※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。
CityLights Tokyoは不動産のプロデュース会社です。でもこれだけでは、この会社のことをうまく伝えられていない。もう一言付け加えるならば「とことん考えている会社」だと思います。

別荘を紹介するサイト“休日不動産”では、別荘でどう過ごしたいか考えながら探すことができる。
「もし自分が借りる立場だったら、何を必要とするのだろう?」ということをとことん考えている。そして写真を撮り、文章を添えて、素敵な空間を紹介しています。
同じように会社で働くスタッフのことも、どうしたらよりよく働いていけるか、深く考えているように思います。さらに自分たちのオフィスがある表参道の街のことまで考えている。
今回募集するのは、オフィス物件の発掘から契約まで、一連の流れを担当する不動産営業の人です。まずは宝探しのように物件をさがして、写真を撮ることからはじまると思います。
表参道駅からすぐ。CityLights Tokyoは街のど真ん中にあります。青山通り沿いにあるビルの入口を入って階段をあがっていくと、事務所がありました。

大きな窓からは青山通りと青山学院がよく見える。
「TOKYO WORKSPACEはけっこうパキっとしたオフィス物件を扱っているんですけど、ぼく自身はけっこう古いものが好きなんですよね」
そう話すのは代表の荒井さんです。

もともと大手不動産会社出身の方です。
そのあと家具屋IDEEの関連不動産会社、空間デザイン会社での不動産事業部立ち上げなどを経て、2011年に独立しました。
あらためてTOKYO WORKSPACEについて話を聞いてみます。
「建築って、つくるときは建築家やオーナーさんの想いがあるんですけど、実際に運用がはじまって賃貸で何回転かすると、その人たちの想いってどんどん後ろにいっちゃうんです」
「不動産会社も、できるかぎり労力をかけずに新しい入居者を探そうとする。この業界って、オンラインのなかだと手間がほとんどかけられない状態がずっと続いていたと思うんですね」

「スタッフみんなに言っているのは、空間のお見合い写真を撮ってくる気でいきなさいと」
お見合い写真。
「そうです。それぐらいひとつの空間に対して愛情を注いでもいいのかな、みたいな」
「撮影させていただくために、オーナーさんに立ち会っていただくんですよ。何度も手間をかけるわけにはいかない。夏は閉めきった部屋でサウナ状態ですよ。自分たちが借りてもいないからエアコンをつけるわけにいかないし、窓を開けるとビジュアルが変わっちゃったりするから耐えるんです」
こんなふうに一つひとつの物件を大切にする姿勢は、文章を書く場面でも見えてくる。
「たとえば、タイトル。それ自体が物件の個性を引き出すようなものでありたいんです」
実際に読んでみると、いろんなタイトルがある。
たとえば「景色の海へ」という物件は、東京のあらゆる風景が目に飛び込んでくるような場所。

その物件を探しているであろう人の心に、ちゃんと届くように意識されている。
「タイトルの次に、物件にとって大切なのはロケーションだと思っていて。街のカルチャーや、シンボリックな建物に触れたり。そうやって、また一歩、物件に入っていくような導入部分にしなさいと言っています」
「あと、主観で語ろうって言ってて」
主観?
「そう。説明はしすぎないように」
「たとえば、空間に入ると大きな開口部があって、それにより日の光が奥まで届いて気持ちいいとか。ただ事実を述べるよりは、その空間に入ったときの印象と一緒に合わせましょうと」

どういう人が向いているのだろう。
「今回は不動産経験者がいいなと思っています。これまで未経験者が多かったので」
さらにライター経験があるといいけど、そこまで多くは求めないとのこと。
「何よりも大切なのは一緒に働きたいと思う人かどうかですね」
それって、どういうところで判断するんですか?
「うちの面談では、履歴書は自由書式で、あとひとつだけお願いしていることがあるんです。それが好きなモノコトリスト」
「書きなぐりでもなんでもいいんですけど、その内容がドンピシャな人がいい。類は友を呼ぶじゃないですけど、共通項があればだいたい外れないんですよね。あとは深みがある人」
深みですか。
「広く浅く、も評価できる考え方なんですよ。ぼくも本来は広く浅い人間。ただ、今ネットとかで情報があふれている時代なので、キリがないんですね。だから逆に世のなか全体の動きを見ながらも、いかに深くそこに入り込めるかみたいなものが重要なんです」
「それってすべてにつながると思っていて」
たしかに、この仕事に必要なことは、深く考えられることだと思う。
一つひとつの物件を訪ねて、まだ見ぬ入居者に思いを寄せる。その人が何を求めているのか、何を不安に思っているのか、とことん考えてみる。
「デザインオフィスって、パイが狭いマーケットなんですよ。でも取りこぼしなく拾い集めていけば、それなりのマーケットになる。広くやるんじゃなくて、一つひとつ丁寧にやっていこうと」

