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「なんにもない」を活かす

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「なんにもないけれど」とうたった募集からちょうど一年。

新たに鹿児島県志布志市の地域おこし協力隊を募集します。

前回の募集によって8名の地域おこし協力隊の方々が志布志に移住し、さまざまな活動をおこなっています。

そこに共通していたのは『なにもない』という環境をうまく活かしているということでした。

01  
志布志駅は日南線の最後にある無人駅。そのため、宮崎県南部を縦断する路線に乗りようやく到着。

鉄道での交通は決して良いとは言えないが、大阪と志布志を結ぶフェリー「さんふらわあ号」が就航していたり、鹿児島空港からバスも出ていたり。

どちらにしても、車がないと不自由な暮らしになることは間違いない。

駅で迎えてくださったのは地域おこし協力隊を担当している津曲さん。

02 (1) いまは志布志の地域おこし協力隊の業務をはじめ、婚活支援や移住支援などを担当しています。

昨年、日本仕事百貨で地域おこし協力隊の募集をおこない、ちょうど一年が経とうとしている。

「最近ようやくこれまでの活動を見渡せるようになったという印象がありますね」

これまではとにかく協力隊のメンバー含め、みんなでひたすら走ってきた。

いかに日本の地方で進む人口減少を緩やかにしていくか。その対策のひとつとして地域おこし協力隊の役割は大きい。

「ただ、志布志の協力隊として地域を盛り上げるだけに注意すればいいとは思ってはいません。地域おこし協力隊として志布志市に移住される方々は、当然自分の人生を大きく左右する出来事だと思っています。だからこそ、仕事で収まるのではもったいないと思うんです」

決断してくださった志布志市の地域おこし協力隊の気持ちに、自分がどういったサポートができるか。

津曲さんの言葉からは、働くことと同時に、暮らしのことなども常に考えて動いている熱量を感じました。

 
車で移動すること数分、志布志市役所の志布志支所に到着。

はじめに話を伺ったのは、学校教育課の梶原さん。

とてもわかりやすく説明してくれる姿からは熱意を感じる。

03 「志布志市では、平成28年度から小中学校の授業にタブレット端末を利用した授業を導入しようと考えているんです」

目標は、全学校に最大人数分のタブレットを導入して学力向上に貢献するということ。

「しかし、実際にタブレットを導入しますとなったとき、ちょっとした動作の確認などでも戸惑いがあるのは確実なんです」

そこで役割を担うのが今回募集する職種のひとつであるICT支援員。

IT・タブレット端末指導員として、梶原さんからアドバイスをもらいつつ、志布志にある全21校の小中学校を中心に働くことになる。

「基本的には授業中の支援になると思います。授業中に子どもたちや先生がわからなくなった際に支援したり、先生方のタブレット使用法の指導をしたり。そんなときに、アドバイスをするといった業務が大きな仕事になると思います」

また、ICT支援員の仕事に合わせて学校のホームページ作成におけるアドバイスなどの役割もおこなう。

「志布志の小中学校はホームページが充実している学校とそうでない学校の差が非常にあるんです。これをすべて統一することにより、学校からの情報発信を充実したものにしたいと考えています」

ホームページを製作する上でのサポートをはじめ、コーティングや構築などのアドバイスも大きな仕事になるため、専門的なスキルが求められるはず。

さらに、今回の募集に関しては自分自身で動いていく能力が最も重要になってくる。

というのも、地域おこし協力隊の最終的な目標はICT支援員をしながらも、志布志に定住するということ。

04 「志布志だと林業や農業といった仕事はあっても、ICT支援員として働いたあとに、どのようにこの町で働くかということがイメージしにくいんです。そこは大きな課題になるかと思います」

地域おこし協力隊としてどのように志布志と関わっていくのか。自分自身で探っていけるような推進力が必要になるのかもしれない。

実際に地域おこし協力隊になった方々は、与えられた仕事以外にどんな動きをしているんでしょうか。

「地域行事に参加するといった活動が入ってくると思います。たとえば昨年入られた協力隊は、それぞれが抱えている業務をおこないながら、全体で別の業務もおこなうといったスタイルでした」

別の業務とは?

「志布志の花火大会では、生中継をして配信しましたね。メインの業務をやりながら、地域に関わっていくアイデアを模索していくことになります」

働いていくなかで地域に関わっていく。

もしかしたら、学校内で保護者や子供たち、学校の先生とのコミュニケーションを通して、志布志に足りないものが見えてくるのかもしれない。もしくは地域にはない新たな技術を引っ張っていくというポジションなのかもしれません。

