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「わたしが1人で就農してもいいんですけど、マイファームで人づくりに携わっていくと、100人、500人の就農者を輩出することができると思う。そういう面白さがあるんです」そう話すのは、マイファームで農業ビジネススクールの運営に携わっている木本さん。
自分のたべるものを自分でつくる”自産自消”の社会をめざして、休耕農地を体験農園へリニューアルしたり、農業に携わる人材の育成プログラムを行っている株式会社マイファーム。
今回は、農業ビジネススクールの企画運営、広報・マーケティングを行うスタッフと、体験農園の開設に向けた新規営業を行うスタッフを募集します。
東京・名古屋・京都に拠点を構えていますが、まずは京都駅から15分ほど歩いたKYOCA Food Laboratory内にある京都オフィスへ。昭和40年代に建ったビルをリノベーションしており、マイファーム以外にも食に関連するサービスや人が集まっています。
30名ほどの正社員のうち約半分が、このオフィスで働いています。東京オフィスのスタッフとは電話やメールでやり取りしながら、仕事を進めていくそう。
まずは、農業ビジネススクールを行っているアグリイノベーション大学校事業部の木本さんにお話を聞いてみました。
「わたしは、大学卒業後にIT系の会社に就職して、営業企画やウェブディレクターをやっていたんです。でも数年たつと都会の仕事に対する息苦しさを感じてきて、地域移住がブームになり始めていたこともあり、田舎への移住をサポートする仕事へ転職しました。そこで働くうちに、地域で生きるのには農業が切り離せないことに気づいて、マイファームに転職したんです」
とはいえ、出身は横浜、祖父母は東京暮らしの木本さん。田舎に帰省するような経験はなかったし、農業に関わったこともなかったそう。
「故郷を持っているまわりの子を羨ましく思っていました。いまも、地域で暮らす人たちの働き方や生き方にすごく魅力を感じるし、だからそういう人たちに関われる仕事をしているのかもしれないです」
ビジネススクールは、都市部で週末に開催されており、会社員の方や農業経験がない参加者がたくさんいるそう。
どんな講義なんですか?
「業界構造や六次産業化などの農業経営についての講義が半分、あとは現場での農業技術の講義が半分です。初心者の方も多いので、農業の一年間の流れを具体的にイメージして、計画を立てられるようにしていきます」
卒業後は就農される方もいるし、八百屋さんになったり、地域産品のブランディングに関わったり、あちこちの地域へ散らばっていく。
農業といっても、いろんな働き方・関わり方がある。
「そうなんですよ。農家の息子に生まれなくても、田舎で暮らしたり地域に移住したりする際に、ナリワイのひとつとして農業を始めることができる。自分が就農しなくても、つなぎ手となるようなかかわりもアリだと思うので、コーディネーターになるための専修コースも始めている。でも、そういったことをまだちゃんと発信できていないんです」
今回募集しているのは、まさに発信する役割。この学校の広報・企画運営をしていく担当者。
「広報・広告といっても、CSRに近い側面もあるかなと思います。うちでやっているプログラムは、本当にとてもいいものだと思うんですよ。他にはないものだし、社会的な意義もあって」
「そういう意味では、売りづらい商品を無理やり押しつけるのではなくて、一緒にやりたい仲間やファンをつくっていくという感じですね」
ビジネススクールのコースは、農業に関する総合的なものから、食と農のコーディネーターや養蜂に特化したものまで。
こうしたコースを企画しているうちに、自分も就農したくなったりはしないんでしょうか。
「わたしが1人で就農してもいいんですけど、マイファームで人づくりに携わっていくと、100人、500人の就農者を輩出することができると思う。そういう面白さがあるんです。いずれ半農半Xみたいな暮らしをしたいなという方は増えていますけれど、その入り口のお手伝いをできる人が、すごく少ない。だからこそ、この仕事をする意味があるなと思います」
会社全体を担当しているウェブディレクターはいるけれど、アグリイノベーション大学校事業部内では、はじめての広報スタッフの募集。仕事の進め方はどういう感じになるんでしょうか。
「会社のマネジメントのやり方が、組織図を逆さまに見るような感じなんです」
逆さま?
