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ぬくもりのかたち

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

情報はあふれ、いつでもどこでも画面越しにモノが買える昨今。

そんな当たり前なことも見つめ直してみると、新しい利用体験が実現できると思います。

たとえば、インターネットで商品を買っても温かみを感じるサービス。

今回は長坂養蜂場から商品と一緒に「ぬくもり」も提供する仲間を募集します。

長坂養蜂場は昭和10年に創業した老舗の養蜂場。創業80周年の今年、三代目の長坂善人さんが代表をつとめ、浜松市は三ヶ日町にある店舗ではちみつの加工・販売をおこなっています。

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「ぬくもりをどうやって形にして届けられるかが大切になってくると思うんです。いかに全国のお客様に届けられるか、三ヶ日の町のよさを発信できるか。そんな想いをかたちにできる仲間がきて欲しいなと思っています」

そう話すのは三代目代表の長坂善人さん。

具体的には制作物ディレクターとWEBディレクター、接客スタッフの募集となります。

制作物ディレクターは、紙媒体を中心としたディレクター。WEBディレクターは自社運営サイトを中心としたディレクション業務となります。

また、接客スタッフは通信販売や電話対応、店舗などでお客様とやりとりをすることが中心となります。

特に制作物ディレクター、WEBディレクターは経験がある程度ほしいとのこと。

ただ、それ以上に長坂養蜂場から全国に「ぬくもり」を広げたいという気持ちを持てる、人間力を大事にしたいと話されていました。

どんな「ぬくもり」がここにあるのでしょうか。

 

静岡県浜松市。浜松駅から天竜浜名湖線に乗り換え奥浜名湖駅へと向かう。

進むにつれて自然豊かな風景が広がり、奥浜名湖駅に到着。電車を降りると空気がおいしい。

浜名湖を横目に歩くこと5分、黄色い大きな看板が見えてきた。

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さっそく店内へ入ると、はちみつの甘い香りがひろがる。

しばらく商品を見ていると代表の長坂さんが迎えてくれました。

とても気さくな方で、なんだかずっと話をしたくなってしまう魅力があります。

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名札を見ると『ぬくもりサポーター』という肩書きが。

「私たちの理念は『ぬくもりある会社をつくりましょう』なんですね。人を思いやる気持ち、細やかな心遣いを大切にすることでそこから生まれるぬくもりを社内から会社をとりまく人々に発信することを目指しているんです」

「だから、スタッフみんなの肩書きには『ぬくもり』っていう文字が入っているんです」

お客さまへ心からぬくもりを提供するには、まずはその熱意を社内のスタッフが体感しないとニセモノなってしまう。

長坂さん自身も、小学生の頃にぬくもりを体感したエピソードがあるそう。

「やんちゃばかりしていたある日、ものすごく怒られ、夜の養蜂場に連れていかれて大きな木に縛られたんです(笑)。親は帰ったと思っていたのですが、実は母だけ物影に隠れて残ってくれていたんです」

「反省していた帰り道、私は裸足だったのですが、母親も裸足になって一緒に歩きはじめて。痛いはずなのに一緒に裸足になってくれたことに、ぬくもりを感じました」

厳しいけれど、根っこにある本当の愛を感じた瞬間だったといいます。

「真のぬくもりは厳愛と慈愛のなかで育まれる。そういうあり方を大事にしたいと思い、ぬくもりという言葉を理念に込めたんです」

そうして理念を掲げて5年が経つ。

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ただ、新しく掲げたのには様々な経緯がありました。

「ここを継ぐ前に、2年半ほど取引先の企業で修行を積める時期がありました。そこで学んだノウハウをここでふんだんに活かそうと、とにかく全力で取り入れたんです」

商品企画から販売のノウハウを取り入れたことで、着々と売り上げの数字は増えていく。

同時に忙しさも増え、徐々に社内からぬくもりが消えていく状況にも陥っていく。

「スタッフのペースも考えずひたすら働いていたら温かみもなくなり、なんのためにやっているのかわからなくなってしまった」

「ギスギスした空気に、ようやく自分が間違っていたことに気づいたんです。一番大事なのは従業員とその家族でした」

そうしてつくり直した理念が今のものになる。その際、ある冊子をつくることに。

「『長坂の想い』という小さな冊子です。飾りではなく仕事や日々の生活のなかで落とし込んで、自分だけでなく自分に関わるみんなが幸せになることを目指したいという思いで作成しました」

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「たぶん、いろんな方向に向いていた矢印がひとつに定まったんでしょうね。それ以降は何をしても会社全体で学んだり、スタッフみんなで学んだりすることを心がけています」

あのとき自分が感じたぬくもりを、かたちにして提案したい。そして、スタッフみんながぬくもりをかたちにすることを学んでほしい。

そんな思いが実際の会社運営にも反映されています。

たとえば、毎週水曜日におこなっているという『ぬくもりの日』。

「お店は休みですが、スタッフは全員出社日なんです。全員で地域清掃をしたり、ミーティング研修や勉強会をしたりする日にしていて。ささいな時間かもしれないですがお互いの顔を合わせて仕事することの大切さに気づく時間になっている気がします」

