※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。
※Web企画営業スタッフの募集は終了。販売スタッフの応募資格を「未経験可(販売経験のある方優遇)」として、募集期間を11月6日(金)まで延長しました。老舗の会社、新しく立ち上がる会社。今回紹介する「麻平(あさへい)」には、そのどちらの顔もあります。
祖先が営んでいた麻問屋を、現代のライフスタイルにあわせて再出発。販売するのは、ヨーロッパ産のリネン(亜麻の織物)を中心とした製品です。
麻平があつかうテキスタイルブランド「アレクサンドル・チュルポー」を、新宿伊勢丹百貨店で販売するスタッフを募集。あわせて、神保町の本社に勤務する卸営業とWeb企画営業スタッフも募集します。
表参道駅から歩いて5分ほど。麻平のショールームで出迎えてくれたのは、代表の夏目真澄さん(左)と、社員の大串康子さん。

テキスタイル製品だけでなく、食器や香りの提案など、ライフスタイル全般の提案をしている会社だ。

このショールームも小売りをするショップではなく、商品の卸し先などへのプレゼンテーションに使われることが多い。
2005年に会社を立ち上げた社長の夏目さんにうかがう。

今年3月に伊勢丹がリモデルしたのを機に、麻平が扱う『アレクサンドル・チュルポー』のブースを、寝具コーナーに独立して設けることになった。
アレクサンドル・チュルポーは、フランスのリルで生産されている創業160年を超える高級リネンブランドだ。

デザインは現代のライフスタイルに合わせて変化している。色づかいが落ち着いていながらも、とてもバリエーションがある。
ベッド周りのテキスタイル製品を一式そろえると、シングルサイズで10万円くらいになる。もちろん、ひんぱんに買い替えるような製品ではない。

ブライダルやメモリアルのギフトとして、2万円台で10年近く使える上質なシーツを贈るのも素敵だと思う。
「アレクサンドル・チュルポーには、たくさんの製品があり、色のバリエーションも豊富です。この中から、私たちが総代理店となってテーブル周りとベッド周りの製品を選んでいます」
日本で人気なのは、どんな製品ですか。
「定番のホワイトのほかは、ピンク系とブルー系、紺系。やはり色のバリエーションが豊富というのは、ブランドの長所です」
麻平とアレクサンドル・チュルポーの出会いを聞くと、意外な答えが返ってきた。
「麻平の親会社は『株式会社夏目』です。この会社の創業が明治元年(1868年)なんです。長野の善光寺門前にある東町という問屋街で、麻問屋としてスタートしたんですね。そのときの屋号が『麻屋平助』でした」

「十数年前に『もう一回、麻に関わる新事業を考えよう』と社長が提案して、麻平の事業がはじまったんです」
その社長というのが、夏目さんの旦那さんだ。親会社が製品を輸入し、麻平が販売する役割になっている。
麻事業の復活を決めると、日本国内からはじまり、フランス、イタリア、リトアニアなどヨーロッパ各地まで麻製品を探し求めた。
「いろんなブランドにコンタクトした結果、アレクサンドル・チュルポーが現代的なライフスタイルを提案しながら、昔からある上質なリネンをつくり続けているのがわかったんです」
歴史をひもとくと、パリの老舗百貨店「ボン・マルシェ」(1868年創業)がオープンしたとき、同社の製品がすでに取り扱われていたという。
老舗企業、麻とリネン、百貨店。いろんな歴史が交錯していて、とてもユニークな話だ。
ここから、伊勢丹百貨店5階フロアの「アレクサンドル・チュルポー」で寝具を販売する大串さんに、現場の話をうかがう。

「販売員としてのキャリアはさほどありませんでした。これまでの職場では、営業と制作関係を担当していました」
グラフィックデザインを学んだ大串さんは、そのキャリアを生かせているそうだ。
シーズンが変わるごとに製品の組み合わせを提案する百貨店では、そのプレゼンのための資料や、簡単なカタログなどをつくることがあるからだ。
フルタイムで働く大串さんの仕事は、朝10時からはじまる。
「オープンは10時半です。その前にフロア全体の朝礼などがあります。お昼休みは1時間ぐらいとりますけれど、売り場のある仕事なので、お客さんの状況などでタイミングがずれることもあります」
夜8時に閉店。ディスプレイ替えや催事のとき以外、閉店後の売り場でそれほどすることはなく、やることがなければすぐ帰れるという。

