私で表現できればいいなと思っています」

小松さんの言う『こだわり』ってなんですか?

「ほかがやっていることはやらないとか、売れないけど自分が納得できるかっこいいものをつくるというこだわりではなくて、自分とデザイナーの鈴木が見ている服の在り方や、心に正直になるような服をつくるためのこだわりです」

心に正直?

「たとえば売れ筋といわれるデザインでも、それを制作する過程に疑問や不安が残っていながら進めるとそれ以上の良い商品にはならなくて。疑問や不安は売り場のスタッフにも伝染していくんです。新しいことにトライするにも、まずは自分の心を見つめ直して商品と向き合い、販売員を通して誠実にお客様の手元に渡せるものなのかを常に考えています」

これまでの職場ではスタッフとして働く中で色々なことに関わりながらも、結果が見えないことが自分の選択が正しかったかどうか次の判断を純らせることがあったんです、と小松さん。

自分で選んで自分で売っていくので、一枚も残したくないという気持ちは大きくなるが、大きな会社では不良在庫がゴミになって廃棄になるところも見てきた。

そんな現実を見て「こだわり」の原型が生まれる。

04 「どんなときもデザイン含め納得したくて。素材はオーガニックじゃなきゃ嫌だとか、縫製はこのミシンじゃないと嫌だとかではないんです。具体的な技術やテクニックよりも、ニュートラルなこだわりが強さだと思います」

表層的なものより根底的なこだわりを意識する。

たとえば、ジャガード織りのワンピース。

「手間も時間もかかってしまうのですが、図案から職人さんや生地屋さん、デザイナーと話をして完成する過程に、モノづくりの本質があると思っています。ブランドを続けていく上で、その考え方に共感できるお客さまが年々増えてきていて、支えてくれているんだと思います」

05 自分たちの手から離れたときに、身につけたお客さまが素敵だなと感じてもらえる瞬間を演出する。

その時間を店舗で提案するのが今回募集する販売スタッフの役割だと思いました。

「現在直営店が3店舗あるんですが、さらに2店舗の出店が決まっています。会社はファッション界含め転換期に入っていて、いろんなチャンスや機会を模索している時期だと思ったので、一緒にブランドを盛り上げてくれる方が来てくれればなと」

仕事は販売がメインとなる。ブランドのコンセプトに共感出来る方や考え方に興味がある方と一緒に働ければなと話します。

全店舗スタッフを合わせても10名ほどしかいない体制。みんなでブランドの雰囲気を盛り上げることが求められるのかもしれません。

06 「そういった意味では自分の判断や発言に責任があると思える方がいいですね。あとは自分がこのブランドにどう関わることで良くなるかを探して考えられる方だと一緒に働いて楽しいと思うし、少人数の環境でそういったモチベーションが他のスタッフに派生して面白くなると思います。逆にネガティブは周りも疲れてしまうので」

そして、働くスタッフに対してもこんな思いがある。

「今いるスタッフも10年20年ここで働ける場所にしたいという思いがあります。そうしたときにスタッフがどこでどんな関わり方ができるかを、いろんな形を模索して追求していきたいなと思っています」

「私たちのようなブランドの場合、卸をメインにしてブランドの力をつけていくことが多いんですが、ファッション業界で働く以上自分たちの売り方で雇用を生み出せるのは、ブランドを経営していくひとつの魅力だと思っているので」

スタッフそれぞれの可能性や能力に信頼を寄せているからこそ、少人数で良いチームができるのかもしれません。

仕事内容をすべて決め付けるのではなく、あえて余白をつくることで理想的な目標を想像してチャンスをものにできる環境がここにはありました。

 
実際に店舗で働くスタッフにも話を伺います。

ファッションの専門学校を卒業後、ここへ入社して5年が経つ河野さん。

07 「ファッションの学校にいるとデザイナー志望の方や独自の世界観を持っている子が多かったんですが、人との距離が近いところで洋服をつくっているようなものづくりに魅力を感じていて。そんな会社を探しているときにここのデザインや考え方に共感できたんです」

