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ムーブメントをプロデュース

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

たとえば、廃棄物でつくった自転車が大流行したり、折り畳み傘がトレンドファッションになったり。

意識や感度のたかい人たちが街の活性のために話し合い、毎日何かが動きだす。

これからご紹介するホテルは、そんな世の中に変えてしまうかもしれません。

最先端のトレンドを発信する地で、新たなホテルをつくろうとしているのは、株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ。もともとは結婚式のプロデュースをしてきた会社です。

新規事業の立ち上げをするTRUNK事業部で、ホテルの業態開発をする人を募集します。

差替1 新たなホテルのプロデュースをする仕事。

これからつくっていく新しいホテルで、社会にムーブメントを起こせるかもしれません。


お話を伺ったのは本社の入っている品川区のビル。

代表の野尻さんは、ブライダル業界のイメージとはちがい、スーツでもなければ堅い雰囲気もない。少年のような無垢なパワーを感じる人。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA はじめに、自身の生い立ちについてお話ししてくれた。

「僕ね、生まれてからずっと、ムーブメントをつくることがすごく好きなんです」

なんと野尻さん、はじめて社会にムーブメントを起こしたのは中学生のときだという。

「当時『ウォリアーズ』っていうギャング映画が流行っていて。主人公たちがチームごとにエンブレムの違う革ジャンを着て、リーバイスの501とエンジニアブーツを履いていて。『かっこいいな!』って思ったんです」

高校生も大学生もケミカルウォッシュのジーンズやスタジャンを着ている時代に、ギャング映画のファッションに憧れた野尻さん。当時いっしょに渋谷のセンター街であそんでいた、いろんな中学校のリーダー格とウォリアーズをやろうと決めたそう。

「でも当時革ジャンは親に買ってもらわなきゃダメなんだよね。だからみんなに『ジャンパーに学生番号をつけて、親には学校からの指定のジャンパーと言ってください。買うのは新宿のアメリカンブルーバードっていう古着屋さんにしてください』って言って」

「僕はそこのおじさんと仲が良くて。みんな革ジャンを買いにくるから、お小遣いちょうだいって言っといたんです。はじめは信じてもらえなかったけど、みんなが買いにきて」

「かっこいい中学生になろうぜ!」というビジョンを示した野尻さんたちの活動は他校へ広がり、相当な人数にまで波及したそう。

そして徐々に、渋谷一帯でみんながその格好をする”流行”になっていく。

いつのまにか大人にまでひろがりを見せて、渋谷カジュアル「シブカジ」という“文化”になった。

「若者の間で、かっこよくなりたいっていうニーズがあったんですね。それを形にしたら、ニューカルチャーまでつくりあげられて、自然とみんなによろこんでもらえることに気づきました」

「ムーブメントをつくるという原体験です。アドレナリンが凄い出るし、こういう気持ちで大人になっても仕事してたいなって思ったんです」

ムーブメントをつくったお話は、聞いているこちらまでワクワクしてしまう。

ウエディングの会社を立ち上げたのも、それまで日本にはなかった一棟貸切のハウスウエディングという、新しいスタイルをつくりたかったからだそう。

数年でブライダル業界にもムーブメントを起こした野尻さんは、よろこぶお客さんの顔を見て、とってもうれしかったと話してくれた。

ブライダル 次はホテルでムーブメントを起こそうとしているテイクアンドギヴ・ニーズ。

今度はどんなムーブメントが起こるのだろう。

「僕は日本人の意識変革にメスを入れたい。格好いいソーシャライジングの道しるべを、このホテルでつくりたいと思ってるんです」

“ソーシャライジング”というのは「ヒト・モノ・コトをつなげることで新しい社会的価値を生み出し、社会と人を元気にするために活動すること」と前置きした上で、野尻さんはこう続ける。

「たとえばモンゴルに会社の会長がファーストクラスで行って、木を植えたりする活動がありますよね。木を植えることは素晴らしいことだけど、僕にはすごく違和感があって」

「もっとひとりの人間として社会に役立てることってあるし、企業の社会的価値を向上させる取り組みって目の前にいっぱいあると思うんです」

無理をして社会的な活動をしようとしなくても、等身大で自分の身近なところから参加できることはたくさんある。それは企業も個人も同じだという。

いまの自分にできるソーシャライジングって何だろうと考えていたら、ホテルのコーヒーショップの計画を話してくれた。

「たとえば地元の焙煎所と一緒に安くておいしいコーヒーをつくろうと思っていて。そこのコーヒーを1杯お買い上げいただいたら、料金の10%を渋谷区の社会的活動団体に寄付させてもらうんです」

