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コミューンをつくる

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

とある新製品のプロモーションや、シンポジウムなどが開催されているイベントの様子など、メディアに取り上げられているのを目にすることがたまにあります。

しかし、そういった場はだれがプロデュースしているのか、考えたことはありますか?

01 株式会社アイ・コミューンは、イベントや展示会をプロデュースする会社です。

そのなかでも企業のアワードイベント、プロモーション、展示会・見本市などの企画・実施運営をしています。

一緒に様々なイベントや展示会の空間をつくる人を募集します。

具体的には「インセンティブ事業部」と「展示会事業部」という2つの事業部に分かれています。

インセンティブ事業部は、企業のアワードイベントやキックオフイベント、創立記念パーティーなど、目標達成を讃えるとともに、次なる目標への意欲を刺激し、引き出す空間を演出する仕事です。

展示会事業部は、国内外の業界団体、官公庁、各機関が主催する見本市や展示会、企業主催のプライベートショーを通し、様々な出会いの空間を創出する仕事です。

どちらも経験の中で進め方やコツをつかんでいって欲しいとのこと。

求めること・求められていることをコミュニケーションから読み取り、形にすることが大事になってくるのかもしれません。

02 自分が手がけた展示会やイベントから、たくさんの出会いや喜びを生みだしたい。イメージをかたちにすることで、多くの感動やきっかけを描きたい。

そういった思いがかたちになる環境がありました。

 
東京都千代田区。

東京メトロ丸の内線、淡路町駅から歩いて1分もない場所にアイ・コミューンが入る建物が見えてきました。

迎えてくれたのは代表の黒田さんと、インセンティブ事業部の今江さん、展示会事業部の馬場さん。

「インセンティブ事業部のようなイベントを手がけている会社は東京に数えるほどしかないんですよ」

そう教えてくれたのは代表の黒田さん。学生の頃、アルバイトとしてイベントを企画する仕事に関わったのがきっかけで、イベントをプロデュースする世界へはいる。

03 そのまま社員として20年ほど経験を積み、2005年にアイ・コミューンを設立しました。
「この業界、はじめに働いていた会社から独立した方が私以外にもたくさんいて、いくつもの競合があるんですよ。その中でも特化してインセンティブ事業をしている会社は珍しくて」

インセンティブ。

聞きなれない言葉だったので、具体的な仕事内容をきいてみる。

「インセンティブ事業部は、企業の表彰式や式典、パーティー、講演会などの企画をプランの提案から本番当日の運営までをトータルプロデュースする部署です。それらを基本的に一人で企画制作、営業をおこなってもらいます」

「たとえば作家さんと一緒に考えるといったことはしていなくて、台本を書いたりスケジュールを組んだり、演出をしたり、舞台監督をしたり。いろんなことを幅広く手がけられる仕事ですね。自分のイメージですべてを手がけることのできる環境は一つの強みだと思います」

それに比べ、展示会事業部の仕事内容や進め方は異なるようだ。

「展示会事業部は、一つの展示会に一年かけて取り組みます。クライアントは主催となる国内外の業界団体・官公庁の他に出展・来場する企業、団体です。さらに一般のお客さんが出入りする展示会では告知や運営体制なども変わってきます。幅広いターゲットが的確にマッチングすることを考えるには、その業界に精通していることも必要です」

「また、企画・運営以外にも施工・電気・給排水・警備など幅広い知識が求められますね」

04 今回募集するのは営業および企画制作。仕事に取り組むなかでどういった人が向いているんでしょうか。

「胆力がある方ですね。積み上げてきたものがお客さんの意向で簡単に崩れてしまう場合もあるんです。そのときに1から積み直すことになっても放棄しないで、取り組める人ですね。あとは幅広い世代の方とコミュニケーションをいかにとってきたかということです。上の人ともうまく会話ができる、バランスのいい方が向いていると思います」

「スポーツにたとえると、協力会社の方や当日のスタッフをまとめられるようなスキルが求められるインセンティブ事業部はチーム競技。個人のスキルが求められる展示会事業部は個人競技のイメージかな」

特殊な業界のため、仕事のペースに慣れるまでには時間がかかるかもしれません。しかし、ひとつずつ目の前の課題をこなしていくうちに、自然と経験やスキルが身につく仕事だと思いました。

 
実際にインセンティブ事業部と展示会事業部で働く二人にも話を聞いてみました。

「正直最初は何をしているかわからなくて、辛いと思いましたね」

そう話してくれたのはインセンティブ事業部の今江さん。

05 「業界に入った1年目は仕事の内容も理解できないなか、ひとりで進行していかなければいけない状況で。何がわからないかがわからない状態で進んでいくので、先輩には怒られてばかりで」

