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当たり前をコツコツと

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

学力に関係なく、一人ひとりの生徒に向き合うこと。テストの点数が1点でも上がるように授業すること。悩んでいる先生の相談に乗ること。みんなが無理なく働くこと。

特別なことをしたり、できない要望を聞くではなく、必要とされていることにしっかりと応える。

それは“当たり前なこと”かもしれないけれど、日々積み重ねて継続していくことってなかなか難しい。

明青ゼミナールの浦本さんは「うちは、特別なことをできる塾ではまったくない」と話していたが、そんなことはないと思う。

誰にでもできる当たり前なことを、誰よりも多く積み重ねている。今回は、そんな塾からの募集です。

prf01 横浜・長津田駅の近くにある個別指導塾、明青ゼミナール

まだ開校して2年ちょっとですが、すでに定員でいっぱいの人気の塾です。

人気の理由は、授業内容はもちろんのこと、人に向き合うという気持ちがここで働く人たちにあるからだと思う。それは生徒だけでなく、働く仲間に対しても。

数値だけを追いがちなこの業界で、血の通った校舎づくりを心がけています。

今回募集するのは、そんな明青ゼミナールの教室を運営する教室長です。

入塾の手続きから三者面談、アルバイト先生のマネジメントまで。自分が生徒に直接教えるのではなく、生徒の成績が上がるような環境を整える仕事。

つまり、どんな人が教室長になるかで、塾の雰囲気だけでなく全体成績も大きく変わってくるといいます。

責任が大きい分、きっとやりがいはそれ以上のはず。未経験の方でも興味があったら、ぜひ続けて読んでください。

 
長津田駅の南口を出て、歩いて5分ほど。

白いマンションの1階に明青ゼミナールの教室はあります。

時間はお昼過ぎ。中を覗くと、まだ生徒がやってきていない様子。

ここで、代表の浦本さん(写真左)と教務の佐藤さんに話をうかがう。

prf02 明青ゼミナールを運営するのはPRF株式会社。

前の職場が一緒だった浦本さんと佐藤さんが立ち上げた会社だ。

「Process・Result・Future」3つの言葉を合わせたのがPRF。よい授業を行なうという過程だけでなく、塾として結果を出すのはもちろん、子どもの将来のことまで考えた指導を目指している。
ふたりのこれまでの職場経験から生まれた会社だという。

浦本さんは家庭教師センターを経て、前職では教室管理を担当。佐藤さんはこの道一筋、20年以上先生を務められてきた。

浦本さんを中心に話をうかがいます。

「自分たちならもっと納得できる形でやれるんじゃないかと思ったのが、会社を立ち上げた一番の理由です。入塾者数だけでなく、通っている生徒さんたちに満足してもらえているかもしっかり考えたい。営業職も教務職も成績を上げて、うまくやれる会社をつくれるんじゃないかなって」

明青ゼミナールでは小・中・高の子どもたちに向けて、個別指導形式の授業を行っている。

集団塾に比べて個別指導塾では、成績が順調ではなかったり勉強が嫌いな生徒の割合が多い。そんな子どもたちが「勉強は苦手でも、あそこの先生とならいいかな」と思えるような、アットホームな雰囲気づくりを心がけている。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA また勉強の指導では、次のように取り組んでいるようです。

「個別指導塾って『わからないところまで戻ります』と謳っているところが多いんです。たとえば分数が苦手なら、中学生の子でも小6の算数からやりますよって。でも、小6の内容を勉強して中学校のテストで点が取れるかっていうと、それは違う。進度が遅れている生徒が、いつ追いつけるかというと、それはだいぶ先の話になってしまうんですね」

「中学校の生徒が塾に来る理由って、基本的には中3の高校受験のため。それに間に合わなきゃいけないですし、その前に学校の成績も上げなきゃいけない。ですからうちは原則、いま習っている次のテストの範囲になるところをやるんです」

一人ひとりの生徒の学力とこれまでの成績をしっかり見て、いま学んでいる範囲でまずは40点をとりにいくのか、それとも70点なのか、あるいは90点を目指すのかなどを判断する。

まずは取るべき問題を見極めるなどした上で、できることからはじめて、だんだんと1点でも2点でも上げられる授業を行なっているという。

「そのスタイルは珍しいかもしれないですね。親御さんによっては、お子さんの現状以上の無理なことをやってほしいという方もいらっしゃるんですけど、その進め方だと成績に反映しにくいですよと、はっきりお伝えしています」

prf04 開校から2年。まだ多くの実績は出ていない段階だけれど、すでに生徒数は100人を超えている。一般的な個別指導塾では80人を超えると成功といわれるそうだ。

明青ゼミナールなら満足のいくサービスを提供してくれるのではないか。そんな期待で入塾してくれる生徒たちがいる。

最近では、ほかの塾に通っている生徒や、ほかの塾の体験授業もした上で、明青ゼミナールを選んでもらうことが多いという。

その背景に、浦本さんは「当たり前のことができてない塾って少なくないんです」と話してくれた。

「入塾いただいた方によそを選ばなかった理由を聞くと、先生が授業中にスマートフォンをいじっていたりとか、個別指導塾なのにこちらから質問しないと教えてくれないとかって言うんです。あるいは、そもそも学校の成績を上げるために通っているのに、ほかの学校の子とテストの時期がずれているっていうだけで忘れられたり」