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もちろんスタッフだけでなく、お客さまにも感じてもらう。それが何よりの目的であり、長坂養蜂場が目指すかたちだ。

商品を買うことで、ぬくもりを体験してもらう。

それは感情が伝わりにくい電話やメール、ウェブでの対応でこそ重要になってくると考えた長坂さん。

今回の募集は、そこでぬくもりをかたちにする役割を担う存在だと話します。

「できる限りお客さまとコミュニケーションをとりたいという思いから、意識的に直接販売と通信販売の2軸で展開するように考えています。通販でも全国のお客さまと繋がって、いつかこの三ヶ日に来たい、スタッフさんに会いたいと思ってくれるような通販を目指しています」

「たとえば電話対応の際に、電話ごしに子供の声が聞こえたら塗り絵を入れて『子育て頑張ってくださいね』って一筆入れたり」

そういった小さなことでも、ぬくもりをいかに届けるかがポイントになってくる。

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具体的にはどういった内容をイメージしているんでしょうか。

「そもそも、ハチミツを意識的に検索して購入する機会はほとんどありません。ですから、はちみつの魅力をお客さまにコンテンツとしてかたちにできるかが重要だと思います。お客さまに具体的な価値として伝わるコンテンツづくりや企画を考えられる人がいいですね」

 

ウェブの中でどれだけ自由度のある企画を発信し、長坂養蜂場の価値観を築けるか。

実際にデザイナーとして働いている加藤さんにも話を伺ってみることに。

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加藤さんは長坂養蜂場で唯一のデザイナー。入社してまだ半年ほどですが、現在は商品のパッケージデザインから社内報まで手がけています。

「実際に入社してみると、あらためて蜂蜜のよさに気がつきます。ミツバチと人が寄り添って生まれる蜂蜜は、突き詰めるととても深いなと思うんですよね。その蜂蜜をデザインとして関わる意味というか、面白さはありますね」

「いまは社長や専務の未来への想いをもっとかたちにしつつ、寄り添えるような仕事をしていきたいと思います」

目の前の仕事だけではなく、未来の長坂養蜂場のビジョンを、そしてぬくもりをデザイナーとしてかたちにしていく。

また、小さな会社だからこそ可能なことも多いようです。

店舗と事務所が併設しているので、できあがった商品はすぐに並び、売られる。お客さんの反応をすぐに確かめられるよさもあります。

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「すべての部署がぬくもりを提供できるように努力しています。たとえば製造や発送の部署でも季節によって工夫をこらしています。みかんの時期だったら摘んだ花を商品袋に入れて、袋を開けると香りがするようにしたり」

「お金をかけずに手間ひまをかけて、三ヶ日やぬくもりを感じていただく工夫を全スタッフが努力していると思っています」

スキルよりも、人として感謝や熱意を大事にでき、だれかの役に立ちたい、かつ自分も成長したいというマインドがここでは求められるのかもしれない。

「単に売れるだけや人が集まるためだけにつくるのではなくて、ぬくもりの波紋を広げていく目線でデザインをやっていく。そんな楽しさを共有できるチームができればなと思います」

そう考えるとデザイン視点で動き回れる人がいいんでしょうね。

「そうですね。仕事に想いを持ってぬくもりをかたちにしようと試行錯誤できる人が向いていると思います。ひたすら売り上げやデザインだけを突きつめたい人は難しいかもしれません。人格を磨ける場所でもあるので、そういう場で働けることによろこびを感じられる人じゃないと続かないのかな」

 

また、今回は通信販売を中心とした接客業務スタッフも募集する。

「ここでは『ぬくもりコネクター』と言って、お電話やウェブを通してお客様と心を通わせ、絆につなげる『通心絆売』を目指しています」と長坂さんから紹介を受けたのは、通信販売スタッフとして働く犬飼さん。

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以前は介護師として働いていた犬飼さん。販売スタッフという未経験の仕事でも、長坂さんが丁寧に教えてくれたという。

「自分の接客が商品に付加価値をつけていると思いました。とくにインターネットでの注文を扱うので、声だけではなくて、活字でもどれだけ想いを伝えられるかが大事になりますね」

どんな人が向いているのでしょうか。

「素直な気持ちでお客さまと向き合える人ですね。店舗でしたら直接会って話ができるんですが、電話ではもっと感情を表さないと伝わらない。定型文はありますが、それだけの対応だとなんだかさびしいですし、もっと何かできないかなと常に模索しています」

「どの部署もやることは違っても一番先に考えていることはお客さまのために何ができるかということです。どんな仕事も、同じ気持ちだからこそ同じように行動できるのかなとは思います」

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最後に長坂さんの印象的な言葉を。

「小さな田舎の会社でも、自分たちにできることを精一杯やっていくことで、ぬくもりの波紋がスタッフや家族、お客さま、地域、日本へと広がっていければいいですね」

「そう考えると、家でも地域でも仕事場でも、『やり方』ばかり学ぶよりも、根にある人としての『在り方』を大事にしてほしいなと思います」

小さな気遣いでも、日々できることを精一杯やっていくことで、ぬくもりの波紋が広がっていました。

(2015/12/1 浦川 彰太)