「一般の店舗と比べると、特殊な環境だと思います。自分たちの売り場だけでなく、全体のルールを学習して仕事をする必要があります。慣れるまでは大変です」
「ただ、伊勢丹のように大きな百貨店だと、伊勢丹の社員の方が自分たちのフォローに入ってくれたりもするので、そういった面での安心感を感じています」
まだ日本での知名度が高くない、アレクサンドル・チュルポー。
どういうブランドなのか聞いてみる。
「難しい解説は最初にせず、ひと言で『フランスの老舗リネンブランドです』とご紹介します。伊勢丹ではニューフェイスですが、やっぱり歴史があるというのは、お客さんにとって安心感があるようです」
売れ筋の商品を教えてください。
「この『バスティッド』というシリーズです。2色づかいになっているところが人気ですね」

ただし、顧客の年齢層は幅広い。
「女性のお客様の割合が多いです。いちばん多いのが40代のお客様。あとは60代、70代の方もいらっしゃいますが、20代で『とてもかわいい』と一式そろえて買われるケースもあります」
百貨店の寝具コーナーには、ふらっと来るというより、しっかりした寝具の購入に興味のある人たちが訪れる。
お客様の要望を聞き、コンサルティングをしながらおすすめを探していく。小売店で大量販売する方式とは、まるで違う。
「いきなり『これください』というケースは、ほとんどないです。こちらから話しかけないと売れない製品だと思います」
「すると、お客様ご自身の経験から『これは洗うとシワになりますか?』とか『麻をよく使いますが、すぐにスリ切れてしまうんです』といった話をされます。そのあとで、フランスの生産状態や商品の質などを説明します」

大串さんは、自分で製品を使っている体験を説明する。それを聞くと、日本の都市部のライフスタイルにもピッタリあう気がしてくる。
「サラっとした感じがあるので、とても肌触りが気持ちがいいんです。リネンを日常的にご存知ないと、ちょっとゴワゴワしているとか、どちらかというとカタいイメージを持たれていると思います」
「だから、店頭に10年ぐらい洗い込んだサンプルで置いてるんです。『こんなに使いやすいものになります』という実例を見ていただくと、かなりイメージが変わりますね」

「あまりすぐに消費してしまうものではなく、大事に愛着をもって長く使っていけるものがいいものだと思います。もちろんそれに耐えうる素材とか、品質も大切なので、スタンダードなものとも呼べると思います」
どういう人に向いてるんでしょう。
「どこの売り場もそうかもしれないですが、フラットな感じの人でしょうか。さりげなく、相手の懐に入っていけるような人だといいなと感じます」
あらためて夏目さんに、百貨店販売スタッフとして募集する人材について聞きます。
「今回、二人の方に来ていただきたいというイメージです。一人はフルタイムで働いてくれる方ですが、週2、3日で5~8時間の勤務が可能の方も歓迎します」
これなら子育て中の方など、時短で働いたり、無理ないペースで働くこともできるだろう。ただ、百貨店という特性上、土日のどちらかには来てもらうことが条件になる。
「伊勢丹の店舗では、長くて2週間ほど、短ければ1週間に一回ぐらいでベッドのコーディネートも変えるんです。けっこうな頻度ですよね。それを閉店後にやらなくてはいけないので、そのときは二人のシフトを組んでやります」
この仕事に向いている人は、どんな人でしょう。
「いろんな人と対応できる人でしょうか。あまり好き嫌いのない方のほうが向いているかもしれませんね。やはり人とお話するのが好きな人でないとつとまらない仕事ですから」

まずはリネン製品の素直さと心地よさを感じに、新宿伊勢丹百貨店の売り場に足を運んでみてください。
(2015/10/16 神吉弘邦)