「スマートフォンをいじらなかったり、テストを意識した授業をするのって、当たり前のことだと思うんです。実際、その塾でも7割のことはしっかりできているはず。けど、当たり前の事象が100回あったら100回しっかりやらなきゃいけない」

それって簡単なようで、なかなか難しいことですよね。

「私もそう思います。だけど、100回のうち70回できているからいいやって思うのか、100回のうち1回でもできていないことを大きな問題だと思えるかっていうのは、すごく大きな差だと思うんです」

「だから、うちは特別なことをできる塾ではまったくないけど、間違いなく他の塾よりは、当たり前のことを多く積み重ねようという意識を持っていると思います。誰にでもできることを誰よりも多くやるっていうのが、私の目指している方向性です」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 当たり前なことを当たり前に。たとえば明青ゼミナールで働く先生たちの就業時間のこともそう。

昼から夜にかけてのこの業界の仕事では、終電で帰れなかったり、休みの日がなかったりすることがある。

だけど明青ゼミナールでは、休日出勤はほぼ0。終電で帰れなかったことも1回もない。

授業を行なう先生たちのほとんどは、学生アルバイト。

マネジメントがスムーズになるように、ほとんどが英語も数学も教えられる人たちだという。

「先生の担当科目に限りがあると、先生と生徒の組み合わせの選択肢が少なくなってしまうんですね。だから両方ができる人をなるべく採りたいんですけど、それは決して採用基準ではないんです。やっぱり先生には奉仕の心が必要で」

というのも、手を抜こうと思えばできてしまう仕事なのだとか。

逆を言えば、頑張れば頑張るほどいい授業になる。教える側の心構えによって大きく変わってくるという。

「80分間とりあえずテキストを進めようとするのか、夏休みなのに来てくれたからには1個でも多くの知識を持って帰ってもらおうとするのか。そこは大きな違いなんです」

prf06 そういった心構えは教室長も同じだと思う。

教室長の仕事は広報、入塾案内、三者面談、担当する先生のマネジメントなど、教室の管理全般。

つまり、1人でも多くの生徒を入塾させて、入った生徒によりよいサービスを提供して、1日でも長く続けてもらうという仕事になる。

「塾を選ぶ基準って減点法でもあるんです。教室が汚かったとか、感じがよくなかったとか、挨拶ができないとか。親御さんがいるときだけちゃんとするんじゃなくて、普段からそうしなきゃいけない」

それは経験やスキルの話ではなく、人柄がでる部分だと思う。まわりに気を配れるか、相手のことを思いやれるか。

「調子のいいことを言えば、入塾してもらえるものでもないんです。このまえ『うちの子の成績は絶対上がりますか?』と仰っていただいたんですけど、絶対上がるかと言われたら、それはわからない。ただ『上げるためにこういうことは提供できます』と、その方のためにも正直に伝えています」

prf07 塾の運営というのは無機質になりがち。でも、そこに血を通わせるのが教室長の役割になる。

休み時間や帰り際に生徒とコミュニケーションをとって、様子をうかがう。今日の授業はちょっと不満だったのか、新しい先生との相性がよかったのか。そんな細かなところにも気づきフォローする仕事でもある。

「塾の教室って、教室長次第でほんとうに変わるんです。自分がいいなと思った先生を採用して、初期研修で先生の仕事はこうやるんだよと教えて、実際に先生が現場に立つようになってからも、こうやったほうがよりよくなるよと教えていく」

「自分が感謝される以上に、先生が感謝されたり、この先生に習いたいって言われることは、もう鳥肌が立つくらいうれしいです」

逆に、サービスに納得できなくて辞める生徒がいると、自己否定されるくらいショックだという。

そうなったとき、いろんな事情で仕方ないと思うのではなく、自分のやれることはなかったかを必ず考える。

「それぐらい一生懸命になれる仕事です」

 
そんな浦本さんの熱意は、学生アルバイトの人たちにも伝播している。

もともとは稼ぐための手段として明青ゼミナールでのアルバイトをはじめたという、大学生の村上さん。働くうちに、仕事への意識が変わったそうだ。

新しい教室長を迎えるにあたり、こんな話をしてくれた。

「完璧な人でなくていいと思うんです。教室長にひとり任せにするのではなくて、アルバイトも含めてみんなで協力し合っていけたらいい。みんなで一からつくっていくというのが大事なことなのかなと思います」

prf08 近々、明青ゼミナールは2つ目の教室を開校する予定だという。

ゆくゆくは、浦本さんは全体の管理にまわり、新しく加わる人は1つ目の教室か新しい教室の責任者になる。

教育や塾の経験がなくても、「マネジメント」や「人の成長」に興味がある人なら、きっとうまくやっていけると思う。もしかしたら、はじめてのほうが“当たり前なこと”に気づきやすいかもしれない。

小さな気づきが積み重なって、いい教室ができあがっていくのだと思います。

最後に、浦本さんから。

「通う方が満足してくれる、いい校舎を増やしていきたいと思っています。もちろん生活の手段として働くものだとは思うんですけど、そこに偏るわけじゃなくて、社会貢献に通じるように働いていってほしいです」

「うちはトップ校に何人受かったっていうのを目指す気はないです。どの公立高校にも行けないといわれたような方が合格するというのも、うちにとってはトップ校に受かるぐらい大事なこと。ほんとうに微々たる力ですけど、日本を支える人材を育てることにつながればとも思っていますので、そういったことにも共感できる方に来ていただきたいです」

(2015/9/5 森田曜光)