ここまで深く考えられるのはなぜなんだろう?
たぶん愛のようなものがあるからじゃないか。
この姿勢は、会社で働くスタッフにも向けられているように感じる。
たとえば「親孝行手当」なるものを昨年は実施したという。両親や家族と食事に行く費用が5万円まで支給されるというもの。
社員旅行も積極的に行っているようです。去年は2回行った。

「あとは営業って、お互いにライバルじゃないですか。切磋琢磨することは必要だと思うのだけれども、自分さえよければいいっていう考えはあんまり美しくないなと思っていて」
そんな環境をつくるためにも、能動的にほかの人をサポートすると、その成果を気持ちよくわけられるルールもつくっている。
「うちはノルマがないんですよ。なぜなら、もし売上が足りない営業マンが担当になったらどうなりますか。もし契約してくれればノルマが達成できるなら、熱心になります」
「時間に追われて、数字を追う思いが強くなりすぎて、相手にとってベストではない物件でまとめてしまうかもしれない。だから単月ごとのノルマは設定すべきではないと思っているんです。引越しって、すごい人生が変わるんですよ」
たしかに、一人ひとりの人生を預かるようなものかもしれない。
自分を律することができて、贈り物をするように働くことができたら、相手も自分も幸せになっていく仕事なんだと思います。
こんな荒井さんと働いているのが綱川さんと諏訪部さんです。二人とも建築出身。

すると諏訪部さん。
「そうなんですよ、急に決まって。年末に結婚を決めて、1月1日に籍をいれたんです」
なんだか、仲のよさが伝わってくる。
まずは綱川さんに話を聞いてみます。
建築を学んだあとに、不動産の仲介や開発などの仕事をしていたそうです。
「不動産屋って、正直あまりいいイメージがなくて。でもここは面白かった」

「うちの仕事はルーティンというか、これをやらなきゃいけないっていう仕事はけっこう少なくて。わりと各自が自由に一日のスケジュールを立ててうまくやっている。セルフマネジメントできないといけないけど」
「やりたいようにやれるチャンスがある。ただ会社に入るっていうよりも、自分の意思で参加できるっていうのはすごくいいなと思います」
今は内装の仕事にも興味があるようで、仕事と自分の時間がちゃんと連続しているように感じました。
もう一人の諏訪部さんにも話を聞きました。きっかけは、日本仕事百貨の記事を読んだことなんだそうです。
「北海道の大学で建築を学んで、卒業してオーストラリアに行ったり、また北海道に戻ったり。それでブラブラしていて、ようやく30ぐらいになって東京にたどりついた(笑)不動産がやりたかったわけじゃないんですけど、もともと空間や建物を見るのは好きでした」

仕事はどうですか?
「まずは不動産のデータベースにアクセスして、新着情報をチェックします。数日休んだら置いていかれますよ。よさそうな物件があったら会社のデータベースに登録したり、みんなに『こんな物件あったけど、どう?』って話すんです」
「あとはお客さんが探している条件で物件を調べたり、提案したり。夕方くらいから、物件の写真を選んだりします。基本的に部屋の照明はつけないまま撮影するのがルールなので、撮影は日中になりますね」
問い合わせがあれば物件のご案内もする。ときにはまだ建物が建っていない物件の仲介もするそうです。
一つひとつ、丁寧に楽しんで働いている印象でした。

とことん相手のことを考えられる人なら、自分の存在も大切に感じられる職場だと思います。
ここで働いている自分が想像できるなら、ぜひ応募してください。
(2016/02/08 ナカムラケンタ)