「一番下に社長がいて、一番上にいるのが現場の人たち。トップダウンではなくて、1人1人みんなが頭となって考えましょうっていうのが発想としてあります。『こういうのがやりたい』っていう考えを強く持っていたら後押しますし、それがすぐには難しいという場合は、みんなで考える場を作ったりしたいと思っています」
「あと、広報や広告だけじゃなくて、教室運営や受講生のサポートにも業務として関わってもらいたいんです。そうすることで、お客さまはどんな人たちかを直接知ることができて、情報発信にも役立つと思うので」
東京オフィスで働いている、農園事業部の田村さんにもお話を聞いてみる。
もともと大学で環境建築を学んだあと、新卒で不動産ディベロッパーに就職した方。
「行政折衝・近隣住民協議などマンション開発の仕事を6年ほどやったんですが、環境貢献・エコ・省エネルギーにつながる仕事に魅力を感じて、屋上緑化を手がける会社に転職して。その中で屋上菜園の事業に携わって。最初は野菜づくりや野菜そのものにもそんなに興味はなかったんですが、貸し菜園やイベントのサービスの仕事を通じて、そこではじめて自分で野菜をつくったりもしました」
「そうしたら野菜づくりを多くの方に楽しんでもらう、難しさや奥深さを知ってもらうサービスがすごく面白くてはまってしまって。結果的に今はマイファームで同じサービスをひたすらやっています(笑)」
自分が面白いと思ったものを、人にも楽しんでもらいたい。
「そうですね。農園事業をやってて、小さなこどもは自分が植えた緑色の苗に赤色のトマトの実がなるだけで感動する。土づくりや真夏や真冬の外での作業は大変ですが、それを乗り越えてお野菜を収穫する感動は何ものにも変えがたい。そんな利用者様の瞬間を間近で見れるんですよ。そういうところにやりがいがありますね」
約3000人ほどの利用者さんがいるレンタル農園を管理している、農園事業部。転籍されて、マイファームに入ってみて驚いたことはありますか?
「仕事そのものはイメージどおりでした。サービスの内容や起きることは、どこかで経験してきたことも多いです。ただ、それぞれのスタッフが、この仕事がとても好きなんだなと感じますね。『何が起ころうがやってやる』みたいなマインドがあって、ベンチャーらしいなって。20代の農を志した体力だけには自信がある若者ばかりではなく、経験あるベテラン勢とバランスよく体制を作っていて、組織として足場を固めている感じです」
農園事業部の仕事は、各農園を回る現場管理と、新規農園の開拓営業の2つ。今までは千葉や府中など都心から少し離れた場所に農園があったけれど、最近23区内でも新しい農園が始まったそうです。
「農地オーナーさんに、いきなり飛び込み営業するのは難しいので、まず不動産屋さんや税理士さんと繋がりをつくって紹介してもらっています。相続や税金の関係で土地を残したいという農地の所有者さんがいらっしゃったら、『ご自分で畑ができなくても、レンタル農園として他の方に使ってもらう活用方法はどうですか』とご提案していきます」
仕事に向いているのは、用地取得の仕事の経験がある方や、不動産屋さんや土地所有者の農家さんと話をするのを楽しめるような方だそう。
「同じ用地取得の仕事でも、その土地が商業施設になったり人がたくさん住んだりすることに意義を感じる人ももちろんいると思います。でも、その土地が農園になって、そこで畑仕事に触れることで、食べものがどうやってできるのかをこどもたちが学んだりすることにモチベーションを感じていただける方だったら、この仕事は面白いと思います」
仕事をしていて大変なこともありますか?
「自然のものを相手にしていますし、農家さんたちがパートナーなので、平日の9時から18時で完結するような仕事ではないですね。農家さんたちは朝5時の日の出から野菜を育ててらっしゃったりする。土日に休まれているわけでもないので、そのペースに合わせていく必要があります」
「あとは、転職してくると業務量に驚くかもしれません。関係する人やものが非常に多いんです。気候条件は日々違うし、季節も変わっていく。農家さんともお付き合いするし、体験農園の利用者さんともお付き合いする。ときには法人企業やメディアもあります。そうしたバランス感覚や人当たりのよさは大事かもしれないですね」
最後に、木本さんにどういった人と働きたいかを聞いてみました。
「まず、元気のある人。飲み会もわりと多いし部活のような雰囲気なので、みんなで働くことを楽しめて、元気な人がいい。あとはやっぱり農業に想い入れや夢がある人かな。お金を稼ぎに来ている人は、うちにはいませんね。仕事は仕事、生活は生活と分かれていなくて、スタッフはみんな本当に農業が好きです」
「でも、農業経験が必ず必要ってわけではないです。異業種からの転職がほとんどですし、社員には農業ビジネススクールの講義を無料で受講できる制度があります。知識はあとから身についていくと思う。毎月の社内研修でも収穫研修を行ったりするので、畑に出る機会もたくさんありますよ」
農業にはまっている人たちが集まっている、マイファーム。正直、仕事はラクではないと思います。即戦力として経験も求められるし、体力も必要そう。
でもきっと、農業が好きな人には楽しい会社だと思います。
自分が現場に飛び込むだけではなく、人の成長を支えるのが好きで、社会をもっとよくしていきたい。そして、農業にはまる人を増やしたい。
もしそう思ったら、ぜひ問い合わせてみてください。
(2015/9/11 田村真菜)