「志布志は田舎ですので、ITの事業なんてまだ不毛の地に近いと思います。そういった環境で仕事をつくり出せる人にとっては可能性があると思います」

 
志布志に移住することで、どんな働き方ができるのだろうか。

実際にIターン移住者として志布志でカフェを経営している場所を案内していただくことに。

志布志支所から歩くこと数分、着いたのはカフェレストラン「Le cafe du reve (カフェ・ドゥ・レーヴ)」。

迎えてくださったのは、佐野陽彦さんとさゆりさん。

06 「志布志にはヨコミネ式保育園といった環境をはじめ、ゆっくりとした時間のなか、広い空の下で、子どもの成長を見守ることができることに魅了されました」

「その一方で、仕事探しには苦労しました。男性がやる事務系の仕事がなかなか見つからないんです。基本は肉体労働しかなく、0から事業をはじめるのも相当大変でした」

仕事に迷いながらも、休憩がてらお茶をしに行こうとしたところ、近場にはチェーン店のカフェしかないことに気づく。

そこで、自分でやってみようと思いお店をはじめる。手探りではじめながらも、オープンして三年が経ちます。

地域おこし協力隊の憩いの場になっているカフェは、地域にはかかせない場所になっていました。

07 「地域おこし協力隊の方が『うちがあって良かった』と時々きてくださるんです。ほかにも長期休暇で志布志へ帰ってきているお客さんや移住者がこういうお店があって良かったと言ってくださるのがとても励みになっていますね」

「コミュニティの狭さに慣れるまでは苦労しましたね。そんなときに気づいたのは、自分たちがやりたい事を常に持っていれば問題ないということです」

やりたいことを常にもつ。

「まわりの評判や助言はとてもありがたいのですが、ときに自分の芯がずれてしまうときもあったんです」

「ただ、田舎だからこうしなきゃいけないっていうことはなくて。自分たちがこだわりたい事をしっかり意識したらお客さんたちも自然と賑わってきました」

東京だと当たり前だと思っていたことが、ここでは当たり前ではないことも多い。

小さなコミュニティだからこそ、自分がここでどう生きられるかを考えられるかが大事なんですね。

 
続いて話を伺ったのは岡さん。

08 芸術大学に通っていた岡さんは、そのスキルが活かせると思い志布志市の地域おこし協力隊として移住。

現在はイベントのチラシやポスターのデザイン、ホームページの更新など外に向けたPRを担当している。

「もともと外へ向けたPRが弱いと思っていたので、自分のスキルを活かしてさまざまな情報発信をしています」

いま携わっているのは、志布志のお土産品。

「志布志には代表的なお土産品がないんです。今はお土産のスイーツをつくるコンテストの担当をしています。たくさんの応募をとりまとめ、開発に向けて動いているところです」

その一方で大変なこともある。

「イベントが多くて、土日がなかったりする月もあります。突発的なイベントに関わることが多いので、時期によっては毎週つぶれたりすることもありました。楽しかったのですが、肉体的には大変でしたね」

今活動している地域おこし協力隊と、これから入る方々との関わりが生まれると思うのですが、どんな地域おこし協力隊になっていきたいですか?

「まだ仕事をこなすのに精一杯なので、自分たちで動いていき、志布志のためにいろいろと挑戦していきたいですね」

 
さいごは本庁へ移動し話を伺う。

迎えてくださったのは企画政策課の小松さんと農政課の市川さん。お二人とも岡さんと同じく地域おこし協力隊として5月に入社した。

まずはじめに小松さん。

09 「地域おこし協力隊の仕事として印象に残っていることがあって、市川さんと二人で中学校の親子に進路相談のお話をさせていただく機会があったんですよ」

「今までの仕事や経験を話したのですが、その後の感想で『自分は宇宙に行くような話ですが、自分たちにも希望が持てた』という感想をいただけて。大きなイベントなんかはフィードバックが見えにくかったりするのですが、このイベントでは子供たちのリアルな声をきけて印象に残っています」

そういったやりがいがある一方で大変なこともあると言います。

「応援してくださる方もいれば、タレント気分じゃないの?みたいなことを言われることもあります。ただ、それだけみなさんから注目されているということがありますね。そこでうまく情報を発信していくということが大事なのかなと思います」

続いて市川さんにも話を聞いてみる。

10 「農業をずっとやりたいと思っていて志布志へ移住しました。地域おこし協力隊をしながら農家の方々と交流していきたいと思ったんです」

市川さんはツーリズムコーディネーターとして、修学旅行の受け入れなどを担当している。

仕事を通して、地域の方とふれあう機会も多いと話します。

「もちろん個人としても地域の行事にはたくさん参加しています。逆に、地域の行事を手伝うことが好きじゃないと志布志の地域おこしは務まらないなと思いますね」

志布志で働く方々は、移住するという機会をチャンスと捉え、ポジティブに働く人が多いように感じる。

11 志布志に根付く人の面白さや環境の良さがここにはたくさんあるように思いまいした。

まだ開拓しきれていない可能性を少しでも感じた方々は、ここでできることがたくさんあるように思います。

ゆっくりとした時間、何もない環境、豊かな自然。

活かし方は様々ですが、志布志市の地域おこし協力隊で働くということは、そんな環境で働ける面白さがありました。

(2016/01/15 浦川彰太)