「でも現場が終わってお客様からありがとうという言葉や、良かったと言ってくれると、やってよかったなと思えて」

手探りで進めていくなか、印象的な出来事も。

「2年目に入ったときに、1年目に担当していた企業を企画の段階からプロデュースしたことがあったんです。まだサポートを受けながらだったんですけれども。イベントが終わったあと、感謝の言葉と同時に『次回はまた任せたい』という言葉をいただいて。達成感と手応えを感じましたね」

「アイ・コミューンに入って、自分のなかで仕事への取り組み方が変わった気がしていて。何がどうって具体的に言葉にはできないんですが、今の取り組み方はアイ・コミューンに入ってから形成されたと思っています」

06 自分のなかで仕事に対する「やり方」が生まれた。

そしてもうひとつ、印象的な出来事が。

「あとは3.11のあと、軒並みイベントがなくなっていったときがあって。インセンティブイベントって社内イベントや表彰式をおこなうことで会社全体のモチベーションをあげてもらうためのイベントなんですけど、それが必要なのか?という空気に直面した時期もありました」

「それでもだんだんとイベントは増えてきて。イベントが終わったときに皆さんの『明日からまた頑張ろう』っていう表情を見ると、必要なんだなと思えることが最近多いんです」

はじめは大変だと感じていた仕事も、一つ一つ自分の手で手がけていくことで、向き合い方が変化していくようだ。

多くの人が求めている場を自分のイメージで形にすることで、たくさんの「つながり」や「喜び」が生まれる。

ひとつの場から多くの可能性が生まれていく。その場面に立ち会うことはひとつの醍醐味かもしれない。

仕事は具体的にどういった進め方をするんですか。

「既存案件については、イベント終了後、次回に向けてのヒアリングをはじめ、企画提案をおこないます。長いものでだいたい一年がかり、短いと三ヶ月で開催に向けて進めていくという形になります。新規案件の場合はイベントの主旨を聞き、それに合わせて企画書を制作し、プレゼンをおこないます。採用されれば再度ヒアリングを重ね、最終形に仕上げていきます」

「それら含め、当日の設営からディレクションまでを責任者として一人で全うしていく流れですね。同時進行で、複数のイベントが重なることも多いです」

同時にイベントを複数抱えるのはかなり大変だろう。それでも、続けてこられたのには理由があるようだ。

「最初から最後まで、自分で完結できるんです。自分の責任において企画をつくるし、提案もする。イベントもディレクションできる。他の業界だとそこまで任せてもらえる仕事は少ないのではないでしょうか」

07 「大きいイベントでも自分のイメージが形になる面白さがありますし、先が見えないワクワク感が面白かったりしますね」

そんな環境で、どういった方が向いているんでしょうか。

「やっぱり気が利くということですよね。思いやりがあるというか、人のことを考えた上で演出や内容を考えるので」

「あとは音楽好きも歓迎です。イベントを行う中で選曲もあるし、演出で欠かせないので。映画・音楽・バンド…とにかく多趣味であれば良いですね。仕事以外でのことが仕事に影響すると思います。好奇心旺盛なひとであれば楽しい環境だと思います」

 
続いて展示会事業部の馬場さんにも話をうかがう。

08 「以前は雇われている意識で働いていたんです」

代表と話せる距離感や少人数という環境だったアイ・コミューンに入ったことで、働くということに対しての価値観が変わったそう。

「人に雇われているという感覚から、この会社をより良くする方法を考えたいと思いはじめましたね」

そんな考え方は、展示会事業部ではとても重要になってくる。

「たとえば上司からある資料が欲しいと言われた際にも、その発言の背景やなぜそれが求められているのかを全部考えた上で出すことで、リズム良く仕事が進むと思うんです」

「求められている情報をしっかりと自分の頭の中で考えて、どんな資料を見せることで効果的になるかをきちんと裏付けを持って提案できる提案力やコミュニケーション能力が必要なのかなと」

何もない空間に展示ブースや来場者をイメージさせて提案をする。

たとえばボールペン一本でも多くの付加価値を与えて相手に営業するといったことができることが求められますね、と馬場さん。

調べ方ひとつにしても、ディテールまでつめて徹底的に取り組める姿勢が、展示会という空間を演出する第一歩なのかもしれない。

09 「どこかで楽をしようとか、こんなもんだろうっていう隙があると、今まで積み上げてきたものが崩れてしまう。相手のことを考えた上で自分ごとのように求められている要求に応えられる人が向いていると思います」

「誕生日にサプライズを企画したり、学生のころに学祭に参加していたり、結婚式などの企画をするのが好きな人は楽しい仕事になると思います」
10 展示会やイベントという演出を通して、相手に具体的なシーンを想像させる。そして、そのシーンをかたちにすることで、さまざまな可能性を生み出せる仕事がここにはあると思う。

最後に黒田さんの言葉を。

「『コミューン』という言葉には『集まる』という意味があって。私たちが手がけるイベント会場も一つのコミューンですし、クライアント、手伝ってくれる協力会社の方々もそう。私たちのチームもひとつのコミューンとして動けたらなと思います」

(2016/1/8 浦川彰太)