現在は新宿店をメインに販売業務をおこなっています。

具体的な仕事はどんな感じなんでしょうか。

「基本的には掃除からはじまります。ライトの向きからハンガーの向きまで、細かな箇所まで手を抜くことなくお客さまを迎えられる状態の準備をします。事務作業もありますが、店頭優先を心がけています」

「NAVY.WOは、お話をするお客さんが多いんです。ゆっくり話しながら一緒にお買い物をしている感覚ですね。お洋服を提案することも大事ですが、それよりも楽しかったと思ってくれる時間をつくるように意識しているので、ただ洋服を勧めるようなことはしていないです」

商品を次々に進めるよりも、コミュニケーションで相手を知ることからはじめることで、お客さんとの関係を大事にする。

「私自身もいきなり着てみますかと言われるとびっくりするタイプなので。お客様もここでの距離感がとても居心地がよく訪れる方が多いのかなと」

販売をする中で大変なことも。

「どうしてもシーズンによって波があったりするので、セールの際はお客様も増えて忙しくなります。そんなときも商品選び、ご試着、お会計とお客様がお店を出るまで1対1でご案内することを第一にしています」

NAVY.WOの服が好きであることと同時にコミュニケーションでその思いを伝える仕事になる。

「もともと話すことが好きだったので、人と関わるのが好きな方であればこの環境は楽しくなると思います。ここまで代表が直接話やアドバイスを聞いてくれる環境はないと思いますね。洋服の思いなんかも直接聞ける環境なので、お客様をより納得させることができるんです」

 
もう一人、6月に入社した保坂さん。

08 現在は自由が丘店で販売と営業を担当しています。

「ある日新宿で洋服を見ていたのですが、帰り道の途中に気になったお店がNAVY.WOだったんです。そのときに出会ったスカートがとても気に入って今も大事に使っています」

「強い思いがある洋服だと着るだけでその日の気分も変わる感覚があるんです。それ以来このブランドの魅力に惹かれちゃって。スタッフの方も訪れる度に暖かく迎い入れてくれて、どんどん虜になっていきました」

スタッフのブランドに対する思いが、通っていくなかで伝わってくる。

「そんな環境で自分も働ければなと思い、思い切って入社しました」

09 お客さんとしての関わり方とスタッフとしての関わり方。

実際に働いてみていろんなことを感じたと話します。

「初日からそこまでの業務をやっていいのでしょうか?というようなことまで任されて(笑)。やっぱり少人数のチームなので、これから入ってくる方も普通なら任されないような仕事を責任持っておこなっていくことになると思います」

「一年後の自分を想像したとき、とても成長できる環境なんじゃないかなと思います」

少人数なので責任は大きい分チャンスもあるんでしょうね。

「もし何か困ったときもすぐに相談できて、方向性を修正してもらいながら前にすすめていけるので、とても恵まれた環境だと思っています。前の職場は規模が大きすぎて会社に貢献しているのかがよく見えないまま淡々と業務をこなしていて。代表の声を聞きながらお仕事ができるので毎日刺激があって楽しく仕事ができています」

「自分の胸に響く言葉をいただくのですが、自分で考える言葉を与えてくれるんですよ。みなさん素直に思ったことを話してくれるので、すごく働きやすいと思っています」

具体的にどういったことを?

「閉店の業務をしてから帰るのですが、『翌日朝来た時にお店の緊張感を残して帰って下さい』と言われて。緊張感を残すっていう感覚は今までなかったので考えさせられました」

「お店が閉まっていても路面店なので人の通りがありますし、オープン前でも気にしている人もいます。営業外でも素敵だなと思ってくれるようなディスプレイに整えることをとても意識するようになりました」

些細なことかもしれないが、接客する上で意識するべきモチベーションや大事なことを自分で見つけられる環境というのが伝わってくる。

11 最後に、こんなことを話してくれました。

「仕事を通じて成長したいと思っている方が来てくださると、はっきりと目標が見えると思います。こんな貴重な環境で働けることは幸せだと思っています。私も魅力ある人になれるよう、ここで頑張っていこうと思っているので、そんな思いで働きたい方は合うと思いますね」

新しい服の袖を通すあの感覚。一枚の服が仕上がるまでの技術や手間。服に込められた思いを販売する仕事だと思いました。

(2015/8/3 浦川彰太)