「あとは廃棄自転車でつくったオリジナル自転車をレンタルサイクルにして、地元のクリエイターの人たちに開発してもらった蓄電器をつけるんです。漕いでたまった充電で、コーヒーショップの電気を賄おうかなって思っています。その自転車を借りてくれた人たちはコーヒーがタダなんですよ」

ソーシャライジングモノ 自転車 あくまで“格好いい”ソーシャライジングにしていくという。オリジナル自転車のデザインにもすごくこだわっているそう。

新たなホテルは、ソーシャライジングをわかりやすく提案してくれる場所でもあるようだ。

「工房やお店をもつための資金がないクリエイターがたくさんいるから、そういう人たち向けに工房をつくろうという話もでました。街が活性するためのミーティングをする人たちには、場所を無償提供するとかね。もう何屋さんかわからないんです」

ホテルは既存のイメージにとらわれず、社会的な活動に興味をもつ人たちが集まる場所になっていく。

差替2 それはまるで、子供の頃に気の合う仲間がつどってワクワクをたくらんだ“秘密基地”のような場所。

そこには思いもよらぬ発見や、クリエイティブな活動につながる新たな出会いがあるかもしれない。

「日々の取り組みが企業の評価ポイントになる時代がやってくると思っています。再生紙やフェアウッドを使ったり、もっともっと目の前にあることへの取り組み方によって大企業も変わっていくと思うんですよ。それが個人にも落ちていって、口にするものや身につけるものの趣向が変わっていく。そうするとすごく豊かな日本になる気がするんです」

等身大で社会的活動をおこなうことがステータスになったとしたら、それはすごく豊かなこと。

TRUNK事業部では「独創・革新・誠実・貢献」の4つをコアバリューにしているという。

新しいホテルは誠実で貢献心が強いことはもちろん、独創的で革新的でないとイノベーションを起こしていけない。

このホテルでやろうとしているのは、世の中の価値観を変えていくことだと感じた。


社会にムーブメントを起こすためには、たくさんのアイディアを生み出さないといけない。

TRUNK事業部は現在15名。代表の野尻さんが率いるこのチームは業態開発をふくめ、不動産開発をする人や、マーケティング&セールスをする人など、ひとつの会社としても機能するように構成されているという。

続けて紹介したいのは、TRUNK事業部で業態開発を担当する市川さん。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 新しく入る人は市川さんのもとにつくことになる。

市川さんはホテルの計画が始動したころからプロジェクトを進めてきた中心メンバーのひとりだそう。

業態開発スタッフはどんなことをすることになるのだろう。

「ホテル全体のコンセプトをベースにレストランやコーヒーショプ、宿泊施設それぞれのコンセプトやターゲットを決めて、具体的な商品やサービスに落としこんでいくことになります」

これには相当なリサーチ力が必要になるという。というのも、これからやることは前例のないこと。ホテル業界に限らず、世の中のあらゆることがヒントになり得る。

さまざまなライフスタイルに興味があって、人脈をつくって実際に活動している人は向いているかもしれません。

「社内外問わずいろんな方と接点を持つので、自分と相手の意見を足し引きすることが出来るフレキシブルな判断力や柔軟性が必要になってきます」

「学者的知識というより対人感受性みたいなものが大事な仕事です」

新しいものを生みだすためのヒントは、たくさんの人とのかかわり合いのなかにあったりする。

差替3 明るく流れるように話す市川さん。てっきり社交的な人かと思ったら、そうではないみたい。

「こう見えて人見知りであんまりオープンマインドじゃないんです。だけどリサーチのために人脈を広げることには意味を感じてるんですよね」

知らないものに興味をもつことや、まわりの人を巻きこんでいくことに意味がある。

市川さんの考えは、ホテルのあり方にも通じるような気がする。

仕事風景1 どんな人と働きたいかを聞いてみた。

「企画することが好きで、それをカタチにするまでの実行力と責任感がある人ですね」

「もちろん仕事なので時間や成果物の期限は守ること。今までにないホテルの業態開発を楽しみながら、独創的・革新的なアイデアを考えて欲しいです」

市川さんはこう続ける。

「僕も野尻も100点満点を常に出す優等生をとりたいわけじゃないんです」

「このプロジェクトをやる中で得たことなんですが、考えるだけじゃ答えは出てこないんですよ。ある程度考えたら、己を信じてアクションしていける人がいいですね」

差替4 世の中にムーブメントを起こすのに、なにが正解かはわからない。

いままで積み上げてきたことが次の日には違っていた、なんてこともあるかもしれない。

求めるのは、それでも答えを探し続けられる人。

世の中をよくするムーブメントが起きる、そんな現場に身をおくことはきっとすごく刺激的だと思います。

自分もさっそく動こうと思えた人は、ぜひ応募してみてください。

(2015/12/21 遠藤沙紀)